タイトル
生成AIは過去のどのテクノロジーとも異なっています。瞬く間にビジネスと社会を揺るがす存在になりつつあり、リーダーは想定や計画、戦略の見直しを即時的に迫られています。
こうした変化にCEOが対処するための一助として、IBM Institute for Business Valueは生成AIの調査に基づくガイドをシリーズ化し、データ・セキュリティーからテクノロジー投資戦略、顧客体験に及ぶ13のテーマごとのレポートを公表しています(下表参照)。
そして、ここにその全編をまとめ、総括を追加した総集編をダボス会議において公開しました。レポートをダウンロードして、変革を可能とするテクノロジーを用いて勝機をつかむために知っておくべきこと、実行すべきことは何か、包括的なインサイトをご確認ください。
困難な状況に慣れているCEOのもとには最も難易度の高い問題だけがあがってきますが、時にその解決の方法が企業の将来を左右します。
CEOにとって、生成AI導入の判断は極めて重大な意味をもつでしょう。この先端テクノロジーへの適切な投資は巨大な利益を生む戦略的優位性をもたらすかもしれませんが、判断を誤るとデータ・プライバシー、法的責任、または多くの倫理的な問題を引き起こすかもしれません。
CEOは慎重に検討を進めるべきことは理解しつつも、早急に進める必要性も感じています。CEOの64%が、投資家、債権者、金融業者から、生成AIの導入の加速を求める大きなプレッシャーを受けていると回答しています。結果として、生成AIへの投資は今後2~3年で4倍に増加する見込みですが、少なくとも現時点ではAI投資全体のわずかな部分にとどまっています。
CEOが生成AI導入のスピードを速める決め手になるのは何でしょうか?またどうすれば安全かつ責任を持った規模の拡大を実現できるのでしょうか?
企業の60%はまだ生成AIに対する整合性のある、全社的なアプローチを確立できていません。
まず、組織が何を達成したいのか、ゴールが戦略と密接に結びついているのか、またそのビジョンを実現するために何を変える必要があるのかを理解することが必要です。またリーダーは企業の各領域において、どの業務が効率化・拡大できるか、どうすれば生成AIが常により大きな価値をもたらすことができるかを検証しなければなりません。
CEOは組織が変革の途上でさらされるリスクについて掘り下げた知見を必要としています。例えばプライバシー、正確性、説明可能性、そしてバイアスなどは以前から知られていますが、それ以外は全く新たなものとなるでしょう。また適切な監視がなければ、組織は先進テクノロジーを採用する際に内在するリスクを正しく特定、定量化、管理することができません。しかし、企業の60%はまだ生成AIに対する整合性のある、全社的なアプローチを確立できていません。
リスクと利益とのバランスを取る
破壊的変化を生み出す他の技術と同様に、生成モデルを採用する際にはトレードオフがあります。特に企業にとっては、生成AIが生み出す価値と、そのために必要な投資、そして発生するリスクとのバランスを取ることが必要となるでしょう。
しかし、成功には試行錯誤が欠かせません。そのためCEOは運用モデルの見直しと再構築に取り組み、生成AIの機能横断的な理解、導入プロセスの効率化、組織全体でのビジネス価値向上を実現することが求められています。
IBVは、CEOが生成AIへのアプローチについて俯瞰的に考え、急激に進む全社的な変革を管理できるよう、調査に基づく一連のガイドを公開しています。生成AIがビジネスに最大の影響をもたらす各機能領域については以下のリンクをご覧ください。
CEOのための生成AI活用ガイド・シリーズ一覧
公開リンクと予定
テーマ領域
当ページのインサイトは、IBVとOxford Economics社による生成AIに関する2つの独自調査に基づいています。1つ目の調査は200人の米国のCEOを対象に、また二つ目の調査はより広範に米国、英国、オーストラリア、シンガポール、ドイツ、そしてインドの369人の経営層を対象に行ったものです。どちらの調査も2023年4~5月に実施されました。
発行日 2023年7月28日