X コマンド

目的

X サーバーを始動させます。

構文

X-a Number ] [  -auth FileName ] [  -bc +bc ] [  -bp Color ] [  -broadcast ] [  -bs -nobs ] [  -c Volume ] [  -cc VisualType :Display ] ] [  -class DisplayClass ] [  -co File ] [  -cookie XDMAuthenticationBit ] [  -D File ] [  -d Depth :Display ] ]  -displayID DisplayID ] [ -damage | +damage ] [ -evie | +evie ] [  -f Number ] [ -fc Font ] [ -fixes | +fixes ] [ -fn Font ] [  -fp Font ] [ -help ] [  -I ] [  -indirect HostName] [ -layer # :Display ] ] [  -logo nologo ] [  -n :Number ] [  -once ] [  -P RowColumn  Display } ] [  -pbuffer level [:display name | :display number] ] [  -p Number ] [  -port PortNumber ] [  -query HostName ] [  -r r ] [ +render | -render ]-s Number ] [ -secIP [PermissionCode]] [ -secLocal [PermissionCode]] [ -secSMT [PermissionCode]] [ -stereo [:Display]] [  -su ] [  -T ] [  -t Number ] [  -to Number ] [  -v ] [ -vfb ]-wm ] [  -wp Color ] [  -wrap | [  -wrapx ] [  -wrapy ] ] [  -x ExtensionName ] [ -xkbdir Directory ] [ -xkbmap FileName ] [ [+|-]accessx ] [ -ar1 Milliseconds ] [ -ar2 Milliseconds ] [ -sp FileName ] [ +/- xinerama FileName ]

説明

X コマンドは X サーバーを始動します。X サーバーとは、ビットマップ端末上で実行されるディスプレイ・サーバーのことです。X サーバーは、ホスト・システムまたはネットワークでホスト・システムに接続されたシステム上にあるプログラムとの間で相互に入出力要求を配布します。

拡張 X Window システム セッションは Ctrl+Alt+Backspace キー・シーケンスを使用して終了します。

ディスプレイ・デバイスは、1 つでも複数でも指定できます。 ディスプレイ・デバイスを指定しなければ、デフォルトですべてのディスプレイ・デバイスが対象になります。 デフォルトの構成順は、アダプター・スロットの順序によって決まります。 最初のスロット内のアダプターが左端の画面として初期化され、第 2 のスロット内のアダプターが右隣の画面となります。 画面レイアウトを変更するには、-P フラグを使用します。-P フラグを使用すると、デバイスの行と桁がデバイス名に関連付けられます。lsdisp コマンドを使用すると、デバイス名を判別することができます。

2 台のディスプレイは縦または横に配列されます。以下の例は、横方向の配列を指定する -P フラグを示しています。


-P11 ppr0 -P12 ppr1

2 番めの -P フラグの右側の 2 は、2 つめのモニター表示が x 軸に沿って平行であることを示します。 これにより、横方向の配列が生成されます。

         Display                        Display
                  1                                  2

2 台のモニターを縦方向の配列で表示するには、-P フラグを以下のように使用する必要があります。

-P11 ppr0 -P21 ppr1

最初の位置にある 2 は、モニターが y 軸に沿って縦方向に配列されていることを示します。


         Display
                  1
         Display
                  2

横方向の構成では、マウスはディスプレイ 1 内で左から右へ移動し、ディスプレイ 1 とディスプレイ 2 のボーダーに達すると、カーソルはそのままディスプレイ 2 の同じ y 軸の位置に移動します。カーソルがディスプレイ 2 の端に達したときに、-wrapx フラグが設定されていると、カーソルはディスプレイ 1 の左端の同じ y 軸の位置に表示されます。-wrapx フラグを設定していなければ、マウスはディスプレイ 2 の右端で停止します。

縦方向の構成では、マウスはディスプレイ 1 内で上から下に移動し、ディスプレイ 1 とディスプレイ 2 のボーダーに達すると、カーソルはそのままディスプレイ 2 の同じ x 軸位置に移動します。カーソルがディスプレイ 2 の最下部に達したときに、-wrapy フラグが設定されていると、カーソルはディスプレイ 1 内の上端の同じ x 軸位置に表示されます。-wrapy フラグを設定していなければ、マウスはディスプレイ 2 の最下部で停止します。

そのほかに、情報およびエラー・メッセージ (例えば、拡張子をロードできないことを知らせるメッセージ) が /tmp/xlogfile ファイルにリストされています。このファイルは、X Server が問題を検出した場合に役立つ情報を 提供することができます。このファイルは、X Server がインスタンスを生成するたびに再書き込みされます。 このファイルは追加のエラー情報およびエラー以外の情報を提供しますが、X Server についての 完全なエラー・ログではありません。

X Server は、始動時には、デフォルトのカラー・クラスを使用してる状態で立ち上がります。ドライバーによっては、X Server はデフォルトで疑似カラーまたはトゥルー・カラー のクラスがデフォルトになっている場合もあります。

疑似カラー・クラスは、画面上のカラー表示にカラー・マップを使用します。多くの グラフィックス・アダプターは、1 つのハードウェア・カラー・マップしかサポートしません。そのような場合、デフォルトのカラー・クラスが疑似カラーであって、 アプリケーションがデフォルトのカラー・マップとは異なるカラー・マップを使用していると、画面に誤った色が表示されることもあります。 フォーカスを持つウィンドウのみが、正しい色を表示します。 画面上に誤った色が表示されないようにするには、X Server をトゥルー・カラー・モードで実行することをお勧めします。

-cc X-Server コマンド・フラグを使用して、トゥルー・カラー・クラスを使用した状態で X Server を始動させることができます。/usr/lpp/X11/defaults/xserverrc ファイル を以下の例に示すように変更すれば、これが可能になります。

/usr/lpp/X11/defaults/xserverrc ファイルを、root ユーザーとして編集します。 EXTENSIONS="" 変数を、以下の例に示すように更新します。

#-------------------------------------------------------------------------
# Start the X server in True Color mode
#-------------------------------------------------------------------------
EXTENSIONS="$EXTENSIONS -cc 4"

CDE からログアウトしてリセットをクリックすることにより、X Server を リスタートします。

注: xdpyinfo コマンドを使用すれば、デフォルトのカラー・クラスを確認できます。

フラグ

項目 説明
-a Number マウスの移動の加速率を指定します。例えば、5 という値を指定すると、カーソルは、マウスの 5 倍の速度で移動します。デフォルトは 4 ピクセルです。この値には、0 より大きい正の数を指定しなければなりません。
-auth FileName MIT (マサチューセッツ工科大学) magic cookie を読み取るファイルに X を指定します。
-bc 拡張 X Window システム バージョン 1.1 への下位互換性をオフにします。
+bc 拡張 X Window システム バージョン 1.1 への下位互換性をオンにします。これはデフォルトです。
-bp Color ディスプレイのブラック・ピクセル・カラーを指定します。デフォルトは、ディスプレイによって異なります。
-bs すべての画面上でバッキング・ストア機能のサポートを使用できるようにします。デフォルトでは、バッキング・ストア機能のサポートは使用不可になっています。
-c Volume キー・クリックのボリュームを指定します。
-cc VisualType [:Display] ディスプレイ名で指定した画面のルート・ウィンドウに使用する表示タイプを指定します。すべての表示タイプが、すべてのアダプター上のすべての奥行きで使用できるわけではありません。:Display パラメーターは任意指定ですが、マルチヘッド・オプションを使用する場合に便利です。 :Display パラメーターは、 lsdisp コマンドで表示されるディスプレイ名です。ディスプレイ番号もディスプレイ名も指定しない場合、すべての画面に対して、指定した表示タイプが選択されます。

デフォルト表示に対し表示タイプを指定するには -cc フラグを、奥行きを指定するには -d フラグをそれぞれ使用します。

VisualType パラメーターに対する値は、以下の文字列か数値で指定します。

String  Numeric equivalent
StaticGray		0
GrayScale		1
StaticColor		2
PseudoColor		3		
TrueColor		4
DirectColor		5	
-co File 赤、緑、青 (RGB) カラー・データベースの名前を設定します。これは、カラー・データベースのデフォルトのフラグです。
-D File カラー定義データベース・ファイルの絶対パス名を指定します。デフォルトは /usr/lib/X11/rgb です。
-d Depth[:Display] ディスプレイ名で指定した画面のルート奥行きを指定します。すべての表示タイプを、すべてのアダプター上のすべての奥行きで使用できるわけではありません。

:Display パラメーターは任意指定ですが、 マルチヘッド・オプションを使用する場合に便利です。 このパラメーターは、-P フラグで渡される値に対応しなければなりません。 :Display パラメーターは、 lsdisp コマンドで表示されるディスプレイ名です。 :Display パラメーターを指定しない場合、 マルチヘッド・オプション (-P フラグを参照) で選択したすべてのディスプレイに対して、 指定した奥行きが選択されます。

-damage X Damage 拡張機能を使用不可にします。
+damage X Damage 拡張機能を使用可能にします。
-evie X Event Interception 拡張機能を使用不可にします。
+evie X Event Interception 拡張機能を使用可能にします。
-f Number ビープ音のボリュームを指定します。デフォルトは、-1 (中) です。以下の値を指定できます。
値                  設定
0                   オフ
1-33-1 または 34-6667-100
-fc Font カーソル・グリフおよびカーソル・マスク用のカーソル・フォントを指定します。デフォルトは、オペレーティング・システムとディスプレイによって異なります。
-fixes X Fixes 拡張機能を使用不可にします。
+fixes X Fixes 拡張機能を使用可能にします。
-fn Font デフォルトのテキスト・フォントを指定します。デフォルトは、オペレーティング・システムとディスプレイによって異なります。
-fp Font フォント・パスを指定します。
-I コマンド・ライン上の以降の引数をすべて無効にします (i の大文字)。
-help 使用方法メッセージを出力します。
-layer #[:Display] デフォルトの表示が # 層にあることを指定します。 :Display パラメーターは、 lsdisp コマンドで表示されるディスプレイ名です。 オーバーレイを持たない、または 8 ビットより小さなオーバーレイを持つアダプターに対しては、 このフラグを指定しても無効になります。 サポートする層より大きな番号の # をこのフラグに指定すると、 スクリーンのデフォルトの層にあるデフォルトの表示を指定したことになります (つまり、 -layer フラグを指定しないのと同じ)。
-logo スクリーンセーバーへの X Window System のロゴ表示をオンにします。現在、クライアントがこの状態を変更する方法はありません。
-n :Number 接続番号を指定します。Number パラメーターに有効な値は、0 から 255 までの整数です。デフォルトは、次に使用できる番号です。Number パラメーターは、プログラムが特定の X サーバーと接続するときに使用されます。例えば、以下のコマンドは、
X -n :18

アクティブ化された X サーバーへの通信が、unix:18 か Hostname:18 によって発生することを指定します。

-nobs すべての画面上でバッキング・ストア機能のサポートを使用不可にします。これはデフォルトです。
nologo スクリーンセーバーへの X Window System のロゴ表示をオフにします。現在、クライアントがこの状態を変更する方法はありません。
-once 最初のセッションが終了した後、サーバーが終了することを指定します。通常、サーバーは自動的にセッションを開始します。
-PRowColumn Display マルチヘッド構成の中でディスプレイの物理配置を指定します。Row パラメーターは、ディスプレイの行数を示します。Column パラメーターは、ディスプレイの桁数を示します。

Display パラメーターは、Isdisp コマンドの出力の最初の桁で表示されるディスプレイのデバイス名です。コマンド・ラインに出現する最初の -PRowColumn Display は画面 0 を X サーバーに示し、2 番目は画面 1 を示し、というようになります。

-P フラグは、マルチヘッド・サポートとともに使用するフラグです。

-pbuffer level [ :display name | :display number ] :display により指定された画面の、pbuffer メモリー割り当てレベルを指定します。 このフラグは、GLX 拡張子と結合して使用した場合にのみ有効です。

level パラメーターは、フレーム・バッファー・メモリーの相対的な量を pbuffer 用に予約するよう指示します。 指定値は、0 から 2 までの範囲でなければなりません。 0 の値は、pbuffer 用にメモリーを予約しないよう指示します。 1 の値は、少量のメモリーを予約するよう指示します。 2 の値は、多量のメモリーを予約するよう指示します。 すべてのアダプターが pbuffer をサポートするわけではありません。 サポートしているアダプターでも、すべての画面構成が pbuffer をサポートするわけではありません。 pbuffer 用に予約されるフレーム・バッファー・メモリーの実際の量は、デバイスによって決まり、 画面解像度やデフォルトのピクセルの密度のような、他の要素の影響を受ける場合があります。

:display パラメーターは任意指定ですが、マルチヘッド・オプションを使用する場合に便利です。 :display パラメーターは、lsdisp コマンドで表示されるディスプレイ名です。 ディスプレイの numbername も指定しない場合、 指定の pbuffer 幅がすべての画面に対して選択されます。

-p Number X Window System のロゴの位置が変わる間隔を分単位で指定します。このフラグは、-s (スクリーンセーバー・タイムアウト) フラグと併用して、スクリーンのブランキングを制御します。
-r オートリピートを使用不可にします。 デフォルトでは、オートリピートは使用可能です。
r オートリピートを使用可能にします。
+render X レンダー拡張機能を使用可能にします。デフォルトでは、X レンダー拡張機能は使用不可です。
注: X レンダー拡張機能は、GXT135P、GXT145、GXT4500P、および GXT6500P のグラフィックス・アダプターを装備した X サーバーのみで活動化できます。 システム上で使用可能なアダプターを確認するには、lsdisp コマンドを実行してください。 +render フラグと共に -vfb フラグを指定して、仮想フレーム・バッファーを使用します。
-render X レンダー拡張機能を使用不可にします。
-sNumber スクリーンがブランキングするまで待機する時間を分単位で指定します。デフォルトは 10 分です。この値に 0 を設定した場合、スクリーンセーバーは使用不可になります。
-secIP [PermissionCode] インターネット・ソケットでローカル・アクセス制御を設定します。 PermissionCode は 3 桁の 8 進数字であり、読み取り、書き込み、および実行のビットを設定することができます。 セキュリティー・フラグの後に PermissionCode が指定されていないと、そのソケットに対して、アクセス権はデフォルトで 0 になります。
-secLocal [PermissionCode] UNIX ソケットでアクセス制御を設定します。 PermissionCode は 3 桁の 8 進数字であり、読み取り、書き込み、および実行のビットを設定することができます。 セキュリティー・フラグの後に PermissionCode が指定されていないと、そのソケットに対して、アクセス権はデフォルトで 0 になります。
-secSMT [PermissionCode] 共用メモリー・トランスポート・ソケットでアクセス制御を設定します。 PermissionCode は 3 桁の 8 進数字であり、読み取り、書き込み、および実行のビットを設定することができます。 セキュリティー・フラグの後に PermissionCode が指定されていないと、そのソケットに対して、アクセス権はデフォルトで 0 になります。
-stereo [:Display] Display によって指定された画面用の、 最適のステレオ・サポートのためのグラフィックス・アダプターを構成します。

サポートされる画面は、ステレオを最良にサポートするようにアダプターを構成します。 これにより、テクスチャー・メモリーのような他のリソースが減少することがあります。 影響を受ける実際のメモリーの量はデバイスによって決まり、 画面解像度やデフォルトのピクセルの密度のような、他の要素の影響を受ける場合があります。

Display パラメーターは任意指定ですが、マルチヘッド・オプションを使用する場合に便利です。 Display パラメーターは、lsdisp コマンドで表示されるディスプレイ名です。 ディスプレイ番号もディスプレイ名も指定しない場合、 -stereo フラグがサポートされるすべてのスクリーンに対して適用されます。

サポートされない画面は、-stereo フラグを無視します。

-su すべての画面上でサポート付き保存を使用不可にします。
-T Ctrl+Alt+Backspace キー・シーケンスを使用不可にします。このキー・シーケンスは、デフォルトでは、 AIXwindows セッションと、そこからオープンされたすべてのウィンドウを終了させます。
-t Number マウスしきい値を指定します。デフォルトは 2 ピクセルです。一定の時間の間にマウスが移動した距離がこのマウスのしきい値を超えたとき、加速が行われます。また、加速は、しきい値を超えた距離にしか適用されません。
-to Number 接続検査の経過時間を分単位で指定します。デフォルトは 60 分です。指定した値は 0 より大きな値でなければなりません。
-v -s フラグで指定した時間後に、表示が現在のバックグラウンド・カラーに置き換えられることを指定します。デフォルトでは、-v フラグが使用されていなければ、-s フラグで指定した時間後に、ディスプレイ全体がバックグラウンド・タイルでペイントされます。
-vfb グラフィックス・アダプターを初期化せず、仮想フレーム・バッファー (VFB) を使用して X サーバーを始動します。
-wm すべてのウィンドウのデフォルトのバッキング・ストアに WhenMapped 値を強制設定します。このフラグは、すべてのウィンドウにバッキング・ストアを適用するときに便利です。
-wp Color ホワイト・ピクセル・ディスプレイ・カラーを指定します。デフォルトは、ディスプレイによって異なります。
-wrap マウスのホット・スポットがルート・ウィンドウの上下左右いずれかのボーダーに達したときのマウスの動作を指定します。このフラグが設定されている場合、マウスのホット・スポットが一番左にあるルート・ウィンドウの左端に達したとき、マウスは自動的に、一番右にあるルート・ウィンドウの右端 (y 座標は同じ) に移動します。

また逆に、このフラグが設定されていれば、マウスのホット・スポットが一番右にあるルート・ウィンドウの右端に達したとき、マウスは自動的に、一番左にあるルート・ウィンドウの左端 (y 座標は同じ) に移動します。 このフラグが設定されていなければ、どのルート・ウィンドウでもマウスは左右どちらかの端で止まります。

このフラグが設定されている場合、マウスのホット・スポットが一番上にあるルート・ウィンドウの上端に達したとき、 マウスは自動的に、一番下にあるルート・ウィンドウの下端 (x 座標は同じ) に移動します。

また逆に、このフラグがセットされて、マウスのホット・スポットが一番下にあるルート・ウィンドウの下端に達したとき、 マウスは自動的に、一番上にあるルート・ウィンドウの上端 (x 座標は同じ) に移動します。

-wrap フラグは、マルチヘッド・サポートとともに使用するフラグです。

-wrapx マウスのホット・スポットがルート・ウィンドウの左右いずれかのボーダーに達したときのマウスの動作を指定します。 このフラグが設定されている場合、マウスのホット・スポットが一番左にあるルート・ウィンドウの左端に達したとき、 マウスは自動的に、一番右にあるルート・ウィンドウの右端 (y 座標は同じ) に移動します。 また逆に、このフラグが設定されていると、マウスのホット・スポットが一番右にあるルート・ウィンドウの右端に達したとき、 マウスは自動的に、一番左にあるルート・ウィンドウの左端 (y 座標は同じ) に移動します。 このフラグが設定されていなければ、どのルート・ウィンドウでもマウスは左右どちらかの端で止まります。

-wrapx フラグは、マルチヘッド・サポートとともに使用するフラグです。

-wrapy マウスのホット・スポットがルート・ウィンドウの上下いずれかのボーダーに達したときのマウスの動作を指定します。 このフラグが設定されている場合、マウスのホット・スポットが一番上にあるルート・ウィンドウの上端に達したとき、 マウスは自動的に、一番下にあるルート・ウィンドウの下端 (x 座標は同じ) に移動します。

また逆に、このフラグがセットされて、マウスのホット・スポットが一番下にあるルート・ウィンドウの下端に達したとき、 マウスは自動的に、一番上にあるルート・ウィンドウの上端 (x 座標は同じ) に移動します。 このフラグが設定されていなければ、マウスはどのルート・ウィンドウでも上下どちらかの端で止まります。

-wrapy フラグは、マルチヘッド・サポートとともに使用するフラグです。

-x ExtensionName サーバーが初期化されるときにロードする拡張名を指定します。これは、Display PostScript Level 2 (dps) のような大規模な拡張機能には有用です。 複数の拡張名を指定するときは、このフラグを複数指定することができます。
-query HostName 拡張 X Window システム Display Manager 制御プロトコル (XDMCP) を使用可能にし、指定されたホストに Query パケットを送信します。

-query フラグは、XDMCP とともに使用するフラグです。

-broadcast XDMCP を使用可能にし、BroadcastQuery パケットをネットワークにブロードキャストします。最初に応答した Display Manager がセッション用に選択されます。

-broadcast フラグは、XDMCP とともに使用するフラグです。

-indirect HostName XDMCP を使用可能にし、IndirectQuery パケットを指定したホストに送信します。

-indirect フラグは、XDMCP とともに使用するフラグです。

-port PortNumber XDMCP 用の代替ポート番号を指定します。このフラグは、-query フラグ、-broadcast フラグ、-indirect フラグのどれよりも先に指定しなければなりません。通常、サーバーは 1 つずつセッションを始動します。このフラグを指定すると、最初のセッションが終了した後、サーバーが終了します。

-port フラグは、XDMCP とともに使用するフラグです。

-class DisplayClass XDMCP がディスプレイ固有オプションのリソース索引で使用する追加のディスプレイ修飾子に値を設定します。

-class フラグは、XDMCP とともに使用するフラグです。

-cookie XDMAuthenticationBits XDM-AUTHENTICATION-1 を検査するときに、サーバーとマネージャーとの間で共用される秘密鍵を指定します。

-cookie フラグは、XDMCP とともに使用するフラグです。

-displayID DisplayID Display Manager が -cookie フラグで指定した共用キーを配置できるディスプレイを識別するためのディスプレイ識別コードを指定します。

-displayID フラグは、XDMCP とともに使用するフラグです。

+/- xinerama パノラマ・スクリーンまたは仮想ラージ・スクリーン (VLS) を使用可能または使用不可にします。 ユーザーは、すべてのマルチヘッド環境のすべてのヘッドをラージ・スクリーンとして扱うことができます。

Xkeyboard フラグ

項目 説明
-xkbdir Directory キーボード・レイアウト・ファイルの基本ディレクトリーを指定します。
-xkbmap FileName 始動時にロードするキーボード説明を指定します。
[+|-]accessx AccessX キー・シーケンスを使用可能 (+) または使用不可 (-) にします。
-ar1 Milliseconds オートリピートを開始するまでにキーを押し続ける時間の長さ (ミリ秒単位) を設定します。
-ar2 Milliseconds オートリピートを生成するキー・ストロークとキー・ストロークの間で、 経過させる時間の長さ (ミリ秒単位) を設定します。

セキュリティー拡張フラグ

項目 説明
-sp FileName サーバーが FileName を読み取り、 下記のフォーマットでセキュリティー・ポリシー・ファイルとして解釈するようにします。 ファイルはサーバー始動時に読み取られ、サーバーのリセットごとに再読み取りされます。

セキュリティー・ポリシー・ファイルの構文は下記のとおりです。 表記法: "*" は先行するエレメントのゼロ以上のオカレンスを意味し、 "+" は 1 つ以上のオカレンスを意味します。 foo/bar の解釈では、/以降のテキストを無視します。 これは、次のセクションの foo のインスタンスを区別するために使用されています。

policy file ::= version line other line*
version line ::= string/v '¥n'
other line  ::= comment | access rule | site policy | blank line
comment ::= # not newline* '¥n'
blank line ::= space '¥n'
site policy ::= sitepolicy string/sp '¥n'
access rule ::= property property/ar window perms '¥n'
property ::= string
window ::= any | root | required property
required property ::= property/rp | property with value
property with value ::= property/rpv = string/rv
perms ::= [ operation | action | space ]*
operation ::= r | w | d
action ::= a | i | e
string ::= dbl quoted string | single quoted string | unquoted string
dbl quoted string ::= space " not dqoute* " space
single quoted string ::= space ' not squote* ' space
unquoted string ::= space not space+ space
space ::= [ ' ' | '¥t' ]*

文字セット:

not newline ::= any character except '¥n'
not dqoute  ::= any character except "
not squote  ::= any character except '
not space   ::= any character except those in space
 

前述の構文に関連したセマンティクスは、下記のとおりです。

version line
ファイルのこの最初の行は、ファイル・フォーマットのバージョンを示します。 サーバーは、バージョン string/v を認識しない場合、残りのファイルを無視します。 ここで説明しているファイル・フォーマットのバージョン文字列は、version-1 です。

version line から先は、上記の構文に一致しない行は無視されます。

comment
行は無視されます。
sitepolicy
現在の行は無視されます。 これらは、XC-QUERY-SECURITY-1 許可メソッドによって使用されるサイト・ポリシーを指定するためのものです。
access rule
この行は、property/ar という名前の X Window 属性に影響を与える、 非トラステッド・クライアントの要求にサーバーが反応する方法を指定します。 このセクションの残りの部分は、access rule の解釈を説明します。

property/ar の特定のインスタンスに適用する access rule の場合、 property/ar は、window によって指定される一連のウィンドウ内のウィンドウ上になければなりません。 windowany の場合、この規則はすべてのウィンドウ上の property/ar に適用されます。 windowroot の場合、この規則はルート・ウィンドウ上の property/ar に適用されます。

windowrequired property の場合、下記が適用されます。 required propertyproperty/rp の場合、 値に関係なく、この規則はウィンドウに property/rp もある場合に適用されます。 required propertyproperty with value の場合、 property/rpv は、string/rv によって指定された値も持たなければなりません。 この場合、属性は STRING のタイプで、フォーマットは 8 にする必要があり、 1 つ以上の null で終了する文字列を含める必要があります。 いずれかの文字列が string/rv に一致する場合、この規則が適用されます。

文字列突き合わせの定義は、単純な大/小文字を区別する文字列比較です。 string/rv で文字 '*' のオカレンスは、「任意の文字列」を意味するワイルドカードです。 string/rv には、文字列の任意の場所に複数のワイルドカードを含めることができます。 例えば、x*x で始まる文字列に一致し、 *xx で終わる文字列に一致し、 *x*x を含む文字列に一致し、 x*y*x で始まり、その後に y を含む文字列に一致します。

特定の property/ar に複数の access rule を存在させることができます。 規則は、ファイル内の順序でテストされます。 一致する最初の規則が使用されます。

 
perms
非トラステッド・クライアントが試行できる操作と、 それらの操作に応じてサーバーが取るアクションを指定します。
operation
r (読み取り)、w (書き込み)、または d (削除) のいずれかにできます。 下記の情報は、X プロトコル属性要求が、 X コンソーシアム・サーバー・インプリメンテーションでの操作にどのようにマップするかを示しています。
GetProperty
r、または delete = True の場合は r および d
ChangeProperty
w
RotateProperties
r および w
DeleteProperty
d
ListProperties
none、非トラステッド・クライアントは常にすべての属性をリストできます。
action
a (許可)、i (無視)、または e (エラー) のいずれかにできます。
Allow
要求を、トラステッド・クライアントが発行したもののように実行します。
Ignore
要求をノーオペレーションとして扱います。 GetProperty の場合、ignore は、その実際の値に関係なく、 属性が存在する場合は空の属性値を戻すことを意味します。
Error
要求を実行せず、atom を 属性名に設定して BadAtom エラーを戻すように指定します。 エラーは、セキュリティー・ポリシー・ファイルにリストされていないものも含め、 すべての属性のデフォルトのアクションです。

action は、それ以降、次の action> が検出されるまでのすべての operation に 適用されます。したがって、irwad は、ignore read および write、allow delete を意味します。

GetProperty および RotateProperties は、 複数の操作を実行する場合があります (r および d、または r および w)。 さまざまなアクションが操作に適用される場合、最も重大なアクションが要求全体に適用されます。 部分的な要求の実行はありません。 重大度の順序は、allow (許可) < ignore (無視) < error (エラー) です。 したがって、属性の permsired (ignore read, error delete) であり、 非トラステッド・クライアントが、その属性に対して GetProperty を delete = True で試行する場合、 エラーは戻されますが、属性値は戻されません。 同様に、RotateProperties のいずれかの属性が、 読み取りおよび書き込みの両方を許可しない場合、 エラーは属性値を変更せずに戻されます。

 
以下はセキュリティー・ポリシー・ファイルの例です。
version-1

# アプリケーション・リソースは読み取ることはできますが、書き込むことはできません。
property RESOURCE_MANAGER     root      ar iw
property SCREEN_RESOURCES     root      ar iw

# CUT バッファーの使用を試みても無視されます。エラーを与えると apps は
# クラッシュし、アクセスを許可すると多すぎる情報が与えられます。
property CUT_BUFFER0          root      irw
property CUT_BUFFER1          root      irw
property CUT_BUFFER2          root      irw
property CUT_BUFFER3          root      irw
property CUT_BUFFER4          root      irw
property CUT_BUFFER5          root      irw
property CUT_BUFFER6          root      irw
property CUT_BUFFER7          root      irw

# Motif を使用している場合は、これらが必要でしょう。

property _MOTIF_DEFAULT_BINDINGS        rootar iw
property _MOTIF_DRAG_WINDOW   root      ar iw
property _MOTIF_DRAG_TARGETS  any       ar iw
property _MOTIF_DRAG_ATOMS    any       ar iw
property _MOTIF_DRAG_ATOM_PAIRS         any ar iw

# 下記の 2 つのルールは、非トラステッドの場合、xwininfo -tree work を行います。
property WM_NAME              any       ar
# WM_CLASS の読み取りを許可、WM_NAME のウィンドウのみ。
# これは必要以上に限定的かもしれませんが、
# 必要な属性 機能をデモンストレーションし、さらに
# "トップレベルのウィンドウのみ" と表示させます。
property WM_CLASS             WM_NAME   ar

# 次の 3 つは xlsclients 作業を非トラステッドにします。
# これらを含める前には、十分な考慮が必要です。クライアントのマシン名や
# コマンドを与えると多すぎるほどの情報が得られます。
property WM_STATE             WM_NAME   ar
property WM_CLIENT_MACHINE    WM_NAME   ar
property WM_COMMAND           WM_NAME   ar

# 非トラステッド・クライアントに、
# xstdcmap で作成した標準カラー・マップを使用させるには、下記の行を指定します。
property RGB_DEFAULT_MAP      root      ar
property RGB_BEST_MAP         root      ar
property RGB_RED_MAP          root      ar
property RGB_GREEN_MAP        root      ar
property RGB_BLUE_MAP         root      ar
property RGB_GRAY_MAP         root      ar
# 非トラステッド・クライアントに xcmsdb で作成した
# カラー・マネージメント・データベースを使用させるには、下記の行を指定します。
property XDCCC_LINEAR_RGB_CORRECTION    rootar
property XDCCC_LINEAR_RGB_MATRICES      rootar
property XDCCC_GRAY_SCREENWHITEPOINT    rootar
property XDCCC_GRAY_CORRECTION          rootar


# 変わった属性名やエラー条件の明示的な指定
property "property with spaces"         'property with "'aw er ed

# ウィンドウが "son" で終わる値の属性 OhBoy も持つ場合、Woo-Hoo を削除可能です。
# 読み取りおよび書き込みは、エラーを発生するでしょう。
property Woo-Hoo              OhBoy = "*son"ad

X レンダー拡張機能を使用して X サーバーを始動するには、以下のコマンドを入力してください。
$X -T -force :0 -vfb -d 32 +render
この例では、X サーバーは、レンダリング用に物理的なグラフィックス・アダプターを使用する代わりに、仮想フレーム・バッファー (VFB) を使用します。