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パナソニックとIBMが発表したデジタル版コンシェルジュ・サービスとは

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ホテルの鏡がご案内?!

CES(Consumer Electronics Show)2017でパナソニックとIBMは、IBM Watsonを搭載したデジタル版コンシェルジュ・サービスを共同で発表した。このサービスはホテルやホスピタリティー業界向けに設計されたデジタル機能を備えたミラーを通じて提供されるもので、旅行者はよりスムーズに情報を得ることが可能になる。

 

デジタル版コンシェルジュとは?

今回のデジタル版コンシェルジュは、IBM WatsonとIBM Cloudを搭載したデジタル機能を備えたミラー。音声入力とタッチ機能が付いている。ホテルの宿泊客は、このデジタルミラーを使ってデジタル版コンシェルジュと会話をすることで、ホテルのサービス、ショッピングやエンターテイメント、交通機関や天気など滞在に関する豊富な情報をすばやく取得できる。近隣のレストランのおすすめを聞くことやルームサービスを頼むことも可能だ。

このミラーを活用したデジタル版コンシェルジュは、ホスピタリティー業界に革新的なデジタル・ソリューションとなることが期待されている。ホテル滞在中にフロントに電話をしたりネットで調べたりする手間が省け、1枚のミラーで全てを済ませられるようになるからだ。パナソニックが公開した動画では、ホテルの客とデジタル版コンシェルジュがスムーズに会話する様子を映し出している。

 

パナソニックとIBMの発表がホスピタリティー業界に与える影響

 

「パナソニックはホスピタリティー業界で、このミラーを使ったデジタル版コンシェルジュ・サービスの他にも、いくつかのコネクティッド・ソリューションのニーズがあると認識している。IBMと協力して、Watsonを活用しながら、コネクティッド・ソリューションのビジョンをさらに進化させ、より自然な認知機能を備えた豊富な機能パッケージをエンドユーザーに提供する予定だ」(パナソニックAVCネットワークス社 *1)

 

もちろんIBMの技術だけではない。パナソニックが開発したLinkRay*2 とも連携している。LinkRayとは可視光通信技術を発展させ、対応の発信機が発する可視光に専用アプリをダウンロードしたスマホをかざすだけで、情報を読み取れる技術だ。

利用者のスマホアプリと容易に統合できるため、この技術はクラウドを介した位置情報ベースのサービスやコンテンツ消費に関する顧客の体験を豊かにするための新しい機会を作ることができるという。

IBMエレクトロニクス・インダストリーでグローバル・マネージング・ディレクターを務めるブルース・アンダーソン氏も「IBM Watsonは利用者を深く理解し、個々の利用者に最適な顧客体験やおすすめを提供する。パナソニックとともに、コグニティブの力でホスピタリティー業界に新次元のサービスレベルをもたらすことで、顧客のブランド・ロイヤリティーをさらに高めることが可能になるだろう」と意気込みを見せる。

ホテルやホスピタリティー業界へのAI導入のメリットは、単に利便性が高まることだけはなく、競争が激しい業界の中で差別化を図るための、生き残りをかけた選択でもある。利用者はデジタル版コンシェルジュを活用することで、旅行や出張という日常から離れた空間で、より快適で創造的な時間を過ごすことができるようになる。その結果、顧客体験がさらに向上するのだ。

 

*1 2017年4月1日よりコネクティッド・ソリューションズ社に社名を変更
*2 「LinkRay」は、パナソニック株式会社の商標です。

 
「Digital Concierge – Advanced Smart Mirror with IBM Watson #PanasonicCES 2017

 

2017年11月1日、BluemixはIBM Cloudにブランドを変更しました。詳細はこちら