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IBM Transformation Index: State of Cloud

クラウド・トランスフォーメーションの利点は、様々な価値観の中で成り立っています。企業のクラウド戦略を比較検討することは、まさに理にかなったことなのです。

企業のクラウドへの取り組みは、すべて同じではない。

クラウド導入の初期効果を、実現できていると考える企業は全体のうち86%である。しかしある企業のクラウド導入の価値が十分満足いくものであっても、すべての企業で同じように考えられるとは限らない。価値に対する基準には、ばらつきがある。

クラウドの価値を最大化させる道のりは、多くの企業にとって(もや)に包まれている。経営層が考えるクラウド・ジャーニーの現在地と、実際の進捗状況の間には、大きな隔たりがある場合が少なくない。

クラウド変革の進捗状況を把握する

クラウド導入の過程を、今こそ入念に点検すべきである。クラウド導入やクラウド変革全体における進捗状況をしっかり把握できる手段があれば、経営層はロードマップをより効果的に描きやすくなる。

IBM Transformation Index: State of Cloudは、このような見解を提供し、組織がさまざまなクラウド分野で業界や地域のクラウド基準に対してどのような状況にあるかを測定することを可能にする。このインデックスは、12カ国、23業界の3,000人以上のITおよびビジネスの意思決定者を対象とした調査に基づいており、企業にとって最大の課題や機会を明らかにする。

IBM Transformation Index: State of Cloudの概要

What does the IBM Cloud Transformation Index consider?

クラウド変革において、多くの企業はどのような状況にあるか?

Where are most enterprises on their cloud journey?

IBM Transformation Index: State of Cloudの100点満点のスコアでは、「中間レベル」に43%の企業が位置し、ここに分類される企業が最も多かった。これらの企業群は、クラウド導入の道のりにおいて中程度までの進捗を遂げていることが分かった。

「中間レベル」を超える企業の割合は現在のところ、世界で27%にすぎない。これらの企業が、インデックスの「高度」カテゴリーに分類される。

全体の約3分の1(30%)の企業はまだ道を模索している段階で、これらの企業はインデックスの「初期」カテゴリーに分類される。

クラウド戦略における次の一手を考える

多くの企業がクラウド導入により短期的に得られる初期効果を使い果たし、社内のスキルが不足しているなかで、より複雑なクラウドへの取り組みに移行するのは険しい道のりとなる(この点に関する詳細と、クラウドに関する現状については、レポートよりご確認ください)。

最適なアクション・プランは企業によって異なるが、どの企業にとっても共通したファースト・アクションが推奨される。ハイブリッド・クラウドを使いこなしている組織には、いくつかの共通点がある。

ディープ・クラウドを検討する

多くの企業において、従来のテクノロジーによるプロジェクトから得られる利益は減少しつつある。そうした事態を回避するために、デジタル技術を活用したビジネスプランを阻害する、典型的な兆候がないかを、まず探すべきだ。例えば、プロジェクトの数が増えすぎていないだろうか。それぞれのチームの仕事量は適切だろうか。クラウドやデータ、ソフトウェア、AIなどを使った従来型のコスト最適化は、漸進的にしか結果をもたらさない。それは、そうなるように設計されているからである。飛躍的に改善させるには、システムの再設計が必要になる。企業の中核をなすビジネスにおいて、パフォーマンスを大幅に改善したいのであれば、最も重要なバリュー・ストリームにクラウドを適用する技術であるディープ・クラウドの導入を考えてみるべきだ。

一時しのぎの策としない

ビジネス戦略を策定する際には、ハイブリッドクラウドの導入を後付けで考えるのではなく、最初から組み入れるべきだ。ビジネス・エコシステム全体を、クラウドの視点から総体的に俯瞰する。ビジネスをデザインする時点から、クラウド環境に外部パートナーを組み込んでおく。

門戸を開く

クラウド変革戦略を設計する際には、部門横断的なインプットが必要になる。技術的な意思決定を行う場には、事業部門とIT 部門の両方のメンバーを、半数ずつ招集すべきである。組織全体から情報をくみ上げ、ロードマップを作成する際には、それらを十分に反映させなくてはならない。

セキュリティーはゼロトラストにこだわる

サイバー攻撃が当たり前の世の中で、セキュリティーを確実にするためには、複数の側面からの同時攻撃に備えなくてはならない。そのためにはサイロ型ではなく組織全体で、先進的なセキュリティー技術を導入する必要がある。ゼロトラスト・セキュリティーの概念を取り入れて、パートナーを含めたエコシステム内のネットワークを保護し、クラウドへの投資をより有効に活用できるようにする。

より透明性の高いクラウド・トランスフォーメーション

企業は、クラウド変革の状況を明確かつ公平に把握することで、無駄な努力を避け、コンポーネントごとに正確かつ着実に進展を始めることができる。

 

調査結果やクラウドの現状については、レポートよりご覧ください。


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発行日 2022年12月13日

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