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データセンターから始まるITサステナビリティー

二酸化炭素排出量を削減したいと考えている企業は 、サステナビリティーの目標を責任あるコンピューティングとグリーンIT にまで拡大する必要があります。

最適化、効率性、および変革は、今日のビジネス・リーダーが指針としているコンセプトです。その理由は、これらがビジネスにとって有利なだけではなく、環境にも有益だからです。実際に、経営陣はますますサステナビリティーをビジネスの中核に取り入れています。

組織がサステナビリティーのロードマップを作成し、追求するとき、そこにはビジネスと環境の両方により良い結果をもたらすことができる重要な手段、つまりデジタル・テクノロジーが存在します。

情報技術(IT)企業においては、通常、相互に関連する4つの主な炭素排出源 があり、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが必要とされています。

 

  • データセンター:国際エネルギー機関(IEA)によると、世界中のデータセンターは合計で200~250テラワット時(TWh)の電力を消費しています。これは、世界の電力需要の約1%に相当し、全世界の二酸化炭素排出量の約0.3%に相当します。
  • ビッグデータと分析 :データセンターの容量およびデータセンターへの供給電力の需要を主にけん引するの は、オンプレミスとクラウドを活用した両方の計算能力へのアクセスと共に、意思決定を支援するデータ主導型の分析に対する旺盛な意欲です。
  • セキュリティー:データがこれまで以上に多くのビジネス・プロセスや意思決定に浸透するにつれて、セキュリティーの必要性もそれに応じて増大します。暗号化メカニズム、アプリケーション・セキュリティー、ブロックチェーン、およびCPUを集中的に使用するアルゴリズムによって、ソフトウェアのエネルギー需要が増加し、二酸化炭素排出量も増加する可能性があります。
  • インターネット消費:2020年には世界のインターネット・トラフィックが40%以上急増しました。これがパンデミック前のデジタル・サービスに対する需要の増加と相まっ て、2010年以降、世界中のインターネット・ユーザーの数は2倍に、世界のインター ネット・トラフィックは15倍に拡大しています。インターネット・トラフィックが増加し続ける中、IT炭素排出量も増加します。

グリーンIT(IT運用において環境に配慮したツールと慣行を取り入れること) は、サステナビリティ―とデジタル化の融合により、企業の社会的責任を新しく体現するものとなってきています。

テクノロジーがサステナビリティーのカタリストとなるにつれて、クラウド・コンピューティングとハイブリッドクラウドは、企業によるサステナビリティーへの取り組みを成功させるための主軸となるでしょう。

ハイブリッドクラウドを使用すると、組織はサステナビリティーの成果を推進するために必要な可視性、統合、お よび機能を実現できます。

それだけでなく、クラウド自体が環境に与えるインパクトも非常に大きい場合があります。クラウドベースのソフトウェアは、コンピューターやモバイル・デバイス上で動作しますが、実際には遠隔地にあるデータセンターのハードウェア上に存在します。ソフトウェア自体はエネルギーを消費しませんが、プロセッサー、メモリー、ストレージ、 ネットワークなど、ソフトウェアが依存するハードウェアは、間違いなくエネルギーを消費します。

ハイブリッドクラウドでグリーンITへの取り組みが可能に

ハイブリッドクラウドは、ITの「グリーン化」に新たな可能性を切り開きます。そして、CIOは、個々の サーバーやデータセンターのエネルギー効率や排出量に焦点を絞るのではなく、クラウド資産全体とIT運用のサステナビリティー向上に集中できるようになりま す。CIOが自社の二酸化炭素排出量削減への注力を高める際には、データ、ワークロード、アプリケーションにハイブリッドクラウドを利用でき、このことが企業全体のエネルギー消費量の削減に貢献します。

しかし、地球と企業の共通の利益のためにハイブリッドクラウドを導入することは、スイッチの切り替えのような簡単なことではありません。もっと正確に言うなら、ITが環境に与える影響、グリーンITへの取り組みが直面する基本的な課題、そして、炭素集約型のデー タセンター内だけでなく自社のIT運用全体でITをより持続可能なものにするために、組織が講じることのできる重要な手段をよく理解することが必要です。

 

 

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ハイブリッドクラウドがどのように企業全体の省エネを実現し、企業のサステナビリティー目標の達成を支援するか、ぜひ詳細をご覧ください。


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著者について

Sreejit Roy

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, Global Application Modernization and Development Leader, Cloud Application Services, IBM Consulting


Diptiman Dasgupta

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, Associate Director and Executive IT Architect, IBM


Charbak Roy

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, Cloud Solution Architect, IBM


Nalini Manuru Dixit

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, Transformation Consultant, Cloud Advisory, IBM

発行日 2022年5月16日