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新たな経営機能「チーフ・データ・オフィサー」の価値と役割

CDOの役割は組織にまたがる幅広い影響をもたらし、変革と競争優位性を生み出します

CDOの役割を整える

世界中で、チーフ・データ・オフィサー( CDO )が経営組織における重要なメンバーとして位置づけられています。CDO は、データ資産の活用を促進することで、経営層による事業環境の洞察や意思決定を支援します。
 

今日のデータ集約型の環境をマネージする

CDO は、今日の企業にとって、破壊的でダイナミックな世界を切り拓くための解決策であり、ビジネスのニーズと文化に合わせた”オーダーメイド”の役割です。同時に、CDO は、変化する需要を察知し対応するために設計された、中核的な一連の能力で組織を整備・強化する責任を担っています。当社の2015年・分析レポートの調査では、1,225 組織中、422 組織が CDO を設置しており、これは統計的に市場の34%に相当します。また、CDO 機能の設置は2016年も続いており、第1四半期には銀行やヘルスケアから旅行業に至るまで、業種を問わずほぼ毎週新たな CDO が任命されています。
 

なぜCDOを設置する必要があるのか

調査によると、競合他社よりも優れた業績を上げていると答えた回答者の3分の2が、CDOを設置しています。さらに、CDOを設置している組織には以下の特徴があります。
 

事業戦略と連携のとれたアナリティクス戦略をもつ

• 事業戦略と連携のとれたデータ・ガバナンスおよびアナリティクス活用を実施している割合が90%高い

• ビッグデータとアナリティクスについての戦略を策定している割合が70%高い
 

アナリティクスの活用が進んでいる

• 企業内で広くビッグデータとアナリティクスのテクノロジーを採用している割合が80%高い

• HadoopやSparkなどのプラットフォームを導入済みである割合が50%高い
 

競合他社よりも高い業績を達成している

• 競合他社よりも高い業績を達成している割合が30%高い

• 競争力の獲得を目的として、データやアナリティクスを活用している割合が50%高い
 

このような効果が既に表れているため、今後さらに多くの企業が CDO を設置することが予想されます。しかし、CDO 職の設置を試みたものの、その役職の定義に苦慮したまま現在に至る企業も少なくありません。その結果か、他のポストと比較して CDO は非常に入れ替わりが激しく、2年以上継続してこのポストに就いていると答えた回答者はほとんど存在しませんでした。

この入れ替わりの激しさの一員と考えられるのが、CDO に任される業務範囲の広さです。CDO 機能に関連する領域は幅広い上に、定められた形式もまだ存在しません。50人の CDO に自身の役職について調査を行ったとしても、全員が異なる業務内容、求められる資格、仕事への取り組み方を回答するでしょう。どの企業も、自社の目標や能力に合わせて、この役職を定義しようと苦心しているのです。

本レポートは、CDO の役割の定義にあたって定めるべき項目を整理することで、企業の経営者を手助けすることを目的としています。本書の分析は、IBM Institute for Business Value による 2015年のアナリティクス調査と 2015年の CDO 調査に加え、世界中の CDO および当該分野の有識者への公式・非公式のヒアリング調査の結果をもとに行ったものです。

本レポートにおいては CDO を新しく設置する際と設置後において企業が考慮すべきポイントを、企業のデータ活用成熟度の段階に分けて整理しました。これを指針とすることで経営層は、CDO 職の目的、組織、優先課題についてより適切に定めることができます。CDO 職の導入や見直しを手掛ける経営層が、本レポートの低減や定量・訂正データを参考にすることで、自社ならではの答えにたどり着くことができればと願っています。

詳しくはレポートをダウンロードしてご確認ください。


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発行日 2016年5月2日