ハイブリッドクラウドにおけるアプリケーション・モダナイゼーション

明日のビジネスモデルを支えるテクノロジーが、今日、育っています。

AIは、企業の経営方法と提供するエクスペリエンスを変革しています。IoTのテクノロジーは、企業が急な変化に対応できるようにするリアルタイムのインサイト（洞察）を提供しています。また、クラウド・コンピューティングは、企業が時代を先取りするための最先端のエッジ・イノベーションを可能にしました。

しかし、企業は適切なIT基盤を確立しない限り、これらの急速に成熟するテクノロジーを最大限活用することはできません。そして実際に、多くの企業は莫大な技術的負債を抱えています。彼らは、労力をかけずに、さらにはエンド・ユーザーの期待を裏切らずに、次世代の新しい技術を従来のシステムに統合するのに苦労しています。

「アプリケーション・モダナイゼーション」は単なるITバズワードではなく、ビジネス上の最重要課題です。

企業が変革を乗り越え、イノベーションを加速させるために進化していくには、テクノロジー・アーキテクチャーも併せて成熟させる必要があります。モダナイゼーションは、従来のアプリケーション、ソフトウェア・システム、およびインフラストラクチャーを最新のテクノロジー標準に合わせてアップデートすることで、この変革を推進していくのです。

モダナイゼーションの障壁を乗り越える

「アプリケーションのモダナイゼーション」はIT業界の流行語のように聞こえるかもしれませんが、技術的な優先課題であるだけではなく、ビジネス上の観点からも重要な課題です。モダナイゼーションは、企業が提供する製品、サービス、およびオペレーションを変革する手助けをします。レジリエンスを構築しつつ、変化に迅速に対応し、収益を生み出し、効率を高め、会社全体のコストを削減するのです。

しかしながら、多くの組織はまだモダナイゼーションの旅の始まりにいます。IBM Institute for Business Value（IBV）は、企業がこのプロセスのどこにいるのか、そして何が妨げになっているのかをよりよく理解するために、オックスフォード・エコノミクスと共同で、北米の業種・業務全体で400人以上のトップITエグゼクティブを調査しました。

モダナイゼーションはゆっくり進む
潜在能力を最大限に引き出すのに十分なモダナイゼーションを進めている企業はほとんどいません。

調査によると、経営層はモダナイゼーション・プログラムがどこに向かうべきかを理解しており、ゴールまでの道筋を計画していることが分かりましたが、実際に行動を開始しているのはごくわずかでした。しかし、アプリケーションやデータ、システムなどに関連するビジネス上必要不可欠なワークフローの多くがすでにモダナイゼーションされている、と答えた経営層はわずか27%です。

問題の1つとして、先導するリーダーが十分に、そして全体論的にモダナイゼーションについて把握できていないことが挙げられるでしょう。 リーダーたちは未来のビジネス環境で成功を収めるための戦略ではなく、喫緊の運用目標と段階的な改善に焦点を当てています。  

企業が有意義な進歩をするために必要なものは何でしょうか？この質問に答えるためには、企業が直面する共通の障害を理解することから始めなければなりません。財務、技術、文化、専門知識の障壁を克服することで、アプリケーションのモダナイゼーションが容易になり、エンタープライズ・トランスフォーメーションの旅を前進させることができます。