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Workload Partition(WPAR) - FAQ 基礎編

Question & Answer


Question

Workload Partition(WPAR)に関してよくお問い合わせいただくご質問とその回答です。こちらのページは基礎編です。

Answer


目次

Q1. WPARとは何ですか?

Q2. グローバル環境とは何ですか?

Q3. WPARはどのバージョンのAIXで使用できますか? 別売りのフィーチャーは必要ですか?

Q4. WPARを使うには、プロセッサーやメモリなどのリソースはどれくらい必要ですか?

Q5. WPARにはどのような種類がありますか?

Q6. WPARはどのようにネットワークに接続されますか?

Q7. 今ログインしている環境がWPARかグローバル環境か調べる方法はありますか?

Q8. WPARはどんな用途に使うことができますか?

Q9. WPARの管理方法を教えてください。

Q10. WPARをGUIで管理できますか?

Q11. WPARで使えない機能はありますか?

Q12. サポートされているアプリケーションのリストは有りますか?

Q13. WPAR内ではCPUコアやSMTはどのように見えますか?

Q14. グローバル環境とWPARとのプロセスIDの関係はどのようになりますか?

Q15. WPARにもerrptはありますか? 何が記録されますか?

Q16. 独自のデバイスを使うことができますか?

Q17. カーネル拡張は使えますか?

Q18. WPARに占有のディスク(hdisk)を割り当てることができますか?

Q19. 独自のrootvgを持つことはできますか?

Q20. WPARのユーザーIDは、グローバル環境から独立していますか?

Q21. WPARが使用するCPU、メモリー資源を制限できますか?

Q22. WPARのバックアップ方法は?

Q23. WPARのディスク・キャッシュはグローバル環境と共有ですか?

Q24. WPAR上で使用するアプリケーションのライセンスに関する注意事項はありますか?

Q25. /usr、/opt を共有するWPARにソフトウェアを追加インストールすることは可能ですか?

Q26. システムWPARではどのくらいの粒度でCPUやメモリーの割り当て量を制御できますか?

Q27. あるLPAR上のWPARを別のLPARにクローンすることはできますか?

Q28. 1つのLPAR上に、異なるTL/SPのAIXのWPARを混在できますか?(通常のWPARの場合)


WPAR一般

Q1. WPARとは何ですか?

A1. WPARは、AIXをOSレベルで仮想化し、1つのAIX上で複数の仮想AIX区画を動作させることのできる機能です。カーネルやOS、アプリケーションをWPAR(ゲストOS)とグローバル環境(ホストOS)で共有します。詳しくは、下記の資料を御覧ください。

はじめてのWPAR - Workload Partition (WPAR) (Box) ※4ページを参照

Q2. グローバル環境とは何ですか?

A2. WPARを実行する親となるAIX環境のことを、グローバル環境と呼びます。KVMのような仮想マシン環境でのホストOSに似た考え方です。

はじめてのWPAR - Workload Partition (WPAR) (Box) ※5ページを参照

Q3. WPARはどのバージョンのAIXで使用できますか? 別売りのフィーチャーは必要ですか?

A3. WPARは、AIX 6.1以降でサポートされます。通常のWPAR(グローバル環境と同一バージョンのAIXのWPAR)を使用する場合は、別売りのフィーチャーは必要ありません。

Q4. WPARを使うには、プロセッサーやメモリなどのリソースはどれくらい必要ですか?

A4. ディスクの空き容量60MB以上、AIXグローバル環境の空きメモリー64MB以上の空きが必要です。ただし、AIXグローバル環境に導入されたアプリションの一部がWPARへ再導入されるため、導入されているソフトウエアや構成方法により増加します。

はじめてのWPAR - Workload Partition (WPAR) の導入 (Box) ※5ページを参照

Q5. WPARにはどのような種類がありますか?

A5. WPARには大きく分けてアプリケーションWPARとシステムWPARがあります。アプリケーションWPARは、特定のアプリケーションのみを分離した環 境で動作させるために使用するWPARです。一方、システムWPARはグローバル環境から分離されたAIX環境をそのまま動作させることができるWPAR です。

はじめてのWPAR - Workload Partition (WPAR) (Box)

⇒ 参照: システムWPAR

⇒ 参照: アプリケーションWPAR

Q6. WPARはどのようにネットワークに接続されますか?

A6. グローバル環境のネットワーク・インターフェースへエイリアスとしてWPARのIPアドレスを付加することができます。また、ネットワーク・インター フェースをWPARへエクスポートして使用することも可能です。グローバル環境と独立したルーティング・テーブルを持つこともできます。

はじめてのWPAR - Workload Partition (WPAR) の導入 (Box) ※31ページを参照

⇒ 参照: ネットワーク

Q7. 今ログインしている環境がWPARかグローバル環境か調べる方法はありますか?

A7. コマンドラインからunameコマンドを実行すると確認できます。WPAR上で実行されている場合、"uname -n"はWPAR名を表示し、"uname -W"はWPAR番号を表示します。

⇒ 参照: WPARに対して変更と拡張が行われたAIXコマンド

⇒ 参照: WPAR識別子のリスト作成 

Q8. WPARはどんな用途に使うことができますか?

A8. WPARは、以下の様な場合に最適です。

  • テストや開発用に現在の環境のコピーが必要な場合

  • 不安定なアプリケーションを分離した環境で動かしたい場合

  • 現在導入しているバージョンとは違うバージョンのアプリケーションを導入して使いたい場合

  • 教育用にリソースを節約しつつ、複数のAIX環境が欲しい場合

はじめてのWPAR - Workload Partition (WPAR) (Box) ※14ページを参照

Q9. WPARの管理方法を教えてください。

A9. WPARは、主にコマンドラインやSMITにより管理できます。

⇒ 参照: WPARの管理

はじめてのWPAR - Workload Partition (WPAR) (Box)

はじめてのWPAR - Workload Partition (WPAR) の導入 (Box)

Q10. WPARをGUIで管理できますか?

A10. 別売りのIBM Systems Directorプラグインである"IBM Workload Partitions Manager for AIX"を使用すると、IBM Systems DirectorのGUIやWebブラウザ経由管理することができます。このプラグインは、AIX Enterprise Editionにも含まれているので、AIX Enterprise Editionをご利用の場合は追加費用無しで使用できます。

また、Live Application Mobilityを使用する場合は、"IBM Workload Partitions Manager for AIX"が前提条件となります。

⇒ 参照: ソフトウェアの営業活動終了およびサポート終了: IBM AIX 6、 IBM System Director for Power Systems 、および関連のライセンス・プログラム

Q11. WPARで使えない機能はありますか?

A11. WPARでは、以下の機能は使用できません。

  • PowerHA

  • RSCT

  • NFSサーバー

  • WLM制御

  • WPAR管理

  • カーネル・チューニング

⇒ 参照: WPAR環境における制限と制約

Q12. サポートされているアプリケーションのリストは有りますか?

A12. IBMでは、WPAR上での個別のアプリケーションのサポート情報は公開していませんが、IBM製の主なソフトウエアの多くはWPARでも動作がサポートされています。詳しくは各アプリケーションのサポート窓口へお問い合わせください。

Q13. WPAR内ではCPUコアやSMTはどのように見えますか?

A13. WPARでは、LPARにアサインされたコアがそのまま見えます。また、SMTもグローバル環境と同様に見えます。ただし、CPUリソースはグローバル環境のAIXや他のWPARと共有されます。

たとえば、LPARに3コアが専有で割り当てられていて、グローバル環境がSMT4で動作している場合、そのLPAR上で稼働するWPARも3コ ア・SMT4(12個のLogical CPU)で動作しているように見えます。ただし、実際にはプロセッサーはグローバル環境や同じグローバル環境上の他のWPARと共有されています。

Q14. グローバル環境とWPARとのプロセスIDの関係はどのようになりますか?

A14. WPARではそれぞれのWPARで実行されているプロセスしか見えませんが、グローバル環境からは、WPARのプロセスを含む全てのプロセスが見えます。WPARで見えるプロセスIDと、グローバル環境から見えるWPAR上のプロセスIDは一意です。

Q15. WPARにもerrptはありますか? 何が記録されますか?

A15. WPARではerrptのログをそれぞれ独立に管理しています(各WPAR独自の/varファイルシステムにログが保存されます)。

そのため、errptの出力はそれぞれのWPARに関連した内容のみとなります。

Q16. 独自のデバイスを使うことができますか?

A16. WPARがサポートするデバイスは以下に限られています。

  • ファイバーチャネル接続のデバイス

  • ファイバーチャネル・アダプター

  • 仮想SCSIディスク

⇒ 参照: WPAR内のデバイス

⇒ 参照: バージョン管理されたWPARにおける制限と制約

(注) VIOS経由で使用する仮想SCSIデバイスは、WPARでも使用できます。上記はLPARへ直接接続したデバイスを、WPARへエクスポートして使用する場合の制限事項です。

Q17. カーネル拡張は使えますか?

A17. WPAR上ではカーネル拡張は使用できません。グローバル環境に導入してWPARから使用することになります。なお、32ビットのカーネル拡張は使用できません。

Q18. WPARに占有のディスク(hdisk)を割り当てることができますか?

A18. はい、WPAR作成時にディスクを割り当てたり、作成後にディスクを追加することができます。ディスクをWPARに割り当てるためには、そのディスクがグローバル環境で使用可能状態、または定義済み状態になっている必要があります。

Q19. 独自のrootvgを持つことはできますか?

A19. はい、WPAR作成時に、rootvgに1つ以上の専用のストレージ・デバイス(hdisk)を割り当てることにより、独自のrootvgを持つWPARを構成することができます。このようなWPARはrootvg WPARと呼ばれます。

ただし、WPAR作成後に独自のrootvgを持たないWPARをrootvg WPARに変更することはできません。

Q20. WPARのユーザーIDは、グローバル環境から独立していますか?

A20. はい、WPARはグローバル環境とは独立してユーザーやグループを管理しています。そのため、ユーザー名/ユーザーIDが同じでもWPARとグローバル環境では異なるユーザーとして扱われます。

Q21. WPARが使用するCPU,メモリー資源を制限できますか?

A21. はい、WPAR作成時にシステム・リソース(CPU、メモリー)の使用制限を設定したり、WPARの活動中に動的に使用可能なシステム・リソースを制限することができます。

はじめてのWPAR - Workload Partition (WPAR) の導入 (Box) ※26-29ページを参照

Q22. WPARのバックアップ方法は?

A22. 以下の3通りの方法によりバックアップを実現できます。

  1. AIXのシステム・バックアップに相当するWPAR用のバックアップ・コマンドsavewpar/restwparをグローバル環境から実行する方法

  2. AIXのalt_disk_copyに相当するWPARの代替ブートセットを使用する方法

  3. グローバル環境のmksysbにWPARを含めて取得する方法

はじめてのWPAR - Workload Partition (WPAR) の運用 (Box) ※8-19ページを参照

Q23. WPARのディスク・キャッシュはグローバル環境と共有ですか?

A23. はい、ディスク・キャッシュはグローバル環境とWPARで共有されます。

Q24. WPAR上で使用するアプリケーションのライセンスに関する注意事項はありますか?

A24. 仮想環境でのライセンス体系はベンダー毎に異なりますので、ご使用のアプリケーションのベンダーにご確認下さい。

IBMのソフトウェア製品のライセンスについて下記のサイトが参考になります。

⇒ 参照: Learn about Software licensing(US)

⇒ 参照: Sub-capacity (Virtualization) License Couting Rules - WPAR(英語、281KB)

Q25. /usr、/opt を共有するWPARにソフトウェアを追加インストールすることは可能ですか?

A25. WPAR上に書き込み可能なディレクトリへインストールすることは可能です。たとえば、書き込み可能な /usr/local ディレクトリを追加し、そこへ導入します。もともと書き込み可能なホームディレクトリへ導入することもできます。

ただし、インストール先のパス(ディレクトリー)を変更できないソフトウェアはインストールできません。

Q26. システムWPARではどのくらいの粒度でCPUやメモリーの割り当て量を制御できますか?

A26. 0.01%単位で指定可能です。

Q27. あるLPAR上のWPARを別のLPARにクローンすることはできますか?

A27. はい、savewparコマンドでバックアップを取得し、クローン先でrestwparコマンドでリストアすることにより、WPARをクローニングできます。ただし、クローン元とクローン先でグローバル環境のAIXのレベルを同じにしておくことが必要です。

リストア時に、グローバル環境や既存のWPARとホスト名、ベース・ディレクトリー、ネットワーク構成などが競合する場合があります。解消の方法は下記参照資料をご覧ください。

はじめてのWPAR - Workload Partition (WPAR) の運用 (Box) ※13ページを参照

Q28. 1つのLPAR上に、異なるTL/SPのAIXのWPARを混在できますか?(通常のWPARの場合)

A28. グローバル環境とWPARのTL/SPは、同一であることが必要です(同一でない場合、サポートされません)。そのため、1つのLPAR上にあるWPARのTL/SPは全てグローバル環境と同じということになります。

グローバル環境のTL/SPのアップデート時には、WPARと不整合が生じないように注意が必要です。手順については、下記参考資料を御覧ください。

はじめてのWPAR - Workload Partition (WPAR) の運用 (Box) (525KB) ※25ページを参照

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Document Information

Modified date:
27 December 2019

UID

ibm11164820