IBM Support

Power Systemsのオーバークロックと省電力機能 - EnergyScale

Question & Answer


Question

Power Systemsのオーバークロックと省電力機能 - EnergyScaleとは?

Answer

Power Systemsサーバーは、消費電力の制御とエネルギー効率化を図るEnergyScaleの仕組みを提供しています。

EnergyScaleとは

  • Power Systemsが提供する省電力・エネルギー効率化機能の総称です。
  • サーバーに搭載されているTPMD (Thermal Power Management Device = 消費電力と温度管理用のデバイス。標準搭載) とファームウェアによって制御されます。
  • プロセッサー能力とシステムの負荷状況に応じて、動的にプロセッサーのクロックや消費電力を最適化します。

EnergyScaleの特長

  • データセンターの消費電力を抑えたい場合

例:土日はサーバーを殆ど使用しないので電力消費を抑えたい

(※ グラフはイメージであり、実際の消費電力を保証するものではありません)

img_01

  • システムのパフォーマンスを最優先したい場合

例:夜間バッチでサーバーに負荷がかかるので、バッチ処理中だけクロックを上げてパフォーマンスを確保したい

(※ グラフはイメージであり、実際のクロック周波数を保証するものではありません)

img_02

機能サマリー

  • 以下はPOWER8のEnergyScale機能のサマリーです。
  • サポートされる機能はプロセッサーの種類、及びファームウェアのレベルにより異なります。最新の情報は「参考資料」のWhite paperでご確認ください。

機能

内容

Power Trending

CIMクライアント経由の電力消費情報の収集及びレポート。DCMI経由の限定的な電力消費情報。

Thermal Reporting

CIMクライアント経由の吸気/排気温度情報の収集及びレポート。DCMI経由の追加の熱の情報。

Fixed Maximum Frequency Mode

許容される最大周波数で動作する新しい電力管理モード。ファームウェアFW 810.3及びFW 830から提供。ASMI経由で設定。

Static Power Saver

CPU周波数を下げることによる省電力化時に、予測可能な一定のパフォーマンスを提供。ASMIまたはCIMクライアント経由で設定。

Fixed Frequency Override

システムに許容される最小値と最大値の間で周波数を指定。CIMクライアント経由で設定。

Dynamic Power Saver

プロセッサー・コア周波数が、システム効率を優先するか(該当する場合省電力化する)、電力とパフォーマンスのバランスをとるように調整するかを許可する。コア周波数は100%(公称クロック数)を越える可能性がある。ASMIまたはCIMクライアント経由で設定。

Dynamic Power Saver Tunable Parameters

Dynamic Power Saverモードの動作を特定のシステム、または負荷のニーズに合わせて修正。ASMI経由で設定。

Idle Power Saver

システムがアイドル状態の時にエネルギー消費を抑える。ASMI経由で制御。

Power Capping

システムにユーザー指定の電力予算を執行する。CIMクライアントまたはDCMI経由で設定。

Energy-Optimized Fans

システム・ファンはシステム・コンポーネントの温度に応じて動的に反応。

Power Supply Idle Detection

システム電力使用が低い時、電源がアイドル・モードになるのを可能にする。

Processor Core Nap

コアが使用されていない時、POWER8の低出力モードになるのを可能にする。

Processor Folding

システム全体のエネルギー効率を最適化するため、どのプロセッサー・コアがタスクを実行するかについて、動的に再配分する。

EnergyScale for I/O

必要な時だけI/Oスロットの電源をオンする。

ユーザー・インターフェース

  • POWER8システムはAEM (Active Energy Manager = IBM Systems Director プラグイン) をサポートしていません。AEMでサポートされていたEnergyScale機能は、CIMクライアント (例:wbemcli) を使用してアクセスすることが可能です。
  • 以下の表は、ASMI、CIMインターフェース、HMCサポートのサマリーです。

* HMCサポートはHMCリリース8.2.0より  ** DCMIサポートはファームウェアFW 840より

 

ASMI

CIMクライアント

HMC*

DCMI**

Power Trending

N

Y

N

Y

Thermal Reporting

N

Y

N

Y

Fixed Maximum Frequency Mode

Y

N

Y

N

Static Power Saver

Y

Y

Y

N

Fixed Frequency Override

N

Y

N

N

Dynamic Power Saver

Y

Y

Y

N

Dynamic Power Saver Tunable Parameters

Y

N

N

N

Idle Power Saver

Y

N

N

N

Power Capping

N

Y

N

Y

Power Supply Idle

Y

N

N

N

参考資料

【White paper】 ⇒ IBM EnergyScale for POWER9 Processor-Based Systems

[{"Business Unit":{"code":"BU058","label":"IBM Infrastructure w\/TPS"},"Product":{"code":"HW1A1","label":"IBM Power Systems"},"Component":"","Platform":[{"code":"PF002","label":"AIX"},{"code":"PF012","label":"IBM i"},{"code":"PF016","label":"Linux"}],"Version":"All Versions","Edition":"","Line of Business":{"code":"LOB57","label":"Power"}}]

Document Information

Modified date:
27 December 2019

UID

ibm11165108