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【TF】【IBMPower】【IBMi】【AIX】【Linux】一部のPowerサービスプロセッサーがFSPからeBMCへ、HMCはBMCベースへ変更になります

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Abstract

BMC搭載のPowerとHMCの接続方法に変更があります。対象機器に関してネットワーク接続方法を確認してください。

Content

内容:

以下の対象機器のいずれかを使用する場合は、HMCとサービスプロセッサーとの接続構成に変更が発生します。

対象機器:

  • BMC搭載のHMC (7063-CR2など)
  • スケールアウトモデル (Power S1014、Power S1022、Power S1024など)
  • ミッドレンジ・サーバー (Power E1050など)

従来のサービスプロセッサー接続からの変更点:

  1. Power-basedのHMC 7063-CR2 はBMC搭載で、7063-CR2の eth0 は 通常のHMCで使用可能なネットワークポートにプラスして、BMC用ポートとして設定可能(Shared port)なので、従来の管理対象Power筐体のサービスプロセッサー(FSP or eBMC) との接続に使用しないことを強く推奨します
  2. HMCのBMCには、BMCのFirmware更新などの運用のためにIPアドレスを付与する必要があり、従来の構成からIPアドレスが1つ追加で必要になります
  3. IBM Powerのスケールアウト・サーバーとミッドレンジ・サーバーのサービスプロセッサーもeBMCに変更されています
    eBMCを利用するにあたりVirtualization Management Interface (VMI)にIPアドレスの付与が必要になるため、従来の構成から物理的なポート数は変わりませんがIPアドレスが1つ追加で必要になります


HMCの変更点

内容:

Power-basedのHMC 7063-CR2はBMC搭載のため、いくつかの制約があります。
以下の変更がありますので構成の際には注意してください。

  • リモートアクセス接続用のアダプターがにeth0になり、伝統的な構成からは変更が必要になる可能性があります
  • HMCでは、BMCへの外部からの接続用に追加のIPアドレスが必要になります
HMCのBMC用のIPアドレスは以下の作業のために必要になります。
  • HMCの運用において、BMCのFirmware更新を実行するため、BMCにIPアドレスが必要になります
    BMCにアクセスするために使用するポートは、eth0(shared)、もしくはMポート(dedicated)を選択可能ですが、IPアドレスはBMC専用に付与する必要があります
詳細は以下をご確認ください。
  • BMCとの接続方法
    • 7063-CR2のリモートアクセス用LANのポートはeth0 を使用することを推奨します
      • HMCのリモートアクセス用LANとeBMCのリモートアクセス用LANは共有することができます
    • 下の図では、HMCリモートアクセス用IPアドレスとBMC用IPアドレスでポートを共用する構成の場合のポートの位置が説明されています
      下の図の場合のIPアドレスの付与は以下のようになります
      • eth0にはHMCリモートアクセス用とBMC用のIPアドレス(計2つ)
      • eth1にサービスプロセッサー接続用のIPアドレス
      • 共用の場合のサービスLANのNICの図
    • 下の図では、BMCが独立したポートを利用する構成の場合のポートの位置が説明されています
      • MポートはBMCリモートアクセス専用のポートです
    • 下の図の場合のIPアドレスの付与は以下のようになります
      • eth0: HMCリモートアクセス用のIPアドレス
      • eth1: サービスプロセッサー用のIPアドレス
      • Mポート: BMCリモートアクセス用のIPアドレス(BMCでのインターフェースはeth1)
      • M-port(BMC独占のポート)を利用した時のポート図


IBM Power 10での変更点

内容:

スケールアウトとミッドレンジ・サーバーではサービスプロセッサーがFSPからeBMCに変更となるため、いくつかの制約があります。
以下の変更がありますので構成の際には注意してください。

  • IBM Powerサーバーに付与するIPアドレスが、VMI用に追加で必要になります
    物理的なポート1つに対して、サービスプロセッサー接続用のIPアドレスと、VMI用のIPアドレスの計2つが必要です
  • VMIのIPアドレスを設定しないと、HMCからIBM Powerサーバー筐体の管理が正常に行なうことができません
    VMI用のIPアドレスを付与していない場合、サービスプロセッサーを正常に接続していても「接続なし」と表示されることがあります
    主に以下の様な作業が制限され、実行できない可能性があります
    • HMCで制御するIBM Powerサーバー筐体の起動停止
    • IBM Powerサーバー筐体のハードウェア・ディスカバリー
E1080などのエンタープライズ・モデルは、従来から変更なくFSPを使用しているため、今回の変更の対象外です。
Powerの物理背面ポートと論理上の名称(ASMI、VMI)は以下のように紐付けされています。
実機背面、
マニュアルのロケーション
ASMI上での名称 VMIの名称
HMC ポート 1 eth0 eth0
HMC ポート 2 eth1 eth1
下の図のように、VMIにはサービスプロセッサー接続用のIPとは別に、追加のIPアドレスが必要になります。
VMI_description

接続は以下の画面から行います。

VMI接続用アクションの「変更」から、IPアドレスやサブネットマスクを設定します。

image-20230607193628-2

  •  eBMCとは
    • システム・サービスの管理やモニター、保守、制御に利⽤されるサービスプロセッサーです
    • OpenBMC Linux Foundationプロジェクトをベースに構築されています
    • eBMC Redfish APIに、eBMCのプライベートLANやHMCからアクセス可能です
    • システムの管理はASMI(Advanced System Management Interface) GUIから⾏っており、eBMCになっても ASMIから管理できることは変わりません

eBMCの設定方法(日本語)は以下のリンクを参照してください。

  • VMIとは
    • 仮想化の機能を利用する際に内部で使用されるネットワークのエンドポイントです
    • HMCがPower Hypervisorと通信するために使用します
    • ユーザーがこのIPアドレスに直接アクセスすることはできません
    •  HMCとVMI間のトラフィックはすべてTLSで暗号化されています
    •  運用時のHMC操作に変更はありません。


該当のHMCとIBM Powerサーバー筐体の接続例

  • Mポートを使用しない場合
    Mポートを使用せず、HMCリモートアクセス用LANとBMCリモートアクセス用LANのポートを共有する場合は、以下のような論理ネットワーク構成になります。
    • HMCのeth0をHMCリモートアクセス用LANとBMCリモートアクセス用LANの共有ポートとして、計2つのIPアドレスをHMC上とBMC上で設定してください
    • HMCのサービスプロセッサー接続用としてeth0以外(ここではeth1) に、HMC上でIPアドレスを設定してください
    • IBM Powerサーバー筐体のHMCポート1(eth0)を使用する場合、サービスプロセッサー接続用のIPアドレスを設定してHMCと接続した後、HMCからVMI用のIPアドレスを設定してください

HMCと該当のPowerの接続方法

  • Mポートを使用する場合
    Mポートを使用して、HMCリモートアクセス用LANとBMCリモートアクセス用LANのNICを個別に設定する場合は、以下のような論理ネットワーク構成になります。
    • HMCのeth0をHMCリモートアクセス用LANとして、IPアドレスをHMC上で設定してください
    • HMCのM-portにアクセスし、BMCリモートアクセス用IPアドレスをBMC上で設定してください
    • HMCのサービスプロセッサー接続用としてeth0以外(ここではeth1) に、HMC上でIPアドレスを設定してください
    • IBM Powerサーバー筐体のHMCポート1(eth0)を使用する場合、サービスプロセッサー接続用のIPアドレスを設定してHMCと接続した後、HMCからVMI用のIPアドレスを設定してください

運用専用LANを使った時の接続図

以上

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Document Information

Modified date:
24 July 2023

UID

ibm16984147