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当フラッシュでは AIX の TL (Technology Level) や SP (Service Pack) を適用する際に参照するべき情報、注意するべき項目について紹介します。
このテクニカルフラッシュは2015/5/18に公開されたもので、情報はas-isとなっています。
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当フラッシュでは AIX の TL (Technology Level) や SP (Service Pack) を適用する際に参照するべき情報、注意するべき項目について紹介します。
■TL/SP 適用の際に確認する情報
TL/SP 適用前/後に以下の情報をご参照ください。
TL における主な変更点、TL/SP 適用時の注意点が記載されています。
- AIX 7.1 リリース・ノート
AIX 7.1 のリリース・ノートについては下記リンクをご参照ください。
TL 毎にリリース・ノートが存在しますので、対象の TL のリリース・ノートをご確認ください。
AIX リリース・ノート
https://www.ibm.com/docs/ja/aix/7.1?topic=aix-release-notes
リリース・ノートが修正される場合、日本語版よりも英語版のほうが先に修正される可能性があります。
日本語版のページを開き、英語版のほうに修正が入った旨のメッセージが表示される場合は、英語版をご覧ください。
リリース・ノートは修正されると、>> <<で更新された情報がハイライトされます。 - Installation Tips
AIX の TL/SP 適用時の注意点について Installation Tips としてまとめられています。
下記リンクから「Heading→対象の AIX バージョン」を選択、「Topic→Installation tips」を選択、「Month→All months」を選択してください。
Power server bulletins(リンク切れ)
http://www14.software.ibm.com/webapp/set2/subscriptions/onvd
- 製品 (Licensed Program Product) の README
製品内に含まれる README です。
TL/SP 適用による変更点に関する情報源として必要に応じて参照してください。
README の検索方法は以下のとおりです。
# find /usr -print | grep -i readme
■TL/SP 適用の際に注意するべきこと
TL/SP 適用の際には以下の項目についてご注意ください。
- システムバックアップの取得
AIX では TL/SP 時にファイルセットをコミットせずに適用(Apply)状態でインストールすることを選択できます。
適用状態のファイルセットはリジェクトすることで、以前使用していたバージョンのファイルセットに戻すことが可能です。
しかしながら、TL/SP の適用では適用状態で TL/SP をインストールすることを選択しても、ファイルセットによっては自動的にコミットされることがあります。
このため、ファイルセットのリジェクトでは TL/SP 適用前に戻すことができないケースがあります。
従って、TL/SP 適用後に問題が発生し、TL/SP 適用前に戻すためには TL/SP 適用前に AIX のシステムバックアップを取得しておく必要があります。 - AIX デフォルト・ユーザーの確認
デフォルトで作成されているユーザーを削除している場合、TL/SP に削除したユーザーがオーナーであるファイルセットが存在するケースでは TL/SP の適用に失敗する可能性があります。
TL/SP 適用前に削除しているユーザーを再作成してください。 - TL/SP の適用手順
TL/SP には新規デバイスサポートや新機能追加のために新規デバイスドライバ、新規ファイルセットが含まれていることがあります。
TL/SP を SMIT の「インストール済みソフトウェアを最新レベルに更新 (すべて更新)」メニューまたは install_all_updates コマンドから適用した場合、既存のファイルセットのみが更新されるため新規デバイスドライバや新規ファイルセットが導入されない可能性があります。
一方、TL/SP を SMIT の「すべての使用可能なソフトウェアのインストールおよび更新」メニューまたは installp コマンドから適用した場合、既存のファイルセットのアップデート以外に TL/SP に含まれる新規ファイルセットが導入される可能性があります。
結果として、TL/SP 適用により意図せず新規デバイスドライバや新規ファイルセットが導入される可能性があります。
どちらの手順が推奨ということはありませんので、適用方法の違いを理解し、適切な方式を選択してください。
■TL/SP 適用により変更される可能性のある項目
TL/SP には障害に対する PTF、機能追加、仕様変更などが含まれています。
主な内容については TL/SP に含まれる APAR に変更内容が記載されていますが、内部仕様の変更として扱われる項目については APAR に変更点が記載されないケースが存在します。
本番環境での TL/SP 適用に伴う変更による影響を最小化するために、事前に検証環境などで以下の情報のような TL/SP 適用による挙動の変化についてご確認ください。
- カーネル・チューニング・パラメータのデフォルト値
vmo, schedo, no, ioo, nfso, raso などのチューニング・パラメータのデフォルトの値が TL/SP 適用により変更される可能性があります。
デフォルト値から値を変更しているパラメータについては TL/SP 適用により、設定値が変更されることはありません。
また、TL/SP 適用により新たなパラメータが追加される可能性があります。
必要に応じて TL/SP 適用前後で変更されたチューニング・パラメータがないか確認して下さい。 - コマンドの出力結果
コマンドによっては TL/SP 適用により出力結果が追加/修正される可能性があります。
スクリプトなどでコマンドの出力結果をテキスト処理している場合は、TL/SP 適用後にスクリプトが正常に稼働することを確認して下さい。
例)APAR IV12986 により、ps コマンドの出力行の末尾に半角スペースが出力されなくなりました。
この変更により、例えば ps コマンドの結果を grep する際に単語の区切りを識別するために grep するワードの最後に半角スペースを追加していた場合に grep の結果が変わる可能性があります。 - AIX がデフォルトで起動するプロセスの引数
/etc/inittab, /etc/rc.tcpip, /etc/inetd.conf などで起動されるプロセスの引数は TL/SP 適用により変更される可能性があります。
プロセス監視にてプロセス名 + 引数で監視している場合は TL/SP 適用後にプロセスの引数に変更がないか確認する必要があります。
プロセスの引数変更による影響を避けるため、プロセス名のみでの監視が可能か、そもそも監視する必要があるプロセスであるかについても確認して下さい。
例)
プロセスによっては停止すると errpt にエラーが出力されるものがあります。
そのようなプロセスの場合、プロセス監視ではなく errpt のエラー監視で監視要件を満たすことができます。 - ファイルセット更新に伴う挙動の変更
TL/SP 適用によりファイルセットのレベルが更新されます。
これに伴い、以下のようにアプリケーションの挙動が変わる場合がありますのでご注意ください。
例1) Java の SR 更新
TL/SP 適用により AIX に同梱されている Java の SR が更新されることがあります。
SR の更新内容によっては Java の挙動が変わる可能性がありますので、TL/SP 更新の前後で Java の挙動に変わりがないかご確認ください。
例2) Perl のパス変更
TL/SP 適用により AIX に同梱されている Perl のパスが変更された事例があります。
Perl に限らず、運用スクリプトなど TL/SP 適用後に正しく稼働するかご確認ください。
■その他
TL/SP 適用時の既知の注意事項について以下のリンクに整理しています。
記載内容は随時更新されますのでご注意ください。
TL 適用時の注意事項
※注
本文書は TL/SP 適用時に考慮するべき項目を全て網羅していることを保証するものではありません。
TL/SP 適用時には稼動テストにて業務処理上、運用上の影響がないか確認することをお勧めします。
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Document Information
Modified date:
02 February 2023
UID
ibm16851827