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[Windows Server]完全メモリダンプの設定方法

Question & Answer


Question

完全メモリダンプの設定方法を教えてください。

Answer

完全メモリダンプは、その生成タイミングにおける OS の物理メモリの情報をファイルに出力したもので、
OS の異常終了 (いわゆるブルースクリーン) や、システム応答停止などの原因調査に必要になります。

この文書では、完全メモリダンプを出力する為の事前設定について説明いたします。

次の設定内容は、現象が発生する前に必要な事前準備となります。

(1) ページング ファイル サイズを物理メモリ + 300MB 以上の大きさに設定する。
----------------------------------------------------------------------------
1. デスクトップを表示した状態からマウス カーソルを右下の隅に移動し、[検索] を
クリックします。
2. [設定] を選択し、検索窓に "システムの詳細設定の表示" と入力し、検索結果として
表示される [システムの詳細設定の表示] をクリックします。
3. "システムのプロパティ" の [詳細設定] タブの [パフォーマンス] 枠内にある
[設定] ボタンをクリックします。
4. "パフォーマンス オプション" の [詳細設定] タブの [仮想メモリ] 枠内にある
[変更] ボタンをクリックします。
5. "仮想メモリ" の [カスタム サイズ] をチェックし、[初期サイズ] と [最大サイズ]
を物理メモリ + 300MB 以上の数値で入力し、[設定] ボタンをクリックします。
[OK] ボタンを 2 回クリックします。

<補足>
この設定値は、次のレジストリに反映されます。
なお、直接、レジストリ値を編集することでも、ページング ファイル サイズを設定
することができます。
場所: HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Control\SessionManager\MemoryManagement
名前: PagingFiles
種類: REG_MULTI_SZ
値: <ページ ファイル保存先> <初期サイズ (MB) > <最大サイズ (MB) >
例) c:\pagefile.sys 4095 4095

<注意>
・[最大サイズ] でなく、[初期サイズ] が物理メモリ容量よりも大きくなるよう設定
してください。

(2) 完全メモリ ダンプ (Full Dump) が生成される設定にする。
----------------------------------------------------------------------------
1. [スタート] - [コンピュータ] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
2. "システム" 内の左側の列にある [システムの詳細設定] をクリックします。
3. "システムのプロパティ" の [詳細設定] タブの [起動と回復] 枠内にある [設定]
ボタンをクリックします。
4. "起動と回復" の [デバイス情報の書き込み] 枠内にある [変更] ボタンをクリックします。
5. "仮想メモリ" の [カスタム サイズ] をチェックし、[完全メモリ ダンプ] を選択
します。
[OK] ボタンを 2 回クリックします。

<注意>
2GB 以上の物理メモリ (RAM) を搭載している環境では、上述の GUI から
[完全メモリ ダンプ] を選択することができません。
レジストリ エディタで、次のレジストリの値を設定してください。
場所: HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Control\CrashControl
名前: CrashDumpEnabled
種類: REG_DWORD
値: 1

メモリ ダンプの出力先は、次のレジストリ値で確認できます。
場所: HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Control\CrashControl
名前: DumpFile
種類: REG_EXPAND_SZ
既定値: %SystemRoot%\MEMORY.DMP

(3) 完全メモリ ダンプの取得方法。
----------------------------------------------------------------------------
上記(1)(2)の設定を行う事で、Stop Error (ブルースクリーン) 発生時に自動的にメモリダンプが出力されます。
もし任意のタイミングにて強制メモリダンプの出力が必要な場合は、以下のリンク先にて設定および取得方法をご確認ください。

[Windows Server]強制メモリダンプ取得方法 (物理環境)
[Windows Server]強制メモリダンプ取得方法 (仮想環境)

運用上の考慮点
(1) ページングファイル領域を物理メモリ + 300MB に設定する理由
メモリダンプの取得の仕組みとして、Stop Error 発生時に物理メモリの内容にダンプファイル用の付加情報を加え、それを一旦ページングファイル領域にコピーし、OS 再起動のタイミングでディスクに書き出しますが、ダンプファイルの容量をページングファイルの容量が下回る場合一部の保存に失敗し、ダンプファイルの破損などを引き起こす場合があります。
その為、ページングファイル領域にはダンプの一時保管領域として、ダンプファイルの保存に十分なサイズが必要となります。
300MB はダンプ出力時に付加される情報の容量を十分に確保する為のサイズとして設定しています。

(2) ダンプの保存先について
ダンプの保存先は規定値では %SystemRoot%\MEMORY.DMP となっていますが、別のファイルパスに変更する事が出来ます。
特にシステムドライブ上に十分な容量を確保できない場合は、別ドライブに変更する事をご検討ください。

(3) ダンプ出力中のサーバー死活監視について
対象サーバーにて、サーバーの死活監視を行い停止時に自動で再起動するような仕組み (ウォッチドッグタイマー等) を利用している場合、ダンプ出力中にサーバーが停止状態と判断されて再起動されてしまうと、ファイルが不完全な状態で保存される場合がございますのでご注意ください。

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IBM サービス・ライン

変更履歴
2018年2月2日 外部公開

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尚、掲載された情報は2018年2月現在のものです。事前の予告なく変更する場合があります。

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Document Information

Modified date:
03 January 2022

UID

jpn1J1013425