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【重要情報】WASV8.5.5:Webサーバーが非セキュア・トランスポートを使用する場合の動作変更(WAS-13-016)

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Abstract

V8.5.5.0以降において以前と同じ動作にさせるためには、Webサーバー・プラグインのカスタム・プロパティー「UseInsecure」を「true」に設定します。

Content

WebサーバーとWAS (WebSphere Application Server) が構成されているシステムにおいて、WebサーバーがWASと通信する際、非セキュア・トランスポート(HTTP通信)あるいはセキュア・トランスポート(HTTPS通信)のいずれかを使用します。
デフォルトの設定では、非セキュア・トランスポートとセキュア・トランスポートの両方が使用可能になっており、それぞれ明示的に無効化することもできます。

V8.5.5.0より前の全てのバージョンにおいては、セキュア・トランスポートで通信しようとしてポートが使用できない場合(明示的に無効化している場合も含む)は自動的に非セキュア・トランスポートを使用するという動作でしたが、V8.5.5.0からは、下記リンク先の通り、セキュリティー上の理由により実装が変更され、セキュア・トランスポートが使用できない場合はクライアント側にエラーを返すという動作になりました。
V8.5.5.0以降において以前と同じ動作にさせるためには、Webサーバー・プラグインのカスタム・プロパティー「UseInsecure」を「true」に設定します。
PM85452: IF THE WEBSERVER PLUGIN CAN NOT OBTAIN A SECURE CONNECTION, IT SHOULD NOT ATTEMPT TO USE A NON-SECURE CONNECTION. 


【対象環境】
対象OS:
全プラットフォーム
対象WASバージョン:
WAS V8.5 / V8.5.5


【詳細】
WebサーバーとWASが構成されているシステムにおいて、WebサーバーがWASと通信する際、非セキュア・トランスポート(HTTP通信)あるいはセキュア・トランスポート(HTTPS通信)のいずれかを使用します。
デフォルトの設定では、非セキュア・トランスポートとセキュア・トランスポートの両方が使用可能になっており、それぞれ明示的に無効化することもできます。


V8.5.5.0より前の全てのバージョンにおいては、セキュア・トランスポートで通信しようとしてポートが使用できない場合(明示的に無効化している場合も含む)は自動的に非セキュア・トランスポートを使用するという動作でした。



ところが、下記リンク先の通り、セキュリティー上の理由により、V8.5.5.0から実装が変更され、セキュア・トランスポートが使用できない場合はクライアント側にエラーを返すという動作になりました。

PM85452: IF THE WEBSERVER PLUGIN CAN NOT OBTAIN A SECURE CONNECTION, IT SHOULD NOT ATTEMPT TO USE A NON-SECURE CONNECTION.



クライアントとWebサーバー間においてSSL通信を行っている場合、非セキュア・トランスポートとセキュア・トランスポートの両方が使用可能な状態であれば、自動的にWebサーバーとWAS間もセキュア・トランスポートを使用したSSL通信を行います。
多くのシステムにおいて、パフォーマンスの観点からWebサーバーとWAS間のSSL通信を避けるためにセキュア・トランスポートを無効化することにより、WebサーバーとWAS間を非セキュア・トランスポートを使用した非SSL通信にさせる対応が取られていますが、このような場合もV8.5.5.0ではエラーを返す動作となりますので、ご注意ください。
クライアントとWebサーバー間において通常のHTTP(非SSL)通信を行っていて、非セキュア・トランスポートが使用される場合は問題ありません。


V8.5.5.0以降において以前と同じ動作にさせるためには、Webサーバー・プラグインのカスタム・プロパティー「UseInsecure」を「true」に設定します。
具体的には、管理コンソールのメニューから「サーバー」>「サーバー・タイプ」>「Webサーバー」>「<Webサーバー名>」>「プラグイン・プロパティー」>「カスタム・プロパティー」を選択し、名前を「UseInsecure」、値を「true」としてカスタム・プロパティーを追加します。

<管理コンソール画面>


このカスタム・プロパティーを追加すると、プラグイン構成ファイル(plugin-cfg.xml)には以下の太字の項目が追加されます。

<プラグイン構成ファイル(plugin-cfg.xml)一部抜粋>

<Config ASDisableNagle="false" AcceptAllContent="true" AppServerPortPreference="HostHeader" ChunkedResponse="false" FIPSEnable="false" FailoverToNext="false" HTTPMaxHeaders="300" IISDisableFlushFlag="false" IISDisableNagle="false" IISPluginPriority="High" IgnoreDNSFailures="false" KillWebServerStartUpOnParseErr="false" MarkBusyDown="false" OS400ConvertQueryStringToJobCCSID="false" RefreshInterval="60" ResponseChunkSize="64" SSLConsolidate="true" StrictSecurity="false" TrustedProxyEnable="false" UseInsecure="true" VHostMatchingCompat="false">
<Log LogLevel="Error" Name="/opt/IBM/WebSphere/Plugins/logs/webserver1/http_plugin.log"/>


カスタム・プロパティー「UseInsecure」を設定することにより、クライアントとWebサーバー間においてSSL通信を行っている場合、セキュア・トランスポートが無効化されていると自動的に非セキュア・トランスポートを使用するという以前の動作になります。


カスタム・プロパティー「UseInsecure」の詳細につきましては、下記リンク先をご参照ください。

WAS V8.5 InfoCenter 「Web サーバー・プラグインのトラブルシューティングのヒント


今回の動作変更は以下のようなシステムにおいて影響を受けることになりますので、内容についてご理解の上、ご対応ください。
特に、V8.5.0.xに関しては、iFix/FixPackを適用したタイミングで影響を受けることになります。

・V8.5.5.0以降へのマイグレーションを検討しているシステム
・現在V8.5.0.x/V8.5.5.0を使用しているシステム(※)

(※)
V8.5.5.0は、V8.5.0.xにRefreshPackを適用したバージョンであり、今後V8.5.0.xに対してリリースされるiFix/FixPackを適用する際はV8.5.5.0以上にバージョンアップすることが必須となる可能性があります。
少なくとも、今後V8.5.0.xに対してリリースされるFixPackを適用する際はV8.5.5.0以上にバージョンアップすることが必須となります。

また、下記リンク先の通り、V8.5.5.0/V8.5.5.1のプラグインログには、あたかもセキュア・トランスポートが使用できない場合に非セキュア・トランスポートを使用するかのような誤解を招く情報が出力されるという既知の障害情報(V8.5.5.2で修正予定)が報告されています。
PM96173: PLUG-IN 8.5.5 WITH USEINSECURE="TRUE" STILL REFLECTS OLD LOGGING


【関連情報】

・ワークショップ資料
WebSphere Application Server V8.5.5 最新情報ワークショップ ~次世代WASランタイム Libertyで変わるWebシステム~

・マニュアル
WAS V8.5 InfoCenter (V8.5のInfoCenterにV8.5.5に関しても記載されています。)

・システム前提条件
Detailed system requirements for WebSphere Application Server V8.5
System Requirements for WebSphere Application Server v8.5.5

・Fix情報
Recommended fixes for WebSphere Application Server V8.5

・発表レター
IBM WebSphere Application Server V8.5.5 は、Liberty Profile の機能拡張を実現し、Web Profile アプリケーション向けの軽量の Liberty 専用オファリングを新たに導入します 日本 IBM ソフトウェア発表 JP13-0161 2013 年 4 月 23 日


以上

[{"Product":{"code":"SSEQTP","label":"WebSphere Application Server"},"Business Unit":{"code":"BU059","label":"IBM Software w\/o TPS"},"Component":"Not Applicable","Platform":[{"code":"PF002","label":"AIX"},{"code":"PF010","label":"HP-UX"},{"code":"","label":"i5\/OS"},{"code":"PF012","label":"IBM i"},{"code":"PF016","label":"Linux"},{"code":"PF027","label":"Solaris"},{"code":"PF033","label":"Windows"},{"code":"PF035","label":"z\/OS"}],"Version":"8.5.5;8.5","Edition":"","Line of Business":{"code":"LOB45","label":"Automation"}}]

Historical Number

277D63A1118B496D49257C46001794C5

Product Synonym

対象システム:WebSphere Application Server V8.5/V8.5.5

Document Information

Modified date:
25 September 2022

UID

jpn1J1011317