IBM Support

[Db2] Db2 の資料収集によるシステム・パフォーマンスへの影響

Question & Answer


Question

サポートから 依頼された、Db2 に関する資料収集を実行した場合、システムのパフォーマンスにどのような影響がありますか。

Answer

サポートから依頼される資料収集のうち、Db2 のユーティリティー・コマンドを用いるガイドについて、コマンド実行時の影響のご説明をします。
  • db2support
    サポートから、db2support ユーティリティ・コマンドによる資料収集手順として、以下の文書を案内されることがあります。
    [Db2] db2support の取得手順 (Linux/UNIX 版)
    [Db2] db2support の取得手順 (Windows 版)

    db2support は、比較的負荷が小さいユーティリティー・コマンドです。上記の文書の内容を実行することで、通常はシステムパフォーマンスへの大きな影響は予想されません。しかし、多数の設定およびモニター情報、そして、DIAGPATH 内のすべてのログファイルをコピーして1つの zip ファイルに圧縮する処理を行うため、対象となるデータのサイズに応じた ディスク I/O は発生します。ファイル・コピーによる I/O 負荷が懸念される場合、運用のピークを避けて実施してください。
     
  • dp2pd
    サポートから、db2pd コマンドを用いた資料取りが案内されることがあります。
    一般に、イベントモニターやスナップショットより負荷が少ないコマンドです。しかし、db2pd に指定するオプションによって負荷が大きく変わることがあります。また、指定されたオプション単位で情報のレポートを行うため、指定するオプションの数に応じて負荷が変わる場合があります。特に以下のオプションには注意が必要です。 db2pd コマンドおよびオプション詳細については以下をご確認ください。
    • -memblock
      -memblocks オプションの使用には注意が必要です。db2pd コマンド実行時の負荷が大きくなる可能性がありますので、業務への影響を気にされる場合には、-memblocks オプションの指定でのコマンド実行を避けていただくか、サポート担当に相談してください。対象範囲を絞ったり集計だけをレポートするオプションを追加して負荷を下げられる可能性があります。
    • -everything (-eve)
      -everything (-eve) オプションを用いた場合、db2pd コマンドが提供するほとんどのオプションが指定された状態となります(ただし -memblocks オプションは含みません)ので、指定するオプションが少ない場合より負荷が大きくなります。-everything オプションの指定であっても、一般に業務への大きな影響は予想されません。ただしパッケージ・キャッシュやロックリストが GB 単位など大きいデータベースでは出力量とこれに伴う I/O 負荷に注意が必要です。
       
    • db2pd コマンドを使用したモニターおよびトラブルシューティング
    • db2pd - DB2 データベースのモニターおよびトラブルシューティング・コマンド
       
  • セクション実行時統計
    サポートから、セクション実行統計の取得を以下の文書で案内される場合があります。
    [Db2] セクション実行時統計を取得する方法

    セクション実行時統計の収集は、アクティビティー・イベント・モニターをアクティブに設定する方法になります。
    これにより、アクティビティーに関するステートメント、コンパイル環境、セクション環境データ、セクション actuals (アクセス・プランの演算子に関するランタイム統計) がアクティビティー・イベント・モニターに送信されるようになりますので、相応の負荷は生まれます。
    どの程度の負荷となるかは、実行される SQL ステートメントに依存しますので正確に予想することはできません。実行後に性能上の劣化が発生したというご報告例はほとんどありませんが、もし気にされる場合には、別環境で試してくださってから実行してください。
     
  • Db2 トレース (db2trc)
    サポートから、db2trc コマンドによるトレースの取得を依頼される場合があります。
    [Db2] db2trc を使用した Db2 トレースの取得

    db2trc は実行時の負荷が大きいコマンドです。ほとんどの場合、障害が発生した場合に障害解析のために必要となる資料収集であり、通常の運用中に実行するコマンドではありません。
    db2trc の実行により、CPU 消費が発生してシステム・パフォーマンスに影響が予想されます。実行時ファイル出力の場合には、多くのディスク I/O も継続して発生し、もし長時間の db2trc 実行を行う場合には、出力先には十分な空きスペースが必要となります。

    また、db2trc コマンドの出力情報はフォーマットをする必要がありますが、フォーマット実行でも負荷が発生する可能性があるので、運用に影響がないタイミングでフォーマットを実施する必要があります。また、フォーマットの出力先に空きスペースがあるかどうかの確認も必要です。

    db2trc コマンドに -i ないしは -l オプションを指定して、トレース・バッファー、つまりメモリー上に情報を抽出することができます。これにより、db2trc を有効にした場合の I/O 負荷を回避できます。しかし、トレース・バッファーのサイズによって収集情報のサイズが制限されるため、解析対象の情報が残るかどうか注意が必要です。

    db2trc コマンドに -perfcount オプションを指定した場合、フル・トレースの実行よりも、実行中のシステムに対する負荷を大きく減らすことができます。しかし、取得情報が非常に限定されるため、解析の目的に合致するかどうかは注意が必要です。

    db2trc および各オプションについての詳細は以下をご確認ください。
 
お問い合わせ先
技術的な内容に関して、パスポート・アドバンテージの契約のもと Db2 テクニカル・サポートへお問い合わせください。
Db2 テクニカル・サポート

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Document Information

Modified date:
01 July 2024

UID

swg22004192