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分散分析(反復測定)

How To


Summary

3群以上の量的変数(スケール尺度の数値変数)の平均値を比較して「A群・B群・C群の平均値に有意な差があるといえるか?」を検定する分析です。パラメトリック検定に分類されますので、データが正規分布である必要があります。2群の量的変数の平均値の差の検定はt検定となります。

Steps

1. 分散分析の概要

3群以上の量的変数(スケール尺度の数値変数)の平均値を比較して「A群・B群・C群の平均値に有意な差があるといえるか?」を検定する分析です。パラメトリック検定に分類されますので、データが正規分布である必要があります。2群の量的変数の平均値の差の検定はt検定となります。


分散分析自体は「A群・B群・C群」の因子変数全体の群内(グループ内)に差があるかを検定しますが、「その後の多重比較」を実行することで、「A群とB群」「 A群とC群」 「 B群とC群」というような群間(グループ間)に差があるかを検定することもできます

グループ分け因子変数の数に応じて複数の実行方法があります

(A)グループ分け因子変数がひとつの場合、[分析]→[平均の比較]→[一元配置分散分析]をクリックし、[従属変数リスト]の数値変数を、[因子]変数値ごとに平均値を比較します(Base)

(B)グループ分け因子変数がふたつ以上・スケール尺度従属変数がひとつの場合、[分析]→[一般線型モデル]→[1変量]をクリックし、[従属変数]の数値変数を、[固定因子]または[変量因子]の値ごとに平均値を比較します(Base)

(C)スケール尺度従属変数がふたつ以上の場合、[分析]→[一般線型モデル]→[多変量]をクリックし、[従属変数]の数値変数を、[固定因子]の値ごとに平均値を比較します(Advanced Statistics)

(D)グループ分け因子に時間軸(同じ観測を繰り返す)が含まれる場合、[分析]→[一般線型モデル]→[反復測定]をクリックし、[被験者内変数]の数値変数ごとに、平均値を比較します(Advanced Statistics)

反復測定とは「同じ測定を繰り返して差を検定」します

例えば風邪薬の効き目がいつまで効いているかを検定するために「服用直後(効く前)」「服用4時間後」「服用8時間後」「服用12時間後」に体温を計って、それぞれの時間で有意に差があるかを検定する時などに使用します

(他の分析例)小1から中3まで毎年身長を測定して、男子と女子とで平均の推移に違いがあるか。

2. 対応アプリケーション

SPSS Statistics Advanced Statistics

3. 分散分析は「一般線型モデル」で実行します

線型回帰分析、t検定、分散分析、共分散分析、因子分析、主成分分析は、途中までは同じ線型モデルです。これらを境目なくオーダーメイドモデル化した分析が、AMOSによる構造方程式モデリングとなります

もともとの分散分析(ANOVA)は「一元配置分散分析」となります。一般線型モデル(GLM)の一種として分散分析を行うことで、複数の要因で分散分析を出来たり、時間軸を考慮した分散分析ができるようになります

2群の平均値の比較はt検定ですが、「従来手法と新手法」とで「20から49歳・50歳以上」の体重減少に有意な差があるかというような、2群の因子変数を複数用意した平均値の比較の場合は、2群でも1変量や反復測定による二元配置分散分析を行います

のちの研究では線型モデルにさらに新概念を加えて、「線型混合モデル」や「一般化線型モデル」という拡張されたジャンルが出来ております。

4-1. 反復測定の分散分析の実行

サンプルデータセット:

Windows「C:\Program Files\IBM\SPSS\Statistics\26\Samples\Japanese\dietstudy.sav」

MacOS「/Applications/IBM/SPSS/Statistics/26/Samples/Japanese/dietstudy.sav」

201911152

分析内容:「性別」グループごとに「ダイエット前の体重」 「ダイエット中の体重」 「ダイエット後の体重」の推移に差があるか。

操作手順:

1.SPSS Statisticsを起動し、「dietstudy.sav」を開きます。
2.メニューの[分析]→[一般線型モデル]→[反復測定]をクリックし、 [反復測定の因子の定義]ダイアログの[被験者内因子名]に「体重」と入力して、水準数を「5」として、[定義]をクリックします。
3.[反復測定]ダイアログの[被験者内変数]に変数「体重0」から変数「体重4」まで設定し、[被験者間因子]に変数「性別」を設定します。[オプション]ボタンをクリックして[オプション]ダイアログの[記述統計]をチェックして [続行]ボタンをクリックして戻って、[OK]で実行します。

Mauchly の球面性検定では、レーダーチャートの如く「球面性は成り立っている」という帰無仮説が、有意確率が有意水準(0.050)未満の場合に棄却されて、 「球面性は成り立っていない」という対立仮説が採用されます。今回は球面性は成り立っているとなりますので、[被験者内効果の検定]テーブルの解釈は[球面性の仮定]となります。


[被験者内効果の検定]では、1変量と同様に「有意な差はない」「交互作用がない」という帰無仮説が、有意確率が有意水準(0.050)未満の場合に棄却されて、 「有意な差はある」「交互作用がある」という対立仮説が採用されます。交互作用がなければ「性別ごとで体重の変化に差があるとは言えない」といえ、交互作用があれれば「性別ごとの体重の変化は有意に異なる」といえます

(他の分析例)「部活動に参加している学生」と「部活動に参加していない学生」とで、学校の1年間のテストの平均点の推移に違いがあるか。

4-2. 反復測定も、二元配置以上の分散分析は交互作用の分析です

交互作用は複数群のデータの推移をグラフ化した場合、複数のグループが同じペースでデータが増減するものを「交互作用なし」複数のグループが異なるペースでデータが増減するものを「交互作用あり」とするものです。研究者の主張で違いが出ていることを証明するためにこの結論を使用します。

「交互作用なし」の場合は、複数のグループごとの増減のパターンが同じことを意味し、グループごとに違いはないことを証明します。(例)交互作用なしで「Youtubeの英語カラオケを毎日1曲歌うをやった組とやらなかった組とで、TOEICの平均点に差が出ることが証明できない」

「交互作用あり」の場合は、複数のグループごとに増減のパターンが異なることを意味し、グループごとに明確に違うことを証明します。(例)交互作用ありで「Youtubeの英語カラオケを毎日1曲歌うをやった組とやらなかった組とで、TOEICの平均点に差が出ることが証明できた」

Document Location

Worldwide

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Document Information

Modified date:
10 July 2020

UID

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