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マイクロ・パーティショニング

Question & Answer


Question

マイクロ・パーティショニングとは?

Answer

マイクロ・パーティショニング (Micro-Partitioning) とは、物理プロセッサーの共用を実現する機能です。
プロセッサーの処理能力を、小数点単位で複数の論理パーティション (LPAR) に割り当てることができます。

  • 物理プロセッサーをタイムスライスにより分割

  • 1つの物理プロセッサー (1コア) の単位時間あたりの処理能力を1として、最小 0.05 (*) 、以降 0.01 単位で LPAR へ割り当てが可能

    • LPAR に割り当てる論理処理能力をプロセッシング・ユニット (Processing Units: PU) と呼びます。

    • オペレーティングシステムから見える CPU の個数は、仮想プロセッサー (Virtual Processors: VP) と呼びます。

プ ロセッサー能力の細かな割り当てが可能になることで、整数個単位での割り当てと比べて、未使用部分を削減でき、搭載リソースの利用効率が高まります。
マイクロ・パーティショニングを使用するには、POWER5 以降のプロセッサー搭載機で、かつ仮想化機構の PowerVM Edition が必要です。

* ファームウェア・レベル 7.6 以降、または、POWER8 以降の場合。それ以前のファームウェア・レベルでは 最小 0.1


共用プロセッサー・パーティションの作成

マイクロ・パーティショニングを使用する場合、LPAR 作成時の CPU 割り当てモードで Shared (共用) を指定します。
このモードで作成した LPAR を共用プロセッサー・パーティションと呼びます。

⇒ LPAR におけるプロセッサー (CPU) の専用と共用

共用プロセッサー・パーティションに割り当てる物理プロセッサーは、共用プロセッサー・プール (Shared Processor Pool) に属します。
各 LPAR へは、指定したプロセッシング・ユニットに応じて、プールからプロセッサー能力が割り当てられます。

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【HMC画像サンプル:Shared(共用)の指定】

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【HMC画像サンプル:プロセッシング・ユニットと仮想プロセッサーの指定】

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共用プロセッサー・パーティションの上限設定

共用 (Shared) プロセッサー・パーティションでは、プロセッサー能力の割り当ての上限を指定する 2つのモードが用意されています。

  • 上限あり (capped :  デフォルト値)

    • 指定したプロセッシング・ユニット値を超えられない

  • 上限なし (uncapped)

    • 共用プロセッサー・プールに空きがある場合、指定したプロセッシング・ユニット値を超えてプロセッサー能力を使用可能

    • 仮想プロセッサー数 ×1.0 プロセッシング・ユニットまで使用可能

「上限あり」/「上限なし」設定時のプロセッサー能力の割り当てについて、以下に具体的な構成例を用いて説明します。

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前提

  • 指定したプロセッシング・ユニット : 1.3 (LPAR1)、0.7 (LPAR2)

  • プロセッサー・プール : 2.0

  • 仮想プロセッサー数 : 2 (LPAR1、2)

  • LPAR2 は停止状態 = プロセッサー・プールに 0.7 分の空き

上限あり LPAR

LPAR1 の CPU 使用率が 100% になっても使用可能なプロセッシング・ユニットは 1.3

  • 上限あり (capped) モードのため、プールに 0.7 の空きがあっても使用できない

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上限なし LPAR

LPAR の CPU 使用率が 100% になった場合、指定したプロセッシング・ユニットを超えて最大で 2.0 のプロセッサー能力を使用可能

  • プールに空きがある場合、最大 0.7 プロセッシング・ユニットを追加で自動的に使用可能

  • LPAR1 が上限なし (uncapped) で、1.3 プロセッシング・ユニット以上使用している状態でも LPAR2 は起動可能

    • 設定プロセッシング・ユニット分の使用は保証されている。プロセッサー・プールの空きが減少となる

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Document Information

Modified date:
27 December 2019

UID

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