コマンド
IBM® Power® Virtualization Center には、ユーザー・インターフェースの機能が強化されたコマンド行インターフェースが用意されています。 このインターフェースは特に、問題のトラブルシューティングに役立ちます。
PowerVC コマンドに アクセスするには、PowerVC がインストールされている オペレーティング・システムに対してコマンド行を開きます。
コマンドとその説明を以下に示します。
コマンドの使用方法については、コマンド行を開いて、コマンド名と --help
を入力します。
例えば、powervc-audit-export --help
のようにします。一部のコマンドは、/opt/ibm/powervc/log directory
にあるログ・ファイルに出力します。
コマンド | 説明 |
---|---|
powervc-audit-export | 以前に収集された監査データをエクスポートできます。 |
powervc-backup | データ破壊時または災害発生時に作動状態に復元できるように、最重要 PowerVC データをバックアップします。
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powervc-config | PowerVC 管理サーバーを構成します。 PowerVC 構成ファイルを変更するために唯一サポートされている方法が、このコマンドを使用することです。使用可能な powervc-config サブコマンドのリストについては、『表 2』を参照してください。 |
powervc-diag | ご使用の PowerVC インストール済み環境から診断データを収集します。 |
powervc-encrypt | ユーザーにストリングの入力を求め、そのストリングを暗号化して返します。このコマンドは、PowerVC によって保管されているパスワード、トークン、およびストリングを暗号化する場合に使用します。 |
install | PowerVC をインストールします。 |
openstack | OpenStack サービスとのコミュニケーションを支援します。
このコマンドは OpenStack コミュニティーによって開発されたものです。
PowerVC では、このコマンドの全機能のサブセットがサポートされています。
詳しくは、表 3 を参照してください。 注:
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powervc-log | PowerVC
のデバッグ・ログ・レベルを有効または無効にします。
現行設定を表示するには、このコマンドをオプションなしで実行します。
このコマンドを使用すれば、サービスを再始動することなくデバッグ・レベルを有効にできます。このコマンドは、進行中の操作が中断されるリスクなしに、ログ内の詳細な診断情報を取り込むために役立ちます。 |
powervc-log-management | PowerVC のログ管理の設定を表示および変更できます。デフォルト・アクションは現行設定の表示です。 |
powervc-register | OpenStack でサポートされるストレージ・プロバイダーまたはファブリックを登録します。 |
powervc-restore | 事前にバックアップされている PowerVC データをリカバリーします。
このコマンドは、サービスを使用不可にするために powervc-services コマンドが使用されるとブロックされます。 |
powervc-services | これは、PowerVC サービスを停止、開始、再始動、有効化、または無効化できるようにします。
PowerVC サービスを開始および再始動する CLI コマンドを実行するには、サービスが有効になっていなければなりません。 注: デフォルトでは、このコマンドの効果は、管理サーバー、ネットワーク・ノード、およびあらゆるリモート・ホストに及びます。
--local オプションを使用すると、効果は管理サーバーにのみ及びます。
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powervc-uninstall | ご使用の管理サーバーまたはホストから PowerVC をアンインストールします。 |
powervc-validate | ご使用の環境が特定のハードウェア要件およびソフトウェア要件を満たしていることを妥当性検査します。 |
powervc-volume-image-import | ストレージ・プロバイダーによってすでにホストされている 1 つ以上のボリュームを使用して、デプロイ可能イメージを作成します。 |
powervc-image | このコマンドには以下のサブコマンドがあります。
powervc-image config - コマンド構成プロパティーを表示または変更します。
powervc-image import - 解凍された デプロイ可能イメージを OVA から PowerVC にインポートします。
powervc-image export - デプロイ可能イメージを PowerVC からローカル OVA にエクスポートします。
powervc-image list - PowerVC で管理されているデプロイ可能イメージをリストします。
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powervc-tape-reg |
このコマンドは、PowerVC でファイバー・チャネル・テープ・ドライバーを登録する場合に使用します。このドライバーにより、デプロイ時に NPIV を使用する仮想マシンに対してテープ・ライブラリーをゾーニングできます。 新規 cinder-volume サービスを構成するには、名前とターゲット WWPN を指定します。 |
powervc-edit-scg | このコマンドは、仮想マシンに割り当てられているストレージ接続グループを更新する場合に使用します。 |
powervc-scale-config | スケール調整パラメーターが管理ノードおよび NovaLink ノードに適用されます。このような設定は大規模な環境を対象としています。 |
powervc-config
サブコマンドは、構成ファイルの変更に関与し、自動サービス再始動を実行する場合があります。
以下のいずれのコマンドについても詳細を知るには、powervc-config subcommand
child_subcommand -h
を実行してください。powervc-config
サブコマンドを実行すると、サービス可用性の一時的中断が起きることがあります。
サブコマンド | 子サブコマンド | 説明 |
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purge | このコマンドは、Panko データベースに保管されているすべてのイベントおよび特性を削除するために使用します。 | |
general | audit | 一般サービスの監査設定を構成します。 |
ifconfig | PowerVC 管理ノードのホスト名または IP アドレスを変更します。 重要: このコマンドを実行すると、自己署名証明書が PowerVC 管理サーバーとすべての登録済み NovaLink ノードで生成されます。
既存の証明書はすべて置き換えられます。
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identity | token-expiration | ID トークンの有効期限間隔を構成します。 |
token-rotation | fernet トークン・キー・ローテーション間隔を構成します。 | |
repository | 認証資格情報のリポジトリー (LDAP サーバーなど) を構成します | |
chsrvpwd | このコマンドは、サービス、データベース、RabbitMQ、EGO などと関連付けられている PowerVC 内部ユーザーのパスワードを変更するために使用します。
注: このコマンドを実行すると、PowerVC コントローラーおよびリモート・ホスト上の PowerVC サービスがすべて再始動されます。
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image | audit | イメージ・サービスの監査設定を構成します。 |
image-size-cap | PowerVC 管理ノードを使用してアップロードできる最大イメージ・サイズを構成します。 | |
user-storage-quota | ユーザーに許可されているイメージ・ストレージの最大量を構成します。 | |
storage | audit | ストレージ・サービスの監査設定を構成します。 |
clone-name-prefix | これは、ボリューム複製の優先複製名プレフィックスを設定します。
使用法:
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ds8000 | 特定の IBM
System Storage®
DS8000® Cinder とストレージ・テンプレートの構成オプションを設定します。
--cg-lss - 整合性グループと整合性スナップショットで使用する論理サブシステム ID の範囲。例えば、LSS ID の範囲は 00 から 0F です。整合性グループに追加されたボリュームは、この範囲内の LSS の 1 つにマイグレーションされます。ストレージ・テンプレートでのボリューム作成用の LSS 範囲の設定は推奨されません。
--storage-template <ID> --lss - ボリューム作成時にストレージ・テンプレートで使用する論理サブシステム ID のリスト。例えば、00、01 などがあります。
--storage-template <ID> --pools - ボリューム作成時にストレージ・テンプレートで使用するプール ID のリスト。例えば、P1、P2 などがあります。
このコマンドは推奨されません。これらの機能を実行するには、ユーザー・インターフェースにアクセスしてください。 |
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delete-check | PowerVC の外で削除された可能性のあるボリュームを検出する機能を構成します。 | |
fc-zone zone_by_stg_provider | 有効にすると、initiator モードおよび initiator-vfc モードのストレージ・プロバイダーごとにゾーンを作成します。
詳しくは、Zoning per storage provider in PowerVC を参照してください。 |
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fc-zone zone-masking --blacklist | 仮想マシンのソース NPIV WWN でゾーニングしないターゲット (ストレージ・プロバイダー) WWPN のリストを作成します。ブラックリストにデータを取り込むには、コマンドの後に WWPN を追加します。
例: powervc-config storage fc-zone zone-masking --blacklist
twwpn1 twwpn3 twwpn4 |
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fc-zone zone-masking --whitelist | ゾーニングするターゲット (ストレージ・プロバイダー) WWPN のリストを作成します。
ホワイトリストにデータを取り込むには、コマンドの後に WWPN を追加します。
例: powervc-config storage fc-zone zone-masking --whitelist
twwpn1 twwpn3 twwpn4
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fc-zone zone-name-prefix | ゾーン名の作成時に使用されるプレフィックスを設定します。 | |
fc-zone zone-name-template |
このコマンドは、PowerVC の zone-name-template 設定を表示または構成するために使用します。 zone-name-template は、新規ゾーンの命名方法を指定するストリングです。 これには、NPIV ボリューム接続用に作成されたゾーン名に挿入される情報の一部を表す静的テキストと動的置換変数が含まれます。 置換変数は、例えば、仮想マシン名、イニシエーター WWPN、ストレージ・ホスト名などです。 例: 有効な値を判別するには、 |
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fc-zone zone-one-target | これを有効にすると、ゾーン作成用に、イニシエーターごとに 1 つのターゲットのみが使用されます。
zone-one-target を無効にすると、ゾーンの作成時にすべてのターゲットが使用されます。
デフォルト値は「true」です。
注: このプロパティーは IBM Storwize® コントローラーでは使用されません。
Storwize コントローラーの場合、追加仕様プロパティー
drivers:multipath によって、すべてのターゲットをゾーニングする必要があるか、入出力グループ内の各ノードから 1 つのターゲットをゾーニングする必要があるかが決定されます。
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hitachi array-ports | 指定された Hitachi プロバイダーを、リストされた Hitachi アレイ・ポートを使用して構成します。 | |
hitachi thin-pool | カスケード・シン・イメージの複製およびスナップショットと一緒に使用されるように Hitachi コントローラー・プールを設定します。 このコマンドは推奨されません。この機能を実行するには、ユーザー・インターフェースにアクセスしてください。 | |
hitachi-thinpool | カスケード・シン・イメージの複製およびスナップショットと一緒に使用されるように Hitachi コントローラー・プールを設定します。
このコマンドは推奨されません。代わりに hitachi thin-pool を使用してください。
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host-name-format |
PowerMax ストレージ・プロバイダーのショート・ホスト名カスタマイズ用のテンプレートを設定します。 |
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onboard-voltype | PowerVC に追加されたストレージ・プロバイダーのボリューム・タイプを構成します。 このコマンドは推奨されません。代わりに powervc-config storage set-template を使用してください。 |
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portgroup | 自動構成オプションを含め、EMC VMAX 候補ポート・グループ・リストを構成します。 このコマンドは推奨されません。 | |
portgroup-format | PowerMax ストレージ・プロバイダーのポート・グループ・カスタマイズ用のテンプレートを設定します。 | |
replication | VMAX ストレージ・プロバイダーが SRDF 複製グループを使用できるようになります。 このコマンドは推奨されません。 | |
set-template | これは、ボリュームのストレージ・テンプレートを設定します。 既存のボリュームが管理されている場合、そのボリュームに関連付けられているストレージ・テンプレートはありません。 このため、ストレージ・テンプレートを必要とする何らかの機能 (整合性グループ) に関する問題が発生します。 | |
storwize | IBM Storwize デバイス用に PowerVC Cinder 構成を設定します。
引数 use-one-iogrp を使用すると、仮想マシンのボリュームを 1 つの入出力グループに統合できます。
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timeouts | ストレージ・タイムアウト/間隔設定を構成します。 | |
vol-name-format |
このコマンドは、PowerVC のボリューム名テンプレートを表示または構成するために使用します。 このテンプレートは新規ボリュームの命名方法を指定します。 これには、ボリューム名に挿入される情報の一部を表す静的テキストと動的置換変数が含まれます。 有効な値を判別するには、 |
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zone-name-prefix | これは、PowerVC がゾーンを作成するときに使用されるプレフィックスを指定します。このコマンドは推奨されません。代わりに fc-zone zone-name-prefix を使用してください。
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backup-service swift | swift をバックアップ・サービスとして有効にします。
サポートされている認証メカニズムは Keystone v3 です。
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backup-service posix | デフォルト POSIX をバックアップ・サービスとして有効にします。
swift バックアップが有効になっていると、このコマンドを使用してバックアップ・サービスを swift から posix に切り替えたり、デフォルト構成を更新したりすることができます。
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svc-retain-aux-vol | これは、グローバル・ミラー・ボリュームがタイプ変更または削除されるときに 2 次ストレージ上でボリュームが削除されるというデフォルト動作を変更します。 | |
cisco_wait_retry | これは、Cisco ファブリック再試行タイムアウトを設定します。 Cisco スイッチへの呼び出しは、この構成で指定された時間に対して指数関数的に増加する間隔で再試行されます。 | |
network | audit | ネットワーク・サービスの監査設定を構成します。 |
tunneling-ip | トンネリング IP アドレスを表示または設定します。このアドレスを使用すれば、nova-compute プロセスと直接通信できます。 | |
compute | allow-dup-net | 重複する VLAN ネットワークを作成する機能を構成してください。 |
arr-host-maint | 自動リモート再始動後にホストを保守モードに移行するかどうかを構成します。 | |
audit | 計算サービスの監査設定を構成します。 | |
auto-pvmvlan-clnup | これが有効になっていると、PowerVC は仮想マシンのマイグレーション後に VLAN を削除します。 -host パラメーターを使用してホスト名を指定すると、このアクションはそのホストに対してのみ行われます。 ホストを指定しない場合、このアクションはすべての登録済みホストに対して行われます。 | |
fabric-sync | このコマンドは、ファブリック同期間隔 (分) を変更する場合に使用します。
間隔の経過後、PowerVM® ホストは、次回に環境内のトポロジー情報をデータベース内のトポロジー情報に合わせて調整する際に、すべての登録済みファブリックに接続し、どのホスト・ポートがどのファブリックにログインしているかを判別します。
これは、登録済みホストごとに行われます。
この同期アクティビティーは、新しいファブリックが管理または管理解除されるたびに自動的に行われます。 ただし、ファイバー・チャネルの物理的ケーブル接続が変更され、PowerVC がそのことを認識していない場合は、仮想マシンのデプロイメントが、ストレージ接続グループ要件を満たすホストに正確にスケジュール設定されるように、この同期間隔によって PowerVC がその情報を確実に更新するようになります。 デフォルトのファブリック同期間隔は、120 分に、0 から 30 のランダムな分数を加算した値です。 ランダムな追加の分数は、すべての計算ホストが同時にファイバー・チャネル・ファブリックに接続し、それらが照会によって過負荷になることを防ぎます。 |
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live-capture | 稼働中の仮想マシンを取り込む機能を設定します。 | |
maint-migr-timeout | ホストが保守モードに移行する場合の仮想マシン・マイグレーションのタイムアウト値を構成します。 仮想マシンのマイグレーションにかかる時間がこの値を超えると、ホストは保守エラー状態になります。 | |
mover-service-par | このコマンドは、ライブ・パーティション・マイグレーションのためのムーバー・サービス・パーティションとして使用するように VIOS IP アドレスのコンマ区切りリストを構成する場合に使用します。
VIOS 上に複数のネットワーク・アダプターがあり、マイグレーションをより高速なネットワークで実行したい場合は、この値を高速なネットワークの IP アドレスに設定してください。 複数 VIOS 環境では、すべての VIOS の MSP IP をリストすることが可能であり、そのうちの 2 つがライブ・パーティション・マイグレーション操作時に冗長 MSP に対してランダムに選択されます。 |
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avoid-msp-validation | mover-service-par コマンドを使用して構成された MSP IP の検証を回避する場合に、このコマンドを使用します。 |
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server-domain | 仮想マシンのデフォルト・ドメイン・ネームを表示または設定します。 | |
vfc-over-commit | NPIV ポートのオーバーコミット割り振りを行うかどうかを構成します。 | |
storage_hostname_template | このコマンドは、NPIV 仮想マシンのデプロイ中にバックエンド・ストレージでホスト名をカスタマイズする場合に使用します。
このコマンドは、XIV® および SVC のストレージ・タイプに使用できます。
デフォルトでは、ホスト名と
vm_display_name の切り捨ての長さはそれぞれ 20 文字です。
ただし、カスタムの切り捨て長を PowerVC CLI で指定することもできます。
詳しくは、 |
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metering | list-meters | PowerVC のサポート対象メーターを表示します。 有効なメーターを取得するには --enabled を使用します。 |
enable-meters | 新規メーターを追加して、そのデータ (メトリック) を収集します。 | |
disable-meters | 特定のメトリック収集を、対応するメーターを使用不可にすることで停止します。 | |
web | inactivity-timeout | ユーザーが指示に従ってログアウトするまで、ユーザー・インターフェースがアイドル状態でいられる時間の長さ。 タイマーを無効にするには、0 以下の値を指定してください。 |
reauth-warn-time | トークンの期限が切れて、ユーザーにパスワードを要求するまでの時間の長さ。 パスワードを入力することによって、新規トークンが取得されます。 タイマーを無効にするには、0 以下の値を指定してください。 | |
validation | audit | 妥当性検査サービスの監査設定を構成します。 |
コマンド | 説明 |
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openstack token issue | 新規トークンを発行します。 |
openstack token revoke | 既存のトークンを取り消します。 |