JES2 システム・データ・セット

ジョブ・ログは、ジョブの処理の過程で出されるユーザーの コンソール・メッセージおよび WTOR への応答を含むデータ・セットの集まりです。ジョブ区切りページの次のページのジョブ出力に ジョブ・ログを出力することができます。ジョブ・ログは、JESLOG=SPIN が指定されない限り、 1 つの出力グループとしてグループ化され、一度だけ印刷されます。 ジョブ・ログを印刷するかまたは抑制するかは、JES2 JOBCLASS 初期設定ステートメント、あるいは JCL を使用してインストール・システムで選択することができます。

JES2 ジョブ・ログのタイトル行に示されるシステム ID とシステム NODE は、最初にジョブ・ログにメッセージを入れた JES2 処理の フェーズの JES2 メンバー名と NODE 名です。

数日間実行されるジョブの場合に、特定のメッセージが記録された日時を 示すために、JES2 は JES2 JOBLOG に曜日/日付メッセージを用意します。最初のメッセージのタイム・スタンプは、最初のデータ・レコード (PUT) が処理 された時刻と一致します。その後に続くすべての曜日/日付メッセージのタイム・スタンプは、常に午前零時 (00.00.00) です。図 1 は、次のような場合の例を示しています。ジョブが、月曜日 (1995 年 3 月 27 日) に実行依頼され、次の 3 日間 (3 月 28、29、および 30 日) はメッセージが出されず、金曜日 (1995 年 3 月 31 日) に終了した場合、JOBLOG には 2 つの日付 のみが収められます。ジョブが開始した最初の日付は、JOBLOG の一番上に示され、もう 1 つの日付は、金曜日の終了前の、午前零時のところに表示されます。メッセージが記録されなかった曜日に関しては項目がないので、曜日/日付メッセージに伴う 2 つの連続行もありません。

図 1. JES2 ジョブ・ログの例
J E S 2 J O B  L O G - S Y S T E M  A Q T S - N O D E P O K

- MONDAY, 27 MARCH 2003 -
IRR010I  USERID PAULAC IS ASSIGNED TO THIS JOB.
ICH70001I PAULAC   LAST ACCESS AT 09:13:23 ON WEDNESDAY, MARCH 29, 2003
$HASP373 PAULACD  STARTED - INIT   12 - CLASS U - SYS AQTS
IEF403I PAULACD - STARTED - TIME=09.17.56
- ========================================================================================
-                               REGION      - STEP TIMINGS -           -PAGING COUNTS-
- STEPNAME PROCSTEP PGMNAME  CC USED   CPU TIME ELAPSED TIME EXCP SERV PAGE SWAP VIO SWAPS
- TSO               IKJEFT01 00 452K 00:00:01.46 00:00:06.48  538 37817   0    0   0     0
- FRIDAY,   31 MARCH 2003 -
$HASP395 PAULACD   ENDED
IEF404I PAULACD  - ENDED - TIME=15.20.02
- ========================================================================================
- NAME-PAULAK    TOTALS: CPU TIME=00:00:51.46 ELAPSED TIME=04:06:06.51 SERVICE UNITS=37817
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- JES2 JOB STATISTICS -
  27 MAR 2003 JOB EXECUTION DATE
           72 CARDS READ
        7,287 SYSOUT PRINT RECORDS

JES2 は、JESDS JCL ステートメントまたは /*JOBPARM JES2 制御ステートメント に定義されたパラメーターに基づいて、各ジョブごと に JES2 システム・データ・セットを生成します。このようなデータ・セットをジョブ・ログ と総称します。ジョブ・ログのデータ・セットは、JES2 により書き出され、ユーザーの出力に付加されます。これらのデータ・セットは、外部書き出しプログラムを介した処理 SYSOUT (PSO) インターフェースによって、または TSO/E OUTPUT コマンドを使ってもアクセスすることができます。

表 1 は、このような JES2 システム・データ・セットの 名前と目的を示しています。

表 1. JES2 システム・データ・セット
データ・セット名 データ・セットの目的
JESJCLIN 実行依頼された実際の JCL を示します。
JESMSGLG このジョブのシステム・メッセージを示します。
JESJCL 入力ストリーム中のすべてのジョブ制御ステートメント (すなわち、すべ ての JCL ステートメントと JES2 制御ステートメント)、および ストリーム内プロシージャーあるいはジョブ・ステップが呼び出す カタログ式プロシージャーからのすべてのプロシージャー・ステートメント、およびジョブ制御ステートメントに関するすべてのメッセージを示します。
JESYSMSG ジョブのハードコピー・ログを示します。このログには、ジョブの処理 (装置とボリュームの割り振り、ジョブ・ステップとジョブの実行と終了、およびデータ・セットの後処置) に関する、JES2 メッセージとオペレーター・メッセージが入っています。

JES2 は、実行が完了していないジョブ (すなわち、JOB JCL ステートメントに TYPRUN が指定されているジョブ、JCL エラーのあるジョブ、または MVS™ システム障害による障害が起こったジョブ) に関しては、JES2 システム・データ・セットを生成しません。ジョブ・ログの使用については、「z/OS MVS JCL 解説書」を参照してください。

ジョブ・ログの表示や抑制に関する詳細については、「z/OS JES2 初期設定およびチューニング 解説書」を参照してください。