一連のコマンドを何回も使用しなければならない経験は、大部分の
人がお持ちのはずです。
- プログラマーは常に同じコマンドを使用して、ソース・コードをコンパイルし
、結果のオブジェクト・コードをリンクすることがよくあります。
- 簿記担当者は毎週同じ一連のシェル・コマンドを使用して、
帳簿を更新し報告書を作成します。
そのような仕事を簡単にするため、シェルによって、テキスト・ファイル内
に保管されたコマンドのシーケンスを実行できます。例えば、
プログラマーはコンパイルおよびリンクのための適切なコマンドをファイルに
保管しておくことができます。このようなコマンドを持つファイルは、シェル・スクリプト と呼ばれます。そのようなファイルを作成し、それを実行可能にした後で、
プログラマーはファイル名をコマンド行に入力すれば、ファイル内のすべてのコマンドを
実行できます。
コマンドをシェル・スクリプトの中に入れておくことは、コマンドを個々に
入力することに比べて、いくつかの利点があります。シェル・スクリプトを使用すると、
- 入力の回数が少なくなります。シェル・スクリプトの入力は 1 回だけです。
ファイルの名前を 1 つのシェル・コマンドとして入力するだけで、スクリプト内
のすべてのコマンドを実行できます。多くのファイルを用いて作業をしている場合、または、複数のコマンド行にいくつかのオプションがある場合に、シェル・スクリプトを
使用すれば、多くの時間と労力を省くことができます。
- エラーの数が少なくなります。10 個のコマンドを入力すると、誤りの機会は 10 回になります。
しかし、シェル・スクリプトを使用すれば、ファイルを注意深く編集するのに時間をかけることが
でき、実行してみる前にそれを正しいことを確認できます。
- 担当者に代わって、容易に他の人が仕事をすることができます。例えば、簿記担当者の場合を考えてみます。簿記担当者が休暇を取ったとき、誰か他の人が代わりをしなければなりませ
ん。代行者にとっては、一連のコマンドを完全に入力するよりも、すべ
てを正しく実行するただ 1 つのコマンドを入力する方がはるかに易しいはずです。
これらの理由によって、シェル・スクリプトの使用により、ユーザー
の仕事が容易になり、生産性が向上することが分かるはずです。このトピックは簡単な概説を
記述するだけですが、シェル・スクリプトの作成方法および使用方法についてのヒント
が得られます。