XL C++ ランタイム環境ファイル・セット

このトピックでは、XL C++ ランタイム環境 V13.1 ファイル・セットのリストを示し、ランタイム環境のインストール時と使用時の注意事項について説明します。

表 1. XL C++ ランタイム環境ファイル・セットおよび デフォルトのインストール・ロケーション
ファイル・セット名 ファイル・セットの説明 デフォルトのインストール・ロケーション
xlC.rte XL C++ ランタイム・ ライブラリー

/usr/lpp/xlC/lib/
/usr/lpp/xlC/lib/profiled/

xlC.aix61.rte XL C++ ランタイム環境 (AIX® 6.1 および AIX 7.1 用)

/usr/lpp/xlC/lib/aix61/
/usr/lpp/xlC/lib/profiled/aix61/

xlC.msg.LANG.rte

XL C++ ランタイム・
メッセージ
LANG = [en_US, ja_JP, Ja_JP]

/usr/lib/nls/msg/LANG/
注: XL C++ ランタイム環境ファイル・セット名は xlC.* です。

XL C++ ランタイム環境のバージョン

コンパイラーのバージョンと、インストールされた XL C++ ランタイム環境のバージョンは異なる場合があります。XL C/C++ for AIX コンパイラーの新規バージョンがリリースされると、そのコンパイラーが提供する XL C++ ランタイム環境のバージョンが、新規コンパイラーでサポートされるすべてのプラットフォームで標準のサポート・バージョンとなります。AIX のフィックスパック、およびコンパイラーと XL C++ ランタイム環境の PTF はいずれも、XL C++ ランタイム・バージョンを、インストールされたコンパイラーのバージョンより後のバージョンにアップグレードする可能性があります。例えば、XL C++ ランタイム環境 V11.1.0.2 は May 2011 PTF for XL C/C++ for AIX, V10.1 に含まれていましたが、これは、XL C++ ランタイム環境 V11.1 がその時点での最新バージョンだったためです。

XL C++ コンパイラーを使用してコンパイルされたアプリケーションは、アプリケーションがコンパイルされたシステムと比較して、同じかそれ以上の VRMF レベル (バージョン、リリース、 モディフィケーション、および修正のレベル) のインストールされた XL C++ ランタイム環境を持つシステム上で実行する必要があります。例えば、 xlC.rte VRMF 10.1.0.7 がインストールされたシステム上でコンパイルされた古いアプリケーションは、xlC.rte VRMF 11.1.0.3 がインストールされたシステム上での実行はサポートされていますが、 xlC.rte VRMF 10.1.0.3 がインストールされたシステムでの実行はサポートされていません。

XL C++ ランタイム環境の VRMF レベル要求が満たされている場合、低いバージョンの AIX オペレーティング・システムでビルドされたアプリケーションは、より新しいバージョンの AIX でサポートされます。アプリケーションがビルドされたシステムよりも低い AIX バージョンへの下位互換性はサポートされていません。 例えば、xlC.rte VRMF 13.1.0.1 がインストールされた AIX 7.1 システムでビルドされたアプリケーションは、xlC.rte VRMF 13.1.0.1 (またはそれ以降の) ランタイム環境がインストールされた AIX 7.1 システムではサポートされますが、AIX 6.1 システムではサポートされません。また、xlC.rte VRMF が 13.1.0.1 より前の場合は、AIX のいずれのバージョンでもサポートされません。

アップグレードされたオペレーティング・システムでの XL C++ ランタイム環境の使用

オペレーティング・システムを AIX 5.3 から AIX 6.1 または AIX 7.1 にアップグレードする場合は、アップグレードされたシステム上の XL C++ ランタイム環境が、前に AIX 5.3 システムにインストールされていたバージョン以上になるようにしてください。

AIX 5.3 から AIX 6.1 または AIX 7.1 へのアップグレード手順では、xlC.aix50.rte ファイル・セットが自動的にアンインストールされ、オペレーティング・システム・アップグレードにパッケージされた xlC.aix61.rte ファイル・セットがインストールされます。場合によっては、このパッケージされたファイル・セットには、前に AIX 5.3 にインストールされていたバージョンよりも低い XL C++ ランタイム・バージョンが含まれていることがあります。より低い C++ ランタイム・レベルが使用されると、以前の高い C++ ランタイム・レベルで使用または開発されたアプリケーションにおいてエラーが発生する可能性があります。

lslpp -l xlC¥* コマンドを使用すると、インストールされた XL C++ ランタイム環境のバージョンを確認できます。このバージョンが、前に AIX 5.3 にインストールされていたバージョンよりも低い場合は、Fix Central または Latest updates for supported IBM® C and C++ compilers から、最新のランタイム更新をダウンロードできます。 オペレーティング・システムのマイグレーションについて詳しくは、オペレーティング・システムのマイグレーションを参照してください。

関連情報:

現在サポートされている IBM XL C++ ランタイム環境の判別方法について詳しくは、「Determining the currently supported IBM XL C++ Runtime Environment for a given AIX OS level」を参照してください。