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作業指示の機能と、組織内のメンテナンスタスクを最適化する方法について説明します。
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作業指示とは何ですか?

作業指示は、あらゆる組織のメンテナンス戦略の原動力です。管理者がメンテナンスリクエストを送信すると、リクエストを受け取ったエンティティは、メンテナンスタスクの詳細がすべて記載され、タスクを完了するためのプロセスの概要が説明されている正式な紙文書またはデジタル文書、あるいはその両方を作成します。この文書は作業指示書と呼ばれます。作業指示書には、次の情報も含まれている場合があります。

  • 注文を処理する会社
  • 当該ジョブの場所
  • あらゆるスキル、ツールまたは資材要件
  • 承認者
  • タスクに割り当てられた技術者またはサービスプロバイダ
  • 完成にかかる推定費用
  • 資材と人件費の見積もり
  • 完成予定日
  • 実際の完成日
  • 優先レベル

作業指示の主な目的は、メンテナンス作業に関わるすべての関係者が、ワークフローを常に把握できるようにすることです。作業指示を効果的に活用すると、部門や組織内のメンテナンス作業を効率的に組織し、伝達し、追跡するのに役立ちます。

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作業指示の種類

組織がメンテナンス作業を実行するには、数種類の作業指示書が必要になる可能性があります。組織の規模や組織が属する業界によっては、一部の種類の作業指示が他の種類のものよりも広く普及している場合があります。たとえば、有害な化学物質を製造する工場では、集合住宅よりもはるかに多くの安全作業指示を受けることになります。しかしながら、組織が処理する8種類の主要な作業指示を理解することが重要です。

  • 修正メンテナンス作業指示:修正メンテナンス作業指示は、その名が示す通り、技術者が検査または他の種類の作業指示の作業中に問題を発見した場合に、その評価を基に組織が問題を修正するのに役立ちます。通常、これらの作業指示には、機器または機器部品の修理または交換が含まれます。修正メンテナンス作業指示は、機器または資産がすでに故障している場合に出される緊急作業指示とは異なります。
  • 電気作業指示:電気作業指示は、照明、電源、配線などの電気機器の修理または設置のための作業指示です。
  • 緊急作業指示:組織は、重要な資産または設備の一部が故障し、生産または安全上の問題を引き起こしている場合に、緊急作業指示書を発行します。また、事後対応メンテナンス作業指示とも呼ばれる緊急作業指示は、即時の対応を必要とするため、最優先されます。
  • 一般作業指示:一般作業指示は、緊急性のない幅広いサービスに使用される作業指示です。そのサービスは、日常的な害虫駆除や塗装作業のようなより一般的な依頼を含んでおり、特定のカテゴリーには当てはまらないものです。
  • 検査作業指示:組織は、組織の資産を検査したい場合には検査作業指示書を使用します。組織は定期的または予防的メンテナンスプログラムの一環として、異常、リスクやその他の機能上の問題を事前に特定することを期待して、資産性能を評価するためのテスト(または一連のテスト)の実施を指示します。
  • 予防的メンテナンス作業指示:組織は予防保全のための作業指示により、資産の機能を最適に保ち、機器のライフサイクルを延長するために、定期的なメンテナンス作業をスケジュールに入れることができます。予防的メンテナンス作業指示は、組織が機器のダウンタイムを短縮し、法規制順守を維持し、大規模な修理に関連する費用を削減するのにも役立ちます。
  • 安全作業指示:安全作業指示は他の種類の作業指示とは異なり、人々を危害や危険から完全に保護するために存在します。安全作業指示には、液体・化学薬品の流出や物的損傷による物理的障害などの問題を含む、人員への傷害を防ぐための修理が含まれます。
  • 特別プロジェクト作業指示:特別プロジェクト作業指示は、アップグレードと改善に焦点を当てています。これらの作業指示により、組織は、機器または施設の近代化、生産性の向上、既存プロセスの合理化に役立つ新しい資産を導入することができます。
作業指示のライフサイクル

作業指示管理ワークフローは、メンテナンスタスクの特定から始まり、完了後の分析で終わる特定の組織のメンテナンス過程において、作業指示の作業がどのように進行するかについて説明しています。

フェーズ 1:タスクの特定

ライフサイクルの最初の段階では、個人または組織は、メンテナンススタッフが完了する必要のあるタスクを特定します。また、メンテナンス作業が計画されたメンテナンス(作業を前もって容易に特定できる場合)に該当するのか、または計画外のメンテナンス(作業の範囲と詳細について初期評価が必要な場合)に該当するのかを特定します。

フェーズ2:作業リクエストの提出

メンテナンスの問題が特定されると、管理者は作業指示リクエストフォームに詳細を記載し、レビューと承認のためそのフォームをメンテナンス部門に送信します。作業リクエストは、テナントの要求から予防的メンテナンスの監査まに至るで、さまざまな状況から発生する可能性があります。

フェーズ3:作業要求の評価

メンテナンス部門 (またはメンテナンスチーム) は、送信された作業リクエストを評価する責任があります。当該部門は、作業リクエストの詳細を検討して作業を完了できるかどうかを判断し、人員とリソースのニーズについて決定します。承認されれば、作業指示リクエストは作業指示に変換されます。

フェーズ4:作業指示書の作成

メンテナンスチームまたは監督者が作業リクエストを承認し、作業を完了するために必要な資材、機器、スタッフを割り当てた後、直ちに作業指示書を作成します。この作業指示書には、仕事に必要なすべての詳細情報に加え、会社の連絡先や完了期限の情報が含まれます。メンテナンスでは、ワークフロー全体の中で新しい作業指示をどのように優先順位付けするかを決定する必要もあります。

フェーズ5:作業指示書の配布と完了

このフェーズでは、チームまたは監督者は提案されたスケジュールに基づき、タスクのチェックリストを完了する適任のメンテナンス技術者に作業を割り当てます。組織がコンピュータ保守管理システム(CMMS)のソフトウェアを使用している場合、関係する作業は自動的に技術者に割り当てられます。

フェーズ6:作業指示の文書化と終了

メンテナンス技術者は、すべてのタスクを完了した後、直ちに作業指示を文書化して終了する責任があります。技術者は、各タスクに費やした時間、使用した資材または機器、作業の画像、および作業に関するメモや観察状況を詳細に説明する必要があります。管理者は、完了した作業指示を承認し、次のステップについてのガイダンスを提供する必要がある場合、または必要がない場合があります。

フェーズ7:作業指示書のレビューまたは分析

完全な作業指示書を確認することにより、メンテナンス作業に関する貴重な知見が得られます。組織はこの作業指示書を継続的に分析して、作業指示プロセスの改善の機会を特定する必要があります。作業指示書の完成後の分析は、メンテナンスチームが見逃したタスクや再検討する必要があるタスクを特定するのにも役立ちます。

作業指示書を管理するためのベストプラクティス

組織が作業指示書をどのように管理するかは、いくつかの要因によって異なります。その要因には、規模、業界、人員配置と財源、施設の維持要件、資産管理に関する全般的な手法などが含まれます。ただし、作業環境に関係なく、作業指示書管理プロセスの最適化に役立つベストプラクティスがいくつかあります。

  1. 目標を設定し、成功を測定する方法を決定します。作業指示プロセスが事業にとって最適に機能しているかどうかを確認するには、部門としての目標を設定し、その目標に向けた進捗状況を測定するために使用する測定基準を決定する必要があります。また、プロセスのどの要素を定量化する必要があるかを業務部門が把握できるよう、自らの KPI を理解することも重要です。
  2. 作業指示プロセスを標準化します。作業リクエストの送信、新しい作業指示の作成、既存の作業指示の終了のプロセスは、誰にとっても毎回同じであるべきです。作業指示書テンプレートを作成して、組織全体でフォーマットと構成要素が一貫していることを確認します。また、プロセスの各ステップの責任者が誰であるかをすべての関係者が把握できるように、役割と責任を明確に定義することも必要です。
  3. 積極的になろう。メンテナンスの問題や機器の故障をすべて予測することは不可能ですが、制御できるメンテナンスプロセスの要素について積極的に取り組むことが重要です。資産の予防的保守スケジュールを作成し、それを遵守します。リモート監視ツールを使用して、あらかじめ決められたスケジュールで作業リクエストを作成し、フォローアップする自動トリガーを設定します。積極的メンテナンスは、ほとんどの場合、事後対応または緊急メンテナンスよりも安価です。資産を最高の状態に保つために先行的な措置を講じることは、組織が最適な効率性を達成するのに役立ちます。
  4. CMMS またはエンタープライズ資産管理(EAM)ソフトウェアを使用します。作業指示を管理する最も簡単かつ効率的な方法は、EAM システムまたは CMMS ソフトウェアを利用することです。どちらも、作業指示プロセスを自動化し、請求書と期日を管理し、未処理の作業や人的エラーを軽減するハイテク保守管理ソフトウェアソリューションを提供します。

 

作業指示ソフトウェアを使用する利点

組織が成長するにつれて、進化し続けるデータのニーズを管理するために、紙の作業指示システムやスプレッドシートに依存することができなくなる可能性があります。大規模な組織やより複雑なニーズを持つ組織は、CMMS や EAM システムなどの作業指示管理ソフトウェアに投資することができます。

EAMシステムとCMMSは、基本的な作業指示書を作成し、追跡することに加えて、モバイルアプリとクラウドベースのテクノロジーを使用して、メンテナンスチームが予防的保全の計画を立案し、完了した作業を分析し、データを可視化して報告することにより、在庫管理を最適化するのを支援します。いずれかの作業指示管理システムを統合すると、組織が次のことを行う上で役立ちます。

コストの削減

高品質のCMMSまたはEAMは、サービスのリクエストと作業指示を自動的に計画、作成、追跡、整理するため、メンテナンスの管理者や監督者の過剰なタスク計画業務を排除します。デジタル作業指示管理システムを利用することによって、組織は大量のデータを電子的に保存することもできるようになり、紙の保管に関連する費用を削減します。

データアクセスを増やす

すべての作業指示データが一元的な場所に保存されているため、管理チームの全員が、ワークフローに沿って進行する作業指示の内容を追跡できます。モバイルデバイス用の付属ソフトウェアを伴う CMMS またはEAM のプラットフォームは、プッシュ通知を利用し、チームのメンバーがリアルタイムでタスクを表示および編集できるようにすることで、アクセス力をさらに一歩、進化させます。

データの可視性を拡張する

作業指示管理ソフトウェアを使用すると、組織は特定のニーズに合わせて、作業指示データを集約して表示できるようになります。メンテナンスチームは、カスタマイズ可能なレポートを作成して表示し、資産管理の合理化と予防的メンテナンスの予測に役立つ傾向データを視覚化できます。

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