VPCを利用すると、企業は他のパブリック・クラウドのテナントから論理的に隔離された仮想ネットワークを定義して制御できるようになり、パブリック・クラウド上にプライベートでセキュアな空間を構築できます。
クラウド・プロバイダーのインフラストラクチャーを、複数の世帯が住むアパートと考えてみてください。パブリッククラウドのテナントは、数人のルームメイトとアパートをシェアするようなものです。対照的に、VPCを持つことは、自分専用のコンドミニアムを持つようもので、他の誰も鍵を持っておらず、自分が許可しなければ誰もそのスペースに入ることはできません。
VPCの論理的隔離は、仮想ネットワーク機能とセキュリティー機能を使用して実装されるため、エンタープライズ顧客は、特定のリソースにアクセスできるIPアドレスやアプリケーションを詳細にコントロールできます。これは、ソーシャル・メディア・アカウントで公開済みの投稿を見ることができる人やできない人を制限するための「友達限定」や「公開/非公開」のコントロールに似ています。
VPCは、PaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)、サーバーレスとともに、最も人気のある4つのクラウド・サービス製品の1つであるIaaS(Infrastructure as a Service)カテゴリーに分類されます。Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud、IBM Cloud、Oracle Cloud Platform、VMwareなど、すべてのトップ・クラウド・サービス・プロバイダーがVPCソリューションを提供しています。
ヘルスケア、金融、官公庁・自治体など、高いレベルのセキュリティー、プライバシー、データ制御を必要とする業界では、多くの場合VPCが好まれます。Future Market Insights, Inc.のレポートによると、仮想プライベートクラウド(VPC)の市場シェアは、2022年の388億ドルから2032年には1,296億ドルに拡大すると予測されています1。この成長の原動力としては、シンプルなインストールと低コストの災害復旧(DR)ソリューションに対する需要の高まりや、中小企業における仮想プライベートクラウドの採用の増加などがあります2。
VPCとそのアーキテクチャーおよびそのメリットに関する詳細は、IBM CloudのRyan Sumnerが説明するこの動画をご覧ください。