ホーム

Topics

輸送管理システム

輸送管理システム(TMS)とは
IBMのTMSソリューションの詳細はこちら 登録してサステナビリティーの最新情報を受け取る
人の横顔、葉、雲のピクトグラムをコラージュしたイラスト
TMSとは

輸送管理システム(TMS)は、出入荷を管理する企業の能力を合理化するリアルタイムの物流ツールです。TMSソリューションは、多くの場合、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)として提供され、企業のエンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)やサプライチェーン管理(SCM)ソフトウェアに組み込むことができます。

TMSはクラウドベースのソリューションとすることもオンプレミス・ソリューションとすることもできますが、前者の方が今日のモバイルワーカーへの対応に適応性があります。

TMSは、グローバル企業が重要な貨物を追跡し、大規模なオートメーションを可能にし、サプライチェーン内のさまざまな組織が協力して世界経済を推進し続けるのに役立ちます。TMSソフトウェアに移行することで、企業は業務を組織の主要業績評価指標の観点からよりよく把握できるようになります。

ここ数年、グローバルに接続されたサプライチェーン(多くのタスクが自動化されており、すべての組織が常に商品の所在を把握し、サプライチェーン・エコシステム内の他の組織に実行した事柄を通知できる)の重要性が浮き彫りになっています。

統合されたソフトウェア主導のサプライチェーンによって、商品は可能な限り問題なく目的地に送り届けられるようになり、卸売業者、小売業者、eコマース・プロバイダーは、グローバル・サプライチェーンの最終顧客である消費者に販売するために必要な商品を受け取ることができます。

GHG排出量算定ガイド

環境パフォーマンス・データを管理するために使用されるプロセスと、温室効果ガス (GHG) 排出量を計算するために必要な手順について学習します。

関連コンテンツ EUのCSRDガイドに登録する
輸送管理システムのコンポーネント

TMSは多くの場合、機械学習(ML)や人工知能(AI)などの高度なテクノロジーを使用して、輸送業務で従業員が貴重な時間が費やしてきた既存の手作業プロセスを最適化します。価格に基づいてTMSを購入するお客様もいれば、次のようないくつかのコンポーネント提供において優れているソリューションを選択するお客様もいます。

倉庫管理システム(WMS):
商品の現在の入荷/出荷スケジュールを把握することで、倉庫管理者は、倉庫の容量を超過することなくスペースを最大限に活用できるようになります。

ワークフロー:
TMSは、サプライチェーンのライフサイクルをスムーズに進行させて経路の最適化を強化するワークフローの確立、自動化、監視に役立ちます。電話やEメール、テキスト・メッセージなどの手作業に頼るのではなく、自動化されたワークフローは、不必要な人的介入なしにルーティング、キャリアの選択、出荷追跡、請求書発行を処理できます。

調達
:TMSは、企業がベンダーと流通業者を比較し、すべての契約条件を単一のプラットフォームに保存し、短期および長期での納品に関するベンダーの変更の影響をより効果的に観察することで、企業が調達アプローチを一元化し、理解するのに役立ちます。

注文管理:
注文の作成と完了を追跡します。同じ顧客から複数の注文がある場合、TMSはそれらの注文をまとめることで無駄をなくし、全体的な効率を向上させることができます。

請求書発行:
配送において時間がかかるのは、顧客への請求書発行とサプライヤーへの請求書の支払いです。TMSソリューションでは、このプロセスを自動化し、支払い要求と請求書の正確性をチェックし、人手を介さずに金銭のやり取りを行うことができます。これにより、サプライチェーン上のすべての組織は大きなコストの浪費を排除できます。

API:
どのTMSにおいても主要なコンポーネントの1つは、APIを介して外部のソフトウェアやシステムを利用できる機能です。最新のTMSの多くは購入可能であり、ライセンス適合性によりAPIを介してERPやSCMなどの多くの内部ソフトウェアやソリューションと連携できます。

輸送管理システムを利用することにメリットがある企業

サプライチェーン全体は、さまざまな組織が実現可能なほぼリアルタイムでの情報共有に依存している繊細なエコシステムであり、そのチェーンが途切れることはありません。車両管理に依存している組織はすべて、輸送管理ソフトウェアの価値を評価しています。

荷送人

商品を所有したり生産したりする企業は、それらをさまざまな輸送モードで出荷します。例えば、海上、鉄道、道路、空路、またはインターモーダルのようなそれらの組み合わせの輸送では、サプライチェーン全体のリアルタイムと長期の両方の可視性が必要です。

それはつまり、請求書の管理、商品の流れの監視、車両上にある商品の現状把握、出荷の追跡のための、適切に整理された情報が必要であるということです。

運送業者または貨物サービス・プロバイダー

原材料や消耗品の輸送車両を運営する企業は、TMSを使用して、荷送人に代わって出荷する貨物を追跡する必要があります。

貨物ブローカー

物流サービス・プロバイダーは、荷送人と貨物サービス・プロバイダーの間に入り、特定の貨物設備を手配します。必要に応じて適切なソリューションで顧客をサポートするために、顧客の設備の状況と予想される出荷要件を把握する必要があります。

出荷ヤードと倉庫

倉庫の管理者や出荷ヤードの労働者は、リアルタイム更新のダッシュボードを持ち、配送状況を確認する必要があります。そのようにすることで、建物やヤード内で適切なスタッフ数やスペース量で配送に対応し、効率的な荷下ろしや保管ができるようになります。

再販業者、eコマース・プロバイダー、小売業者

サプライチェーンの終端では、これらの企業は商品がいつ消費者に届くかを把握する必要があります。TMSが提供するリアルタイムの可視性により、棚の在庫を管理し、顧客とコミュニケーションを取ることができます。

IBMニュースレターの購読
輸送管理システムのメリット

輸送管理システムには、サプライチェーン全体のあらゆる種類の組織にとって、より優れた連携とプロセス管理を実現するために役立ついくつかの利点があります。

コスト削減:
配送ルートと目的地を最適化することで、企業はコストを削減し、効率化を進めることができます。企業は、スプレッドシートの複雑なネットワークを維持し更新するために、大量の手作業を割り当てています。TMSソフトウェアは、これらの情報を1つのツールに一元化することで、その複雑さを管理するのに役立ちます。

その結果、長期的な人件費が削減され、従業員がより高度な問題に取り組むことができるようになります。荷送人の中には、1台のトラックに他の荷送人からの商品を組み合わせて出荷する混載トラック輸送(LTL)での配送を要求するところもあります。

混載された他の商品の中で、自身の出荷を追跡できることは重要です。内部データと外部データの作成と分析を自動化することで、出荷組織は、より短時間での請求書発行や商品の荷下ろしなど、収益性の強化と効率の向上に役立つ新たな洞察を生み出すことができます。

連携の強化:
グローバル・サプライチェーンでの輸送には、荷送人、貨物ブローカー、貨物サービス・プロバイダーなどの輸送ネットワーク間の重要な連携が必要です。すべてを1つのクラウドベースのソフトウェアに統合することで、複数の組織がサプライチェーン全体を総合的に把握できるようになります。

強化された予測:グローバル・サプライチェーンでの出荷には、出荷の積み込み、集荷、および配送ルートを計画するための正確な予測(ibm.com外部へのリンク)が必要です。1このようにサプライチェーンを可視化することで、組織は自社とクライアントの効率性を計画し、最適化できます。さまざまなタイムラインで出荷を追跡することで、組織はビジネスの全体的な見通しを向上させることができます。

顧客満足度の向上:
サプライチェーンのあらゆる段階に沿って、原材料プロバイダーからメーカー、荷送人、再販業者、小売業者、顧客へと引き継ぎが行われます。事業者と顧客の満足度は、予定どおりの納品や遅延通知があるかどうかにかかっており、それを満たすために代替計画を立てることができます。TMSを使用して動きを追跡し、遅延があった場合(または予定日より前に納品される場合)、すべての参加者にアラートを出すことで、関係者全員が不満を感じずに済みます。
文書化の強化:TMSによる商品の出荷プロセスの自動化により、文書化がいくつかの点で改善されます。これには、コンプライアンスに応じたすべての文書の標準化、デジタル・チェーンによる管理の作成、リアルタイムの出荷更新の実現、文書のアーカイブ記録の自動的な作成が含まれます。

自動入札:
入札は、荷送人が特定の配送ニーズがある場合に、複数の輸送業者から競り値を求めることができるプロセスです。TMSは、荷送人が取引可能な運送業者について持っているすべての情報を整理し、自動的に連絡を取り(ibm.com外部へのリンク)、重要な情報と条件を伝え、オファーを受け入れることで、コストを節約し、不要な手作業を削減できます2
モビリティー:多くの組織では主にデスクトップ・コンピューターでTMSを稼働してワークフローを管理しますが、従業員が常に出先で仕事をしているようなアジャイルな企業では、モバイル・アプリが不可欠です。

輸送管理システムの課題

自動化されたTMSソリューションの導入を検討している組織は、当初はいくつかの困難に遭遇するかもしれませんが、輸送管理ソリューションのメリットは、最終的にはさまざまな課題を上回るものとなります。

とはいえ、どの組織であっても自動化されたTMSソフトウェアに移行する際に認識しておくべきいくつかの特定の問題があり、それらを押さえておくことで変革を首尾良く進めることができます。

ユーザー側の受け入れ体制:
物流の管理に独自の手作業によるアプローチを採用している組織の場合、従来のアプローチから脱却して新しいシステムに移行するのは困難な場合があります。企業が新しいシステムを導入する際、従業員が新しいシステムに戸惑いを感じると、既存のプロセスに戻ってしまうことがよくあります。

経営陣は、明確にコミュニケーションを取り、データを使用して意思決定の正当性を説明して、チームが仕事におけるその新しいテクノロジーの価値を理解できるようにする必要があります。さまざまなモジュールがどのように機能するかを示すオンボーディング教育を用意することで、このプロセスを加速できます。

既存のERPおよびSCMへの統合:
新しいTMSを導入したら、既存のソフトウェアやシステムとの統合が必要になります。この統合の複雑さは、企業が所有している既存のソフトウェアとシステム、利用できるITサポート、その統合のコスト、どのように既存のビジネス・プロセスを中断することなく統合に取り組むかなどで異なります。

パートナーの参加:
TMSは、サプライチェーン内の1つの組織が輸送プロセスの一部を管理するためにも価値がありますが、すべてのパートナーやサプライヤーがTMSを利用すれば、その価値は飛躍的に大きくなります。

企業のパートナーをソフトウェアに統合してそのソフトウェアを使用することができない場合、企業は複数の通信と物流のストリームを管理しなければならず、ソリューションの有効性は低くなります。

 

輸送管理システム製品
資産管理 IBM® Maximo Application Suiteによる輸送資産管理

運用、保守、監視、品質、信頼性のための完全なソリューション・スイートで、輸送資産の生産性を最適化します。

詳細はこちら IBM Maximoツアーに参加する

輸送管理システム・リソース 旅行業界向けのコネクテッド・カーと自動運転車の開発

自動運転車業界の新たな可能性とインテリジェントなソリューションは、業界が直面している課題に対処するための大きな可能性を秘めています。

サプライヤーとの簡素化された連携から自動車業界がメリットを得られる3とおりの方法

サプライチェーンとB2Bネットワークのレジリエンスを高める3とおりの方法によって、極端な変化の時代にも事業の継続性を確保し、組織を長期的な成長に導くことができます。

意思決定インテリジェンスの台頭:意思決定を最適化するAI

企業は、単に優れた洞察を得るだけでなく、AIとMLからより高いリターンを得ようとしています。希少なリソースをどのように割り当てるか、タスクのスケジュールを設定する方法、制約に対処する方法についての複雑な決定を簡素化するのに役立つ推奨事項にアクセスする必要があります。

次のステップ

IBM Maximo Application Suiteを使用して 保守、検査、および信頼性システムを1つのプラットフォームに統合することで、企業資産の可能性を最大限に引き出します。IBM Maximo Application Suiteは、AI、IoT(モノのインターネット)、高度な分析の力を活用して資産のパフォーマンスを最大化し、資産のライフサイクルを延長して運用コストを最小限に抑え、ダウンタイムを削減する、統合されたクラウドベースのソリューションです。

Maximoはこちら デモの予約
脚注

1 Creating value in transportation and logistics、McKinsey、2015年11月1日(ibm.com外部へのリンク)

2 3 things CPOs should consider for efficient procurement automation、 Supply and Demand Chain Executive、2023年4月19日(ibm.com外部へのリンク)