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公開: 2024年3月8日
投稿者: Alice Gomstyn, Alexandra Jonker

スマート・オフィスとは

スマート・オフィスとは、従業員の体験を向上させ、生産性を高め、コストを削減し、エネルギー効率を高める革新的な職場技術を備えたオフィス・スペースのことです。

スマート・オフィスを支える主要テクノロジーには、オートメーションモノのインターネット(IoT)、統合型職場管理システムがあります。スマート・オフィスでは、スマート照明やスマート・サーモスタット、スマート会議室、スマート・デスクも一般的に見られます。

ESGレポーティング・フレームワークのガイド

本書では、ESG報告のアプローチを支援するためのガイドラインを提供します。

スマート・オフィス導入の原動力は

2つの大きなトレンドが、ビジネス・リーダーにスマート・オフィス技術の導入を促しています。

スマート・テクノロジーの台頭: スマート・テクノロジーは、1990年代のインターネットの商業化、2000年代のインターネット接続テレビの出現、モバイル・ネットワークの成長、データ分析の進化など、複数の技術的進歩によって生まれました。1今日では、データ収集機能と接続性を備えたスマート・テクノロジーが、都市農場家庭などさまざまな環境で持続可能性とユーザー体験を向上させるために導入されています。オフィス環境も例外ではなく、世界のスマート・オフィス市場は2032年までに1,226億米ドルに達すると予測されています。2

リモートワークとハイブリッドワークの増加: 新型コロナウイルス感染症の世界的流行によるリモートワークの急増と、その後のハイブリッド職場の普及により、労働力がかつてないほど分散しています。その結果、リモートワーカーとオフィス内のチームメンバーが協力しやすくするスマート・オフィス・テクノロジーの需要が高まっています。

スマート・オフィスのメリットとは

スマート・オフィス・ソリューションを採用する企業は、さまざまなメリットを享受できます。

コストの削減:

スマート・オフィス技術を用いることで、オフィス・スペースの利用状況を把握し、どのタイミングでどのようにレイアウトを変更すべきかを判断できます。これにより、不動産コストを削減し、賃料や維持管理費を節約できます。ハイブリッドワークやリモートワークの増加によりオフィス・スペースが縮小する場合、スマート・オフィス管理ツールを利用して、ホット・デスクなどのスペース・シェアリングを促進することが可能です。また、エネルギー効率を改善するツールを導入することで、電気代の削減も期待できます。

二酸化炭素排出量の削減

エネルギー効率の改善は、企業のカーボン・フットプリントの削減にも寄与します。これは、ESG目標の達成と環境意識の高い利害関係者の満足に焦点を当てている企業にとって主要なメリットです。

従業員の生産性と福利厚生の向上

スマート・オフィス・ソリューションにより、室内環境を個々のニーズに合わせてカスタマイズできます。3これにより、従業員の快適さが向上し、その結果として生産性と従業員の定着率が向上します。

セキュリティーの向上

サイバー攻撃が企業にとってますます重大な脅威となっているため、スマート・オフィスには、アクセス制御をサポートし、データ・セキュリティーのリスクを軽減するさまざまなテクノロジーを組み込むことができます。

スマート・オフィスにはどのようなテクノロジーがあるのか

現在のスマート・オフィスには、以下のようなテクノロジーが採用されています。

モノのインターネット(IoT)

モノのインターネット(IoT)とは、センサー、ソフトウェア、ネットワーク接続が組み込まれた物理デバイスや車両、家電、その他のオブジェクトのネットワークを指します。これらの組み込まれた機能により、オブジェクトがデータを収集できます。スマート・オフィスの場合、センサーがオフィスの稼働率や利用パターン、人の動き、温度、照明条件などのリアルタイム・データを収集し、オフィス内での最適なリソースのデプロイメントを決定するための情報を提供します。

統合型職場管理システム(IWMS)

統合型職場管理システム(IWMS)は、ビジネス・リーダーや施設管理者が会社の不動産やワークスペースを最適化するのに役立ちます。最先端のIWMSでは、IoTセンサーやスマート・デバイスから収集されたデータを人工知能(AI)が分析し、戦略的なスペース管理に関する洞察を提供します。また、IWMSはカスタマイズされたモバイル・アプリケーションを作成することで従業員の能力を強化することもできます。従業員は、これらのアプリを使用して、デスク予約(デスク・ブッキング)や保守依頼を、電話をかける時間をかけずにスマートフォンで数回タップするだけで行えます。

スマート会議室

スマート会議室は、ビデオ会議機能やインタラクティブ・ホワイトボードなどの機能を備え、物理的な作業環境と仮想的な作業環境を融合させます。これにより、現地の従業員とリモートワーカーが効率的に協働できる環境が整います。

スマート照明システム

スマート照明システムは、オフィス内の自然光の量を計算し、必要に応じて照明を調整します。これにより、自然光と人工光のバランスを最適化し、従業員が快適に作業できる環境を提供します。また、部屋やスペースの使用状況に応じて照明を自動的にオン/オフすることで、電力消費を削減します。

スマート・サーモスタットと空調システム

スマート・サーモスタットやインテリジェントな空調システムは、オフィスの稼働状況やIoTセンサーで検出した室内環境に基づき、気流や冷暖房、二酸化炭素レベルや湿度を自動的に調整します。このようなリアルタイムでの動的な調整により、従業員にとっての快適性が向上し、エネルギー消費の削減が実現します。

オートメーション

オートメーションとは、最小限の人手でタスクを実行するための技術を活用することです。スマート・オフィスでは、スマート照明システムやスマート・サーモスタットが自動調整を行います。

スマート・デスク

予約システムに接続されたデスクはスマート・デスクと呼ばれます。また、従業員の好みの高さに簡単に調整できる電動デスクも指し、共有ワークスペースを持つオフィスに便利な追加機能を提供します。

スマート入退室管理システム

スマート入退室管理システムは、指紋認証や顔認証などの生体認証技術や多要素認証を利用し、訪問者管理やデータの不正アクセス防止に役立ちます。また、権限のない人物がオフィスに侵入しようとするなど、不審な行動を検知することも可能です。4

スマート・オフィスの技術はどこで使われているか

スマート・オフィス技術は、官民を問わず世界中で広く利用されています。

  • マサチューセッツ州にある試験設備製造会社のTeradyne社では、IWMSを用いてオフィス利用率を測定し、それに基づいて不動産のフットプリントを削減し、新たなオフィス・スペース管理戦略を導入しました。
  • オーストラリアのビクトリア州にある王立メルボルン病院の施設管理者は、モバイル・デバイスでアクセスできるデジタル・タスク管理プラットフォームを使い、600種類のサービス・リクエストに対応しました。このIWMS搭載プラットフォームは、対応時間の短縮と紙ベースの旧プロセスに伴う無駄の削減に貢献しています。
  • 米国総合サービス庁は、建物にスマート・テクノロジーを導入することで、2008年以降、年間運用温室効果ガス排出量を51%削減しました。5
  • 新型コロナウイルス感染症が世界的に流行している間、IBM Global Real EstateがIWMSを使用してスペース利用を分析し、370カ所の従業員に安全な職場環境を提供しました。
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