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モバイルワーカーとは

モバイルワーカーは、物理的な場所の中心に縛られない従業員のグループのことです。その代わり、従業員はコンピューター、スマートフォン、その他のモバイル機器など、さまざまな種類のモバイル技術でつながっています。これらのテクノロジーがますますポータブルで使いやすく、手頃な価格になっているため、モバイルワーカーは広く普及しつつあります。

モバイルワーカー環境は、単なる在宅勤務をはるかに超えています。高度なモバイルデバイスの登場により、モバイルワーカーは、かつては本社でしか利用できなかったソフトウェアアプリケーションやデータにアクセスできるようになりました。 医療、建設、農業などの業界の現場作業員は、現場でも外出先でも複雑な作業を行うことができます。

モバイルワーカーが重要な理由

モバイル業務は、従業員がホーム・オフィスで働く従来のリモートワークとは異なります。モバイルワーカーとは、特に1つの固定された場所で勤務をしない従業員を指します。これには、自宅とオフィスを行き来するハイブリッドワーカーや、勤務中に移動が必要なデスクレスワーカーも含まれます。出張看護師、店舗間を交代で勤務する小売店従業員、電気通信分野の技術者もすべてモバイルワーカーに含まれます。

前述のOMDIAの報告書によれば、モバイルワーカーは今日の労働力の大半を占めています。中央オフィスや店舗など、ひとつの場所に「固定」されている労働者は33%にすぎないのです。

新型コロナウイルス感染症パンデミック中に、多くの企業がモバイルワーカーを採用しました。学校の教師や銀行員など、従来の場所ベースの仕事をリモートワークに移行することで、組織は危機下でも事業体を維持することができたのです。

また、モバイルワーカーの成長は、より長期的な技術やビジネスの変化にも後押しされています。先進的なモバイル・デバイスにより従業員がどこからでも仕事ができるようになり、モバイルワーカーを導入した企業には次のようなメリットが生まれています。

顧客体験の向上

従業員は、オフィスに戻るまで待つのではなく、モバイル・デバイスからデータにアクセスすることで、顧客に即座に回答を提供し、現場でリアルタイムに課題を解決することができます。

運用コストの削減

Global Workplace Analytics(ibm.com外部へのリンク)の調査によると、従業員が毎週2-3日社外で働く場合、企業は従業員1人当たり年間11,000米ドルを節約できるといいます。また、ビデオチャットを利用することで、ミーティングのために従業員を中央の拠点に呼ぶことに伴う物流コストや出張コストを削減することができるのです。

従業員の生産性の向上

モバイル業務によって、チームメンバーがワークライフバランスを見つけてストレスを軽減し、従業員のパフォーマンスと定着率を向上させることができます。OMDIAのレポートによると、54%の企業がモバイル業務へ移行したことにより従業員の生産性が向上したと回答しています。モバイル業務はまた、企業が24時間365日体制でカスタマーサービスを提供し、タイムゾーンを越えて従業員と継続的なワークフローを確立することを可能にしてくれます。

人材プールの拡大

モバイルワーカーには世界中の人々が含まれるため、他の方法では不可能な地理的、社会経済的、文化的多様性がもたらされます。モバイル業務オプションは、障害を持つ労働者、子供を持つ親、介護者、およびより柔軟性を必要とするその他の人々にも好まれる可能性があります。

効果的なモバイルワーカーの育成における課題

新型コロナウイルス感染症のパンデミックのような危機は、可能な限りモバイル業務を推奨することの重要性を浮き彫りにしています。課題は、コラボレーション、生産性、安全性を維持しながら、モバイルワーカーに重要なビジネスソフトウェアへのリモートアクセスを提供することです。

モバイルワーカーを構築する場合、企業のリーダーは次のことを考慮する必要があるかもしれません。

テクノロジー


モバイルワーカーは自分のデバイスを選択したいと考えています。彼らは職場のテクノロジーが、消費者向けアプリやデバイスと同様のユーザー・エクスペリエンスを提供してくれると期待しているのです。組織は、ノートパソコン、ウェアラブル端末、タブレット端末、スマートフォンなど、さまざまなソフトウェアとハードウェアを管理する、個人所有デバイスの業務使用(BYOD)ポリシーとプロセスを作成する必要がある場合があります。

データ・セキュリティー


従業員が自分のデバイスやアプリを業務に使用することで、セキュリティの脆弱性が生じる可能性があります。従業員が、シャドーIT(公式な承認や監督なしに使用されるIT資産)を社内ネットワークに持ち込む可能性があるためです。承認されたモバイルアプリやデバイスであっても、従業員が安全でない公衆無線LANネットワークを通じて機密データにアクセスすると、問題が生じる可能性もあります。

資産と従業員の追跡


多くの場合、企業はモバイルワーカーとその資産を追跡して、コンプライアンスを維持しワークフローを最適化しています。例えば、企業が位置追跡を利用して、現場技術者と最も近い仕事を結びつけることもできるのです。しかし、従業員が特に自分のデバイスを使っている場合、追跡されることに反対する可能性があります。

モバイル・アプリの構築または購入


複数のプラットフォームに対応したカスタム・モバイル・アプリを開発することは、コストと複雑さを伴います。一方で、複数の第三者のベンダーのアプリを管理することで、適切なIT管理が困難になる可能性もあります。IBMのようなソフトウェア・プロバイダーは、モバイル・アプリを開発するだけでなく、統合されたモバイル・アプリ管理ソリューションも提供しています。

モバイルワーカーの現在および将来の傾向

新型コロナウイルス感染症のパンデミック中、多くの企業は事業継続を確保するために従業員のリモートワークを許可しました。パンデミックを乗り越えてからも、多くの企業はこうしたリモートワークやモバイル業務の取り決めを維持しています。新しいテクノロジーにより、リモートワーカーもより現実的なものになったのです。

Asana、Slack、Webex、Zoom、Googleカレンダーなどのツールは、モバイルワーカーのバーチャルワークとコラボレーションを簡単かつ効率的にしてくれます。しかし、こうした新しいツールやアプリは、効果的なIT管理に課題をもたらす可能性もあります。生体認証リーダー、ウェアラブル端末、音声コントロール、近距離無線通信(NFC)、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)など、モバイル技術におけるその他のイノベーションも、コミュニケーションやビジネス・ワークフローを改善しています。

最近まで、モバイル・テクノロジーを導入する際の主な障壁の1つは、信頼性の高い高速ワイヤレス信号がないことでした。5Gワイヤレスの導入により、モバイルワーカーは、遅延や中断なしに、巨大なファイルも同僚と共有し、ビデオで共同作業を行うことができるようになりました。

5Gのような技術革新により、中小企業でもARやVR技術を活用し、コミュニケーションやコラボレーションを強化することができるのです。ワーカーは、ARを使用してオンデマンドで配信される情報を使って複雑な作業を行うこともできます。例えば、建築やエンジニアリングの作業員は、ARデバイスを使って新しいプロジェクトを計画することができますし、サプライチェーンの管理や在庫のピッキングもARで行うことができます。

組織は、オフィス従業員のリモートワークやモバイル業務への大規模な移行をよりよく管理するために、新しいソフトウェアツールを採用し続けるでしょう。この移行の一環として、主要なソフトウェア・ベンダーや機器ベンダー、ネットワーク・サービス・プロバイダーと戦略的関係を結ぶことで、企業はインフラやサービスの中断を最小限に抑えることができます。

人口動態の傾向もモバイルワーカーの増加に影響を与えています。ミレニアル世代とZ世代は労働力の最大部分を占めています。(ibm.com外部へのリンク)調査によると、このような労働者は柔軟な働き方を好むようです。(ibm.com外部へのリンク)

モバイルワーカー管理テクノロジー

一部のモバイル従業員はSlackやAsanaのようなアプリに頼って仕事をしている一方で、多くの企業はモバイルワークフォースのセキュリティと生産性をサポートするために、専門のモバイルワーカー管理ツールを使用しています。

モバイルワーカー管理テクノロジーソフトウェア(MWM)は、企業が中央オフィスの外で働く従業員を管理するのに役立つ幅広いカテゴリのプラットフォームです。モバイルワーカー管理ソリューションごとに特徴や機能も異なりますが、多くはスケジュール、タスクの割り当てと追跡、通信とステータスの更新をサポートしています。MWMツールの中には、オンボーディングや給与計算といったバックオフィスの人的資産の管理業務に使用できるものもあります。

フィールド・サービス管理ツールは、企業の敷地外で機器、システム、資産の設置、保守、修理を行う現場の作業員を管理するために設計されたMWMプラットフォームです。管理者と技術者の、ジョブオーダー処理、スケジューリングと派遣の自動化、および支払い回収などのために、フィールドサービス管理ソフトウェアがよく使用されています。

統合エンドポイント管理(UEM)ソリューションを使用すると、企業は、オペレーティング・システムや場所に関係なく、デスクトップ、ラップトップ、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル端末など、すべてのエンド・ユーザー・デバイスを単一のコンソールから監視、管理、保護できます。UEMによって、ネットワーク上のすべてのデバイスに対して企業がモバイル・セキュリティ、デバイス管理、アプリ管理のポリシーを設定し、実施することもできます。ITチームはもはや、オンプレミスとモバイルワーカーのデバイスを管理するための別々のツールを必要としなくなったのです。

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