ITオートメーションとは

カナリー・ワーフなども含まれたロンドンの街並み

執筆者

Chrystal R. China

Staff Writer, Automation & ITOps

IBM Think

ITオートメーションとは

ITオートメーションとは、繰り返しのタスクやプロセスをソフトウェアで自動実行し、人の介入を最小限に抑えることです。

これにより、企業はオートメーションの ワークフロー を作成して実装し、人間の作業者が時間のかかる手作業に費やす時間を削減できます。ITオートメーションは、最新のIT戦略とデジタル・トランスフォーメーションを推進するには欠かせません。

地理的に分散したデータセンターハイブリッドクラウド・アーキテクチャーの管理と調整は、膨大なワークロードとなります。こうした環境には、多くの場合、仮想化ネットワーク、マイクロサービス・アプリケーション、変わりゆくセキュリティ要件、継続的なソフトウェア・デリバリー・サイクル、最新のコンピューター・ネットワークの特徴であるその他のコンポーネントが含まれます。 さらに、顧客の期待も同様に高く、高速接続と最小限のダウンタイムが今やオペレーション標準となっています。ITオートメーションにより、この課題へ対処できます。

オートメーション・ソフトウェアにより、企業はリアルタイムの需要に応じてリソースを拡張し割り当てるのに必要な俊敏性と柔軟性を用意できます。これは、コストと性能の目標を達成する上で重要です。例えば、開発者はオートメーション・スクリプトを使用して、リソースのプロビジョニング、ネットワークとクラウド・サービスの構成と管理、セキュリティの強化、DevOpsプロセスとサービス・デリバリーの高速化を自動で行うことができます。 

最新のITオートメーションソリューションを使えば、チームは単一のプラットフォーム上で、ワークフロー、ジョブ、バッチ処理(ネットワーク構成、ユーザー・プロビジョニング、パッチ管理など)を一元的に監視・効率化できます。

これらのソリューションにより、スキルの高いIT担当者は、定型ワークフローのスクリプト・テストに時間を割くのではなく、より戦略的なプロジェクトに専門性を活用できます。また、企業はITオートメーションを活用し(それによってIT担当者に生まれる余力を活かして)、生成AI量子コンピューティングなどの新技術の影響を検証することもできます。

さまざまなアプリケーションで、ITの自動化は企業が少ないエラーでより迅速に拡張し、さらなる速度と安全性をもってサービスを提供するのに役立ちます。

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ITオートメーションの仕組み

IT自動化の中核には、一連の特定動作を定義して実行するスクリプトの実行が含まれます。この動作はスケジュールか特定のイベント(あるイベントが発生したらデータベースを更新するなど)に従い、手動で作動させることができます。プロセスが複雑な場合、IT部門は複数のスクリプトを1つの流れにまとめてより複雑な自動化ワークフローを作成できます。

エンタープライズ・レベルのITオートメーション・ツールは、クラウド・プロビジョニングやアプリケーションのデプロイメントから、ワークフローのオートメーションやプロジェクト管理まで、さまざまなタスクを自動化できます。

例えば、ある企業が従業員を増員するとしましょう。新しい従業員の情報が従業員データベースに入力されると、自動プロビジョニング機能がユーザー・アカウントを設定します。そして適切なSaaSプラットフォーム、アプリケーションおよびデータへのアクセスを許可し、オンボーディング・メカニズムを起動させます。

AIOpsの場合のように、人工知能(AI)と機械学習(ML)で強化すると、オートメーションはさらに強力にできます。AIとMLの機能により、アルゴリズムが構造化データと非構造化データを分析して、オートメーション・ツールがオートメーションワークフローを評価、学習、最適化できるようにするインテリジェントなオートメーションが可能になります

例えば、AIモデルはユーザーの行動やネットワーク・トラフィックのパターンを分析して、潜在的なサイバー脅威を特定できます。モデルが脅威を検知すると、自動化プラットフォームは脅威の隔離やデータのバックアップ、アラート処理など、必要なセキュリティー・プロトコルを開始します。

ITオートメーションには通常、次の4つの主要なフェーズがあります。

  1. 分析。チームでタスクとプロセスを自動化する前に、まずは自動化ツールの最適な使用方法を決定する必要があります。このプロセスには、管理者や利害関係者と協議してビジネス目標を理解すること、各タスクを徹底的に評価すること、ジョブに自動化が必要かどうか、また自動化によってメリットが得られるかどうか(そしてそれらはどの程度か)を決定することが含まれます。1

  2. 導入オートメーション・タスクを定義すると、ITスタッフはそれをスクリプトやオートメーション要素などの一連の指示に変換できます。

  3. 統合このフェーズでは、チームはオートメーション・スクリプトをテスト・検証し、正しくトリガーされ、意図した成果が生成されることを確認します。スクリプトが検証に合格すると、ITスタッフはそれを広範なオートメーションプラットフォームに組み込み日常的に使用できます。

  4. 保守。テクノロジー・スタック、リソース、ビジネスニーズの変化に伴い、オートメーション要素も進化させる必要があります。そのためITチームは、最適なパフォーマンスを確保するために、定期的にこれらを見直し、更新しなければなりません。
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人気のオートメーションのユースケース

反復可能なITタスクはすべて、部分的または完全に自動化する対象として有力な候補です。こうしたタスクを自動化することで、企業はユースケース、技術、環境(コンテナ、クラウド、エッジコンピューティングの環境、DevOpsパイプライン、セキュリティー・プラクティスなど)にわたり、より迅速で一貫性のある効率的な運用を維持できます。

ITオートメーションの一般的なアプリケーションは次のとおりです。

構成管理

構成管理は、企業が特定の製品、システム、またはその他のIT資産のパフォーマンス品質と機能をライフサイクル全体を通じて維持するのに役立つシステムズ・エンジニアリング・プロセスです。構成管理プラクティスにより、システム管理者は資産(コンピューター・システム、サーバー、アプリケーションなど)の状態を追跡できるため、チームは問題を迅速に特定し、変更管理を効果的に管理し、構成のドリフトや不要なダウンタイムを防ぐことができます。

企業は構成管理ツールを使用して、コンピューティング環境、デバイス、ワークフローなどを設定し、管理できます。構成プロセスを自動化することで、ITチームはインフラストラクチャー・コンポーネントの迅速なデプロイ、更新、廃棄が可能になり、システムのパフォーマンスとセキュリティを向上できます。

インフラストラクチャーの自動化とリソースのプロビジョニング

プロビジョニングとは、ハードウェア、ネットワーク、仮想マシンやその他のリソースを含むITインフラストラクチャーを構築し、システムやユーザーがリソースやデータを利用できるようにするプロセスを指します。リソース・プロビジョニングはより限定的な意味を持ち、アプリケーションやサービスが稼働するために必要となるリソース(CPUやストレージなど)の割り当てと構成を指します。

インフラストラクチャーとリソースのプロビジョニング・プロセスはどちらも、オートメーションにより改善できます。プロビジョニングの自動化により、組織はインフラストラクチャーとリソースの構成を体系化し、繰り返しやすいワークフローを作成でき、プロビジョニングのプロセスをより高速、正確で、柔軟にできます。

コード活用型インフラストラクチャー(IaC)は自動プロビジョニングの優れた例です。高水準の記述的コーディング言語を使用してITインフラのプロビジョニングを自動化するため、開発者はソフトウェア・アプリケーションを開発、テスト、またはデプロイするたびにインフラのコンポーネントを手動でプロビジョニングおよび管理する必要がありません。

ネットワークのオートメーション

ネットワーク自動化は、物理ネットワーク・デバイスと仮想ネットワーク・デバイスの構成、管理、テスト、デプロイメント、運用を自動化するプロセスです。開発者がコンピューティング・ネットワークの管理とプロビジョニング に費やすリソースの量が削減されます。

オートメーション・ツールにより、ネットワークの構成とテスト、リソースのプロビジョニング、負荷分散、ワークフローの展開などのプロセスを実行できるため、ITチームは一貫したサービスを維持し、迅速なアップグレードと展開を実装できます。 

クラウド・オートメーション

多くの企業は、オンプレミスのデータセンターとパブリックおよびプライベートのクラウド環境を含むハイブリッドクラウド・アーキテクチャーを利用しています。クラウド・コンピューティングは、優れたオーケストレーション、管理、アプリケーションの移植性を提供できますが、その価値を最大化するには、ワークロードごとに最適な環境を選択できるオートメーション・ツールが必要です。

現在、77%の企業がハイブリッドITアーキテクチャーを使用しており、あらゆる環境で機能するオーケストレーション・ツールを必要としています。2クラウドのオートメーション・サービスにより、チームは環境間でワークロードをすばやく(場合によってはリアルタイムに)かつ正確に移行して調整できます。

オーケストレーション

オーケストレーションにより、複数の自動化プロセスをエンドツーエンドのワークフローに集約し、調整された管理が可能になります。オーケストレーションを自動化すると各タスクが次のタスクを適切にトリガーできるようになるので、手作業による介入の必要性が減り、完全に自動化された運用が実現になります。

アプリケーションのデプロイメント

企業が継続的インテグレーションと継続的デプロイメント (CI/CD) パイプラインを活用するのか、より従来的なアプローチを利用するのかに関わらず、現代のソフトウェア開発は信頼性の高い自動化に依存しています。開発者はデプロイメントの自動化によってコード変更を自動的に統合、テスト、デプロイできるようになるので、迅速なフィードバックのループができあがり、ソフトウェアのリリースが加速されます。

デプロイメント・プロセスの自動化は、製品テストおよびリリース段階で特に重要です。けれども、開発ライフサイクル全体でコードとパフォーマンスのテストを自動化することで、DevOpsチームは積極的にコードの品質を向上させ、問題を早期に突き止められます。

IT移行

IT移行(クラウド移行データ移行アプリケーション移行、オペレーティング・システム移行、仮想マシン(VM)移行など)は、システム間でデータとソフトウェアを移動するプロセスです。

移行計画は通常、その組織のニーズに合わせて調整されるため、移行プロジェクトは複雑になる可能性があります。移行プロセスを自動化すると、こうしたプロジェクトを効率化して加速できます。

データの同期

自動のデータ同期(複数のネットワーク・システムやデバイスにまたがって統一性を確保するためにデータ記録を自動的かつ継続的に更新するプロセス)により、組織は最新の正確なデータ・ストアを維持できます。

データ同期ツールがなければ、チームは記録の変更をIT環境全体に伝えるために、面倒な手動のデータ入力に頼らなければなりません。同期ツールを使用すると、チームはデータ処理プロセスを自動化できるため、企業は データ損失を最小限に抑え、データ管理を効率化し、正確で超高速の同期を活用できます。

セキュリティー

ITセキュリティは、サイバー脅威や侵害などの不正アクセスからIT環境を保護する対策を実施することに重点を置いています。ITシステムのセキュリティ確保は、かつては開発後の検討事項でしたが、現在では多くの企業が製品ライフサイクル全体においてセキュリティを優先しています。 

セキュリティー・オートメーションは、ソフトウェアを用いてサイバーセキュリティーの脆弱性を自動的に検出、予防、分析、修復します。例えば、企業はアイデンティティーおよびアクセス管理(IAM)システムを通じて、アプリケーションやサービスへのユーザーアクセスを構成するためにセキュリティー・オートメーションを活用できます。自動化されたセキュリティーは、インシデント対応時間を短縮するだけでなく、構成エラー、コンプライアンス・リスク、平均修復時間(MTTR)も削減します。

ITオートメーションの種類

開発者は、次のようにさまざまなITの自動化から選んだものを採用できます。

ビジネス・プロセス・オートメーション(BPA)

BPAはソフトウェアを利用して複雑で反復的なビジネス・プロセスを自動化する戦略です。このプロセスには従業員のオンボーディング、新規顧客の獲得、注文処理、在庫管理といった「事業運営」活動が含まれます。BPAは、その複雑さと、複数の企業ITシステムへの接続により、他の自動化とは異なります。

BPAは通常、組織固有のニーズに合わせてカスタマイズされるため、ビジネスを円滑に運営する日常業務を効率化する有効なツールとなります。

継続的デリバリー(CD)の自動化

継続的デリバリーにより、開発チームはソフトウェア開発ライフサイクルを通じてソフトウェアを移行するプロセスを自動化できます。これにより、開発者はアプリケーション・コード(更新、バグ修正、新機能など)を適切なインフラストラクチャー環境で自動的にデリバリーできるようになり、チームによるソフトウェア・デリバリーの安全性と速度を上げることができます。

Kubernetesのオートメーション

Kubernetes(K8)コンテナは、あらゆる環境でコードを実行するために必要なすべてのOSライブラリーおよび依存関係とソースコードを組み合わせた、軽量で実行可能なアプリケーション・コンポーネントです。

Kubernetesオートメーションは、多くの企業向けアプリケーションを支えるKubernetesコンテナの構成、デプロイ、保守のプロセスを簡素化します。

ワークフロー・オートメーション

ワークフロー・オートメーションは、仕事に関連する業務全体にわたるドキュメント、データ、タスクのフローを自動化するプロセスです。ITチームはタスク管理ソフトウェアを使うことで、作業と業務プロセスを企業全体のチーム、部門、ワークフローに自動的にルーティングできます。

自動化されたワークフローは人間をタスクとプロセスの管理から解放すると同時に、企業がワークフローを合理化し、従業員の生産性を最大化し、全体的な事業効率を高められるようにします。

インテリジェント・オートメーション(IA)

インテリジェントな自動化はコグニティブ・オートメーションとも呼ばれており、AI、自然言語処理(NLP)、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)によって組織全体の意思決定を合理化および拡張することです。保険会社を例を挙げると、IAを活用した支払い計算、単価の見積もり、コンプライアンス・ニーズへの対応が可能になります。

IAは事前トレーニングされたAIモデル、MLアルゴリズム、データ分析ツールに依存しているため、データ・トレンドを特定してオートメーション・ワークフローを最適化するために必要なデータは少なく、人の介入も減らすことができます。

ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)

ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)は、ソフトウェア・ロボティクスとも呼ばれ、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)、スクリプト、インテリジェントな自動化テクノロジーを活用して、エンタープライズ・アプリケーションと生産性アプリケーション間の反復作業を実行します。

RPAに規則ベースのソフトウェアを使用すると自律的にジョブを完了し、人的リソースを使わずにデータの抽出、フォームへの入力、ファイルの移動といったプロセスを実行できます。

フロントエンドのオートメーション

フロントエンド・オートメーションは、ユーザー・インターフェース(例えばWebサイト)を支える構成および保守プロセスの効率化に重点を置いています。ユーザー監視、Webサイトのテスト、データ入力や抽出などのタスクをチームが迅速に完了できるようにし、シームレスなユーザー体験を実現します。

バックエンドのオートメーション

バックエンド・オートメーションは、ワークロード・オートメーションまたはAPIオートメーションとも呼ばれ、APIの接続性を活用して、大規模なバックエンド・システムやプロセスを自動化します。これには、データベース処理および移行、ファイル転送、サービス検出におけるオートメーション(サービスやマイクロサービスがネットワーク上で互いに検出し、連携できるようにするもの)、バックエンド機能のテスト・オートメーションが含まれます。

バックエンドを自動化すると企業はバックエンド機能を評価および最適化できるので、アプリケーションの速度、信頼性、拡張性を維持できます。

ITオートメーション戦略

ITオートメーションを成功させるには、企業はどの手動プロセスや業務を自動化するかを選択する必要があります。通常、プロセスを完全にマッピングして分析し、それらを標準化したうえで影響度、複雑さ、ミッションクリティカル性を評価し、オートメーション・ワークフローを継続的に監視して最適化の機会を探る必要があります。

しかし、オートメーションを成功させるためには、開発者がそれをどのように実装するかにも左右されます。企業は、以下を含むさまざまな戦略から選択できます。

階層型アーキテクチャー手法

一部の組織はいまだに「要素的」あるいは断片的なオートメーション手法に依存しており、個別の課題を孤立したソリューションで対処しています。通常、これは特定の課題(たとえば管理者がデータベースのバックアップを自動化する必要がある場合)を見極め、それをスタンドアロンのツールやスクリプトで解決することを意味します。

この手法は即効性のある成果を実現できますが、個別のニーズに焦点を当てることにより、特にプロセスが相互依存している場合に、ビジネスとITオペレーションの統合が困難になるサイロ化が発生する可能性もあります。今日の動的なIT環境には、異種のシステムとプロセスを接続するオートメーション・ソリューションが求められており、階層化されたアーキテクチャー・アプローチによりこの課題を解決できます。

アーキテクチャー戦略ではIT部門がさまざまな自動化プロセスを単一の一元化フレームワーク内にまとめて合理化するので、多様かつ複雑な環境でタスクのシームレスな自動化を促進できます。ローコードの自動化プラットフォームを使用すると、チームは複数の自動化ツールを管理・調整して、データと依存関係を企業全体のワークフローに統合できるようになります。

しかし、アーキテクチャー戦略へ移行することは、開発者がすべてを一度に刷新しなければならないことを意味するわけではありません。オートメーション・ツールを完全に統合することを好む組織もあります。しかし、多くの組織は段階的なアプローチを選択し、まず1つの部門やプロセスが統合オートメーションに移行し、その後DevOpsチームが他へと徐々に範囲を拡大していきます。

バイモーダル・アプローチ

バイモーダルなIT自動化では、IT部門内で2つの異なる自動化モードを共存させた上で実行します。

モード1は、すでに広く使われている予測可能なITオペレーションの効率化と最適化に重点を置いています。レガシー・インフラストラクチャーに依存して、オペレーションの安定性を確保し、サービス・レベル契約(SLA)を満たすことができます。

モード2は開発に特化しており、革新的かつアジャイルなアプローチを採用して新しい未知の問題に取り組みます。イノベーションを促進したり、新しいITプロセスや製品、サービスの創造を支援したりするために新しいツールと技術を採用します。

両方のモードを同時に運用することで、ITチームは俊敏でスケーラブルなオートメーション・ワークフローを構築しつつ、コア・システムをリスクや障害から保護できます。しかし、両方のモード間での効果的なコミュニケーションと統合が不可欠です。

IT部門は、両方の環境にわたってデータ、情報、依存関係を管理しなければなりません。統合オートメーション・プラットフォームを活用することで、開発者は従来型モードのオートメーションを効率化しつつ、革新型モードの迅速な開発ニーズにも対応でき、両者のギャップを効果的に埋めることができます。

ITオートメーションにおいて二峰型アプローチを採用することは、複雑で労力を要する取り組みになり得ますが、同時に企業がテクノロジー・スタックの柔軟性と拡張性を高める助けにもなります。

ワークフローの最適化アプローチ

ワークフローを最適化するには、ITの自動化を最大限に活用できるようにプロセスを再設計し、SLAの遵守を強化する、効率的で統合されたワークフローを作成することも必要です。このアプローチは、既存のワークフロー(自動化の観点から再構築する)と新しいワークフロー(開発サイクルの早い段階で自動化を組み込む)の両方に当てはまります。

最新DevOpsの超高速ペースを考慮すると、反復的なタスクやプロセスをすべて手動でスクリプト化するのは現実的ではありません。また、ITアーキテクチャーにおけるアプリケーションとシステム依存関係の増加に伴い、スクリプトの保守と更新はますます困難になっています。

最初から自動化を埋め込めばワークフローの効率と柔軟性を高められ、IT部門は複数の環境にまたがる問題に対処し、変化により迅速に対応できるようになります。

ITオートメーションとITオーケストレーションの比較

ITの自動化とITオーケストレーションという用語は多くの場合、同じ意味で使用されます。どちらもIT環境を管理するための非常に大切なツールですが、目標と目的は異なります。

ITの自動化では、技術を活用してバックアップの実行、ソフトウェア・アップデートの適用、システムの監視といった個々のタスクやプロセスを自動処理します。これらのルーチン・タスクを自動化することで、IT部門は貴重な時間とリソースを解放できるのです。

オーケストレーションとは、複数の自動化済みタスク(またはワークフロー全体)を統一された方法で調整・管理するプロセスのことです。全体的な運用効率の向上、コストの削減、拡張性の向上がオーケストレーションの主な目的です。

つまり、オートメーションにより個別にジョブを処理し、オーケストレーションにより複数のオートメーションされたタスクを調整して、広範で複雑なプロセスを管理します。

IT自動化のトレンド

革新的なIT自動化ツールの導入を検討している企業は、選択肢に困ることはありません。

例えば開発者はML駆動型の自動化ツールを利用すると、大規模なデータセットを処理し、パフォーマンス・データのパターンを識別し、リソースを動的に割り当て、IT環境をリアルタイムで拡張できます。3また、開発プロセスの初期段階でセキュリティーを組み込むシフトレフトの実践するDevSecOpsの合理化にも役立つので、開発者はより安全な製品を提供できます。

さらに、AIエージェントを設定することで、特にエンジニアリング業界と金融業界で、業界固有のオペレーションを変革し、コンテキスト認識型のオートメーションに関する洞察とソリューションを提供することができます。4エージェント型AIとは、人間からインプットをしなくても、さまざまな環境で独立して動作する、自律的なインテリジェンス駆動型のシステムを指します。例えば、ITチームはAIエージェントを使ってユーザー・データを追跡し、不正行為のインシデントを検知して調査することができます。

固有の課題に取り組み、プロセスを改善・自動化し、個別化を強化したいと考えている企業のためのカスタマイズ可能なAI搭載ツールの価値は、AIエージェントの活用が増えるにつれて浮き彫りになります。

ハイパーオートメーションは組織全体のIT管理を最適化したい企業にとってもトレンドとなっています。5 ハイパーオートメーションはAI、ML、RPAを使用し、ビジネス・プロセスをエンドツーエンドで完全に自動化する、相互接続された単一の環境を構築します。分離されたタスクを対象とする従来の自動化とは異なり、ハイパーオートメーションは組織全体で相互に関連した機能同士を接続して自動化することにより、今までよりも高速で、一貫性があり、効率のよい自動システムを構築します。

開発者がさまざまな部門に自動化の機能を提供しようとする中、セルフサービス型の自動化がますます人気になってきています。4現在、63%の企業に200人以上の市民オートメーターがいます。2

ローコードやノーコードのプラットフォームは技術に詳しくないユーザーでも自動化を行えるようにしつつあり、直感的なドラッグ・アンド・ドロップのツールで自動ワークフローを設計・管理するのに役立っています。このセルフサービス・プラットフォームは自動化を加速させ、ユーザーが幅広いITサポートを受けなくても自動化を実装できるようにします。

また、開発者は自動化ファブリック(自動化を行うためのさまざまな技術とツールを統合するアプローチ)の助けを借りて、断片化された要素をシームレスで統一された自動化構造に組み込みながら既存のアプリケーション、ワークフロー、データを緊密に連携させることができます。

オートメーション・ファブリックは、分断されたシステム、孤立したデータ、断片化したプロセスに関連する課題に対処します。断片的なオートメーション・アプローチも、個々の機能に優れた専門アプリケーションに適用する場合には成功することがあります。しかし、要素同士が連携して機能しなければならない大規模でダイナミックなIT環境には適していません。

自動化ファブリックは、企業がITアーキテクチャーの「中心神経システム」を確率する一助となり、企業全体で明確なコミュニケーションとスムーズな運用を確保するのに役立ちます。

ITオートメーションのメリット

ITオートメーションは、あらゆる規模の企業に対して以下のような大きなメリットを提供します。

合理化されたオペレーション

ITオートメーションは、幅広い日常的なIT管理タスクを簡素化し、IT担当者がより価値の高い業務にスキルを活用できるようにします。

視認性が向上

オートメーション・ツールは、開発者がクラウド・サービス、エッジ・サーバー、APIエンドポイントなどの技術スタック全体から強力な洞察を引き出すのに役立ちます。

より良いコラボレーション

オートメーション・ツールにより、IT部門と実際のワークロードの落差を埋めることができ、DevOpsのサイロ化を防ぐことができます。

セキュリティーの強化

自動化ツールは、システムにバグやエラー、その他の弱点をもたらすことの多いヒューマンエラーを削減または排除するのに役立ちます。

効率的なインシデント管理

オートメーションにより、インシデント解決の迅速化と、より強靭なITサービスの実現が可能になります。ユーザーや企業の収益に影響を及ぼす前に、チームが問題を解決できるよう支援します。

コスト削減

オートメーションは多額の先行投資を必要としますが、企業は手間のかかる反復的な作業に伴うコストを削減し、その分をより価値の高い仕事に活かすことができます。 

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脚注

1   「How to balance automation and human touch in software projects」、  TechBullion社、2025年5月5日。

2  Stonebranch 2025 global state of IT automation report Stonebranch社、2025年。

3  AI for automation in IT Operations: Reducing downtime and optimizing uptimeAIthority社、2025年4月16日。

4  Top five automation and tech trends for 2025Forbes社、2025年1月2日。

 先進的なリーダーに刺激を与えるITオートメーションの5つのトレンド ActiveBatch、2024年11月18日。