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フィールド・サービス管理(FSM)とは、企業の敷地外の業務活動や運用において、従業員と装置などの企業資産を調整することです。
機械部品を点検する安全ベストを着用した作業員の画像
フィールド・サービス管理の構成要素とは

フィールド・サービス管理は、一般的には機器、システム、装置の設置、保守、修理を行うために、社外の場所へ従業員や契約業者の派遣を行います。 フィールド・サービスの管理者は、会社のフィールド・リソースを管理し、顧客に特殊技能や専門技術を必要とするサービスや独自のサービスを提供する現場作業員の業務を調整します。

フィールド・サービス管理には、以下のような業務があります。

  • フィールド・サービスのスケジュール管理: 従業員のスケジュールやサービスの予約、作業完了予定の日程を決めるプロセスです。
  • フィールド・サービス・ディスパッチ管理: フィールド・サービスの技術者や専門家を作業に派遣する際の調整を行うプロセスです。
  • 作業指示書管理: サービス作業指示書の作成から完了、顧客への請求までの割り当てと追跡のプロセスです。
  • 在庫管理: 製品の移動、消費、調整など、部品や消耗品を追跡するプロセスです。
  • フィールド・サービス契約管理: 顧客との契約を管理し、確実にサービス・レベルの合意(SLA)を遂行するためのプロセスです。
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フィールド・サービス管理のメリット

効果的なフィールド・サービス管理ソリューションでは、 設備保全管理 システムのデータとIoTやモバイル・デバイスなどの現場からのリモート・データを統合し、企業のリソース管理を支援します。

フィールド・サービス管理には以下のようなメリットがあります。

  • アップタイムの増加: 設備資産ライフサイクルの早い段階で必要な修理を特定することで、常時運用可能な状態になり、高水準のパフォーマンスとダウンタイムの削減を実現します。
  • 平均修理時間の短縮と初回修理率の改善: 適切な技術者を作業に確実に割り当て、単一のプラットフォーム上で、適切なデータを適切なタイミングで提供します。
  • フィールド・サービス技術者の強化: 技術者が安全を維持し、コンプライアンスを順守し、トラブルシューティングを実行し、効率的に作業を完了できるように、リモート・アシスタントとモバイル機能を提供します。
  • フィールド・サービスのコスト削減: データと洞察を活用して、適切な時間に最も効果的かつ効率的に保守業務を完了できます。
  • お客様の満足度の向上: 技術者が顧客の期待に応えられたのか、懸案事項に即時対応できたのか、または予期しない遅延があったのか、などを把握できます。
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フィールド・サービス管理の課題

保守技術者のリーダーは、人材不足の中での人材の確保と維持、人材のスキル不足、運用コストの増大、複雑な資産と拡大するサービス・ニーズを管理するための技術の欠如など、数多くの課題に直面しています。 このような課題に対処するためには、特定の作業を自動化して従業員の負担を軽減し、効率的に知識を伝達し、現場の技術者をサポートする機能を備えたソフトウェアを採用することが重要です。

モバイル・サービスの技術者は、スケジュールの重複、重要なデータを取得する能力、作業内容の伝達ミス、現場の往復の必要性などの課題に直面しています。 この課題を解決するには、設備資産の保守履歴の確認、詳細な技術仕様書やGIS位置情報の利用、作業指示情報の確認、請求書の処理、リアルタイムの通信などを、電話やタブレットから行うメイン・システムのコンピュータ化された保守管理システム(CMMS)機能をさらに活用する必要があります。

さらに、多くの企業が長期にわたって複数の独立したソリューションを導入してきており、その結果として連携していない複数のツールが存在している場合もあります。 フィールド・サービス管理を円滑に行うには、フィールド・チームにとって使いやすく、企業のリソースを全社的に可視化するダッシュボードを提供する、包括的かつ統合されたエンド・ツー・エンドのソリューションが必要です。

フィールド・サービス管理ソフトウェアとは

フィールド・サービス管理ソフトウェアは、企業がフィールド・サービス管理業務に関わるリソースのすべてを管理するために役立ちます。 ジョブの作業指示の処理、スケジュールとディスパッチの自動化、サービスと修理タスクの追跡、顧客サービス契約の管理、決済などにおいて、管理者と技術者を支援します。

フィールド・サービス管理機能は、さまざまなソフトウェアやソリューションによって提供されています。

モバイル・フィールド・サービス管理ソフトウェア
一部のフィールド・サービス管理ソフトウェアが備えているクラウドとモバイルの機能により、リアルタイム通信を利用して、技術者は現場で重要な情報やサポートへの接続を維持できます。 フィールド・サービス技術者は、 モバイル機能を使って、自分のデバイスで画像を取り込み、リモート資産やデジタル・ツインのデータにアクセスして、問題の根本原因を見極めることができます。 標準化が進んでいるAIとAR機能と連携させることも可能です。

エンタープライズ・アセット・マネジメント・ソフトウェア
エンタープライズ・アセット・マネジメント (EAM)ソフトウェアは、会社が運用資産と備品をオンプレミスとオフプレミスの両方で保全、管理するために役立ちます。 設備資産情報を一元化し、AIを活用したリモート監視と分析を導入することで、保守管理者は、設備資産の使用効率を最大化し、生産稼働率を向上して、運用コストを削減します。

在庫管理システム
在庫管理システムは、企業の 保守、修理、運用(MRO)の在庫を最適化します。 このシステムは、MROの在庫効率を正確かつ詳細に把握し、各仕入れ品の在庫や再注文のレベルについて最適な推奨値を提供します。

フィールド・サービス管理の業種別アプリケーション
製造

技術者は一般的に、自動車、航空宇宙、防衛、電機・電子、工業、消費財などの幅広い領域で、保証期間内の備品の予防保守または予知保全や修理のために派遣されます。

運輸

サービス技術者は、燃料管理、運行記録、予備部品、運行スケジュール、その他の線路、道路、航空交通の運用に不可欠なデータなど、設備資産や在庫に関する詳細な情報にアクセスできる必要があります。

エネルギーと公益事業

技術者は、リモート資産からの地理情報を考慮しながら、時間制限のある大量の作業指示と複雑な作業員のスケジュール管理に対応する必要があります。

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石油・ガス

これらの業種は、安全性、信頼性、コンプライアンス、業績に重点を置いています。 会社は、フィールド・サービス保守の手法を標準化および合理化することで、コストを削減できます。

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フィールド・サービス管理の未来

設備資産の複雑化に伴い、企業はフィールド・サービス運用の管理方法を進化させる必要があります。 これからのフィールド・サービス管理では、時間や場所に関係なく、技術者があらゆる設備資産にどのクラウドでも接続できるようにする必要があります。

フィールド・サービス技術者は、備品が供給される時期や方法などの重要な洞察がIoTデバイスから提供されるようなソリューションを活用するようになります。 自動化やモバイル機能、AIサポートなどにより、技術者の生産性が向上していきます。 クラウドでデジタル・サービスを利用できれば、さらに優れた顧客体験も実現できます。

今後、これらのテクノロジーにより、フィールド・サービス管理は継続的に変革されるでしょう。

フィールド・サービスの自動化

AIを活用した自動化されたスケジュール調整により、ディスパッチャーはより最適なトラブルシューティングを行い、フィールド・リソースの品質や生産性を向上できます。

フィールド・サービス管理におけるAI

テクノロジーの進化とともに、膨大な量の新しいデータと過去データを分析するAIの能力を利用しながら、技術者のスキルと訓練要件もAIによって強化できるようになります。

IoTによるフィールド・サービス

モノのインターネット(IoT)デバイスと拡張現実(AR)を活用したトラブルシューティングから取得したデータに基づき、予知保全を実行することで、備品や設備資産の保守を最小限にとどめることができます。

クラウドによるフィールド・サービス管理

ハイブリッドクラウドにより、企業、バートナー、顧客間でデータと知識がつながり、無限に拡張可能な運用プラットフォームを実現します。

技術者が仕事を遂行するために必要な3つの重要機能
関連ソリューション
モバイルEAM

関連している技術者は、インテリジェントなモバイル対応EAMを使用することで、時間や場所を問わず、あらゆる資産を管理できるようになります。

IBM Maximo Application Suite:モバイルEAMはこちら
企業資産管理

単一のプラットフォームで、フィールド・サービス運用のインテリジェントな資産管理、監視、予知保全、信頼性を実現します。

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従業員と職場環境の安全性

データを実行可能な洞察に変えることにより、職場の安全性が向上します。 コンプライアンスを安全性の中核に据えることで、危険を特定し、排除する能力が強化されます。

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フィールド・サービス管理の参考情報 CMMSとは

CMMSは、コンピューター化された保守管理システム(computerized maintenance management system)の略で、設備資産の管理、保守のスケジュール、作業指示の追跡に利用できるソフトウェアです。

Webセミナー: 拡張性、可動性、持続可能性

IBMとIDC社、Aquitas社、Omnio社、Samsung社、SRO社からのゲストによる、最新の資産管理に欠かせない3つの要素に関する議論をご覧ください。

EAMとは

EAMは、エンタープライズ・アセット・マネジメントの略で、運用資産の品質の保守と制御、最適化のために使用される、ソフトウェア、システム、サービスを組み合わせたものです。