プロセス・マイニングを一言で言うと、組織プロセスの発見、マッピング、および継続的な最適化を自動化するエンタープライズ・ソフトウェアの1つのカテゴリーです。

これは、ユーザーがシステムと対話するたびに、またはシステムが自動化されたタスクを実行するたびに生成されるイベント・ログを分析（「マイニング」）することによって行われます。次に、AIを使用してプロセスの非効率性を特定し、修復すべき領域を推奨します。一方、タスク・マイニング機能は、プロセスのアクティビティーを構成する個々のステップを明らかにし、自動化の候補となるタスクを強調します。

プロセス・マイニングとRPAは、歴史的に見て異なるベンダーによって開発され、異なる目的のためのツールとして販売されてきたため、常に補完的なものとして捉えられてきたわけではありません。その結果、プロセス・マイニングは通常、企業全体のIT投資であり、RPAは部門が臨時的に購入するものでした。

しかし今、この2つのソリューションを併用することで、未開拓の膨大な価値を解き放つことができるという証拠が続々と出てきています。プロセス・マイニングは、欠けている可視性、洞察力、拡張性を提供し、組織全体でRPAを最大限に活用できるようにします。実際、2021年のGartnerの調査では、「CFOはプロセス・マイニングへの投資がRPAからの利益を引き出す鍵であると考えている」という結果が出ています。 ⁵

価値が豊富なプロセス・マイニング・ソリューションの機能

ただし、どの程度の利益があるかは、選択したプロセス・マイニング・ソリューションの機能によって異なります。最大の価値は、以下を実行できるソリューションから得られます。

• 組織全体にわたって、プロセスに関連するすべてのアクティビティーを自動的に把握する。プロセスの本来あるべき「ハッピー・パス」だけではなく、そのプロセスがビジネスで実際にどのように機能するかを把握します。また、手作業によるすべての回避策や、あるシステムからデータを取り出して別のシステムに手動で入力する必要があるたびにそれを把握します。つまり、最高のプロセス・マイニング・ツールはすべてのアクティビティーを把握します。
• ボトルネックが発生している場所を特定し、その根本原因を診断する。  多くの場合、ボトルネックは目立たない場所で発生し、プロセス・マイニングを使用してエンドツーエンドのプロセス全体を可視化することによって初めて明らかになります。根本原因の診断により、非効率性の各原因にどのように取り組むかについて、情報に基づいた決定を下すことができます。
• プロセスの非効率性に対処するためのインテリジェントな提案を行う。  すべての非効率性を自動化で解決できるわけではありませんし、自動化へのすべてのアプローチが同じ利益をもたらすわけでもありません。優れたプロセス・マイニング・ツールは、特定のKPIを満たすために非効率を解決する最も効果的な方法を提案します。
• 組織の正確なデジタルツイン（DTO）を作成する。これはプロセスの観点から見た組織のモデルであり、潜在的な変更をシミュレートしてその影響を評価できるようにします。影響は、プロセス変更の上流および下流にいる利害関係者のワークロードやルーチンへの影響など、多面的に評価することができます。
• 正確なDTOとは、どのようなシミュレーションも現実世界への影響を正確に予測できる、きめ細かいモデルです。精度を高める主要な技術的機能は、マルチレベル、マルチオブジェクトのプロセス・マイニングです。これは、さまざまな階層関係を持つ複数のエンティティー/オブジェクトで構成されるP2Pのような複雑なプロセスを正確にマッピングします。プロセス・マイニング・ツールにこの機能が欠けている場合、プロセスを正確にモデル化することができず、シミュレーションが実際には同じ影響を与えない可能性があります。
• きめ細かいROIを計算する。プロセス・マイニングの最も強力な特徴の1つは、与えられたタスクの自動化を含む、プロセス変更のROIを計算できる機能です。最適なツールは、組織のKPIに基づいてさまざまな次元でROIを計算できます。例えば、回避されたコスト、節約された時間、顧客体験への影響などを計算できます。
• ソフトウェア・ボットを自動生成する：高度なプロセス・マイニング・ツールは、自動化の候補となるタスクを特定するだけでなく、RPAとの組み込み統合を利用して、ボタンをクリックするだけで適切なソフトウェア・ボットを生成する機能を提供します。

IBM Process MiningとIBM RPAの紹介

現在、これらの機能をすべて提供するプロセス・マイニング・ソリューションは、 IBM Process Miningだけです。これが IBM RPA と統合されて、IBMインテリジェント・オートメーション・プラットフォームの重要な柱となっています。 IBMインテリジェント・オートメーションの詳細をご覧ください。