ホーム ページタイトル 01:ITオートメーションの台頭(再来) 01:ITオートメーションの台頭(再来)
今日、あらゆるビジネスがテクノロジー・ビジネスになっています
紫色の泡が出ているサーバーの前にいる人物のアイソメ図
重要用語のおさらい

ITオートメーションとAIを理解するには、すべての利害関係者が同じ概念について話し合えるよう、まずは共通認識を持つ必要があります。そのため、いくつかの重要用語を理解し、生成AIがもたらす変化を調べ、経営幹部の役割を深く掘り下げなければなりません。オートメーションとAIがIT運用で実現するいくつかのユースケースを掘り下げることも重要です。

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オートメーション

人間の介入を減らしてビジネスプロセスをより迅速かつ効率的に進めるという全体像を概念として包括する用語です。

ITオートメーション

手動アクションを特定し、システムまたはツールを使用して人間に代わってそれを実行させる方法を見つけるプロセスです。

AIOps

調査会社Gartner社によって2018年に造語された用語で、自然言語処理や機械学習(ML)モデルなどのAI機能を応用して、業務のワークフローを自動化および合理化することを意味します。

生成AI(Gen AI)

学習したデータに基づき、高品質のテキストや画像などのコンテンツを生成できるディープラーニング・モデルを指す用語です。

視聴する:生成モデルの説明(08:30)
「デジタル・トランスフォーメーションでは、物事を単純化することはほとんどありません。 Stephen Mortefolio バイスプレジデント 製品マーケティング、IBM Automation
生成AI

生成AIは、従来のITプロセスを含む働き方に、劇的に新しいアプローチをもたらしています。CEOの4人中3人が、自社の競争上の優位性はAIにかかっており、ほとんどの組織にとってトランスフォーメーションは依然として最優先事項であると述べています。経営コンサルティング会社のMcKinsey社の調査によると、90%の企業が何らかのデジタル・トランスフォーメーションを開始しています。こうしたデジタル化により、その体制が整っているか否かにかかわらず、あらゆる企業がテクノロジー企業になっています。

「デジタル・トランスフォーメーションでは、物事を単純化することはほとんどありません。多くの場合、より多くのシステムやより多くのアプリケーションなど、新しく、より複雑なものを追加することになります。以前は、複雑さが増すにつれて、SREや開発者、クラウド運用を監視するチームなど、当社のチームの規模を大きくしてきました。しかし、長期的に見れば拡大し続けるわけではありません。今、組織はチームのエクスペリエンスと生産性を向上させる新しい方法を模索する必要があります」—Stephen Mortefolio氏

経営幹部の役割

現在、すべての企業がテクノロジー企業であるとすれば、すべての経営幹部はより熟練した技術者になる必要があるということになります。多くの企業にとって、AIとオートメーションは経営幹部としての視点から取締役としての視点にまで拡大しています。

このような俯瞰的な視野に伴って、生成AIや、AIを組み込んだその他のテクノロジーの導入を求める圧力はこれまで以上に強くなっています。これは、新機能を提供し、顧客満足度やロイヤルティーを維持し、コストを可能な限り低く抑えながら、同時に24時間年中無休でIT運用を実現するという絶え間ない圧力をITチームにもたらしています。「関係者や顧客が誰であっても、適切なサービスを提供できていないとしたら、公共部門、通信業界、製造業などどれであろうと関係はなくなります。結局のところ、サービスが悪く、顧客が必要とする機能を提供していなければ顧客はいなくなってしまうのですから、それ以外のことは何の意味も持たなくなります」—IBMテクノロジー・セールス、AI運用および統合担当副社長、Melissa Long Dolson

 

 

期待があまりにも高いため、一度でも悪い体験をすれば、顧客はブランドから離れたり、製品やサービスの購入をやめたりする可能性があります。 Keri Olson 製品管理担当副社長 ITオートメーション・ソフトウェア

CIOたちにはわかっているように、こうした圧力で重要になるのは、ある問いに答えようとすることです。すなわち、「自分たちはテクノロジーの投資から最大限を、つまり最大の価値、最大の生産性、最大の利益を得ているか」という問いです。幸いなことに、AI搭載のITは、それに「はい」と答えられる有利な立場にあります。

「私たちがこれらの投資からさらに多くのことを期待しているのは確かです。私生活においても、私たちは人間よりも機械に多くのことを期待します。期待があまりにも高いため、一度でも悪い体験をすれば、顧客はブランドから離れたり、製品やサービスの購入をやめたりする可能性があります。だからこそ、アプリケーションが高いレベルでパフォーマンスを発揮し続けることがこれまで以上に重要になっているのです」—Keri Olson

事実:調査対象の組織のうち60%がITとネットワークの複雑さを軽減するためにオートメーションに投資しています。さらに、50%は、新しく改良されたITプラットフォームとアプリケーションを提供するための投資も行っています¹。

 
ユースケース

AIおよびAIOpsソリューションを使用すると、ITチーム、もそのチームのサービスを受ける企業も、「故障対応型」モデルから、予防や予測を中心とした「事前対応型」モデルに移行します。チームは、人間ではとうてい太刀打ちできない規模で生産性の強化、時間の節約、コストの削減に関する効率向上につながる実用的なインサイトと新しい方法を得ることができます。例えば、こうしたユースケースがIT運用と開発をどのように促進する可能性があるかを考えてみましょう。

エンドツーエンドのシステム・レジリエンスを強化する

AIとインテリジェントなオートメーションを活用したリアルタイムの根本原因分析機能により、インシデントの根本原因を迅速に特定し、直ちに措置を講じて平均検出時間(MTTD)と平均解決時間(MTTR)の両方を短縮します。

FinOpsを運用し、クラウド・コストを最適化する

FinOpsクラウド財務管理フレームワークを応用して、部門横断型でチームが連携し、クラウドをそれぞれが責任を持って使用できるようにします。FinOpsは、組織がクラウド・コンピューティング・インフラストラクチャーの財務パフォーマンスを最適化するために使用する管理手法です。データ駆動型のクラウド支出決定により、コストとパフォーマンスの安全なバランスを確保することで、人ではなくソフトウェアが適切なアクションを実行すると同時に、必要なときに必要なリソースをアプリケーションに提供できるようになります。

CI/CDパイプラインの改善

AIとオートメーションを活用した可観測性を採用してフルスタックの可視性を実現し、環境に対する理解を深めて、イノベーションを加速します。また、本番環境でのアプリケーションのパフォーマンスと整合性を自動的に検知、監視、検証することもできます。これには、クラウド・インフラストラクチャー、仮想マシン、コンテナ・ベースのマイクロサービス、共有マルチテナント・インフラストラクチャー、ストレージ・システムが含まれ、使用状況、可用性、応答時間などのメトリクスに関するこれらすべてのレポートが作成されます。

データ統合を再設計する

生成AIを使用して、アプリケーションとシステムの接続に必要な時間を短縮し、クリティカルなデータを活用できるようにします。

コード生成を促進する

自然言語リクエストまたは既存のソースコードに基づくAIの推奨事項を利用して高品質で正確なコードを使用し、コード生成を加速して開発者の生産性を向上させます。大規模なスキルアップを必要とせずに、開発チームはさまざまなプログラミング言語に習熟できるようになります。

第02章:AIオートメーションにより、ITチームを売上を集計するだけの部署から、売上に貢献する部署に転換させる
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出典

1ESGデータの難問、IBM Institute for Business Value、2023年4月。