GDPRは、企業が個人データを処理するために利用できる法的根拠を定義しています。これらの条件のうち少なくとも1つを満たす必要があり、満たされない場合、その処理は違法となります。
データ主体が、自分のデータが処理されることに同意していること。データ主体が自分のデータの処理に同意している場合、企業はその人のデータを処理できます。同意は、情報提供された上で、積極的かつ自由意志に基づいて行われた場合にのみ有効です。
情報提供された上での同意となるには、企業は収集するデータとその使用方法を明確に説明する必要があります。同意が積極的であるには、ユーザーは声明に署名するか、ボックスをチェックするなど、同意を示す意図的な行動を取る必要があります。同意はデフォルト・オプションにしてはいけないため、事前にチェックされたボックスなどはGDPRに違反します。同意が自由意志に基づいて行われるには、企業が主体に対していかなる影響も強制もしてはなりません。サービスが機能するために処理が必要でない限り、企業はサービスの使用に同意を求めることはできません。たとえば、企業が何かを販売するためには個人のクレジット・カード番号が必要かもしれませんが、IPアドレスは必要ではないでしょう。
複数の目的でデータが処理される場合、企業は一括で同意を求めることはできません。主体が、各処理活動を個別に承諾または拒否できる状態でなくてはなりません。組織は同意の記録を保持しなければなりません。主体はいつでも同意を撤回できます。撤回された場合は、処理を停止しなければなりません。
データは、データ主体またはデータ主体の代理人との契約履行のために処理されなければならない。たとえば、ローンを申し込む場合、銀行はその人の財務データや雇用履歴を処理する必要があるかもしれません。
管理者には、データを処理する法的義務があります。たとえば、一部の医療規制では病院に患者データのファイル保持が求められています。
データは、主体または他の人物の重大な利益を保護するために処理されなければならない。これは、人命救助や危害防止のためにデータを処理する必要がある状況を指します。
データは、公益のためまたは管理者の公的権限の一部である任務の遂行のために処理されなければならない。報道は、個人データを処理する公益の理由の典型例です。政府機関は、その公的機能の遂行のために個人データを処理できます。
データは、管理者または第三者の正当な利益を追求するために処理されなければならない。正当な利益とは、データ処理を通じて企業が得られる利益です。従業員の身元調査を行うことや、サイバーセキュリティー目的で企業ネットワーク上のIPアドレスを追跡することなどが例として挙げられます。処理は、正当な利益と見なされるために必要なものでなければなりません。企業は、対象のデータがなくても任務を達成できる場合、正当な利益を主張できません。また、データ主体は、処理が行われることを合理的に予期する必要があります。主体が自分のデータが特定の方法で使用されていると聞いて驚く場合、企業には正当な利益の根拠がない可能性があります。一般に、データ主体の権利は企業の正当な利益よりも優先されます。
組織はデータ収集の前に、その根拠を確立して文書化しなければなりません。これらの根拠をユーザーに伝えなければなりません。企業は、主体の同意なしに、後からその根拠を変更することはできません。