重要な情報がミリ秒単位で変化し、データ量が増大する中、ZEはどのようにしてデータと分析プラットフォームを強化し、顧客が競合他社に勝てるようにすることができるのでしょうか。

ZEは、ストレージ・アーキテクチャーを刷新することで、ビッグデータに関する複雑な分析を顧客に迅速に提供し、提供するサービスの多様化と市場シェアの拡大を実現しました。

ミッションクリティカルな意思決定を行う際には、一秒一秒が大切です。特に、世界のエネルギー、コモディティー、および金融市場の主要なプレーヤーであればなおさらです。しかし、時系列データの量が増大するにつれて、ビジネス上の意思決定を推進するために適切な情報を活用することはますます複雑になっています。

ホット・データと最先端の分析プラットフォームの提供を専門とするデータ管理会社、ZEにとって、ビッグデータの黎明期は事業拡大のチャンスであると同時に、克服すべき産みの苦しみの時期でもありました。

最高戦略責任者のAiman El-Ramly氏は次のように説明します。「ZEでは、顧客が市場エクスポージャーを管理できるよう支援しています。そのために、明確かつ厳密な可視化と自動化された統合ツールを使用して抽出・変換・ロードされた膨大な量のデータを提供しています。

「この最新の情報を利用して、顧客はより適切な意思決定を行い、ほぼリアルタイムで市場戦略を練り直すことができます。ビッグデータの時代に、このスピードで正確な情報を提供し続けることは、新たな課題をもたらします。

「企業が分析し、戦略に反映させるために利用できるデータの量は大幅に増加しており、データ環境が変化するにつれて、情報の調達と解釈に対する顧客の要求も変化しています。

「俊敏性を最適化するために、当社の顧客は、市場動向を簡単に可視化し、理解するのに役立つツールを必要としています。同時に、ITインフラストラクチャーへの無介入のアプローチに移行することでコストを削減したいと考えています。

「顧客の進化するニーズに応えるため、私たちは提供するサービスを多様化し、Platform-as-a-Service [PaaS]モデルに移行することを決定しました。このモデルでは、豊富なデータ・ストリーム、クラウド・ホスティング・インフラストラクチャー、およびソフトウェアを顧客に提供し、より効果的なデータ提供と分析を行います。

ZEがPaaSモデルへの移行を成功させるためには、いくつかの技術的な課題に立ち向かわなければなりませんでした。これらの課題を放置しておくと、サービスの汎用性に悪影響を及ぼす可能性がありました。

最高製品責任者のNader El-Ramly氏は次のように語ります。「最初のクラウド導入時に、進化するデータ環境や変化する顧客の要求に応えるには十分な装備が整っていないことが明らかになりました。この期間中に、ストレージ・インフラストラクチャーのパフォーマンスの限界が表面化しました。その結果、当社のサービスは、顧客が必要とするパフォーマンスよりも実行速度が遅いことがあり、顧客の俊敏さが制限されていました。

「私たちの業界では、パフォーマンス・レベルの低下はサービスに大きな影響を及ぼしかねません。例えば、価格指数など、時間的な影響を受けやすい膨大なデータをプールして収集すると、当社のソフトウェアは価格フォワード・カーブを生成します。当社の顧客は、戦略的な意思決定や投資を理解するためのツールとして、これを利用します。

「このようなカーブがリアルタイムで生成され、更新されることは、いわば顧客がカーブの先端に立ち、先行者利益を得るために重要です。この情報の生成が遅れると、顧客に大きな影響を及ぼしかねません。技術的に言えば、当社の多くのディスク・ストレージ・ラックは、顧客の要求によって生じる負荷をスムーズに処理することができませんでした。

「私たちは、回転ディスク・ストレージをアーキテクチャーに増やすことでこの問題を解決しようとしましたが、このアプローチではデータ量の増加に対応できず、単にコストと複雑さが増すだけでした。パフォーマンスの問題がボトルネックとなり、データ処理システムはデータが不足し、分析を返すのにかなりの時間がかかることもありました。

「このように、当社のストレージ・アーキテクチャーは、処理能力を最大限に活用する能力が制限されていました。また、定期的に故障するため、メンテナンス・コストが増加し、サービスの可用性が低下しました。クラウドを真の成功に導き、データの急激な増加に対応したサービスを提供するには、ストレージ・アーキテクチャーを再考する必要がありました」

IBM フラッシュ・ストレージを導入して以来、ZEはパフォーマンスを劇的に向上させ、遅延を削減しました。また、保守コストを削減し、新しい機能とサービスを開発する能力を引き出しました。

Nader El-Ramly氏は次のように説明します。「フラッシュ・ストレージに移行してすぐに実感した改善点は、処理時間が大幅に速くなったことでした。これは、ストレージで発生していたボトルネックが解消され、CPUが処理できるのと同じ速さでデータを処理できるようになったためです。

「実際、分単位から秒単位、ミリ秒単位に調整する必要がありました。この速度で分析を処理できるということは、データ量とレポートの頻度が増加しても、顧客との間で結んでいる非常に厳しいサービス・レベル・アグリーメント（SLA）をしばしば上回ることができることを意味します」

Aiman El-Ramly氏はさらに次のように付け加えています。「FlashSystemソリューションは、このような迅速な処理時間により、ZEが顧客基盤を拡大し、サービスを強化する可能性を引き出しました。

「顧客の要求を処理する能力が向上するにつれて、顧客の行動や期待も変化しました。特に、より複雑な要求を実行し、ほぼリアルタイムではるかに多くの価格フォワード・カーブを生成できるようになりました。

「以前は顧客から何千もの異なるカーブのモデリングを依頼されていましたが、今では何十万ものカーブを期待されています。IBMフラッシュ・ストレージの導入は、当社のソフトウェアを個別に再構築する余裕をさらに確保してビッグデータの需要に適切に対応するための、中断を伴わない方法でもありました。

「当社のサービスを多様化し、より大量のデータをより迅速に処理できるようになったことで、お客様の満足度が高まり、事業拡大を実現しました。フラッシュ・ストレージの導入後、PaaSの顧客基盤を1年だけで30%拡大することができました」

新しい機能とサービスの開発に加えて、ZEはエンタープライズ・フラッシュ・ストレージに移行することでエネルギー効率を大幅に改善し、フラッシュ・ストレージとディスク・ストレージの両方に共通の管理ツールセットを手に入れました。

「IBM FlashSystem 900とIBM FlashSystem 840により、エネルギー効率を大幅に改善できました」とNader El-Ramly氏は続けます。「フラッシュ・ストレージは設計上、より耐久性があり、よりコンパクトですが、これほどまでに統合されるとは予想していませんでした。IBMフラッシュ・ストレージを使用することで、2ラックのディスク・ストレージからわずか2Uのフラッシュ・ストレージに移行し、エネルギーと冷却のコストを削減できました。

「その上、IBM Storwize V7000に搭載されている仮想化機能でストレージの容量を最大化し、ストレージの管理もはるかに容易になりました。初めてStorwizeテクノロジーを導入したときには、60%の圧縮率を達成しました。その後、強化された圧縮エンジンを活用するために第2世代のV7000に投資し、第1世代はFlashSystem 900とFlashSystem 840を超える第2層のストレージとして機能するようにしました。

「また、フラッシュ・ストレージを採用したことで、古いインフラストラクチャーで故障したディスクを交換するという、頻繁で中断を伴う作業がなくなりました。現在では、Storwize V7000上のディスクに問題が発生すると、デバイスが自動的にIBMに通知し、IBMは即座に交換品を発送します。それも、通常、私たちが問題に気づく前にです」

ビッグデータの分析を高速化するIBM FlashSystem 900、IBM FlashSystem 840、およびStorwize V7000テクノロジーにより、ZE PowerGroupは、顧客がより多くの意思決定をより迅速に行えるようにすることで取引業務の拡大を支援することができます。また、アップグレードされたZEプラットフォームは、データとレポートの品質に対する信頼を高めることで、顧客のリスク許容度を高め、新たな取引の機会を開拓するのに役立っています。

Aiman El-Ramly氏は次のように結んでいます。「当社はデータ・デリバリー・インフラストラクチャーに対するお客様の信頼を高めることができました。その結果、顧客は市場リスクに対してより耐性が高まり、事業の成長を促進することができます。このようにして、フラッシュ・ストレージは当社にとって真の資産となり、顧客に成長への新たな道を提供できるようになりました。

「このプロジェクトを通して、私たちはIBMとの仕事を楽しんでいましたし、ZEの成長を支援する彼らの献身的な姿勢を見て嬉しく思いました。IBMのシステムが私たちの成長を促し、競争上の優位性を高めたおかげで、私たちはお客様が多様性を向上させるためのより良いサービスを提供できるようになりました」

1995年に設立されたZE（ibm.com外部へのリンク）は、データ管理およびビジネス・プロセス・オートメーションの課題に対する包括的なソフトウェア・ソリューションであるZEMAの開発企業です。ZEMAは、比類のないデータ収集、分析、曲線管理、統合機能を提供することで、あらゆる市場および業界の顧客にエンドツーエンドの自動化されたビジネス・プロセス・ソリューションを提供しています。また、ZEはプロジェクトのすべての要素を完全に成功させるために、あらゆる種類のサポートと導入サービスを提供しています。