ホーム お客様事例 Wix Wix、ユーザーのセンチメントの予測をAIで高速化
Wix + IBM
watsonx.aiによる花模様の白い円のデジタル・レンダリング
カスタマー・サービスの提供とフィードバックの獲得の遅れを解消

Wixは、SaaSベースの代表的なWebサイト構築プラットフォームの1つです。世界中で2億6,300万人以上のユーザーが、グローバルなデジタル・プレゼンスを構築、管理、拡大するためにWixを利用しています。Wix社は、企業がインターネット上で確固たるデジタル・プレゼンスを構築するためのイノベーションとテクノロジーを早期に採用してきました。Wix社のカスタマー・ケア担当者の主な任務は、同社の顧客がオンライン・ビジネスの構築と設定を進められるように支援することです。

Wix社のカスタマー・ケアは、会話という形でWixユーザーをサポートします。当然、その会話は非常に長くなることもあります。従来のセンチメント分析モデルでは、会話のデータ・セット、特に長いデータ・セットをサポートできませんでした。また、従来のセンチメント分析は、例えば美しさについての言及のように、きわめて主観的な話題に対応できないことも欠点でした。Wix社のカスタマー・ケアが目標に定めたのは、Wixのプロダクトに対する顧客のセンチメントと、サポート・サービス自体に対する顧客のセンチメントを理解し予測することでした。こうした面を理解する手段として従来から用いられているアンケート調査は、ユーザーの20%程度しか回答せず、調査結果が大きく偏っている場合があります。加えて、調査の実施にも時間がかかるため、顧客のWebサイト構築を支援するというカスタマー・ケア担当者の本来の業務に遅れが生じます。

20%から100%へ センチメント分析でカバーするインタラクションが増加 即時のフィードバック インタラクションのセンチメントの把握が以前の手作業よりも迅速化
カスタマー・ケアにAIを適用

Wix社は、IBMのCTOオフィス、IBM ResearchIBM Expert LabsIBM Client Engineeringの専門知識を取り入れて、Wix社のサポート担当とユーザーとの個々のやり取りのセンチメントを迅速、正確、包括的に把握するという重要な課題に取り組みました。IBMとWix社は、IBM® watsonx.aiのAIスタジオを利用して、機械学習モデルの調査と開発を共同で行いました。さらに各チームは、watsonx.aiを利用することで、共有開発環境でのノートブックを使用した共同作業や、Wixによるデータの共有、システムの迅速なトレーニングとテストが可能になったほか、最終的にこのシステムをGPUと統合して、ノートブックから迅速な推論を直接実行することも可能になり、プロセス全体が効率化されました。

ユーザーに関するインサイトの取得を加速し、カスタマー・ケアをAIで強化

テストは成功し、開発したプロダクトは本番環境に導入されました。Wix社のカスタマー・ケア管理担当は現在これを積極的に利用して、同社のプロダクトとサポート・サービスに対するユーザーのセンチメントを継続的に監視しています。厳格なデータ保護規則を遵守しながら、現在Wix社のサポートのやり取りの約50%にこのモデルを適用しており、間もなく100%に拡大する予定です。このモデルはWix社のサポートの品質を測定する重要なKPIの作成にも使用されており、AIモデルを利用した分析においてカスタマー・ケア担当から信頼を獲得しています。

ユーザーのセンチメントをリアルタイムで監視できることから、Wix社のカスタマー・ケア管理チームは、担当者の業務を最適化するとともに、ユーザーのフィードバックに応じて同社のプロダクトにファイン・チューニングを施すことができます。このプロジェクトの導入は大きな成功を収め、このモデルによるセンチメント予測は現在ではWix社の主要なKPIの1つとなっています。Wix社はこのKPIを追跡し、組織全体の適切な運営に活用しています。

South Waikato District Councilのロゴ
Wix社について

2006年創業のWix(ibm.com外部へのリンク)は、SaaSベースの代表的なWebサイト構築プラットフォームの1つです。エンタープライズ・レベルのインフラストラクチャーやビジネス機能から、高度なSEOやマーケティングツールに至るまで、包括的なソリューションを提供しており、誰でもWebサイトを作成して、オンラインで成長することができます。

 

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2024年4月

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