役員室を含め、企業内のどの部署でも、盲目的な推測は絶対に禁物です。決断を下す前に、関連する事実と詳細を机上に乗せて検討する必要があります。しかし、手元にあるのが古いデータだけの場合や、データが存在しないという最悪の場合は、進むべき正しい道の選択は非常に複雑になります。
この洞察力の欠如は、残念ながらどの業界でも非常に一般的です。ITソリューション会社であるWhitespace社も、顧客の1社がこの課題に直面していました。Whitespace社の最高マーケティング兼収益責任者のAndrew Webber氏は、「私たちは英国政府内の部門と彼らが呼ぶところの『Excel問題』に関して関与していました」と振り返ります。「基本的に、この部門は外部パートナーと協力して400の異なるプロジェクトに携わり、年間数十億ポンドを支出しています。そして、これらのプロジェクトに関する多くの情報は、さまざまな人々のラップトップやレガシー・システム上のExcelシートに保存されていました。」
同氏はさらにこう続けます。「まず、リーダーが投資のダイヤルアップまたはダイヤルダウンについて戦略的決定を下さなければならないときは常に大変でした。関連データがあちこちに散らばっていたため、すべての関連データを見つけるために大変な労力が必要だったからです。そして第二に、それは、これらのプロジェクトに関して行われる日々の取引上の決定が孤立して行われることを意味します。つまり、彼らは波及効果についても全く知ることはできなかったのです。」
この課題解決に関してクライアントを支援する方法を検討し、Whitespace社は数年前に開発したツール、Expert Augmented and Automated Machine Learning Intelligence（「eamli」）を採用しました。
データ処理能力
eamliは実世界のデータを使用して、わずか数秒で何百万ものシミュレーションを実行できます。
データの360度ビュー
ユーザーは共通のインターフェースから、関連データを360度ビューで見ることができます
「eamliは、実際には当社の共同創設者の1人である、Paul Jenkinson氏の発案によるものでした」とWebber氏は振り返ります。「Paul氏には金融のバックグラウンドがあります。彼は投資家として働いていたとき、中小企業が限られた情報で財務モデルや収益と価格の予測を構築することが求められるのを何度も見てきました。そこで、彼はExcelに関する専門知識と限られたコーディング能力を使って、ツールの初期バージョンを構築しました。」
しかし、インストール・ベースが限られていたため、Whitespace社の開発者は他のソリューションに集中していました。そのため、eamliはまだこの規模のプロジェクトを処理できるほど成熟していませんでした。
eamliを更新し、強化する手段を見つけることができたのは、首相とのお茶を飲みながらの偶然の会談のおかげでした。非常によくあることです。
「私たちはダウニング街10番地で、Theresa May氏と国際貿易省が主催する庭園でのお茶会に招待されました」とWebber氏は回想します。彼らは、活発な議論を期待して、大手テクノロジー企業と高成長テクノロジー中小企業（私たちの共同創設者の一人であるAndy McCartney氏を含む）を招待していました。そこでIBMと出会い、すぐに意気投合しました」
Whitespace社はIBMのテクノロジーが提供できる機能を認識しました。そして、すぐにIBMビジネス・パートナーとなり、IBM Cloud PaksとRed Hat® OpenShift®でeamliを強化することを選択しました。
更新されたソリューションは、遺伝的アルゴリズムから構築された高度な機械学習に支えられた、データ駆動型の意思決定インテリジェンス・ツールを提供します。「eamliは、すべての投資とそれに付随する参考情報からデータを取得し、現在稼働中のすべてのプロジェクトとプログラムの360度ビューを作成します」とWebber氏は付け加えます。「すべてのデータを一元管理しているため、意思決定者はそれに応じて計画を立てることができます。」
「また、ユーザーはすべてのプロジェクトとプログラムが存在するサンドボックスを作成することもできます」と彼は続けます。「それで、彼らは『もしも？』ということを考え始めることができるのです。現在のデータに対してリアルタイムでシミュレーションを行い、予算やスケジュールを変更した場合に何が起こるかを確認します。eamliを使用すると、事実上300万人を超えるデータサイエンティストとビジネス・アナリストがすべてのシミュレーションを1秒以内に同時に実行できるようになります。」
Red Hat OpenShiftは、eamliの主要な開発環境として機能し、IBM Cloud Paks（特にIBM Cloud Pak® for Business AutomationとIBM Cloud Pak for Data）はデータガバナンスと統合の実現を支援し、関連するデータセットとクライアントシステムを迅速に接続します。英国の官公庁・自治体向けのインスタンスをサポートするため、同社はIBM Cloud®のコンテナ化されたインスタンス内にこのサービスをデプロイしました。しかし、eamliはクラウドにとらわれず、ユーザーが選択したプラットフォームをサポートすることができます。
Whitespace社は、IBMのテクノロジーを簡単に使用するために、IBM® Embedded Solution Agreement（ESA）を締結しました。「エンジニアリングとロードマップの観点から、これは明らかな利点をもたらします」とWebber氏は述べています。「IBM Automationをeamliに直接組み込むことができるため、必要なデータをより迅速に接続して顧客に導入できるようになります。また、当社は急速に成長している企業であるため、コストと機会を明確に理解したいと考えています。ESA内では、IBMテクノロジーに対する固定価格のロイヤルティ料金があり、規模の拡大を目指す私たちにとって最適です。」
eamliを導入することで、企業全体の意思決定者がプロジェクトやシステム全体を統合して把握できるようになります。これにより、より迅速に、より適切な情報に基づいた選択を行えるようになります。また、協調的なローコード・プラットフォームにより、ユーザーは包括的なプログラミング知識を必要とせずにシミュレーションを作成して精査することができます。
「彼らは今、自分たちのデータに基づいて、はるかに効果的な意思決定を行えるようになりました」とWebber氏は付け加えます。「IBM Cloud Paksのおかげで、彼らは1つの場所で360度のビューを見ることができます。そのため、意思決定の末端にいる取引的なレベルの人から、最も戦略的なリーダーシップのレベルにいる人まで、誰もが自然で使いやすいインターフェースを通じて、より良い情報に基づいた意思決定を行うことができます。よりスマートな意思決定が、より短い時間で行われます。予算をより活用することができます。」
Whitespace社は、既存のユーザーベースに直接的なメリットをもたらすだけではありません。IBMビジネス・パートナーになってESAに署名するという選択にも明らかな利点があると考えています。
「私たちはインフラストラクチャー、つまり配管について心配したくありません」とWebber氏は付け加えます。「率直に言って、ESAのおかげでIBM Automationを組み込むことができるようになったことで、必要なデータをより迅速に接続し、より迅速にeamliを導入できるようになりました。これは、当社の顧客がより短期間で希望するROIを達成し、当社自身の売上収益を加速できることを意味します。」
「私たちは協働することでより良くなると感じています」と彼は続けます。「ESAパートナーに対するIBMの市場開拓サポートにより、当社の製品を迅速に拡張して新しい業界セグメントに浸透し、当社がすでに活動している業界向けに新しいユースケースを迅速にテストして導入することができます。これに世界的なIBMのフットプリントを加えます。これにより、Whitespace社の成長能力がIBMとのパートナーシップによって大幅に強化されることは明らかです。」
IBMビジネス・パートナーWhitespace社外部リンク（リンクはibm.comの外部）研究者、エンジニア、技術者、および数名の元最高技術責任者（CTO）から成るチームで、新しいアイデア、製品、およびベンチャーを設計、開発、構築するために企業と協力しています。
法務
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2021 年 12 月
IBM、IBMロゴ、ibm.com、IBM Cloud Pakは、世界の多くの国々で法的に登録されているInternational Business Machines Corp.の商標です。その他の製品名およびサービス名はIBMまたは他社の商標である可能性があります。IBMの商標の最新リストは、Web 上の「著作権および商標情報」（ibm.com/legal/copyright-trademark）で入手できます。
Red Hat®およびOpenShift®は、米国およびその他の国におけるRed Hat社またはその関連会社の商標または登録商標です。
本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国であっても、特定の製品を利用できない場合があります。
記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。本資料の情報は「現状のまま」で提供されるものとし、明示または暗示を問わず、商品性、特定目的への適合性、および非侵害の保証または条件を含むいかなる保証もしないものとします。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。
eamliはIBMの製品またはサービスではありません。eamliは、場合によっては、製品またはサービスに付属するeamliのご利用条件に基づいてユーザーに販売またはライセンス供与されます。eamliの可用性、あらゆる保証、サービス、サポートは、Whitespace社が直接責任を負い、ユーザーに直接提供します。