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TurkcellはIBMの自動化テクノロジーを使用して数百万の文書を見直しています
公園のベンチに座って自撮りする少年と年配の男性

近年、トルコの携帯電話事業者は、特に顧客データとプライバシーの扱いに関して規制がさらに厳格化されています。新しい要求では、最初の契約署名時に関連情報を提供しなかった人物がいたときに、その顧客対応業務を行ったオペレーターに罰則が課されることになっています。

Turkcell İletişim Hizmetleri A.Ş.のCRMマネージャーであるNevra Biyikli氏は、次のように説明しています。「新しい規制に対応するために、790万件の契約を見直し、顧客が関連情報ボックスにチェックを付けたかどうかを確認し、それが当社のCRMシステムに保持されている情報と一致するかどうかを検証する必要がありました。これにより、関連情報を提示していない顧客と取引するリスクがなくなり、顧客満足度を守りながらコンプライアンスを達成することができます。」

Turkcellはすでに顧客契約のデジタル・コピーとサポート情報を一元化したIBM® FileNet® Content Managerリポジトリーに保管しており、そこには8億を超える顧客文書が含まれています。

優れたキャパシティー

 

1,500万件の顧客契約を処理

効率的なデータ抽出

 

20人のスタッフで作業して2年半年かかって完了したデータ抽出が、今では6か月で完了できるようになりました

IBMやAksisと当社とのパートナーシップは、お客様とつながり、顧客体験をより充実したものとするのに役立っています。 Nevra Biyikli CRMマネージャー Turkcell İletişim Hizmetleri A.Ş.

Biyikli氏はこう述べています。「IBM FileNet Content Managerは、Turkcellの文書フロー全体の中核を成しています。特に顧客情報に関しては、FileNet Content Managerによって、規制への対応として保持しておくべき文書を一元的に保管することができます。また、それらの文書を検索する必要があるときも、IBMのソリューションのおかげで素早く簡単に行うことができます。」

Turkcellは契約内のデータを迅速かつ正確に確認する方法を探していました。多くの契約書は低品質のコピーで保存されていたため、低品質のデジタル画像からでも必要な情報を確実に抽出できるソリューションを必要としていました。

わずか数か月で何百万もの文書を処理

ソリューションを見つけるにあたって時間が非常に重要な要素でした。Turkcellが新しい規制への準拠を確認するために残されていた時間は1年余りしかありませんでした。多くの文書キャプチャとデータ抽出ソリューションを評価した後、IBM Cloud Pak® for Automationソリューションに組み込まれているIBM Datacapソフトウェアを選択し、IBMビジネス・パートナーのAksisと連携してデータ検証プロジェクトを開始しました。

TurkcellのエキスパートCRMアナリストであるGonca Çorman氏は次のように述べています。「Aksisは10年以上にわたって当社のテクノロジー・パートナーです。Aksisの支援によって、当社のすべてのエンタープライズ・コンテンツ管理プラットフォームを、規制当局と当社のカスタマー・サービス・メトリクスにより設定されたサービス・レベル契約に適合した状態に維持することができます。Aksisはこのプロジェクトで重要な役割を果たし、Datacap ソリューションの構成に専門的に取り組み、データ検証がスムーズに進むように支援してくれました。」

TurkcellはDatacapソフトウェアを使用して、CRMエントリにマーケティング・コミュニケーションの受け取りを許可していることが示されている顧客の契約文書をチェックしました。13か月間、毎日平均150,000の文書ファイルを処理しました。

Biyikli氏は次のようにコメントしています。「IBM DatacapのOCR(光学式文字認識)エンジンの性能にはとても満足しています。さまざまなテクニックを利用して、画質が悪くても最良の結果を確保することができました。これにより手作業を減らし、厳しいスケジュールを守ることができました。」

結果として、約590万件の契約は情報が正しいことがわかりました。残りの190万件は手動検証に回され、Turkcellは顧客の選択に合わせてそのCRMレコードを更新することができました。

関連するプロジェクトで、TurkcellはDatacapソリューションを使用して、データ・プライバシーに関する別の規制要件を満たすこともできました。Turkcellは、顧客がログインして自分の契約書やその他の重要な文書を表示できるWebポータルを提供しています。各顧客が自分個人の文書セットのみを表示できるようにするには、会社のCRMシステム内の各顧客レコードに正しい文書セットが関連付けられていることを確認することが重要です。

Turkcellは、これを確認するためにDatacapソリューションを使用することにしました。各文書セットには、固有のID番号が記載された顧客のIDカードのコピーが含まれていました。これらの番号をキャプチャし、CRMシステム内のID番号と照合することで、2つのレコードが正しく一致していることが確認できます。

5台のDatacapサーバーを使用し、250万セットのID文書(各文書セットは5ページあり4回の反復が含まれている)を1日あたり125,000文書のペースで処理し、18か月で170万件のID番号のキャプチャに成功しました。これは67%の成功率であり、Turkcellはこれを非常に良好な数字と考えています。

「スキャンされたIDカードは大半が非常に低品質の画像であったので、これほど多くのデータを自動的にキャプチャできたことはかなりの成果でした」とÇorman氏は言います。「それぞれの文書に複数のスキャン技術とOCR技術を組み合わせることができるDatacapの機能は、大きな利点でした。」

業界での競争がますます激化しているため、トルコの通信会社にとって顧客維持は最優先事項です。Turkcellは、特定の顧客が携帯電話会社を乗り換える理由をさらに十分に把握できれば、よりターゲットを絞った営業活動ができ、解約を減らしてロイヤリティを強化できることに気づきました。この認識が、さらに別のDatacapプロジェクトのきっかけとなりました。

Biyikli氏は次のように説明します。「顧客がTurkcellと解約して別の通信事業者に乗り換えるときには通常、顧客の携帯電話番号を新しい通信事業者に移すことを求める文書を受け取ります。これらの文書から情報を取得できれば、それを将来のマーケティング・ストラテジーの策定に使用できることに気づきました。

「特定の顧客の解約を防ぐには手遅れですが、似たような、そしてもっと良い独自のキャンペーンを実施して、新規顧客を引き付けたり他の顧客が解約したりするのを防ぐことはできます。」

Çorman氏は次のように述べています。「Datacapプロジェクトによって明らかになったインサイトは、当社のマーケティング・チームが、顧客の実際のニーズに応えるターゲットを絞ったキャンペーンを検討するのに役立ちました。魅力的でパーソナライズされた製品によって顧客にアプローチできることで、競合他社との競争に勝ち、ブランドロイヤルティを構築し、Turkcellは順調に成長を続けていくことができます。」

IBM DatacapのOCR(光学式文字認識)エンジンの性能にはとても満足しています。さまざまなテクニックを利用して、画質が悪くても最良の結果を確保することができました。これにより手作業を減らし、厳しいスケジュールを守ることができました。」 Nevra Biyikli CRMマネージャー Turkcell İletişim Hizmetleri A.Ş.
低コストでコンプライアンスを実現

Biyikli氏は次のように述べています。「IBM Datacap のおかげで、膨大な手作業を回避することができました。かつて、500万件の契約を手動でチェックするには、20人のチームが2年半かかると試算しました。したがって、これら3つのプロジェクト全体で1,500万近くの文書をDatacapで処理することにより、大幅なコスト削減を達成できました。」

Çorman氏は次のように付け加えています。「単にチームが何百時間も節約できたというだけでなく、プロジェクトをより迅速に完了できるようになったこともメリットです。規制当局がマーケティングとIDのプロジェクトに設定した期限は非常に厳しいものでした。Datacapがなければ期限を守るのは非常に困難だったことでしょう。」

彼女はこう結論しています。「何百万もの文書から素早くデータを取得できることは、規制を遵守し、会社の評判を保護し、顧客満足度が低下するリスクを最小限にとどめるのに役立つだけでなく、それらの文書をビジネス・インサイトのソースとして利用するチャンスを開くものともなっています。文書を使用して、当社のマーケティング・チームが競合他社のオファーを把握し、より優れたキャンペーンを策定しているということは、IBMとAksisとのパートナーシップが、いかに顧客とつながり、顧客の満足度とロイヤルティを高める充実した体験を形成するのに役立っているかを示す好例です。

Turkcellのロゴ
Turkcell İletişim Hizmetleri A.Ş.について

Turkcell(ibm.com外へのリンク)は、1994年にトルコで初のGSM(Global System for Mobile Communications)ネットワークを立ち上げました。現在、Turkcellは統合通信およびテクノロジー・サービス・プロバイダーとして、モバイルおよび固定電話の顧客に対して、オーバーザトップ(OTT)コンテンツ、クラウド、TVエクスペリエンスなどのサービスを提供しています。

アクシスについて

1994年に設立されたAksis(ibm.com外部へのリンク)は、エンタープライズ・コンテンツ管理(ECM)ソリューションで組織を支援することに重点を置いています。また、電子文書管理システム、モバイル・ソリューション、画像処理、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)なども提供しています。その顧客は、金融、自動車、製薬化学、政府など、さまざまな業界にわたっています。Aksisの本社はイスタンブールにあります。

次のステップ

この記事で紹介されているIBMソリューションの詳細については、IBMの担当者またはIBM ビジネス・パートナーにお問い合わせください。

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2020年10月米国で作成。

IBM、IBMロゴ、ibm.com、IBM Cloud Pak、およびFileNetはInternational Business Machines Corp.の商標であり、世界中の多くの管轄区域で登録されています。その他の製品名およびサービス名はIBMまたは他社の商標である可能性があります。IBMの商標の最新リストは、Web 上の「著作権および商標情報」(ibm.com/legal/copyright-trademark)で入手できます。

本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国であっても、特定の製品を利用できない場合があります。

記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。本資料の情報は「現状のまま」で提供されるものとし、明示または暗示を問わず、商品性、特定目的への適合性、および非侵害の保証または条件を含むいかなる保証もしないものとします。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。

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