統合への新しいアプローチは TINE 社にビジネス上のメリットを数多くもたらしました。一例を挙げると、高度なプランニングとスケジューリング (APS) のソリューション開発の根幹として、同社は IBM Cloud Pak プラットフォームを使用しました。Avella 社と共同で Microsoft Azure 上にデプロイされた APS ソリューションは、32台の既存システムから ERP、物流システム、顧客システムなどのデータを取り込み、このデータを統合し、プランニング・アルゴリズムを適用して、トラックの生乳を最大積載量にし、輸送ルートの最適化を実行します。その結果、TINE 社の輸送コストは削減され、同社は生乳をより効率的に輸送できるようになり、高価値の製品に振り分ける新鮮な生乳量を増やし、低価値の製品に振り向ける量を減らすことに成功しました。
TINE 社の統合プロジェクトで成功したもう1つの例が Yard Manager です。かつては、トラックが TINE 社の倉庫に到着したとき、倉庫作業員はそのトラックが使用するドックを確認する方法がありませんでした。そのため、彼らは常に受け身で作業をしており、トラックが到着すると急いで製品をトラックに届けていました。そこで Yard Manager ソリューションを使用すると、倉庫作業員は到着するトラックと使用するドックを事前に把握でき、到着前に出荷の準備ができます。「トラックへの積み込み作業の効率が大幅に向上しました。これは大成功で、倉庫作業員は新しいアプリに非常に満足しています」と Torgersen 氏が述べます。
IBM Cloud Pak for Integration をベースとした、より的確なアプローチを数年間使用してきた Torgersen 氏と Høgli 氏は、現在 Integration Factory を分割し、必要に応じて統合開発者を別の製品チームに派遣することを検討しています。今後 Central Integration Competency Center は統治機関的な役割を強め、プロジェクト・チームが確実に TINE 社の新たな統合アーキテクチャーのインテグリティを維持できるようしていきます。
Torgersen 氏にとって、この動きは TINE 社の長期的ビジョンの実現に一歩近づくもののようです。「社内のデータの解放と民主化を確実にすることで、データが社内全体にシームレスに流れ、データを必要とするスタッフが単一の共通の真実としてアクセスできるようにしたいと思っています」