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持続可能ななエネルギーがオールフラッシュ・ソリューションの力を発揮
ノルウェーにあるロフォーテン諸島の夜の漁村

水は命です。ノルウェーでは、水は光も生み出します。世界最大級の水力発電国である同国は、再生可能で信頼性が高く、手頃な価格のクリーンエネルギーを何世代にもわたって実現するための道筋を描いています。Skagerakは、老朽化したインフラストラクチャーを更新しなければならないタイミングでオールフラッシュのIBM®ソリューションを選択し、データをインサイト(洞察)に変え、効率的なエネルギー供給と生産を実現しました。

ビジネス上の課題

Skagerak Energiは、ビジネス需要を満たし、効率的なエネルギー生産と供給に必要な重要な処理を強化するために、老朽化したITインフラストラクチャーを更新する必要がありました。

概要と経緯

同社は、仮想デスクトップ・インフラストラクチャー(VDI)を効果的に管理し、大量のデータを迅速かつ効率的に処理できる処理能力を提供するために、複数のIBMオールフラッシュソリューションを選択しました。

成果 処理速度が11倍に
重要なレポートとインサイト
パフォーマンスが5~11倍に向上
いくつかのベンチマークで以前のデータベース・アプライアンス・ソリューションを上回る
可用性を重視したVDI
正確で安全なデータ転送をサポート
ビジネス上の課題の詳細
インフラ全体の見直し

ノルウェーでは、電力の98%が水力発電を中心とする再生可能エネルギーでまかなわれています。また、効率的で持続可能な利用を促進する厳格な政府規制により、この国は100%の再生可能性の達成に向けて順調に進んでいます。ノルウェーは、世界で1世帯当たりの電力消費率が最も多い国の一つです。そして何十年にもわたって、この国は増え続ける国内の需要に供給するために代替エネルギーとクリーンテクノロジーの利用を主導してきました。

Skagerakはノルウェー最大のエネルギーグループの1つで、200,000件を超える住宅および企業顧客に電力を生産および配電しています。同社はノルウェーの送電網の一部として運営されており、法律により顧客へ効率的に電力を供給しなければ高額の罰金が科されることになります。Skagerakは電力資源が需要に追いつくことができるよう、毎時20万か所の消費地点からデータを収集し、その結果を政府に報告するよう義務付けられています。不正確なデータや報告されていないスパイクにより電力網が不安定になる可能性があり、そうなれば電力網がサービスを提供している地域社会に壊滅的な影響を与える恐れがあります。「当社はテクノロジーを基盤とした企業です」と、Skagerakのプラットフォーム・サービス責任者のStein Ove Røv氏は言います。「私たちが使うテクノロジーは、しっかりと機能しなければなりません」

しかし、Skagerakの老朽化したインフラストラクチャーにはビジネスニーズに対応する能力がなかったため、重要なレポート作成は時間のかかる手動プロセスに頼っていました。同社がプラットフォーム全体を最新化し、将来の需要に対応できるパフォーマンス、可用性、柔軟性を提供できるよう支援するために採用されたのが同氏でした。

「システムのほとんどは非常に古いもので、実際にはディスクソリューションにも、サーバーのCPUやRAMにも電力が供給されていませんでした」とStein Ove Rov氏は言います。「私たちは、設計全体を見直す必要がありました。データは膨大で大量のI/Oパワーが必要だったため、ネットワークから始めて、次にストレージソリューションに取り組みました。」

情報の処理には高いパフォーマンスが必要だったため、IBMを選択しました。 Stein Ove Røv プラットフォーム・サービス責任者 Skagerak Energi
概要と経緯の詳細
処理能力の成果

ノルウェーでは、エネルギー会社はもれなく発電量を中央規制当局に正確に報告する義務があります。配電を正確に制御し、適切な量のエネルギーを確実に生成するため、SkagerakはVDI内の周辺機器から収集したデータを活用しています。Skagerakは、IBM HyperSwapテクノロジーを備えたIBM FlashSystemソリューションを使用することで、ノートPCプやハンドヘルド・デバイスから電源を管理する社内スタッフへの重要なデータの安全な転送に必要なパワーとフォールト・トレランスを備えています。HyperSwapテクノロジーはボリュームへのデュアルサイトアクセスを提供するため、現在ではSkagerakのすべてのストレージシステムに搭載されており、ボリュームに書き込まれるデータは、両方のコピーへ自動的に送信されます。そのため、一方のボリュームがダウンしても、もう一方のボリュームはアプリケーションを中断することなく同様のデータを提供できます。

Skagerakは、200,000の消費ポイントと毎日数回読み込まれる30以上の測定シリーズにより、膨大な量のデータを生成します。IBMは、データ集約型のクリティカル・アプリケーションに必要な処理能力を提供するため、Skagerakの既存のデータベース・アプライアンスを置き換え、卓越したパフォーマンスと高可用性を実現するソリューションを設計しました。IBM Power9プロセッサーと統合されたIBM Power System E950およびIBM FlashSystemソリューションを使用することで、いくつかのベンチマークで同社のデータベース・アプライアンス・ソリューションの5~11倍というパフォーマンス速度の向上が見られました。

「情報を処理したいのであれば、高いI/O性能を持つ優れたソース・ソリューションが必要です」とStein Ove Røv氏は言います。「消費ポイントからすべての数値を取得できない場合は、先週または昨年からの現在までの事実およびデータに基づいて予測する必要があります。そのためには高速なパワーが必要です。これを行うのがIBM FlashSystemストレージを備えたシステムプラットフォームのIBM Powerなのです。」

以前は、同社のプロセスのいくつかは手作業で行われていました。しかし現在では、各家庭に自動計測器が設置され1日を通して電力使用量が報告されるため、Skagerakは消費量を迅速に追跡し、水力発電の必要量を正確に予測できるようになりました。同社はまた、エネルギーのより効率的な生産と分配に役立つ気象データ、降雨量測定、その他のいくつかのデータポイントも収集しています。

Skagerakは何マイルもの送電線を維持する必要があり、同氏によれば、予測保守のためにデータをうまく活用することが重要だといいます。同社は現在、送電線の検査にヘリコプターと人力を使用していますが、コンポーネントや工場の遠隔監視にはドローンと仮想現実の活用を検討中です。

「エネルギーは急速に変化しています。」と同氏。「私たちの目標は、安定性、柔軟性を持ち、将来のニーズに対応できるソリューションを構築することです。その未来はオートメーションであり、それは大量のデータなのです。」

成果の詳細
未来を見据えたイノベーション

Skagerakは、Power System E950および FlashSystemソリューションの導入前、官公庁・自治体による報告遅れに対する罰金として高額な罰金を請求されるところでした。しかし現在、同社はデータを11倍速く処理できるようになり、余裕をもって報告期日に間に合わせられるようになりました。

セキュリティー、パフォーマンス、可用性を考慮して設計されたHyperSwapテクノロジーを使用したFlashSystemソリューションにより、Skagerakは重要なデータに必要なフォールトトレランスを備えています。Ove Røv氏は、よりユーザーが使いやすいシステムになったため、さらに迅速なサービスを提供できると述べています。

同氏は、オープンソーステクノロジーはSkagerakにとって重要な選択だったと言います。おかげで同社は柔軟な対応ができ、革新能力を妨げる可能性のある独自のテクノロジーに縛られることがなくなるからです。ノルウェーは再生可能エネルギーの先頭に立っており、革新的な太陽光発電プログラムと一人当たりの電気自動車保有台数は世界各国の中でも上位にいます。

Stein Ove Røv氏は「私たちは迅速に行動できる必要があります。私たちの業界の変化は、より効率的になり、より良いサービスを顧客に提供するための努力によって推進されています」と述べています。「私たちはすべての家庭に電力を供給してTesla車を充電できるようにする必要があります。ノルウェーでは、これは大きなパワーです」

ビジネス・ロゴ
Skagerak Energi

Skagerak(ibm.com外部リンク)は、ノルウェーで5番目に大きいエネルギーグループです。同社は再生可能資源から電気と熱を生産し、持続可能なエネルギーの未来に向けたノルウェーのビジョンに積極的に貢献しています。従業員数は630人以上で、200,000人を超える顧客を抱えています。Skagerak Energiは、Skagerak Nett、Skagerak Kraft、Skagerak Varmeの3つの完全子会社のうちの1社です。

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2020年1月、アメリカ合衆国で制作。

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