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Saint-Gobain社、手入力は過去のものに
Saint-Gobain Towerの中からのLa Defense市街の眺め

Saint-Gobain社の北米地域eBusinessマネージャー、Chase Shelby氏は、注文、出荷追跡、請求書作成のためにクライアントやベンダーとやりとりする膨大な量 の紙を置き換える仕事を任されました。

同社は、コストを削減し、運用効率を改善し、手作業のプロセスを効率化する必要がありました。そのためにはそれらを自動化する仕組みが必要でした。カスタマー・サービス担当者(CSR)は、手作業による受注入力処理に追われ、大量の船荷証券(B/L)、出荷追跡、請求書の請求が押し寄せてくるように感じていました。

また、同社は顧客の迅速なオンボーディング、補完的なベンダー製品の提供による注文の簡素化、大口顧客向けの注文効率の改善、多くの顧客やベンダーを呼び込み競争で優位に立つことのできる電子データ交換(EDI)システムの導入も検討していました。

さらに、Saint-Gobain社は、このシステムへの要望として、安全でクラウドベースであることを挙げていました。

Shelby氏は、eビジネス担当へ昇進する前は、Saint-Gobain社でCSRを務めていたと言います。彼は、電話で一つ一つ手作業でオーダーを受け、オーダー入力し、問い合わせの電話を受けて追跡情報を伝え、請求書など顧客向け書類を発行するための請求対応をしなければならなかったと指摘しています。Shelby氏は、このプロセスは非効率的で時間がかかると説明してします。自らの経験から、より効率的なEDIシステムを見つける必要があると考えたのです。

コスト削減

 

EDIテクノロジーで、ライン・オーダーあたり92% コスト削減

無停止運転

 

会社として24時間年中無休で書類を受信できるように

多くのCSRで採用されている手作業での対応よりも、EDI取引がコスト効率に優れている点が見えてきました。 Chase Shelby氏 eBusiness Manager, North America(北米、eビジネスマネージャー) Saint-Gobain Abrasives社
EDIの発注書・出荷システム

Saint-Gobain社は、クラウドベースのIBM Sterling™ Supply Chain Business Network Premiumシステム導入を決定し、これによりベンダーに送信するEDIの仕様を作成しました。この決定を行った理由は、手作業のプロセスよりもEDIの方がコスト効率に優れているためです。

Shelby氏は、IBMのサプライ・チェーン・システムによって、受発注、請求、出荷の効率が改善したと指摘します。同氏によると、顧客はシステムに直接送信される自動出荷通知を受け取り、追跡番号を確認し、発注の納品日を確認し、その他すべての関連する出荷情報を利用できるようになったと言います。

EDIにより顧客に提供できる詳細情報についてShelby氏は詳しく説明し、Saint-Gobain社は顧客の配送センターに事前出荷通知(ASN)を送信できるようになったと述べています。顧客側で受け取った製品のバーコードをスキャンすると、EDIの送信したASNに直接紐づけられ、それぞれの梱包品に含まれているすべてのものが表示されます。そのため、顧客は送り状(発送伝票)やその他の出荷関連書類を手に入れるためにCSRに電話しなくても良くなりました。

「受注生産品と在庫品があります」とShelby氏は言います。「1つの製品に対して、発注書が1枚、請求書が1枚、荷物が1件であることはほとんどありません。そのため、ある顧客が在庫品と受注生産品を1つの発注書で発注した場合、複数の請求書とASNが発生することになります。このシステムの業務分析ツールを使えば、発注番号を検索するだけで、ASN、請求書、関連書類をすべて呼び出し、1回のクエリーで顧客に送信できます」

 

IBMが作成してくれた仕様により、いくつかのベンダーをすべて1つの汎用マップを使ってEDIに移行できました。これは大きな成功と言えます。 Chase Shelby氏 eBusiness Manager, North America(北米、eビジネスマネージャー) Saint-Gobain Abrasives社

同氏は、このシステムが会社にもたらしたもう1 つの重要な改善点を挙げました。このIBMシステムを導入した結果、Saint-Gobain社は補完的な商品を販売する別の会社と提携しました。IBM Sterlingシステムを使うと、顧客はSaint-Gobain社に直接発注し、同じ請求書を使って補完製品を発注できます。Saint-Gobain社は自社の製品を顧客に発送し、この提携会社は補完的な製品を直送します。そして、こうしたすべてのプロセスがEDIで処理されているのです。

「顧客は1つの発注番号に対し、2社から1つの請求書を受け取るのみなので、この取り組みには満足していただいているようです」とShelby氏は言います。「この提携は、営業面で両社にメリットがあるだけでなく、複数のベンダーと取引しなくてもよくなるため顧客にとってもメリットがあります」

Sterling Supply Chain Business Network Premiumのユーザーとして、Saint-Gobain社は、メーカーのEDIシステムのの重要な要素を担当するIBMマッピング・エキスパートを利用することができます。「これにより、IBMと問題をオープンにして、自分が別のマップをテストしている間に、IBMに別の顧客向けのマップの作成を対応してもらうことができるので、1回に複数のプロジェクトを進行できます」とShelby氏は言います。

IBMのリソースを活用することで、社内で行う場合よりも迅速に顧客のオンボーディングが行えるようになると彼は言います。高速化しただけでなく、プロセスも効率化されています。「簡単なフォームに記入します。顧客のEDI情報を入力して、どのマップからコピーするかをチームに指示するだけです」とShelby氏は言います。同氏は、これらのフォームをコピーして顧客ごとにカスタマイズし、各顧客のEDIのニーズに合わせることもできます、と付け加えます。

Saint-Gobain社は、プレミアムなIBMサプライチェーン・システムを利用することで、可視性が向上し、AI機能も活用できます。Shelby氏は、顧客の書類や発送通知を顧客のシステムに直接転送することで自動化し、プロセスをより可視化できるようになると述べています。そのため、顧客は追加の情報を得るためにSaint-Gobain社に電話やEメールを送信しなくて良くなり、CSRは他の付加価値のあるタスクに専念できるようになります。

Saint-GobainのサプライチェーンEDIをクラウドに移行した影響について、Shelby氏は「社内にあったサーバー負荷の一部をクラウドに移行し、IBMがIBM Sterling Supply Chain Business Network Premiumを通じて管理してくれるようになりました」と指摘します。

コスト削減は始まったばかり

このIBMシステムでは、CSRは手作業で受注入力をしなくて良いため、顧客に対して事後対応でなくプロアクティブに対応でき、Saint-Gobain社にはメリットがあります。「CSRは、毎日受注入力や、受電、請求書や送り状(発送伝票)のコピーの請求に時間を割かなくても良くなりました」とShelby氏は言います。

もう1つのメリットは、同社が発注書、ASN、請求書をEDIで顧客に送信できることです。以前は、顧客はこの情報を会社のCSRに請求していました。現在、このような受電数は劇的に減少しています。

Shelby氏は、発注書にEDIを利用することで最も効率に改善が見られるのは、スピードと正確性においてであり、同社は今では24時間年中無休で書類を受信できるようになったと述べています。「当社の毎年の主な目標は、できるだけ多くの顧客をEDIに引き込むことです。現在は50%から60%の間で推移しています」とShelby氏は言います。

IBMのサプライ・チェーン・システムを使用することで、IBMのマッピング・エキスパートを利用できるようになり、Saint-Gobain社は必要なマップ担当者や管理担当者の数を抑えられるため、EDIコストを削減できます。同システムにより、同社は複数のプロジェクトに同時に取り組むことが簡単にできるようになりました。

Saint-Gobain社がコスト削減を図れるもう1つの点は、同システムの分析によるものです。Shelby氏は、分析を活用することで、時代遅れで非効率的なプロセスを突き止め、コストを削減できると述べています。彼は例を挙げています。「顧客に請求書を送ったとき、IBMが請求書を受け取ったことを知らせるステータス文書もSAPシステムに送り返していました。このプロセスをなくすことで、毎月の書類作成コストを大幅に削減できました」

Shelby氏によると、Saint-Gobain社はIBM Sterling Business Transaction Intelligenceシステムの利用を同社の売掛金部門にも拡大する予定だと言います。同部門は頻繁にeビジネス・チームを訪れ、顧客が EDI経由で請求書を確実に受け取ったかどうかを尋ねています。ただし、売掛金部門がSterling Business Transaction Intelligenceに接続できるようにすると、部門間のやり取りが減り、必要なデータに直接アクセスができるようになります。

 

 

 

Saint-Gobain Abrasivesのロゴ
Saint-Gobain Abrasivesについて 

Saint-Gobain社 (ibm.com外部へのリンク)は、業界をリードする研磨剤の世界的なメーカーです。同社は、性能、コスト、安全性の面で最適なオプションを選べるようにカスタマイズできるシステムを設計しています。130年以上の経験と1万名を超える従業員を抱え、約30ヶ国における60ヶ所の施設のネットワークを通じて顧客にサービスを提供しています。本社はマサチューセッツ州ウースターにあります。

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脚注

© Copyright IBM Corporation 2020. IBM Corporation, IBM Supply Chain, New Orchard Road, Armonk, NY 10504

2022年11月、米国で作成

IBM、IBMロゴ、ibm.com、IBM Sterling、およびSterlingは、世界の多くの国で法的に登録されているInternational Business Machines Corporationの商標です。その他の製品名・サービス名はIBMまたは他社の商標である可能性があります。IBM商標の最新リストは、Web上の「著作権および商標情報」 https://www.ibm.com/jp-ja/legal/copytradeをご覧ください。

本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国であっても、特定の製品を利用できない場合があります。

記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。本資料の情報は「現状のまま」で提供されるものとし、明示または暗示を問わず、商品性、特定目的への適合性、および非侵害の保証または条件を含むいかなる保証もしないものとします。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。