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学内の事務システムにIBM iを採用し、業務アプリケーションをILE RPG記述に統一することでプログラムの継承性を実現

立命館大学は、学内の事務システムのリニューアルに際し、IBM i 搭載のIBM Power Systems(以下、Power Systems)を採用。業務アプリケーションをフリーフォーム版 ILE RPG (以下 FF RPG) 記述に統一することでプログラムの継承性を実現するとともに、独自のフレームワークを整備することで業務アプリケーションの効率化を図っています。またXML Bridgeを活用して画面生成と業務ロジックの処理を分離したことで、業務ロジックに手を加えることなく画面変更が可能になるなど、開発・運用面での大幅な改善を実現しています。

ビジネス上の課題

教務パッケージをベースとしていた事務情報システムの開発・運用の効率化を模索

  • インフラ更改の際、非互換部分の洗い出しと機能テストに大きな工数を要していた
  • Javaベースの教務パッケージに大幅なカスタマイズが必要だった
  • インフラとミドルウェアの維持を外部に委託していたため、学内要求を伝えるために時間ロスが発生していた

- 2018年のインフラ更改に向け、新世代システムの検討を開始

衣笠キャンパス、びわこ・くさつキャンパス、大阪いばらきキャンパスを中心に15学部22研究科を運営する立命館大学は、約35,000名の学生を擁しています。職員・教員もそれぞれ1,000名を超え、ほぼすべての学問領域をカバーしながら大学としての活動を展開しています。

立命館大学では、1990年代から事務情報システムを運用してきました。2006年には第3世代になる「RISING III」が稼働を開始。学籍管理や履修・成績管理などの職員向けの基幹系システム、受講登録や成績照会などの学生向け情報系システム、成績登録などの教員向け情報系システムが活用されてきました。

立命館大学 情報システム部 情報システム課 服部 陽介氏は、RISING IIIについて次のように説明します。

「第3世代では、Javaベースの教務パッケージを活用していましたが、大学の特色を反映するためにかなりのカスタマイズを施していました。その後、2010年にインフラが更改された際にRISING III の移行作業が行われましたが、そのJavaのバージョンが変更されていたため、非互換部分の洗い出しと機能テストに大きな工数を要してしまいました」

次期のインフラ更改は2018年に予定されていたため、立命館大学では、2013年からRISING4に向けた検討を開始しました。

- 第3世代システムでの手間やコスト、スピードなどの課題

「RISING4の検討に当たり、大学のグローバル化やキャンパス増加への対応、管理運営の適正化、システム利用者の多様化と応対、事務作業量軽減の必要性といった業務面での課題のほか、ITシステム開発・保守・運用上での課題も洗い出し、その対策を模索しました」(服部氏)。

Javaなどの複数のオープン技術に対応できるスキルを学内の要員で維持することが困難であり、立命館大学では、複雑なインフラとミドルウェアの維持を外部に委託していました。そしてインフラ更改の際に行われた移行開発とテストの工程でも、学内の要求がベンダーに伝わりきるまでの時間ロスが発生するなど、大きなワークロードと費用が発生しました。さらにミドルウェア別のサーバー要件により管理対象物理サーバーの台数が増えてしまったことも課題となっていました。

パッケージを大幅にカスタマイズしていたことも、手間とコストが膨らむ要因となっていた上に、カスタマイズを行ったことにより、標準保守サービスの適用外となり、特別保守コストが発生していたことも大きな課題でした。またプレゼンテーションと業務ロジックの分担が不明瞭で、わずかな画面デザインの修正でもプログラムの変更が必要となっていました。

概要と経緯

業務アプリケーションをFF RPG記述に統一することでプログラムの継承性を実現

こうした第3世代での各種課題の解決策として同大学が目を付けたのがIBM i でした。

IBM i はPower Systemsに搭載されたOSで、ハードウェア、ミドルウェア、アプリケーションなどとの垂直統合を実現することを特長としています。業務アプリケーションをFF RPG記述に統一することでプログラムの継承性を実現でき、長期間にわたって動作保証されることもIBM i の大きなメリットになっています。将来OSやハードウェアがバージョンアップした際でも、移行作業の負担を大幅に軽減することが可能になります。

効果と今後の展望

プログラムの継承性が実現され、インフラ更改の際でもアプリケーション移行作業が不要に

RISING4は2018年1月から全面的な稼働が開始されました。アプリケーション部分には独自開発のフレームワークが導入され、汎用機能を部品として提供するとともに、プログラム設計モデルと典型的処理パターンが用意されています。

またXML Bridgeを活用して業務ロジックと画面生成の処理を分離したことで、業務ロジックに手を加えることなく画面変更が可能になりました。

RISING4の一番大きな成果は、プログラムの継承性が実現されたことにあります。

「FF RPGやDb2 for iの互換性維持の恩恵により、今後インフラを更改する際でも、アプリケーションの移行作業は必要なくなる見通しです。今回整備したIBM i環境を学内標準のWebアプリケーション基盤として位置付け、学内システムで提供しているほかの業務アプリケーションについても移行実装・集約していくことを予定しています」(服部氏)。

今回リニューアルされたRISING4は、今後さまざまな活用方法を探っていく計画であると服部氏は言います。

「集約された大量の基幹データを含め、学内には各種業務データが蓄積されています。それらを対象としたデータ分析基盤としての活用方法についても今後模索していきたいと考えています。またRISING4はマルチテナント、マルチシステムのコンセプトで構成されているので、学校法人内の他校・附属校によるシステム共同利用も検討しています。さらには事務システムから教育基盤システムに発展させていくことも検討しています」

立命館大学は、最新のテクノロジーを駆使しながら、最先端の教育・研究活動を今後も展開していきます。

 

この事例の図表を含めた詳細な情報は以下のPDFよりご覧いただけます。

[製品・サービス・技術 情報]

FF RPG やDb2 for i の互換性維持の恩恵により、今後インフラを更改する際でも、アプリケーションの移行作業は必要なくなる見通しです。 服部 陽介氏 情報システム部 情報システム課 立命館大学
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