世界中の企業が、気候変動を抑制し、より持続可能な未来を築く方法として再生可能エネルギーを採用しています。
スウェーデンは国または地域として、2040年までに100%再生可能エネルギーに切り替えることを誓約しており、この動きに深いレベルで取り組んでいます。その成果として、スウェーデンではすでに多くの組織が風力や太陽エネルギーを導入しています。しかし、単に風力タービンを購入したり、ソーラーパネルを設置したりするだけではありません。
そこで登場したのが、ストックホルムを拠点とするスタートアップ企業Rebase Energyです。Rebaseのサービス型ソフトウェア（SaaS）のオファリングは、あらゆる規模の組織が再生可能エネルギーを最適化および共有するのに役立ちます。Rebase EnergyのCEO（最高経営責任者）兼共同創業者であるSebastian Haglund El Gaidi氏は「私たちのビジョンは、明日のエネルギーイノベーターが分散型エネルギー資産を制御、予測、最適化して、完全に再生可能で堅牢なエネルギーシステムに移行できるようにする最高のデータとツールを提供することです」と説明します。
ターゲット
スウェーデンの目標は2040年までに100%再生可能エネルギーを達成することです ¹
現在のシナリオ
2018年現在、スウェーデンのエネルギーの54%は再生可能エネルギー源から来ています¹
操業から3年が経過した今、Rebase Energyは、スタートアップ企業の成功の支援を目的としたメンターシップ・プログラム、IBM® Accelerator Swedenで、スタートアップ企業の重要な味方を見つけました。「IBM Acceleratorチームとの連携で、テクノロジーだけでなく、ビジネス面でも多くの情報を得ることができます。当社のビジネス・モデルを検討し、市場での関連性と競争力を高めるためにそのビジネス・モデルをどのように変えればいいのかを理解しています」とHaglund El Gaidi氏は説明します。
実際、Rebaseの現在のビジネスモデルは、元のビジネスモデルとは大きく異なります。Haglund El Ghaidi 氏は、「すべての顧客とニーズに対応するソリューションを1つだけ提供したり、予測だけ行ったりするのではなく、顧客の成功を実現し、力をもたらすエネルギー使用状況の生データとオープンシステムの提供にシフトしました。」と説明しています。
この方向転換は今のところ成果を上げていますが、よりDIY的なSaaSアプローチには新たな課題が伴いました。Rebase は、作業を行うプラットフォームが安定していて、セキュリティに対応しているのだと顧客を安心させる必要がありました。RebaseがIBMパブリック クラウドを選択したのはそれが理由です。
「IBMはエネルギー分野で非常に信頼されているブランドであり、当社のテクノロジーを市場に投入する際にそのような信頼を得られることは非常に貴重です」とHaglund El Gaidi氏は言います。
IBM の開発アプローチは、Rebaseのビジネス・モデルともよく一致しています。「当社の主な差別化要因は、IBMとRedHatの精神に則ったオープン・システム上に構築していることです」とHaglund El Gaidi氏は言います。「当社のお客様は皆、特定の予測や意思決定につながったデータやプロセスの種類を理解できる、透明性の高いビューを求めています」
Rebase はインフラストラクチャでも Kubernetesを活用していますーーーマイクロサービス・アーキテクチャは、柔軟な開発と迅速なデプロイメントを実現するので、Rebaseのビジネスに適しています。ただし、同社が重点を置いているのは、マイクロサービス・オーケストレーションの複雑さを管理することではなく、分析ツールの形で顧客価値を提供することです。幸いなことに、 IBM Cloud Kubernetes Serviceはそのギャップを埋めるのに役立っています。Haglund El Gaidi氏は、「IBM Cloud Kubernetes ServiceがKubernetesとハードウェア間のインターフェースを処理してくれるので心配事がなくなって非常に助かります」と言います。
Rebaseの顧客には、スウェーデンで一連の風力発電所を運営および取引する組織が含まれます。低気圧と高気圧の気象システムの移動によって、大気中で利用可能な風力エネルギーは大きく変化する可能性があります。Rebaseの分析ツールにより、風力発電所は電力供給の機会を特定し、不均衡なコストを最小限に抑えることができます。
Rebaseが分析ツールを構築および改良する中、Haglund El Gaidi氏と彼のチームは、自社のサービスを拡大する方法としてAIを長期にわたって検討しています。具体的には、 IBM ILOG® CPLEX® Optimization Studioは、意思決定の自動化を支援するために設計されたライセンス付きAIプログラムです。「現在もCPLEXを使用していますが、今後ますます活用していく予定です」とHaglund El Gaidi氏は述べています。
Rebaseは、IBMパブリッククラウドを通じて、スウェーデン、そして世界が、より環境に優しい未来に向けて取り組むのを支援することを楽しみにしています。「スタートアップ企業として、自社のコンピューティングパワーに投資するのではなく、クラウドで何かを行うことは非常に理にかなっています。現在、当社は非常に小規模ですが、成長するにつれて、ハードウェアの制限を受けることなく、迅速に拡張できるようになります」と Haglund El Gaidi氏は説明します。
それまでの間、Rebaseのチームは、より持続可能な未来の実現を支援することに重点を置いています。そのために、同社は最近、データ愛好家がエネルギー向けのスマートAIを開発するためのスキルを開発およびテストすることを目的とした新しいコミュニティを立ち上げました。Enertopianと呼ばれるこのコミュニティは、オープンソースの思考と、データとコーディングの共有に依存しています。
Haglund El Gaidi氏は、次のように結んでいます。「他の人々を巻き込んで、必要なものをクラウドソーシングできれば、より困難な問題をより早く解決できると信じています。そうなれば、より健康的な世界を築くのに役立ちます」
Rebase（リンクはibm.comの外部にあります）（旧称Greenlytics）は、より持続可能な未来の構築を支援するために専門知識を結集したいと考えていたエネルギー、気象学、データ愛好家のグループによって 2018 年に設立されました。スウェーデンのストックホルムに拠点を置くRebaseは、エネルギー使用量の最大化を目的とした一連の分析ツールを顧客に提供しています。Rebaseの従業員は約6名です。
法務
© Copyright IBM Corporation 2021. IBM Corporation、IBM Cloud、New Orchard Road、Armonk、NY 10504
2021年3月、米国で作成。
IBM、IBMロゴ、ibm.com、CPLEX、IBM Cloud、およびILOGはInternational Business Machines Corp.の商標であり、世界中の多くの管轄区域で登録されています。その他の製品名およびサービス名はIBMまたは他社の商標である可能性があります。IBMの登録商標の最新リストは、Webサイトの「著作権および登録商標情報」（ibm.com/trademark）でご確認いただけます。
Red Hat®、JBoss®、OpenShift®、Fedora®、Hibernate®、Ansible®、CloudForms®、RHCA®、RHCE®、RHCSA®、Ceph®、およびGluster®は、米国およびその他の国におけるRed Hat社またはその関連会社の商標または登録商標です。
本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国であっても、特定の製品を利用できない場合があります。
記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。本資料の情報は「現状のまま」で提供されるものとし、明示または暗示を問わず、商品性、特定目的への適合性、および非侵害の保証または条件を含むいかなる保証もしないものとします。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。