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スケーラブルで可用性の高いEDIサービスにより、新しい市場で注目を集めています
たくさん並んだ水のボトル

米国内のどこかの店舗で水のボトルを手に取ったら、その水がショッピングカートに届く過程の全段階を、Niagara Bottling社が担当した可能性は十分にあります。その全課程を可能にする、応答性に優れた電子文書交換(EDI)サービスを使用できるようにするために、同社は可用性の高いIBM Sterling B2B Integratorソリューションを使用しています。

ビジネス上の課題

Niagara Bottling社が新しい市場やビジネス・モデルに挑戦するにつれて、取引先統合プラットフォームに対する要求が急速に高まっていました。 大変重要なEDIサービスの可用性を、同社はどのようにして高めることができたのでしょうか。

概要と経緯

Niagara Bottling社は、IBM Sterling B2B IntegratorとIBM MQをベースとしたモジュール式のマルチノード EDIプラットフォームに移行し、計画外のダウンタイムが発生した場合でも、EDIサービスをシームレスに継続できるようにしました。

成果 100%
見かけ上100%のアップタイムは、取引先の要求する厳しいサービスレベル契約を満たすのに役立ちます
実現できたこと
EDI量の増加に伴うシームレスな拡張が可能で、継続的なビジネスの成長を促進します
支援
新しいEDI機能を迅速に追加し、進化するビジネス要件をサポートします
ビジネス上の課題の詳細
新しいモデル、新しい需要

暑い夏の日に、冷たい水のボトルを開けることほど嬉しいことはありません。Niagara Bottling社は50年以上にわたり、ボトル入り飲料水の製造、包装、全米への配送において重要な役割を果たしてきました。

Niagara Bottling, LLC.の上級データベース管理者であるPaul Gonzalez氏は次のように語り始めます。 「私たちは、オンライン、大型小売店、コンビニエンスストア、政府機関など、幅広い顧客にサービスを提供しています。 当社の成功の重要な要因のひとつとして、それぞれの顧客に特有のニーズに基づいて、ボトルウォーターの製造、充填、包装を引き受け、タイムリーにコスト効率の高い方法で、必要な場所に完成品を届ける能力があります」

同氏はさらにこう続けます。「過去10年間、当社は安定したペースで成長してきました。 最近の当社の成長は、受託製造への移行の成果に負うところが大きいです。国内有名飲料メーカーのエンドツーエンドの製造プロセスから、そのメーカーの顧客へ直送する委託契約に至るまで、当社が引き受けることを可能にするビジネスモデルです」

Niagara Bottling社は、サプライチェーン・プロセスを効率的に組織化するために長年、取引先統合ゲートウェイに頼ってきました。そのゲートウェイは、IBM Sterling B2B Integratorをベースとしており、IBM Sterling Secure ProxyをベースとするDMZ(非武装地帯)サブネットワークで保護されていました。

Niagara Bottling, LLC.のEDIスペシャリスト、Michelle Chen氏は次のようにコメントしています。「当社は顧客と厳格なサービスレベル契約(SLA)を結んでいますが、これを満たせない場合、注文の処理が遅れ、運用コストが増加するリスクがあります。 EDI量が増加するにつれて、SLAを満たすために必要な可用性のレベルを達成することが、ますます困難になってきました」

Gonzalez氏は次のように付け加えています。「私たちは、EDIは壁の電気配線や床下の配管と同じであるべきだと考えています。それについて考えなくても、ちゃんと機能します。 お客様に見かけ上100%のアップタイムを提供するために、当社はIBM Sterling B2B Integratorを使用した高可用性構成に移行することにしました」

IBMとの連携のおかげで、少なくとも今後10年間は当社のニーズを満たす取引先統合プラットフォームを構築できたと確信しています。 Paul Gonzalez氏 シニアデータベース管理者 Niagara Bottling, LLC.
概要と経緯の詳細
将来を見据えたEDIプラットフォームの構築

Niagara Bottling社はIBMと協力して、IBM Sterling B2B Integratorプラットフォームの16ノード・アーキテクチャーを設計しました。それはIBM MQをベースとした堅牢で障害に強いミドルウェア層と、IBM Sterling Supply Chain Business Network駆動の付加価値通信網(VAN)によってサポートされています。 この新しいソリューションは、IBM B2B Advanced Communicationsを使用して、AS2プロトコルをコア・メッセージ処理プラットフォームから分離しているため、IBM Sterling B2B Integrator環境が利用できない場合でも、見かけ上100パーセントのアップタイムを実現しています。

「当社のシングルノードIBM Sterling B2B Integrator環境は管理が簡単でしたが、取引先のコミュニティーに効果的にサービスを提供し続けるためには、新しいアプローチが必要であるとわかっていました」とGonzalez氏は振り返ります。 「私はIBM Sterling B2B IntegratorのIBM顧客諮問委員会のメンバーであり、プラットフォームから通信とプロトコルのサポートを分離することで高可用性構成を作成する機能を強く支持しました。 IBMは、IBM B2B Advanced Communicationsのリリースで、まさに当社が必要としていたものを提供してくれました。また、私たちは製品設計チームと緊密に連携していたので、このソリューションを使用して当社の可用性目標を達成できると確信しました」

現在、Niagara Bottling社は、IBM B2B Advanced Communicationsを使用したAS2トランザクションをサポートしています。 IBM Sterling B2B Integratorの計画外のダウンタイムが発生した場合、IBM B2B Advanced Communicationsは、適切なメッセージ処理通知(MDN)で受信EDI文書の受け取りを通知し、トランザクションをIBM MQのキューに入れます。 IBM Sterling B2B Integratorがオンラインに戻ると、プラットフォームはキューに入れられたトランザクションをシームレスに処理します。

「EDIトランザクションが失敗するたびに、ファイルを再トリガーして再処理するための手作業が発生するため、運用コストが増大します」とChen氏は言います。「以前は、顧客がAS2メッセージを送信し、当社のB2Bプラットフォームがオフラインだった場合、当社はMDNを送信して受信を通知することができず、パートナーはそれを失敗したトランザクションとして記録していました。

「今では、すべてが変わりました。 当社の高可用性構成のおかげで、MDNを即座に顧客に送ることができます。 B2Bプラットフォームがオフラインであっても、その間はIBM MQでトランザクションをキューに入れ、接続が回復すると迅速に処理できるため、何があってもSLAを達成できます」

Gonzalez氏は次のように付け加えています。「当社では当初から、ビジネスの将来性を考慮して16ノードのアーキテクチャーを設計しました。 近い将来のEDI要件を満たすために必要な可用性を提供するだけでなく、このアーキテクチャーによって、IBM Sterling B2B Integratorにモジュール方式で追加機能を統合できるので、新しい基準やプロトコルに迅速に対応することができます」

Niagara Bottling社では、EDI環境を運用するために必要な高いパフォーマンスを実現するために、IBM® AIXを実行するIBM® Power Systems E850Cサーバーを使用しています。 このプラットフォームは、IBM® Storwize V7000ベースのストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)に接続され、IBM® Easy Tierソフトウェアで管理されています。

「私の考えでは、真の高可用性ソリューションとは、アーキテクチャー、プロセス、ソフトウェア、ハードウェアを組み合わせたものです」とGonzalez氏は言います。 「当社は何年間もIBM Power Systemsサーバーと IBM Storwize V7000を利用してきましたが、そのプラットフォームに失望したことは一度もありません。 実際に当社では最近、IBM AIXの論理パーティション [LPAR] を使用して、すべてのEDIノードをPOWER7からPOWER8プロセッサー・ベースのシステムに移行しましたが、サービスはまったく中断しませんでした。 さらによいことに、IBM Storwize V7000の動的圧縮とストレージ仮想化により、ストレージを大幅にオーバープロビジョニングできるため、追加のディスクに投資する必要がなくなりました」

成果の詳細
成長に向けた準備

取引先統合プロセスをサポートする、将来に対応した高可用性プラットフォームにより、Niagara Bottling社は自信を持って新しい市場とビジネス モデルに向かって前進し続けることができます。

「実際に起こったことはありませんが、計画外の停止の後、バックアップからEDIデータベースを再構築するには1~2時間かかると推定しています」とGonzalez氏は説明します。 「もしそうなった場合、システムをオンラインに戻す作業をしている間、IBM MQはすべてのEDIトランザクションをキューに入れることになります。 重要なのは、当社の取引先は何かがおかしいと気づきさえしないことです。当社のEDI環境の状態に関係なく、MDNを受け取り続けることができます」

Chen氏は次のように付け加えています。「当社の最も要求の厳しいクライアントの中には、たとえ計画されたメンテナンス期間中であっても、当社のEDIシステムが決してオフラインにならないことを要求している人もいます。 マルチノード・アーキテクチャーを使用すると、クラスター内のノードの半分を一度にアップグレードできます。残りの半分はオンラインのままにして、中断することなくメッセージの処理を続行できます。 今後も新しいパートナーを追加してEDI量を増やしていく中で、非常に高いレベルのサービスを維持するために、これらの機能は間違いなく役立ちます」

Niagara Bottling社のモジュール式IBM Sterling B2B Integratorアーキテクチャーにより、より素早くコスト効率の高い方法で、パートナーの進化していく要件に適応できるようになりました。

「当社は最近、新しい銀行パートナーと契約しました。そのパートナーは、私たちに代わって請求書発行と照合プロセスを管理することを申し出てくれました。これにより、バックオフィスの作業負荷が軽減されました」とGonzalez氏はコメントしています。 「これらの付加価値サービスを提供するために、銀行は追加のSSL証明書と資格情報を備えたAS2プロトコルを必要としていました」

「以前の単一ノード環境でこれらの機能を提供するように要求された場合、サービスを大幅に中断せずに実現することはほとんど不可能でした。しかし、モジュール式アーキテクチャーのおかげで、新しい機能を迅速に簡単な方法で追加することができました」

Niagara Bottling社は将来を見据えて、取引先統合プロセスの効率と有効性を高めるための新しい機能を導入することを計画しています。

Gonzalez氏は次のように述べています。 「当社は、IBM Sterling Control Centerの使用を拡大することに非常に興味を持っています。現在はB2Bプロセスの監視と潜在的エラーの検知に使用しています。長期的には、IBM Sterling Control Centerのアラートを使用して、すべてのEDIノードのローリング・リスタートなどのアクションをトリガーできる可能性があると考えています。 そうすれば、人的介入をほとんど必要とせずに一部の技術的問題を解決できるようになり、スタッフは付加価値サービスの提供に集中できるようになります」

IBM Preview Programのメンバーとして、Niagara Bottling社はIBM Watsonなどの人工知能(AI)ソリューションに関心を持って評価しています。

「IBM Watsonのインテリジェンスを活用して、パートナー・コミュニティーのセルフサービスを向上させたいと考えています」とGonzalez氏は続けます。 「IBM Sterling Business Transaction Intelligenceや、IBM Sterling Supply Chain Insightsなどのソリューションを導入することで、ユーザーがB2Bメッセージのステータスに関する質問を自然言語で入力し、リアルタイムで回答を受け取ることができるようになるでしょう。 現在、私たちはこの種の質問に対する答えを見つけるためのデータ調査に毎日数時間を費やしていますが、IBM Watsonのソリューションによって年間数百時間を節約できる可能性があります」

同氏は次のように結論付けています。「当社の主な課題は、『持続的な成長を効果的に成し遂げるにはどうすればよいか』ということです。 これは大きな挑戦です。 IBMとの連携のおかげで、少なくとも今後10年間は当社のニーズを満たす取引先統合プラットフォームを構築できたと確信しています」

Niagara Bottling社のロゴ
ナイアガラボトリング

Niagara Bottling 社(ibm.com外部へのリンク)は、1963年に設立された、カリフォルニア州オンタリオに本社を置く米国の大手飲料メーカーであり、全米の大手小売業者に飲料を供給しています。 Niagara Bottling社は全国に製造拠点を持ち、食料品店、クラブ、コンビニエンスストア、卸売りの顧客向けに、使い切りサイズのプライベートブランド飲料を製造し、配達しています。

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IBM Sterling B2B Integratorの詳細については、IBMの担当者またはIBMビジネス・パートナーにお問い合わせいただくか、次のウェブサイトをご覧ください。 https://www.ibm.com/jp-ja/products/b2b-integrator

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脚注

 

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