ホーム お客様事例 Mawgif社(国立駐車場会社) リアルタイム分析でビジネスの成長を促進
Mawgif社が運用と事業計画を合理化
駐車場の入り口で係員サービスを待つグレーの車

毎日、中東の空港、モール、病院、路上で、駐車場業者はMawgif社(国立駐車場会社)と数十万件にも及ぶ取引を行っています。同社は中東の駐車場業界におけるパイオニアの1つであり、中東地域で有数の駐車場施設の運営者です。

2018年、Ali Haji氏がMawgif社に入社し最高財務責任者(CFO)に着任したとき、このような大量の駐車取引で生まれるデータを効率的に記録、活用できていないことに懸念を抱きました。Ali Haji氏は、英国とヨーロッパで最大規模の駐車場会社で勤務したことがあり、駐車場業界に関して豊富な経験を持っていました。

「私は一生懸命働くよりも賢く働く方が良いと信じており、ボタン1つで情報を得ることに慣れていました」とAli Haji氏は言います。同氏はMawgif社のCFO兼取締役会メンバーであり、以前はヒースロー空港とガトウィック空港の駐車場業務を担当する英国の大企業で働いていました。「月末の定例業務に関しては、前月の財務会計を4日で確認して確定できるはずです」しかしHaji氏は、Mawgif社では月次報告書の作成に20日かかることを知ったのです。

Mawgif社の職員は、さまざまなデータベースからデータをエクスポートし、またPDFファイルをダウンロードして、Microsoft Excelスプレッドシートに手作業で情報を入力していたのです。そのような手順では、重複や計算エラーが発生しやすく、不一致を調整するのが困難でした。

財務報告と事業報告の長期にわたる遅延は、戦略面でも影響を及ぼしました。新しいビジネスチャンスを模索し、急成長中のMawgif社は、新たな拠点選び、契約の締結、事業予測の準備に関する意思決定をサポートするために、最新かつ完全なデータを必要としていました。

「4,000台以上の駐車機とメーターがあり、カジノの仕組みとほとんど同じで、すべての取引を監視する必要があります」とHaji氏は語ります。「私は、すべての取引を記録して監査できる方法を探るために、運用および財務システムの内部を徹底的に調べました。まったく気の遠くなるような仕事でしたよ。」

英国にいた頃、Haji氏はIBMの分析ソフトウェアを利用して、運用および財務のレポート作成と計画立案を合理化しました。「サウジアラビアのジェッダにあるMawgif社に来て最初にしたことの1つは、リヤドのIBMビジネスパートナー1Direction Globalに電話することでした。彼らはIBMの分析ソリューションに関してかなりの経験と知識があるからです」

「Mawgif社はスプレッドシートの使用に問題があり、財務チームが経営陣や取締役会と会うときに具体的な数値を記したデータを持っていませんでした」と、1Direction Global社の共同創設者兼マネージングディレクターであるBhupendra Berdia氏は述べています。「彼らが当社に話を持ちかけたとき、私たちはすぐに情報収集セッションと議論を始めました」

時間が重要でした。特に、リアルタイムの取引データを記録できないために、大量の駐車収益が盗難のリスクにさらされているという疑いが生じたときにはなおさらでした。「過ぎ去っていく一日一日が私にとって問題でした」とHaji氏は言います。「私はBhupendraに『できるだけ早く終わらせるにはどうすれば良いか?』と尋ねました」

プロセスの自動化

 

以前は手作業で行っていたタスクを自動化することで、月末決算プロセスを3週間から4日に短縮

リアルタイムのデータ分析

 

データをリアルタイムで分析および管理し、収益と効率の最適化を通じて業績を10%向上

IBMソリューションが与える「予測する力」が、チームをとりこにしています。昨日起こったことだけを知るのではなく、明日何が起こるのかが分かるのです。考え方が大きく変わりました。 Ali Haji Chief Financial Officer Mawgif
事業の状況をリアルタイムで読み取り

Mawgif社の要件を詳細に検討した後、1Direction Global社は、IBM® Planning Analytics with Watson®を推奨しました。IBM TM1®上に構築されたソリューションで、強力なメモリー内のデータベースおよび計算エンジンです。「Mawgif社がIBM Planning Analytics with Watsonを競合ソリューションと比較したところ、IBMにはより優れた自動化と多次元分析能力があり、コスト面でも優位でした」とBerdia氏は述べています。「プラットフォームを使ってリアルタイムのダッシュボードも作成できました」

Mawgif社は、ERPシステムが各駐車機とメーターによって記録されたすべての取引を理解して追跡できるように、情報の流れを合理化するシステムを構築しました。「取引内容は多種多様です。では、どうすればお金の動きを追いかけられるでしょうか?」とHaji氏は言います。「私たちは、金融システムにオペレーティングシステムを導入し、この2つが互いにデータをやり取りし、自動調整を行えるようにすることができました。」

IBM Planning Analytics with Watsonソリューションは、2020年3月にMawgif社で稼働を始めました。ちょうどその頃、世界的な新型コロナウイルス感染症のパンデミックが事業運営を混乱させ始めたのです。柔軟なAI搭載ソリューションにより、Mawgif社のマネージャーはリモートで作業しながら財務データや運用データにアクセスできるようになりました。「何度もロックダウンが続き、英国に5カ月半も閉じ込められてジェッダのオフィスから離れていました」とHaji氏は言います。「毎日、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、ヨルダンを含むすべての国の複数のダッシュボードから、事業の最新情報を確認できました」

IBM Planning Analytics with Watsonソリューションによって、Mawgif社の駐車場事業をリアルタイムでありのままにかつ詳細に把握できるようになりました。プラットフォームからますます高速に入手できるようになった情報を活用して、Mawgif社の財務およびシステムサポートチームは、駐車料金が違法に流用されている方法と場所を調査し始めました。IBM Planning Analytics with Watsonツールを使用して、Mawgif社は盗難が異なる3つの支店で同時に発生していることを突き止め、違法行為を阻止するための迅速な措置を講じました。

「大変な仕事でした。犯人を現行犯で捕らえられたのは、その取引が発生したときにすぐ知ることができたからです」とHaji氏は言います。「このケースは慎重に取り扱わなければならないため、上級経営陣に話を持ちかけ、各街路の各駐車機と、駐車機に車を停めている人物の確認方法を、完全な透明性をもってチェックすることができました。上級経営陣は非常に感銘を受けていました。これができたのはIBMのおかげだと感謝しています」

Mawgif社がIBM Planning Analytics with Watsonを競合ソリューションと比較したところ、IBMはより優れた自動化と多次元分析能力があり、コスト面でも優位でした。プラットフォームを使ってリアルタイムのダッシュボードも作成できました。 Bhupendra Berdia Co-Founder and Managing Director 1Direction Global
将来の成長に向けた計画

月末レポートの作成に必要な期間を20日から4日に短縮したことに加えて、IBM Planning Analytics with Watsonは次の点でもMawgif社の役に立っています。

  • リアルタイムでデータを分析、管理することにより、収益機会を特定し効率性を高めて、業績を10%向上
  • 試算表から損益計算書および貸借対照表への変換を、複数の通貨で、2日間要するタスクから10秒の操作に短縮
  • より良い戦略的計画、より良いシステム、契約の再交渉、再編成、購買の統合により、間接費を5%〜8%削減
  • 取引レベルでのドリルダウン機能により、取引に関する問い合わせを調査する時間を15分以上節約

 

IBMのソリューションにより、Mawgif社の財務部門は全支店で財務報告を標準化して、グループの実績結果を即座に生成することができるようになり、毎月1日分の作業を省力化できました。

取引データをドリルダウンする機能は、運用改善の実現に大きな役割を果たしました。「どんな日でも、複数の通貨で20万件を超える取引が、さまざまな支払い元と支払い方法を通じて記録されています。画面を変更する必要さえありません」とHaji氏は言います。「私はかなりの数のレポートシステムを見てきましたが、IBMが実際に提供してくれるようなものを他で見たことがありません」

Mawgif社と1Direction Global社は、IBM Planning Analytics with Watsonの利用を拡大して、ローリング・フォーキャストを取り入れるために協力しています。「365日間横ばいの収益プロファイルの代わりに、12カ月のローリング・フォーキャストを行います」とHaji氏は言います。「これは完全に動的な自動化されたプロセスであり、それを使って戦略的なビジネス上の意思決定とリスク評価を行うことができるようになります」

12カ月のローリング・フォーキャスト機能は、Mawgif社の5カ年事業計画プロセスの支えにもなります。「IBMソリューションが与える『予測する力』が、チームをとりこにしています。昨日起こったことを知るだけではなく、明日何が起こるのかが分かるのです。考え方が大きく変わりました」とHaji氏は言います。

Mawgif社は、サウジアラビア有数の大企業Al Musbah Group社の一部です。同グループは、小売り、旅行、不動産、ホスピタリティ、食品・飲料、金および宝飾品、自動車、通信、IT業界で事業を展開する国際的な持株会社です。「IBMのソリューションを実装した実際の成果をグループの他のメンバーが見たとき、取締役会は、IBMのソリューションを取り入れるためにすべてを変更することを決定しました」とHaji氏は言います。「Mawgifのローリング・フォーキャスト機能が完成したら、1Direction Global社と協力して、他のグループにもソリューションを実装します」

 

Mawgif社のロゴ
Mawgif社(国立駐車場会社)について

2008年にサウジアラビアで設立され、ジェッダに拠点を置くMawgif社(ibm.com外部へのリンク)は、中東全域で駐車場を開発および管理し、サウジアラビア、ヨルダン、アラブ首長国連邦に支店を持っています。1,400人以上の従業員を擁する同社は、空港駐車場サービスとテクノロジーにおいて中東地域でトップクラスの投資家および運営者でもあります。Mawgif社は、国際空港評議会のメンバーです。

1Direction Global社のロゴ
1Direction Global社について

サウジアラビアのリヤドを本拠地とし、オーストラリアとインドにグローバルな拠点を置く、IBMビジネス・パートナーの1Direction Global社(ibm.com外部へのリンク)は、企業パフォーマンス管理(EMP)とビジネス・インテリジェンス(BI)を専門としています。重点分野には、IBM ソリューション、財務連結処理とレポート作成、およびデータ変換などがあります。デリバリー・モデルには、クラウドとオンプレミスの導入、オンサイトとオフショアの実装などがあります。

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2021年6月、米国で制作

IBM、IBM LOGO、ibm.com、IBM® Watson、およびTM1は世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。その他の製品名およびサービス名は、IBMまたは他社の商標である可能性があります。IBMの登録商標の現在のリストは、Webページ「著作権および登録商標情報」www.ibm.com/jp-ja/legal/copytradeでご確認いただけます。

Microsoft、Windows、Windows NT、Windows のロゴは、米国、その他の国、またはその双方におけるMicrosoft Corporationの登録商標です。

本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開しているすべての国で、すべての製品が利用できるわけではありません。

記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。本書の情報は「現状のまま」で提供されるものとし、明示または暗示を問わず、商品性、特定目的への適合性、および非侵害の保証または条件を含むいかなる保証もしないものとします。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。