Hyster-Yale Materials Handling, Inc.社は90年以上前からリフト・トラックとその補修部品を販売し、顧客が迅速に、安全に、コスト効率の高い資材を扱えるように支援しています。数十年にわたり着実に成長を続けてきた同社は、その成長を基盤に、現在では北米市場と世界市場の両方で成長を加速させようとしています。
Hyster-Yale社のChief Information Officer （CIO）であるJohn Bartho氏は次のように述べています。「広範囲に及ぶビジネス・トランスフォーメーション・イニシアチブの一環として、私たちはその鍵となる戦略目標をいくつか設定しました。たとえば、独立系流通企業のリーダーになること、クライアントの所有コストを最低限に抑えること、新興国市場でのプレゼンスを拡大することです」
こうした戦略目標を考案し遂行するには、それに最適なスキルと能力を備えた人材を採用し、育成し、定着してもらうことが重要であると同社は認識していました。しかし、人事および人材管理に対する同社のそれまでのアプローチでは、自社のグローバルな人材プールを明確に把握することが困難であり、そのために先を見据えた人材要件を効果的に計画することも難しい状態にありました。
「当社では長年にわたり、人的資本管理、給与処理、要員計画などの中核的プロセスを円滑に実施するために、全社レベルでさまざまなシステムを導入してきました」とBartho氏は振り返ります。「しかし多くのプロセスでEメールや表計算ソフトなどの手作業を要するアプローチを採用していたため、全社の人材ベースのスキル、能力、経験、プロファイルを特定することはほぼ不可能でした」
それだけでなく、規制がますます強化されている環境下では、手作業による人事および人材管理プロセスがビジネスの重大なリスクになることも、同社は認識していました。
「グローバルな人事プロセスと最良実施例を組織全体にもれなく導入していくことは非常に困難でした」とBartho氏は述べ、次のように続けています。「欧州では一般データ保護規則（GDPR）が導入され、世界の他の地域でも同様の法律が制定されている中、重要なのは、情報セキュリティー体制を強化し、データ・ガバナンス力を高めることでした」
こうした絶対的に必要な項目を踏まえ、同社は複数の人的資本管理システムとプロセスを単一の完全に統合されたソリューションに置き換えることを決定しました。その目的は、人事部門リーダーを時間のかかる管理業務から解放すること、セキュリティーおよびコンプライアンス・プロセスを組み込んで自動化すること、人事担当者が人材獲得や従業員の育成、ビジネス・トランスフォーメーションといった付加価値の高い業務に集中できるようにすることでした。
徹底的な評価プロセスを経て、Hyster-Yale社は、統一的なグローバル・アプローチで人的資本管理を実施するため、クラウドを活用したWorkday HCMソリューションを選択しました。
「提案要求のプロセスで検討したすべてのソリューションの中でも、Workdayが、多くの場面で明らかに優れていると感じました」とBartho氏は振り返ります。「その際、最も重視した基準の1つは統合性でした。他の検討対象とは異なり、Workdayなら、モジュールはどれも事前に統合されているため、実装と構成プロセスに必要な時間と労力を大幅に削減できるのです」
また、クラウドを活用したソリューションを選択したことで、情報セキュリティーとデータ・ガバナンスに関する世界的な規制要件も、より簡単に満たせると同社は確信しました。
Bartho氏は次のように述べています。「私たちの望みは、クライアントが世界中で物資を安全に輸送できるよう全力で支援することです。セキュリティーとコンプライアンスは当社にとって重要な事柄ですが、私たちの中核事業ではありません。クラウド・テクノロジーが成熟した今、Workdayのような主要プレイヤーの方が個々の企業よりもはるかに効果的にデータを保護できると、私たちは考えています。Workdayのソリューションを選択することで、従業員の機密データが最高のセキュリティー基準で24時間常に保護されているという安心感を得ることができました」
Hyster-Yale社が次に目指したのは、業界の最良実施例に基づきつつ、自社の国際部門が現地の要件に適応できだけの柔軟性を備えた、グローバル・レベルで一貫性のある一連の人事プロセスを作り上げることでした。この大きな変革に際し信頼性の高いサポートや助言を得るため、同社はIBMの専門コンサルタントを選びました。
「当社が戦略的パートナーと考えるテクノロジー企業はわすか数社でしたが、その中でもIBMは最も重要なパートナーの1つでした」とBartho氏は述べています。「エンタープライズ・リソース・プランニングやコンテンツ・マネジメントからビッグデータ & アナリティクスやビジネス・インテリジェンスまで、私たちは長年にわたり数多くのプロジェクトでIBMと協力して成功を収めてきました。私自身も、数百万ドル規模の複雑なテクノロジーをIBMと一緒に実装してきた経験が何度もあったため、このプロジェクトでもIBMが明確な選択肢になりました」
IBMは、米国のコンサルタントに加え、インドの専門的な協力先も巻き込み、Hyster-Yale社が社内の既存の人事プロセスをまとめ、新しいグローバル基準を定義して、それらをWorkdayのソリューションのデジタル・ワークフローに転換していく取り組みを支援しました。
同社は米国内のビジネスをサポートするため、Workday HCM、Workday Onboarding、Workday Benefits、Workday Time Tracking、Workday Payrollを導入しました。この導入を成功させた後、同社とIBMは、このプロジェクトの最初のフェーズで北米に導入していたWorkday Compensation、Workday Performance Management、Workday Talent Management、Workday Succession Planning、Workday Recruiting、Workday Leave of Absence、Workday Learningを欧州・中東・アフリカ地域およびアジア太平洋地域の事業部門にも導入し、グローバル展開を完了させました。
「プロジェクト中に新型コロナウイルス感染症のパンデミックも発生しましたが、IBMは非常にスムーズにリモート作業に移行してくれました」とBartho氏は振り返ります。「IBM Design for Meというアプローチの効果の高さにも感心しました。実績のあるメソッドやツール、テンプレートを使えるだけでもITプロジェクトの成功確率が大きく上がり得ることを、私は経験から知っていますが、まさに今回がそのパターンでした。IBMのアプローチは、私たちが必要とするときに方向性を示してくれるもので、またデプロイメントの多くのフェーズを加速させてくれました。そうでなければプロジェクトに遅れが生じていたかもしれません。それだけでなく、Workdayの各ソリューションの世界的なデプロイメントを予定より早く、また予算を超えることなく完了するうえでも、IBMが大きく貢献してくれました。おかげで私たちは、トランスフォーメーション・イニシアチブの次のフェーズに進むことができました」
さまざまなシステムとプロセスを、Workdayのソリューションを基盤にした中央集中型の人的資本管理プラットフォームに置き換えたことで、Hyster-Yale社は、長期的な戦略的計画の策定に必要な、人材に関する情報を総合的かつ正確に把握でき、自社のグローバルな成長を促進できるようになりました。
「Workdayでの人材管理の新しいアプローチをIBMと一緒に構築したことで、採用やトレーニングから、従業員エンゲージメントや福利厚生まで、人事のあらゆる側面について、各リーダーが十分な情報に基づいて意思決定を行えるだけの情報を提供できるようになりました」とBartho氏は指摘します。「今では戦略目標を達成するためにどのようなスキルや能力が足りないかを簡単に特定できるようになり、その洞察に基づいて迅速に行動できるようになりました。的を絞った採用やトレーニングもできています」
Hyster-Yale社では、Workdayの各ソリューションでサポートされる一連の最良実施例によるデジタル・ワークフローを活用することで、ビジネスのあらゆる部分が適切なポリシーに従って実施されるようにしています。中でも特筆すべきは、すべてのデータがWorkdayのクラウドで保護されており、ボタンをタッチするだけで規制対応の報告書に活用できることです。
「以前は、当社の人事ポリシーが全社に正しく適用されていることを証明するのはほぼ不可能でした。しかし現在は、すべての情報がWorkdayシステムに保存されているため、以前とは比べ物にならないほど簡単に規制当局に適切な活動を報告できるようになりました」とBartho氏は述べています。「IBMが高い専門性のもとに提供しているWorkdayの各ソリューションのおかげで、当社の情報セキュリティーとコンプライアンス力は間違いなく強化されています」
Workdayの各ソリューションは全体的な戦略目標に貢献するだけでなく、個々のマネージャーやスタッフのプロダクティビティーや効率性にも大きな変化をもたらしています。今では、直感的に使用できる単一のインターフェースを使って、給与の確認や休暇の申請、個人データの編集を実施できます。
以前は、年次報酬処理を大規模で複雑な表計算ソフトで実施しており、そのファイルをパスワードで保護したうえでEメールに添付して意思決定者に送っていました。このプロセスをWorkday Compensationのエンドツーエンドなワークフローに置き換えたことで、同社はこの処理に必要な時間と労力を大幅に削減できました。
Bartho氏は次のようにコメントしています。「Workdayで最初の報酬処理を実施したばかりですが、これまでとの違いは歴然でした。この処理を完了するためのすべてのツールを単一のWebポータルから各リーダーに提供できるのです。表計算ソフトもEメールも必要ありません。来年は、Workday Performanceで年次パフォーマンス・レビューを実施する予定です。ここでも今回と同様のメリットが得られるものと期待しています」
Workdayの各ソリューションのデプロイメントを迅速に完了したHyster-Yale社は、現在、そのトランスフォーメーションの次の段階に突入しています。現在は、自社の予算業務および予測プロセスと人事計画との整合性を確保し、適切なスキルと能力を持つ人材の配置によりグローバル・ビジネス全体で有利な販売機会を得られるよう、Workday Adaptive Planningの導入準備を進めています。
「人事とテクノロジーの両方に精通したパートナー、そして時間をかけて顧客のニーズに耳を傾けてくれる専門家チームに出会えることは、なかなかありません。しかし、その出会いを私たちはIBMで実際に体験しました」とBartho氏は締めくくります。「私たちはこれからも成長の旅を歩んでいき、その旅をIBMは支えてくれるでしょう。今後も人事や人材管理力の強化となる新しい方法を発見していきたいと思います」
オハイオ州メイフィールド・ハイツに本社を置くHyster-Yale社（ibm.com外部へのリンク）は、さまざまな資材運搬機器の設計、開発、製造、販売、および保守を行う企業で、その取扱い機器の包括性は業界トップクラスに位置しています。Hyster-Yale Groupの傘下にある同社は、数百ものエンド・ユーザー・アプリケーションをサポートし、その対象となる業種は700以上に及んでいます。
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2022年1月、アメリカ合衆国で制作。
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