ホーム お客様事例 Hendrickson USA 顧客とのつながりを容易にするハイブリッドなアプローチ
Hendrickson、新たなB2B API Gatewayでリアルタイムトランザクションを促進
半透明の外装とHendrickson製のサスペンションとコンポーネントを赤色で示したトラック

中型・大型トラックおよびトレーラーのサスペンションシステムにおける世界有数のメーカーおよびサプライヤーであるHendrickson USAは、顧客が自社の納品能力を頼りにしていることを理解しています。

そのため、Hendricksonの大口顧客である大手トラック製造会社が主要サプライヤーにリアルタイムのアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)機能の提供を義務付けたとき、Hendricksonにとっては従うかどうかではなく、どのように従うかが問題でした。

この要求は、まったく驚くべきことではありませんでした。B2Bのパートナーや顧客との取引にAPIを使用する動きは、業界を超えたトレンドの高まりの一部であったからです。2015年には、サプライチェーンの取引の85%が電子データインターフェイス(EDI)を通じて管理されました。一方、Gartnerは、2023年までにトランザクションの50%以上がAPIを通じて実行されると予測しています。

これまで、Hendricksonはトランザクションの約70%でEDIを使用しており、注文入力、追跡、請求書発行の目的で顧客とクラウドベースのERPシステムをつないでいます。EDIによって手動プロセスの必要性が大幅に減り、Hendricksonと顧客の効率は向上しましたが、一方で、APIは、Hendricksonの大口顧客が活用したいと考えていた明確なメリットであるリアルタイムトランザクションを実行できる機能を提供するものでした。

複数の施設

 

Hendricksonの13施設に大口顧客のB2B API Gateway機能を実装

リアルタイムの洞察

 

HendricksonへのリアルタイムなASNエラー通知による迅速な解決と、顧客システムにおけるASN可用性を100%実現

当社は製造会社であるため、期待される量に見合ったITの専門知識がありません。今後、新規のお客様ができた場合は、IBMに案件を引き渡して、特定のASNに対するお客様の要件を満たすために、当社に代わってマッピングを行ってもらいます。 Senthil Kannan 需要および流通アプリケーション担当ITマネージャー Hendrickson USA

EDIトランザクションの制限の1つは、サプライヤーが事前出荷通知(ASN)を顧客に送信した後、顧客のシステムがそれを受信したかどうかを知る確実な方法がないことです。ASNは、顧客が受け入れの準備をできるように、貨物の物理的特性や配達時間など、保留中の配達を顧客に通知する文書です。

ASNトランザクションに失敗すると多大なコストがかかる可能性があります。「トラックが到着してもASNがない場合、サプライヤーはトラックに積まれたコンポーネント全体を手動でリセットする必要があります」とHendricksonの需要および流通アプリケーション担当ITマネージャーのSenthil Kannan氏は述べています。「それを避けるために、当社の顧客は、HendricksonがASNを送信したときに、エラーを検出してすぐに修正できるというリアルタイムでの確認を希望していました。したがって、トラックが顧客のドッキングステーションに向かう前に、ASNが顧客のシステムに存在するかどうか確認が行われます。」

トランザクションに対するIBMのハイブリッド・アプローチ

当初、Hendrickson社は社内APIソリューションの開発を検討していました。しかし、必要な規模と人員配置を考慮すると、ソリューションの開発は不可能だということがすぐに明らかになりました。幸いなことに、同社は10年前にクラウドベースのERPシステムに移行した際、顧客、取引先、従業員にシステムを接続するため、マネージドサービスであるIBM Sterling® Supply Chain Business Network Premiumソリューションを採用していました。IBM Sterling™プラットフォームは、さまざまな顧客のトランザクション形式間の変換器として機能します。

このプラットフォームは、最初のインストール以来、長年にわたって同社の従業員から高い評価を受けてきました。「Hendrickson EDIチームは、IBMとIBM Sterling Supply Chain for Business Network Premiumソリューションを愛用してきました」とKannan氏は言います。

偶然にも、IBMはすでにSterlingソリューション用のアドオンB2B API Gateway機能を展開する準備をしていました。それは、Hendricksonが顧客であるトラック製造会社からの要求を満たすためにまさに必要としていたものでした。この機能により、IBM Sterling Supply Chain Business Networkが処理できるトランザクションの種類が拡張され、APIおよびEDIトランザクションだけでなく、既存のEDIフローをAPIフローに変換するハイブリッド・トランザクションも、すべて単一のビジネス・ネットワーク内で処理できるようになりました。すべてのトランザクションを同じネットワーク上に維持することで、運用の中断とインシデントへの対応時間が短縮され、データの可視性が向上し、セキュリティが強化されます。

Hendricksonから見れば、導入はシームレスでした。マネージドサービスとして導入していたIBM SterlingソリューションにはIBMプロジェクトリーダーとIBMサポートチームのサポートが含まれています。「それは段階的なアプローチでした。私たちが要件を提示すると、IBMが設計を返してきました」とKannan氏は言います。「私たちは週に一度のペースで電話をし、その中でIBMが計画していることを説明してくれました。フィードバックを返すと、彼らはこちらの意見を聞いて設計を調整してくれました。私たちは会議に出席して、設計内容を理解し、いくつかのテストを行いましたが、それ以外はすべてIBMが担当してくれました。」

最終的に、IBMチームは、大口顧客であるトラック製造会社にコンポーネントを供給する13のHendrickson施設全体にソリューションを実装しました。チームは顧客からの提示期限を守るだけでなく、要望を成し遂げました。Hendricksonと大口顧客はどちらもこの結果に十二分に満足していました。

IBMとは素晴らしい関係を築いています。問題が発生したら、彼らに電話をかけます。すると、IBMチームは迅速かつリーズナブルなコストで問題を解決してくれるのです。 Senthil Kannan 需要および流通アプリケーション担当ITマネージャー Hendrickson USA
将来に向けたスケーリング

現在、Hendricksonは1回のAPI呼び出しで、トラック製造会社のシステムにASNを送信し、ASNが顧客のシステムに読み込まれたか、または積み込めなかったかをリアルタイムで確認しています。その後、Hendricksonはエラーを即座に解決できるため、荷物が顧客のドッキングステーションに到着した際には、顧客のシステムでASNが100%利用できるようになります。エラーを検出して排除できるため、顧客とHendrickson社、双方の時間と費用を削減できます。この顧客は現在、注文プロセスをはじめとする他のプロセスへのAPI機能の追加を検討しています。

Hendricksonの従業員も、B2B API Gatewayの機能に満足しています。同社の顧客がAPI接続に変換できない他のサプライヤーと取引している場合は、カスタマーポータルでASNを入力する必要があります。時折、Hendricksonの従業員にもASNの入力を指示するメールが届くことがあります。Kannan氏は次のように述べています。「当社は彼らに『当社では対応済みです。すでに準拠しているため、貴社では行う必要がありません』と伝えることができます。」すると、いつも驚かれ、感謝されます。」

IBM Sterlingソリューションが提供するハイブリッド変換機能のおかげで、Hendricksonにとってマッピングプロセスはシームレスです。「ERPシステムを変更する必要はまったくありません。変更はすべてIBMが管理しています」と同氏。「IBMは、特定の形式で処理する必要があるファイルを受け取ると、その機能を作成します。すべては舞台裏で行われているのです。」

B2B API Gatewayの拡張性も大きなメリットです。Hendricksonは、近い将来、既存のお客様がASN以外の他のAPI機能を求めるようになり、他のお客様も自分のIT環境固有のAPIマッピングを必要とするようになると予想しています。「いつになるかはわかりませんが、将来的には同様のプロジェクトがたくさんあると思います」とKannan氏は言います。「社内で何かを開発するのではなく、IBMを選んだ理由の1つがこれです。当社は製造会社であるため、期待される量に見合ったITの専門知識がありません。新規のお客様ができた場合は、IBMに案件を引き渡して、お客様の要件を満たすために、マッピングを行ってもらいます。」

「IBMとは素晴らしい関係を築いています。」と彼は続けます。「問題が発生したら、彼らに電話をかけます。すると、IBMチームは迅速かつリーズナブルなコストで問題を解決してくれるのです。現在、APIソリューションが稼働中です。これをどう成長させるかに関わらず、私たちはこれからもIBMに連絡を取るつもりです。」

Hendrickson USAのロゴ
About Hendrickson USAについて

1913年に設立されたHendrickson社(ibm.com外部リンク)は、中型および大型トラックおよびトレーラーのサスペンション・システム、アクスル、ブレーキ・システム、コンポーネントを世界の商業輸送業界に供給する民間の世界的メーカーおよびサプライヤーです。同社はイリノイ州シカゴに本社を構え、米国、カナダ、メキシコ、コロンビア、英国、ドイツ、フランス、オーストリア、ルーマニア、ポーランド、トルコ、インド、中国、日本、タイ、オーストラリア、ニュージーランドに製造および研究開発センターがあります。

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この記事で紹介されているIBMソリューションの詳細については、IBMの担当者またはIBM ビジネス・パートナーにお問い合わせください。

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© Copyright IBM Corporation 2022.IBM Corporation, IBM Supply Chain, New Orchard Road, Armonk, NY 10504

2022年8月アメリカ合衆国で制作

IBM、IBMロゴ、ibm.com、IBM Sterling、およびSterlingは、世界の多くの国で法的に登録されているInternational Business Machines Corporationの商標です。その他の製品名・サービス名はIBMまたは他社の商標である可能性があります。IBMの商標の最新リストは、Web 上の「著作権および商標情報」(ibm.com/legal/copyright-trademark)で入手できます。

本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国であっても、特定の製品を利用できない場合があります。

記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。本資料の情報は「現状のまま」で提供されるものとし、明示または暗示を問わず、商品性、特定目的への適合性、および非侵害の保証または条件を含むいかなる保証もしないものとします。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。