ホーム お客様事例 hagebau 優れたオムニチャネル・エクスペリエンスの構築
ホームセンターを運営するhagebau社、統合注文管理システムで顧客満足度の向上を推進
DIYでペイントの休憩をとり、塗料の見本について話し合っているカップル
ホームセンター市場は、世界中で着実に成長しており、住宅の所有者が室内のデコレーションから修理、建築に至るまで、自らの手で行う傾向が高まっていることを反映しています。DIY人気の勢いが増すにつれ、ドイツのhagebau社のようなホームセンターは、DIYユーザーが必要とする工具や材料、消耗品を販売することで売り上げを伸ばしてきました。

ほとんどの大手小売業者と同様に、hagebau社も実店舗での運営を強化するために、顧客に優れたデジタル・エクスペリエンスを提供する必要があることを認識していました。2018年には、ハンブルクに拠点を置く、hagebau connectという独立したデジタル・コマース部門を設立しました。同部門が主導して、hagebau社はデジタル機能の開発を急速に進めました。顧客にシームレスなオムニチャネル・エクスペリエンスを提供するという究極のビジョンの一部ですが、成長の痛みもありました。

ホームセンターを運営する企業にとって、オムニチャネルのユースケースの範囲は、扱っている商品と同じくらい多様です。たとえば、1kgのハンマーと1,500kgの庭小屋を考えてみましょう。場合によっては、顧客はオンラインで注文して店舗で受け取ることができます。また、顧客が店頭に在庫のない商品をドロップ・シッピングで注文する場合もあります。これは、ほんの一例です。このような取引が「シームレス」(ほとんどのオムニチャネルの小売業者が望んでいる質)になると、顧客はどのチャネルかにかかわらず、同じく質の高いエクスペリエンスが得られます。hagebau社がデジタル化の取り組みを始めてから1年余りが経過した2020年初頭までに、それを実現できていないことは明らかでした。

hagebau connectのプラットフォーム責任者であるJörn Hartig氏と経営陣は、デジタル活動の着実な成長により、顧客満足度に関して懸念していた問題がさらに悪化しているように感じていました。同氏によると、問題の多くは、注文のプロセスを把握できないことに起因する可能性があるということでした。「購入か返品かを問わず、注文状況について迅速に回答できなかったため、一部の顧客が不満を抱いていることがわかりました」とHaritg氏は言います。「複数の異なる注文管理システムを運用していたことで、特に複数のチャネルが関連する『ハイブリッド』取引において、盲点が生まれていました」

hagebau社はこの問題を認識していましたが、会社の成長とデジタル化の野望にはさほど大きな影響のない、比較的容易に解決できる問題と見なしていました。しかし、2020年初頭の新型コロナの感染拡大により、住宅リフォーム関連商品のオンラインでの注文が急増したとき、その考えが大きく変わりました。パンデミックによる制限に直面して、人々は家で過ごす時間が増えただけではありません。多くの人がステイホームの時間をより豊かにするために、前例のないほど財布の紐を緩めていました。hagebau社の売上が急激に増えるにつれて、注文管理の問題が深刻化しました。

100%

 

ドイツ国内のすべての店舗に透明性の高い注文管理システム(OMS)を導入

トップ2

 

エクスペリエンスの向上により、顧客満足度でホームセンターを運営する企業のトップ2に常にランクイン

サプライヤーに至るまで、すべてのチャネルにわたって透明性のある視点が必要であり、統合されたエンタープライズ・グレードのOMSが最適な解決策であることは明らかでした。 Karsten Rypholz Head of ERP hagebau
パンデミックの圧力が大胆な行動を後押し

hagebau社のERP責任者であり、注文管理プロジェクトの主要な担当者であるKarsten Rypholz氏は、今が行動を起こす時であり、無駄にできる時間はほとんどないことを認識していました。「受注管理システムとプロセスの分断が問題の根本原因であることを認識していました」と同氏は言います。「そして、サプライヤーに至るまで、すべてのチャネルにわたって透明性のある視点が必要であり、統合されたエンタープライズ・グレードのOMSが最適な解決策であることは明らかでした」

選択肢を絞り込んでいく中で、hagebau社のチームは、候補となるスケーラブルで成熟したエンタープライズ・レベルのOMSが比較的少ないことに気付きました。規模、厳しいスケジュール、そして大きな投資金額を考慮すると、この決定におけいて、カギとなる問題は信頼性だったとRypholz氏は言います。「このようなアジャイルなプロジェクトでは、エスカレーションを行う時間はありません」と同氏は言います。「エンタープライズ・グレードのOMSソリューションの導入において、優れた実績を持つパートナーを求めていました。そして、GSOT社とIBM Sterling Order Managementソリューションの組み合わせにその答えを見つけました」

選定プロセスにおけるデュー・デリジェンスの一環として、hagebau社のチームは、IBM Sterling Order Managementの迅速な実装を専門とするIBMビジネス・パートナーであるGSOT社に、概念実証(POC)ソリューションを依頼しました。hagebau社は、GSOT社の方法論と展開用ツールの有効性を実証することに加えて、POCをユースケースの定義、プロセスの問題の特定、そして問題を修正するために必要な変更のレイアウトを行うの機会と見なしました。さらに、プロジェクトの効率を最大化するために、完全なOMSの土台となるようなPOCを設計するようにGSOT社に依頼しました。

GSOT社は、リクエストどおりに6週間以内にPOCを提供し、その過程でSterlingの柔軟な API コネクタによって促進できる統合の容易さを実証しました。hagebau社はこの実績を評価して、GSOT社に完全なプロジェクトのゴーサインを出しました。プロジェクト管理およびガバナンス・サービスを提供するため、IBM Sterling Lab Servicesのデリバリー・スペシャリストが駆け付けました。

オムニチャネルの顧客の問題解決がスピードアップし、高い満足度が得られています。かつては満足度ランキングで最下位近くでしたが、今では常に1位か2位に入っています。 Matthias Schumacher 運営責任者 hagebau connect
透明性を基盤とした、シームレスなオムニチャネル・エクスペリエンス

hagebau社のデリバリー・ストラテジーでは、スピードが重要な項目でしたが、将来性も同様に重要でした。Rypholz氏は言います。「当社とGSOT社は、その両方を達成するために、Sterlingソリューションのベスト・プラクティス主導のアプローチに従い、必要に応じてソリューションを拡張して、ソリューション拡張性フレームワーク内でオーダーメイド・プロセスをサポートしています」

現在、IBM Sterlingソリューションは、ドイツ国内の約350店舗、およびオーストリア国内の45店舗のhagebaumarktの店舗に導入されています。従来のオンライン購入、店舗受け取り(BOPIS)のトランザクションに加えて、このソリューションでは、hagebau社の顧客はオンラインで購入して店舗に発送したり、店舗で購入して自宅に発送したり、オンラインで購入して店舗で返品/交換することができます。

hagebau connectのオペレーション責任者であるMatthias Schumacher氏にとって、このソリューションがより柔軟なフルフィルメント・オプション(特に特定の店舗からの注文に対応する能力)を提供してくれることは、業務効率にとどまらないメリットをもたらしています。「店舗から発送する機能により、配達距離を最小限に抑えることができるようになりました」と同氏は言います。「統合されたOMSにより、サプライチェーンの物流活動の持続可能性を改善できることをを示す素晴らしい例です」

一度に1回の注文で、満足度の高い顧客基盤を構築する

戦略的な全体像において、新しいOMSソリューションの最も重要なメリットは、購入でも返品でも、よりスムーズかつシンプルで便利なエクスペリエンスによってもたらされる顧客満足度の目に見える向上です。このシステムにより、店舗、倉庫、サプライヤーを含むすべての主要なタッチポイントにわたる注文の透明性の高い視点が得られるため、オムニチャネル顧客の不満の原因となっていた注文の「盲点」はほとんどなくなりました。これは、店舗やコールセンターの従業員が顧客の問題をより迅速に解決できることを意味する、とSchumacher氏は言います。「デジタルおよびオムニチャネルのビジネス・ニーズが増加し続けているにもかかわらず、顧客の問題解決の迅速化と満足度の向上が見られます。かつては(ドイツの小売業者の中で)満足度ランキングで最下位近くでしたが、今では常に1位か2位に入っています」

満足度が上昇している理由は、注文に関する問題の迅速な解決だけではありません。サプライヤーの在庫を可視化できるようになったことで、hagebau社の従業員は、注文に影響を与える可能性のある「危険信号」をより適切に特定して、顧客に影響を与える前に回避することができます。この機能は、以前は問題が発生しやすかった、プールや庭の物置など、大型商品のドロップ・シッピング注文に特に大きな変化をもたらしています。

パンデミックの究極のストレステストに適応したhagebau社は、スケーラブルで統合されたOMSがオムニチャネルの継続的な成長のための強固な基盤であると考えています。「当社の成功は顧客の満足に始まり、顧客の満足に終わります」とSchumacher氏は言います。「GSOT社とIBMを信頼できるパートナーとして迎えたことで、顧客が求めるシームレスなオムニチャネル・エクスペリエンスを提供できるようになりました」

hagebau社のロゴ
hagebauについて

2022年の売上が77億ユーロに上るhagebau(ibm.com外部へのリンク)は、ホームセンターを運営するドイツ最大の小売企業の1つです。「建築資材の商社」を意味する同社は、建築資材、木材、タイル、園芸用品を専門に、ヨーロッパ7ヶ国で約1,500店舗を運営しています。

ビジネス・パートナーのGSOT社のロゴ
GSOTについて

英国とインドを拠点とするGSOT(ibm.com外部へのリンク)は、迅速なオンタイム、予算内でのオムニチャネル受注管理プロジェクトを専門とするIBMビジネス・パートナーであり、顧客のチームとパートナーシップを組み、顧客のためにベスト・プラクティスと成果を提供しています。

次のステップ

この記事で紹介されているIBMソリューションの詳細については、IBMの担当者またはIBM ビジネス・パートナーにお問い合わせください。

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米国で制作(2023年10月)

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本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国であっても、特定の製品を利用できない場合があります。

引用または説明されているすべての事例は、一部のクライアントがIBM製品を使用し、達成した結果の例として提示されています。実際の環境でのコストや結果の特性は、クライアントごとの構成や条件によって異なります。お客様のシステムおよびご注文のサービス内容によって異なりますので、一般的に期待される結果を提供することはできません。本書の情報は「現状のまま」で提供されるものとし、明示または暗示を問わず、商品性、特定目的への適合性、および非侵害の保証または条件を含むいかなる保証もしないものとします。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。