デジタル化が進む世界において、教育機関は学生や教師のエクスペリエンスを向上させる新しい方法を常に模索しています。European School of Management and Business（EUDE）も例外ではありません。マドリードに本部を置くEUDEには、オンラインでトレーニングを修了する留学生が大勢います。毎年13,000人以上のオンライン上の学生が在籍する同校は、チューターと異なるタイム・ゾーンにいる者をサポートするという計画・実行上の課題に直面してきました。このため、EUDEはIBMと協力し、EDUと呼ばれる、生成AIに基づく仮想共同チューターを開発することを決定しました。

EDUは、学生とチューターの双方にリアルタイムのサポートを提供することを目的とした仮想共同チューターで、双方とも自然言語を使って質問を投げかけることができます。主な役割は、事務的な質問や学問関連の質問に即座に回答すること、そして締め切り日や試験に関する計画・実行上の質問に対応することです。このツールは、IBM Cloud^®、IBM^® watsonx.ai^™、IBM watsonx^™ Assistant、およびIBM Watson^® DiscoveryなどのIBMテクノロジーに基づいており、自然言語による対話と幅広い知識ベースへのアクセスを可能にします。EUDEは、watsonxプラットフォーム上にソリューションを構築することで、EDUが提供するコンテンツや回答、加えてそのソースや自らのデータのセキュリティーを完全に制御することができます。

デジタル・トランスフォーメーション・コースを受講している30名超の学生を対象に1週間にわたって行われた最初の試験運用で、EDUは、学生やチューターに影響を与えられることを実証しました。EDUを利用すれば、学生はより迅速な対応と高レベルのサポートを受けることができ、EUDEプログラムへの満足度と参加率も高まります。実際、何人かの学生は、今回の体験を「とても興味深い」と総括しました。試験運用を1（悪い）から10（優れている）のスコアで評価すると、「予測精度は9、テスト性能は8」とし、1回の応答あたりの処理速度が20秒未満で、「即応性」は「良好」としています。同時に、EUDEは、チューターが個別指導に集中できる時間を確保することで、チューターのエクスペリエンスを最適化することが、より戦略的なタスクの中でも不可欠であると認識しています。EDUは、チューターが定型的な質問に費やす時間を減らすように設計されているため、チューターはより難易度の高い問題や課題に取り組めるようになります。このことは、チューターの知識と技術を最大限に活用するために不可欠です。

要約すると、EDUはEUDE特有のニーズに対応する最先端のテクノロジー・ソリューションであり、より高度な教育分野における生成AIの変革的な影響を反映しています。