ホーム お客様事例 Ecogas Power10 パンデミック時、そしてそれ以降も、数百万人のエネルギーのお客様にディジタル・サービスを提供
Ecogas、IBM Power10サーバーをベースとしたハイブリッド環境にSAP HANA 2.0を導入し、100万人以上に高品質のデジタル・サービスを提供
海上ガスプラントの航空写真

新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって、Ecogasがアルゼンチンの140万人の天然ガス顧客に対する対面サービスの停止を余儀なくされたとき、デジタル・チャネルの需要の急増に備えるために迅速に行動する必要がありました。

すべての顧客がオンラインやモバイルで主要なジャーニーを完了できるようにするため、同社は最先端のIBM POWER9™、およびIBM Power10サーバー、IBM® FlashSystemストレージ、IBM® Power Systems Virtual Serverインスタンスをベースにしたハイブリッド・クラウド環境で稼働する次世代インメモリプラットフォームSAP HANA® 2.0(ibm.com外部へのリンク)に移行しました。

アルゼンチンの6つの州では、Ecogasが天然ガスを直接家庭に届けています。国のエネルギー規制当局からの委託を受けて運営されているこの組織は、信頼性が高く、便利で、手頃な価格のサービスを提供するよう努めています。

Ecogasの情報技術リーダーであるOscar Sobrero氏は次のように説明します。「長い間、アルゼンチンのエネルギー顧客に対しては、対面サービス・チャネルが主要なタッチポイントでした。お客様は、Ecogasが運営する地元の支店を訪問してサービスの新規契約や住所変更の届け出を行い、地元の銀行や第三者の集金オフィスに出向いて料金を支払っていました。私たちは、デジタル・チャネルが顧客エクスペリエンスを一変させ、これらのジャーニーにはるかに優れたスピードと利便性を提供できることがわかっていたため、変革に着手しました。」

Ecogasは過去5年間で、顧客が口座管理や請求書の支払いを行えるシームレスなオンラインとモバイルのサービス・チャネルを開発してきました。Ecogasのインフラストラクチャー・通信リーダーであるPablo Contreras氏は次のように認めています。「当社のデジタル・チャネルは着実に成長していましたが、お客様の多くは依然として当社と直接やり取りすることを好みました。それが慣れ親しんだやり方だったからです。2020年に新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生したとき、私たちはすべてが変わってしまうことがわかっていました。」

2020年、アルゼンチンは新型コロナウイルス感染症の蔓延を食い止めるため、ソーシャルディスタンスや地域のロックダウンなどの対策を導入しました。対面サービスが突然利用できなくなったため、デジタル・チャネルは一夜にして主要な顧客接点となりました。

Sobrero氏は語ります。「これまで請求書の支払いを銀行や集金ネットワークに頼っていたお客様が、代わりに当社のデジタル・チャンネルを利用するようになったため、当社のオンライン取引量が大幅に増加することはわかっていました。オンライン・サービスやモバイル・サービスに対する需要の急増をサポートするだけでなく、お客様が支店に来店せずに新規契約ができるようにすることも目指していましたが、これはまだ導入していなかった機能でした。」

35%

 

運用コストを20%削減させながら、コンピュート・パフォーマンスを35%向上

80%

 

顧客の80%がデジタル・チャネルを主要なタッチポイントとして利用するよう促進

IBMは、当社が最も信頼するITパートナーのひとつです。IBM Power Systems Virtual ServerによるPoC(概念検証)の結果と、IBMとSAPの緊密な戦略的提携に基づき、IBM Power10が当社の新しいSAP HANA 2.0ソリューションに最適なプラットフォームであることに疑いの余地はありませんでした。 Oscar Sobrero 情報技術リーダー Ecogas社

Ecogasは以前、IBM Powerサーバー上で実行されるSAP for Utilities on SAP HANAを利用してエンドツーエンドの事業運営をサポートしていました。4TBのSAP HANAデータが前年比20%の割合で増加する中、同社は既存のビジネス・システムとインフラストラクチャーでは、予測されるデジタル・トランザクション量の増加に対応できないことに気づきました。新しい要件を満たすため、同社は SAP HANA 2.0への移行を決定しました。

「SAP HANA 2.0への移行は、パンデミックという短期的な課題への取り組みに役立つだけでなく、長期的にも多くのメリットをもたらすと考えました」と、Sobrero氏は付け加えます。「企業が運用データにリアルタイムでアクセスできるようにすることで、意思決定を加速し、従業員を時間のかかる作業から解放できます。次世代データ・プラットフォームへの移行により、規制当局への月次報告書の作成など、重要なコンプライアンス活動も効率化されることも約束されました。」

デジタル・チャネルの急速な拡大

SAP HANA 2.0のコンピュートとメモリーの要件を満たすため、Ecogasは再びIBMに依頼しました。最新世代のIBM Power10プロセッサー・テクノロジーと超低レイテンシーのIBM FlashSystemストレージを組み合わせることで、SAP HANA 2.0の高いパフォーマンスを確保すると同時に、将来のデータとトランザクションの増加に向けた大きな余裕を生み出すことができます。

データベース・ SAP管理リーダーであるAlejandro Molina氏は、次のように詳しく説明します。「私たちは、IBM Powerサーバーや、さまざまなベンダーのx86システムなど、広範な評価を実施しました。IBMは、当社が要望したオールフラッシュ・ストレージ・アーキテクチャーを提供してくれただけでなく、同等の x86プラットフォームにはない価格対性能比を提供してくれました。」

選定プロセスでは、IBM Power10サーバーはまだSAP HANA 2.0の認定を受けていませんでした。ベンダーの評価プロセスを待たずにコンセプトを証明するために、IBMはIBM Power Systems Virtual ServerでクラウドベースのIBM POWER9デモンストレーション環境を構築し、IBM Power10プラットフォームがターゲットとするSAP HANA 2.0導入のコンピュート要件とメモリー要件を満たし、それを上回ることができることを示しました。

Sobreroは次のようにコメントしています。「IBMは、当社が最も信頼するITパートナーのひとつです。IBM Power Systems Virtual ServerによるPoC(概念検証)の結果と、IBMとSAPの緊密な戦略的提携に基づき、IBM Power10が当社の新しいSAP HANA 2.0ソリューションに最適なプラットフォームであることに疑いの余地はありませんでした。当社は、IBM Power10がSAP認定を受ける数か月前に契約を結んだほど、両社を信頼しています。」

Ecogasは、IBM Systems Lab Services、および信頼できるIBMビジネス・パートナーであるThe Computer と協力して、新しいITインフラストラクチャーを導入しました。同社の新しいSAP HANA 2.0本番環境は、IBM FlashSystem 5200ストレージに接続された単一のIBM Power E1080サーバーをベースとしており、IBM PowerVMで仮想化され、SUSE Linux® Enterprise Server (SLES) for SAP Applications(ibm.com外部へのリンク)オペレーティング・システムが稼働しています。Contreras氏はこう付け加えます。「SAP ApplicationsにSLESを選択することで、ミッションクリティカルなSAP ビジネス/システムをサポートするための回復力と可用性を提供できると確信しました。」

Molina氏は述べています。「The ComputerとIBM Systems Lab Servicesとの導入プロジェクトは、素晴らしい経験でした。The Computerとの関係は何年も前にさかのぼりますが、常に同社は契約上の義務を超えて、当社が課題を解決し、導入プロジェクトを軌道に乗せられるように支援してくれました。」

堅牢な災害復旧機能を提供するため、同社はIBM® Cloudを活用したハイブリッド環境を構築しました。EcogasはIBM® Spectrum Protectを使用して、ほぼリアルタイムでIBM Power Systems Virtual Serverインスタンスにデータを複製し、プライマリ・データセンターで問題が発生した場合のデータ損失やサービス中断のリスクを最小限に抑えるのに役立っています。

Sobrero氏はさらに続けます。「IBMは、新型コロナウイルス感染症という困難な状況にもかかわらず、IBMとSAPソリューションのグローバルな専門知識を活用して導入を加速し、成功を確実にするために最大限の努力をしました。IBMとThe Computerのおかげで、他のベンダーなら4か月かかるところを60日で完成させることができました。」

「IBM Power10上のSAP HANA 2.0への移行は、当社がパンデミックの間ずっと高いサービス・レベルを維持する上で重要な役割を果たしました。実際に、お客様の約80%が主なタッチポイントとしてデジタル・チャネルを使用しています。これらはすべてIBMとSAPソリューションによって可能になりました」 Pablo Contreras インフラストラクチャーおよびテレコミュニケーションリーダー Ecogas社
将来を見据えた顧客サービスを構築する

IBM Power10上のSAP HANA 2.0に移行することで、Ecogasはパンデミック以降も、シームレスなデジタル・サービスで顧客をサポートできます。この新しいソリューションにより、同社はIT運用コストを20%削減すると同時に、コンピューティング・パフォーマンスを35%向上させることができ、デジタル・サービスに対する需要の大幅な増加に対応できるようになりました。

「当社の140万人のお客様のほぼすべてが、現在、請求書を紙ではなくデジタルで受け取っています。これは顧客にとってより便利で、Ecogasにとってコスト効率が高く、環境にとってもサステナブルなものです」と、Sobrero氏は言います。「わずか数か月のうちに、デジタル請求書の導入が一気に進みました。これは、パンデミック下における IBM、The Computer、Ecogasの素晴らしい協力関係の証です。」

新しいSAPソリューションで電子署名ワークフローを使用することで、同社は完全にデジタル化された顧客オンボーディング・ワークフローを構築しました。その結果、支店が閉まっていても、同社はフルサービスを提供することができました。

「IBM Power10上のSAP HANA 2.0への移行は、当社がパンデミックの間ずっと高いサービス・レベルを維持する上で重要な役割を果たしました」と、Contreras氏は述べています。「当社の大半のお客様は、オンライン・チャネルやモバイル・チャネルが非常に便利であると感じており、支店内でのエクスペリエンスよりもそちらを好みます。実際に、お客様の約80%が主なタッチポイントとしてデジタル・チャネルを使用しています。これらはすべてIBMとSAPソリューションによって可能になりました。」

新しいビジネス・システムは、Ecogasの他の分野でもメリットをもたらしています。同社はSAP HANA 2.0で運用データにリアルタイムにアクセスできるようになり、主要なレポート・プロセスが大幅に高速化されました。

「毎月、規制当局に請求報告書を提出する必要がありますが、以前は作成に30時間かかっていました」と、 Sobrero氏はコメントしています。「SAP HANA 2.0とIBM Power10に移行してからは、規制当局への報告書をわずか6時間で作成できるようになり、時間は80%短縮されました。合計では、バックオフィス・チームの報告書作成プロセスが40%高速化されたと推定され、全体的な業務効率に大きく貢献しています。」

Ecogasは今後、進行中のデジタル・トランスフォーメーションの成功をさらに発展させていく計画です。また、IBM Power Enterprise Pools 2.0を使用して、オンプレミスのコンピュート・リソースを動的かつコスト効率よく拡張し、業務量のピークに対応する可能性を模索しています。

「IBMとの提携の最も優れた点は、その盤石なソリューションと優れた技術サポート、成熟した製品ロードマップです」と、Sobrero氏は結論づけています。「IBMは、当社がデジタル・サービスを強化し続ける上で重要なパートナーであり、アルゼンチン全土のエネルギー顧客にさらに高品質のサービスを提供できることを楽しみにしています。」

Ecogasロゴ
Ecogasについて

Ecogas(ibm.com外部へのリンク)は、アルゼンチンの6つの州で、家庭や企業に天然ガスを供給しています。規制独占企業である同社は、約30,000kmにわたる供給ネットワークを通じて140万人の顧客にサービスを提供しています。

次のステップ

この記事で紹介されているIBMソリューションの詳細については、IBMの担当者またはIBM ビジネス・パートナーにお問い合わせください。

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法務

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2022年8月アメリカ合衆国で制作

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