Coop Group

IBM Power Systems 上の SAP HANA を使用した、ほぼリアルタイムの小売在庫管理でイノベーションを促進

より柔軟なショッピング体験を求める顧客の需要の高まりに応えるために、Coop Group は幅広い製品でのクリック・アンド・コレクト・サービスを提供したいと考えていました。しかし、在庫が適切な場所に最適のタイミングで確実に配置されるにはどうすればよいでしょうか?同社は、ほぼリアルタイムで在庫レベルのインサイトを得て計画プロセスを改善する必要がありましたが、そのためには大量の運用データ処理が必要でした。これを達成するために Coop Group は現在、IBM® Power® Systems 上で稼働する SAP HANA を利用した SAP Customer Activity Repository アプリケーションを、シングルインスタンスのスケールアップ実装で活用しています。このアプリケーションは、SAP for Retail、SAP Business Warehouse および関連する SAP アプリケーションに基づいて、包括的な SAP ソリューション・ランドスケープに統合されています。

ビジネス上の課題

顧客の目標:

  • 消費者がモバイルやオンラインで注文し、最寄りの店舗で購入品を受け取るオムニチャネルのショッピング体験を備えて、従来の小売ビジネス・モデルを拡張することで顧客満足度の向上を図ります。
  • 信頼性の高いほぼリアルタイムの在庫データを常にオンライン・ストアに提供して顧客サービスを向上します。
  • スイス全土に広がる Coop Group の大規模な店舗ネットワークを効果的に活用し、フル統合したオムニチャネル・サービスを提供して、競争上の優位性を高め、新規顧客を獲得します。
  • SAP HANA インスタンスの規模をシームレスに拡大して年間 30% のデータ増加をサポートします。
  • 必要に応じて開発システムを迅速に提供できる準備を整えて、イノベーションのサポート、新機能や新ツールの市場投入までの時間の短縮を図ります。

 

IBM および SAP ソリューション
  • SAP ERP 搭載の SAP for Retail、SAP ERP Human Capital Management、SAP Customer Relationship Management、SAP Forecasting and Replenishment for Retail、SAP Global Trade Services、SAP Hybris、SAP Supplier Relationship Management を含む幅広い SAP ソリューション。
  • SAP HANA を利用した SAP Business Warehouse および SAP Customer Activity Repository アプリケーション。
  • 動的リソース割り当て、マイクロパーティショニング、Capacity on Demand、IBM PowerVM Live Partition Mobility などを含む IBM® PowerVM® Enterprise Edition による高度な仮想化。
  • SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications を備えた SAP HANA 用の IBM Power® System E880 サーバー 4 台。
  • IBM AIX® 上で実行される SAP アプリケーションおよび Oracle Database インスタンス用の IBM Power System E880 サーバー 4台。

 

結果 ほぼリアルタイム
ほぼリアルタイムの在庫データのインサイトにより、計画と流通プロセスを改善
5倍
85% 削減されたプロセッサ・コアによる、ほぼリアルタイムの迅速な分析で、データ使用がより効果的に
20 倍
SAP HANA のプロビジョニングの高速化により俊敏性が向上し、迅速なイノベーションを促進
ビジネス上の課題の詳細
ビジネス上の課題とプロジェクト目標

Coop Group は顧客行動の変化に順応する必要がありました。オンラインショッピングやモバイルショッピングが一般的になり、消費者は小売業者に大きな期待を寄せています。顧客に Coop Group を継続して利用してもらい、新規顧客を獲得するために、同社は消費者がオンライン上で商品を閲覧して在庫状況を確認し、オンラインやモバイルで商品を選択して購入したあとで、顧客の最寄りの地域の店舗で、都合の良い時間に購入品を受け取れるようにしたいと考えていました。

この新たな柔軟性を顧客に提供するため、Coop Group はオンラインと実店舗を密接に連結したオムニチャネル戦略を開始し、スイス全土に広がる店舗網を活用してクリック・アンド・コレクトを展開することにしました。しかし、この新しい統合サービスにより、在庫計画の複雑さが大幅に増加し、CoopGroup の全拠点での在庫レベルをほぼリアルタイムで把握する必要性が高まりました。

Coop Group の ERP プロセス責任者であるトーマス・ヴィールハウアーは、次のように説明します。「在庫情報が正確で、顧客がオンラインで注文した商品を、実際に顧客が希望する時間に希望する店舗で受け取れるようにすることが大きな課題です。このサービスを提供するには、事業プロセスを変革し、全拠点の在庫レベルの最新情報を取得する必要があり、非常に高速で強力なテクノロジーが求められます」

統合され複雑化した事業全体で使用するデータ量が急速に増加したことにより、Coop Group の IT システムの利用率が高まりました。このため、容易な拡張性と合理化されたシステム管理が同社にとっての主要な懸案事項となりました。

Coop Group のリード IT アーキテクト、クリストフ・カルトは次のように解説します。「毎年 30 %ずつデータが増加しているため、事業プロセスに影響を与えず、コストを増加させず、管理・運営の負担を増やすことなく、オムニチャネルへの取り組みを含む小売戦略をサポートできる柔軟な IT ソリューションが必要でした。

新たなビジネスチャンスを開拓し、競争に先んじるために、Coop Group はこのシステムを使用して、新しい商業アイデアの開発およびテストを迅速かつコスト効率よく実現することも視野に入れていました。革新的な新サービスの市場投入までの時間を短縮することは、変化の速い小売市場で成功するために不可欠です。

投資コストから運用コスト、拡張性、管理に至るすべてを考慮した結果、IBM Power Systems が SAP HANA データベースに最適なソリューションでした。 Thomas Vielhauer Head of ERP Processes Coop Group
概要と経緯の詳細
IBM Power Systems で SAP HANA を実行

当初の IT 環境

Coop Group は事業を管理するために SAP アプリケーションを包括的に実行しています。数年前、同社は高度な IBM PowerVM 仮想化テクノロジーを使用して、約 300 台の SAP アプリケーション・サーバーとデータベースを、専用システムから IBM Power Systems プラットフォームへ統合することに成功しました。それ以来、Coop Group は SAP アプリケーション・サーバーと Oracle Database インスタンスを IBM AIX 上で実行してきました。最初に IBM Power 795 サーバーに移行後、Coop Group は現在、IBM POWER8® プロセッサーを搭載した 4 台の IBM Power System E880 サーバーで SAP 環境を実行しています。IBM Power Enterprise Pool 機能を使用すると効率が最大化されるため、企業は 4 台のサーバー間で必要な処理能力とメモリー容量を持つワークロードを柔軟にシフトできます。

Coop Group のアプリケーション環境は、SAP ERP 搭載の SAP for Retail、SAP Customer Activity Repository、SAP ERP Human Capital Management、SAP Supplier Relationship Management、SAP Customer Relationship Management、SAP Forecasting and Replenishment for Retail、SAP Business Warehouse、SAP Global Trade Services、SAP Hybris Eコマース・ソリューションで構成されています。

データ分析を高速化するために、Coop Group は合計 3 TB のメモリを備えた 768 個の x86 プロセッサ・コアをベースにした SAP Business Warehouse Accelerator ソリューションを実装し、64 の個別のオペレーティング・システム・インスタンスを実行しています。

Coop Group は SAP Customer Activity Repository として SAP HANA データベースを導入しました。同社は、仮想化せずにスケールアウト・アプライアンス・ソリューションで大規模環境を実行していました。3 TB の SAP HANA データベースを処理するために、同社は合計 320 個の x86 コアを備えた 8 ノード・クラスターを運用しました。

SAP Customer Activity Repository アプリケーションを実行しているシステムにとって、ワークロードの総量が大きな課題となっていました。クリストフ・カルトは次のように述べています。「以前は、プラットフォームの制限のため、SAP Customer Activity Repository 分析に使用するデータの量を削減する必要がありました。このため、ほぼリアルタイムの在庫移動情報を取得することが困難でした」

技術的ソリューション

Coop Group は変革戦略を推進するために、SAP HANA 環境の拡張を検討した際、基盤となるサーバー・アーキテクチャを簡素化し、すべてのソリューションとアプリケーションで SAP インフラストラクチャー環境を標準化することを決定しました。これは、SAP HANA データベースを IBM Power Systems サーバーに移行することを意味します。

トーマス・ヴィールハウアー氏は次のように述べています。「当社の主要な SAP アプリケーションとデータベースで使用した過去の経験から、IBM Power Systemsのプラットフォームの信頼性と管理要件の低さを知っていたので、SAP HANA が高性能な POWER8 プロセッサーベースのサーバーでどのように動作するか知りたかったのです。

Coop Group は、IBM および SAP のチームと緊密に連携して、ミッションクリティカルな SAP Customer Activity Repository および SAP Business Warehouse アプリケーションを、IBM Power System E880 サーバーで稼働する SAP HANA に移行しました。

クリストフ・カルトは次のように振り返ります。「実装と移行に 2 か月未満という非常に短期間で完了できました。最初から最後まで非常にスムーズに進み、このようにビジネスクリティカルな大規模システムの移行中に、IBM と SAP の両方からサポートを得られてうれしく思いました」

サーバー・アーキテクチャー

SAP アプリケーション・サーバーとともに複数の大規模 SAP HANA データベースを稼働できるように新しいサーバーのサイズを調整して、Coop Group は IBM POWER8 プロセッサーを搭載した 4 台の IBM Power System E880 サーバーを導入しました。サーバーは個別のデータセンター 2 か所に設置され、両方で冗長性を提供しています。このデータセンターは 130 km 離れているため、すべてのデータは非同期ストレージ・ミラーリングを介して 2 拠点間で同期されます。いずれかのサイトで災害が発生した場合でも、手動フェイルオーバー手順によって事業の継続が確保されます。

同社は、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications を備えた IBM Power Systems サーバー上で SAP HANA データベースを稼働しています。これは SAP によって検証および認定された最適化済みオペレーティング・システム・プラットフォームです。SAP と SUSE は、ミッションクリティカルな SAP アプリケーションで可能な限り最高のパフォーマンスを実現するために開発協力しています。最適化には、ページ・キャッシュのパフォーマンスを向上させるためのカーネル・チューニング・オプションと、新しい展開を高速化するための SAP HANA のインストール手順の簡素化が含まれます。さらに、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications には、SAP アプリケーション専用機能のパッチ、修正、更新をアップデートするためのアップデート専用チャネルがあります。ビジネス・リスクの軽減を促すため、このソリューションでは、SAP と SUSE からシームレスで総合的な優先サポートを受けられるようになっています。

クリストフ・カルトは次のように詳しく述べています。「IBM AIX を稼働する完全仮想化 IBM Power Systems に対する幅広い経験を持っているため、私たちはこのプラットフォームの仕組みをすでに知っていました。そのため、IBM AIX 環境で得た概念と構成の知識を基にして、この経験を IBM POWER プロセッサー上で稼働する SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications を備えた新しい SAP HANA ソリューションに活用できました。これにより、迅速に開始でき、運用と管理プロセスの合理化が促進されました」

トーマス・ヴィールハウアーは次のようにコメントしています。「当社のすべての SAP アプリケーション (SAP HANA 上で実行されるアプリケーションと従来のデータベース上で実行されるアプリケーション) を単一のサーバー・プラットフォーム上に配置して、当社の IT インフラストラクチャを標準化しました。これにより、管理とメンテナンスに費やす時間が大幅に短縮されました」

高度な IBM PowerVM 仮想化機能を利用して、チームは SAP HANA データベース用に専用の論理パーティション (LPAR) をセットアップし、常に最適なパフォーマンスを維持するようにしました。2 つの最大の SAP HANA データベースは、専用供与モードで構成された 96 個の IBM POWER8 プロセッサー・コアを備えた LPAR 上で稼働します。

アプリケーション・サーバーについては、Coop Group が各マシンに共有プロセッサー・プールを設定しました。負荷が低い場合、2 つの大きなパーティションも予備の処理能力を共有プールに提供します。専用論理パーティションと共有論理パーティションを組み合わせることで、利用可能なコンピューティング容量とメモリ容量を非常に柔軟に使用できるようになります。これらの動的論理パーティションは、手動でのパフォーマンス調整が不要で、必要に応じて共有リソース・プールからプロセッサー・コアまたはメモリーの量を増やして使用できます。IBM PowerVM は、使用可能なサーバー・リソースと未使用のサーバー・リソースを最も負荷の高い論理パーティションに自動的に割り当てて、パフォーマンスを向上させ、手動による管理要件を最小限に抑えます。

柔軟性がさらに高まることで、Coop Group はスタッフ、ユーザー、顧客向けのアプリケーションやデータベースを中断することなく、各拠点の 2 台のサーバー間でアクティブな論理パーティションを簡単に移動できます。IBM PowerVM Live Partition Mobility (LPM) 機能は、チームが計画されたダウンタイムのほとんどを回避できるため、スムーズなシステム・メンテナンスをサポートします。IBM Power Systems Capacity on Demandと組み合わせることで、メンテナンスなどに対応するためにプロセッサ・コア数とメモリ数を一時的に増やし、IBM Power System E880 サーバー 1 台で通常よりも多くのシステムを稼働できます。

クリストフ・カルトは次のように述べています。「IBM Power Systems のプラットフォームの高度な仮想化機能と容易な拡張性が SAP HANA 環境の移行を決定する重要な要因でした」

現時点では、Coop Group は SAP アプリケーション用の SUSE Linux Enterprise Server を使用して SAP HANA を稼働する論理パーティションと、個別の物理サーバー上で IBM AIX オペレーティング・システムを実行するパーティションを維持しています。インフラストラクチャをもっと包括的に統合したい場合、Coop Group は単一の IBM Power System E880 サーバー上で、異なるオペレーティング・システム (IBM AIX や Linux など) と論理パーティションをミックスすることも可能です。

IBM Power Systems アーキテクチャ上の SAP HANA

IBM Power Systems の柔軟性とパフォーマンスを活用して、Coop Group は SAP HANA アプリケーションを SAP HANA Tailored Datacenter Integration (TDI) コンフィギュレーションに実装しました。フル仮想化環境では、IBM Power System プラットフォームに組み込まれているすべての信頼性およびパフォーマンス機能のメリットが得られます。

Coop Group、IBM、SAP は緊密に連携して、同社の SAP Business Warehouse を IBM Power Systems 上で稼働する SAP HANA に移行しました。

また、Coop Group は SAP Customer Activity Repository を IBM Power Systems 上の SAP HANA に移行しました。クリストフ・カルトは次のように説明します。「SAP HANA クラスター内の一部のテーブルのパーティション分割は難しい場合があり、マスター・ノードとバックアップ・ノードが求められるため、ソリューションの全容量を使用できませんでした。IBM Power Systems に移行することで未使用のリソースを削減し、実際には使用できない容量に発生する使用料を回避したいと考えました」

トーマス・ヴィールハウアーは次のように認めています。「当社のビジネス戦略の長期的な成功を支援するために、SAP Customer Activity Repository アプリケーションを SAP HANA に移行することにした推進要因の 1 つが拡張性でした。ベンダーがまったく同じサーバー・ハードウェアを提供しなくなったため、既存のクラスターに新しいノードを単純に追加することは無理でした。異なるノードを混在させる選択肢もなかったため、容量を追加するためだけなのに、クラスター全体を交換する以外に手立てがないように思えましたが、これはあまりコスト効率の良い提案ではありませんでした。サーバーの耐用期間中に、必要に応じてアクティヴ化できるプロセッサ・コアとメモリを増やせると、投資をより効果的に保護できます。IBM Power Systems が急速に拡大する SAP HANA 環境に推奨されるプラットフォームになる理由がこれです」

IBM PowerVM を使用することで、Coop Group は会社のビジネス要件を満たすためにもっと規模の大きい仮想マシンを配置できます。システムの無停止の成長パスにより、全体的な可用性が向上し、ビジネス・リスクが軽減されます。設置する物理サーバーの台数を減らすと、ケーブル配線、電源の接続、ネットワーク機器のセットアップなどの日常的なタスクを含む、手動による設定の作業負荷が軽減されます。

 

巨大な SAP Business Warehouseアプリケーションを IBM Power Systems 上のSAP HANA で稼働させた有意義な経験から、24時間年中無休の信頼性が絶対不可欠な、さらに規模を拡大した SAP ERP アプリケーションにもこのプラットフォームを使用できると確信しています。 Christoph Kalt Lead IT Architect Coop Group
成果の詳細
お客様に喜ばれる革新的な新サービスの提供

プロジェクトの成果

同社は在庫データに関するほぼリアルタイムのインサイトを取得し、計画と流通プロセスを改善し、デジタル変革イニシアチブを支援しました。クリストフ・カルトはこう述べています。「IBM Power Systems 上で SAP HANA を実行することで在庫管理と分析が 5 倍スピードアップしました。これにより、プランナーやアナリストは在庫レベルの最新データをより効果的に使用できるようになります。これは在庫データの収集と合わせて、計画分析をより迅速に実行できることを意味し、プロセスを合理化し、適切な製品を最適なタイミングで適切な支店に確実に届けることが可能です」

かつての Coop Group では SAP Customer Activity Repository に保存し、分析できるデータは 3 か月分だけでした。現在は IBM Power Systems 上の SAP HANA でアプリケーションを実行しているため、チームは 9 ~ 12 か月分のデータを分析でき、ビジネスのパフォーマンスと効率についてより有意義なインサイトを得られます。

しかし、最大の成果はおそらくCoop Group の SAP インフラストラクチャの簡素化でしょう。複雑なスケールアウトの x86 クラスター・システムからスケールアップに移行することで、同社は最大の SAP HANA データベースをより簡単に運用できるようになりました。クリストフ・カルトは次のように述べています。「SAP Customer Activity Repository のために 1 つの大型 SAP HANA データベースに対して 8 台のサーバーを稼働する代わりに、必要なインスタンスは 1 つだけになりました。必要に応じて、ボタンを押すだけで数分以内に柔軟なスケールアップを実行できます。これは、必要に応じて追加のプロセッサーとメモリーをアクティブ化できる Capacity on Demand 機能のおかげです。サーバーの台数が減ったことで物理的な設置面積が 50% 削減され、床面積が大幅に節約され、エネルギーコストが半分になりました」

クリストフ・カルトの説明はこうです。「IBM Power Systems と PowerVM の仮想化により、リソースをはるかに効率的にプロビジョニングできます。これまでは大規模な SAP HANA 実働システムを新しく提供する必要がある場合、新しい物理アプライアンスを購入し、インストールし、構成する必要がありました。現在では、必要に応じて新しい論理パーティションを簡単にセットアップできるため、大きくなった新 SAP HANA システムのプロビジョニング・プロセスが最大 20 倍高速化され、大幅な改善が見られます。このようにリソースをより迅速に利用できるようになったことで、変化する顧客要件やビジネス要求に迅速に対応し、クリック・アンド・コレクト・サービスなどの革新的な新しいアイデアを展開できるようになりました」

パフォーマンスの向上

変化の激しい小売市場で成功を収めるには、さまざまなシステム間でのデータの迅速な処理と交換が必須です。IBM Power Systems で SAP HANA に移行した後、Coop Groupはさまざまなパフォーマンスの明白な向上から恩恵を受けています。

SAP Business Warehouse Accelerator から IBM POWER8 プロセッサーで実行される SAP HANA に移行することで、Coop Group はプロセッサー・コアの数を 85% 削減し、パフォーマンスを 5 倍以上向上させました。

同様に、SAP Customer Activity Repository アプリケーションをサポートする SAP HANA データベースを、より高度な IBM POWER8 プロセッサを搭載した IBM Power Systems サーバーに移行することで、チームはプロセッサー・コア数を70%削減し、パフォーマンスを5倍に向上させました。

SAP HANA TDI ソリューションを稼働させるために、Coop Group は SAP HANA Hardware Configuration Check Tool(HWCCT)を使用して多くの SAP テストを完了し、コンフィギュレーションが SAP HANA を円滑に稼働させるための最小要件を満たしていることを確認する必要がありました。そして、 IBM Power Systems ではディスクのスループットが 34 倍向上し、ディスクの遅延が 50% 削減されたことにチームは感銘を受けました。クリストフ・カルトは「 IBM POWER8 アーキテクチャーは確実に優れた I/O パフォーマンスを提供するので、要求の厳しいミッション・クリティカルなワークロードに適しています」とコメントしています。

次のステップへ

Coop Group は IBM Power Systems 上の SAP HANA の信頼性とパフォーマンスに非常に満足しています。同社はすでに IBM と SAP と協力し、SAP Customer Relationship Management アプリケーションの SAP HANA 移行に着手しており、このメモリサイズは 2 TB を予定しています。この移行に続き、Coop Group は中期的に SAP ERP アプリケーションの中核を支える大規模データベースを SAP HANA に移行する予定で、最新の SAP HANA サイズレポートによれば、約 15 TB の SAP HANA メモリーが必要になると見込まれています。

クリストフ・カルトは次のようにまとめています。「巨大な SAP Business Warehouse アプリケーションを IBM Power Systems 上の SAP HANA で稼働させた有意義な経験から、24時間年中無休の信頼性が絶対不可欠な、さらに規模を拡大した SAP ERP アプリケーションにもこのプラットフォームを利用できると確信しています。

トーマス・ヴィールハウアーは「投資コストから運用コスト、拡張性、管理に至るまで、あらゆることを考慮すると、IBM Power Systems が当社の SAP HANA データベースにとって最適なソリューションでした」と、結論付けています。

IBM Power Systems と PowerVM 仮想化によってリソースをより効率的にプロビジョニングできます。 Christoph Kalt Lead IT Architect Coop Group
Coop Group ロゴ
Coop Group

スイス全土で 2,200 以上の店舗とアウトレット店を運営するCoop Group (リンクは ibm.com の外にあります) は、スイス最大のスーパーマーケット・チェーンの 1 つです。同社は食品の製造、流通、卸売を行っており、ヨーロッパ全土のレストラン、ホテル、社員食堂に商品を納入しています。

バーゼルに本社を置く Coop Group は、約250万人の組合員と約85,000人従業員を擁し、その年間売上高は 283 億スイスフラン( 281 億米ドル)です。
 

次のステップ

IBM Power Systems 上の SAP HANA の詳細については、IBM 担当者または IBM ビジネス・パートナーにお問い合わせいただくか、 ibm.com/power/hanaにアクセスしてください。

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法務

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2016年4月、アメリカ合衆国で製作。

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