音声には非常に多くのニュアンスがあるため、分析可能なテキストに変換することは技術的に大きな課題と言えます。Cedat 85社は音声認識テクノロジーの最前線においてどのようにして地位を強化できるのでしょうか。

Cedat 85社は、IBMの高速サーバーのパワーを利用してニューラル・ネットワーク・モデルのトレーニングを高速化することで、より多くのプロジェクトに取り組み、より早く成果をもたらすことができるようになりました。

何百年、何千年もの間、人類は音声を使って複雑なアイデアや感情を迅速かつ効果的に伝えてきました。しかし、音声のみを分析するには、まず文書記録を作成しなければならず、時間と参考情報が必要となります。

音声認識テクノロジーは、音声を分析可能な文字テキストに自動変換することで、この状況を変えることを目指しています。Cedat 85社は、30年以上にわたり、音声テキスト変換ソリューションにおいて画期的な進歩をもたらしており、メディア、官公庁・自治体、金融サービス、保険、テクノロジー、マーケティング部門、コンタクト・センターなどのお客様が、ますます複雑化する要求に対応できるよう支援してきました。

Cedat 85社のManaging Director（マネージング・ディレクター）、Enrico Giannotti氏は次のように説明します。「音声は非常に複雑な現象です。私たちはさまざまな言葉、方言、言語モデルを使って話します。音声は非常に動的なものであり、日々新しいフレーズが発明され、既存の単語の意味が変化するため、音声認識ソリューションの開発は、動く標的を射止めるようなものになる可能性があります。」

2002年以来、Cedat 85社は音声テキスト変換ソリューションを支える高度なニューラル・ネットワークを構築しており、そのアルゴリズムは時間の経過とともにより複雑で正確なものになっています。開発を次の段階に進めるために、同社はモデルのトレーニング・サイクルを短縮したいと考えていました。以前は、インフラストラクチャーの制限により、ニューラル・ネットワーク・モデルのトレーニングに数週間、場合によっては数カ月もかかることがありました。トレーニングが完了するまでにモデルの精度に関する洞察がほとんど、あるいはまったく得られないため、このプロセスはリスクが高く、時間がかかりました。

Giannotti氏は次のようにコメントします。「私たちは膨大な量のデータを使用してモデルをトレーニングします。処理時間を短縮するためにインフラストラクチャーをGPUで強化しても、成果が得られるまでには依然として長い時間がかかりました。各プロジェクトは非常に時間と参考情報を費やすため、チャンスを先延ばしせざるを得ませんでした。分析と音声対応ソリューションの普及に伴い、音声テキスト変換の新市場は常に誕生しています。そこで私たちは、競合他社に遅れをとらないよう、より迅速に行動することにしました。」

Cedat 85社は、データおよび計算集約型のIBM Power Systemsサーバーを活用し、質の高い成果を迅速にお客様に提供します。IBMインフラストラクチャーは、ソリューションの市場投入までの時間を短縮することにより、同社にとって重要な競争上の優位性を確立するのに貢献します。

Giannotti氏は次のコメントしています。「IBM Power Systems AC922サーバーを使用すると、ニューラル・ネットワーク・モデルのトレーニングを2.4倍高速化することができます。そして重要なのは、このような時間の節約が精度を犠牲にすることはないということです。私たちは最近、公的部門のお客様向けにパイロットを実施しましたが、さまざまな地域のアクセントや方言に対応するようにモデルを調整する必要がありました。数週間以内に、英語モデルのユースケースに適用したところ、その精度がほぼ10%向上しました。これまでならこのプロセスには数カ月かかったことでしょう。この改善は、当社のAIエンジニアの専門知識、当社独自のアルゴリズム、そしてIBMインフラストラクチャーの超高速処理の組み合わせによるものです。」

トレーニング時間が短縮されることにより、エンジニアがニューラル・ネットワーク・モデルの微調整が必要かどうかを確認するまで待つ必要がなくなるため、Cedat 85社のリスクも軽減されます。同社のプロジェクトを引き受ける能力も向上し、新たなビジネスチャンスを獲得できるようになりました。

Giannotti氏は次のように説明します。「IBM Power Systems AC922サーバーを導入することにより、私たちはより実験的な試みができるようになります。というのも、欠陥のあるモデルのトレーニングのために、一度に数カ月にもわたってインフラストラクチャーを停止させる、といったことを心配することなく、さまざまなことを試すことができるからです。また、既存のお客様や将来のお客様に対してより積極的な対応が可能となり、収益を向上させることができると同時に、IBMソリューションへの投資を数カ月以内に回収することもできます。」

Cedat 85社は将来を見据えて、他のIBMテクノロジーを自社の製品やサービスにどう統合できるかを調査しています。具体的には、IBM Watsonツールが、お客様のためにテキストからさらなる価値を引き出すのにどう役立つかを模索しています。

そして、Giannotti氏は次のように結論付けています。「IBMインフラストラクチャーのサポートにより、私たちは毎日、お客様のために音声から数十億語のテキストを作成しています。最新のIBM Power Systemsサーバーを導入することで、当社は音声テキスト変換ソリューションの開発をリードし続けることができると確信しています。次はIBMと提携して、さらに優れた製品やサービスを市場に投入できる可能性があります。」

Cedat 85社は、イタリアのローマに拠点を置く、音声テキスト変換テクノロジーおよびサービスのマーケット・リーダーです。同社は世界中に500社を超えるお客様を抱え、33年にわたって経験を積み重ねてきたことにより、Gartner社による2018年の競争環境分析において、「音声テキスト変換アプリケーション」部門で世界トップ11社ならびに欧州トップ5社の1社に選定されました。同社は国際ブランドSpeech-iを通じて世界中で事業を展開しています。