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Broadridge社が金融の未来に向けてスケールアップ
株価チャートのあるモニターに囲まれた部屋で作業する人々

1日あたり6兆ドル。米国における株取引とプロキシー事業の市場トップシェア。これらはBroadridge Financial Solutions社の利害に影響を与えるものです。精度と信頼性は贅沢ではなく必須条件です。日常作業のごく小さなミスでさえ、会社の評判だけでなく、ウォール街の安定そのものを揺るがしかねません。

Broadridge社は金融サービス業界の中核を担うフィンテックのヒーローであり、世界の金融市場で日々行われる取引を人知れず支えている企業です。

「金融業界は私たちを通して動いています」とBroadridge社でCIO(最高情報責任者)を務めるMark Schlesinger氏は述べています。「当社は顧客エンゲージメントの強化、効率の最適化、リスクの回避、成長の促進を図ることで企業のビジネス変革を支援します。」

業界におけるテクノロジー主導のソリューションに対する需要の高まりを活用するため、Schlesinger氏とそのチームは既存インフラの外部委託、内部コストの削減、スピードと拡張性の向上を目指しました。そのために、Broadridge社ではあらゆる段階で信頼できるパートナーが必要でした。

「社内では最終的に、市場での立ち位置、金融サービス業での立ち位置、サービス提供能力というすべての観点から、IBMが最適解であるという意見で一致しました」とSchlesinger氏は述べています。

金融サービスの未来に関する参考情報

より高速な処理

 

基幹システムの処理速度が20–30%向上

より迅速なデータ移行

 

週末7回でデータ移行を完了

9カ月から1年かかったかもしれない作業を、週末7回で完了できました。 Scott Anderson氏 IT担当バイスプレジデント Broadridge Financial Solutions社

IBM® ConsultingのチームがBroadridge社と集中して本案件に取り組み、事業の中断というリスクを冒すことなく積極的なプロジェクト計画を策定しました。

「私たちは兄弟のようなものです」とIBMグローバル・プロジェクト・エグゼクティブのLoyd Simpsonは述べています。「忌憚のない意見を交わしながら、お客様にとって最良の結果となるよう協力しています。」

その精力的な取り組みから革新的なソリューションが生まれました。取引量が極限まで増えた場合に備えた処理能力と、顧客基盤の増大に対応できる容量を備えたプライベートクラウド環境です。全面的な変革といえます。

Broadridge社でIT担当バイスプレジデントを務めるScott Anderson氏は、「資産を自社で所有する形態から真のアウトソーシング関係へ根本的に移行し、IBMにその管理を任せたことは、私たちにとって大きな変化でした」と述べています。

革新的なソリューションのための次世代テクノロジー

課題は明らかでした。柔軟でスケーラブルな新システムにデータとデータ処理をすべて移行することです。作業は複雑ではあるものの可能な範囲でした。本当の問題は、時間がないことでした。

平日はBroadridge社が常に国際金融市場に接続しなければならないため、立ち入ることができません。そこでIBMは、週末に作業を行うという斬新なアイデアを提案しました。Broadridge社は、IBM iSeriesクラウドテクノロジーを使用すれば新規システムを設計するよりもはるかに早く、プライベートクラウド・インフラへの移行が可能でした。

週末の作業により、移行はわずか7回で済みました。4カ月という期限より早くプロジェクトを達成したのです。

「9カ月から1年かかったかもしれない作業を、週末7回で完了できました」とAnderson氏は述べています。

プロジェクトが期限内に終了しただけでなく、Broadridge社とそのお客様が事業を止めることは一切ありませんでした。移行はシームレスに行われ、新しいプラットフォームには「いつでも利用できる堅牢なサービス群」が備わっているとSchlesinger氏は述べています。Broadridge社はこれにより、大容量の顧客向け基幹システムの多くで処理速度を20–30%向上できます。新たなクラウドテクノロジーのおかげで、同社はさらに迅速な顧客オンボーディングをかなえられます。また、世界中の新市場に事業を拡大するための拡張性も手にします。

「社内ではこれをBroadridge 3.0と呼んでいます。実際、Broadridgeを次のレベルに引き上げるものだからです」とSchlesinger氏は述べています。「次世代テクノロジーを活用したイノベーションのABCDと呼ばれるものです。AはAIとロボティクス、Bはブロックチェーン・ソリューション、Cはクラウド、Dはデジタルを表します。」

社内ではこれをBroadridge 3.0と呼んでいます。実際、Broadridgeを次のレベルに引き上げるものだからです。 Mark Schlesinger氏 Broadridge Financial Solutions社、最高情報責任者
イノベーションに向けたロードマップ

Schlesinger氏とBroadridge社の歩みはここで終わりではありません。この変革が大きな成功を遂げたので、自社の事業を未来に推し進めるための次の機会をすぐに特定しました。Broadridge社は今後、複数年にわたる戦略的提携の一環としてIBM提供のBroadridgeプライベートクラウドを構築します。またグローバル・インフラの大部分をIBMに移行し、業界で最も包括的なKubernetesであるRed Hat OpenShift(リンクはibm.com外)を導入する予定です。

「私たちがクラウド戦略を推進することで、お客様は柔軟性とレジリエンスの高い業界トップのテクノロジー・プラットフォームを活用できるようになります」とSchlesinger氏は述べています。「また、Broadridge社の製品ロードマップ実現を早めることができ、お客様はより素早く新しい業界ソリューションにアクセスできるようになります。」

ブロードリッジロゴ
Broadridge社について

2007年に設立されたBroadridge社(リンクはibm.com外)は、40億米ドル超の売上高を誇る世界的なフィンテック企業です。同社は日々、世界有数の企業や金融機関と連携して数百万ドルの取引を処理し、75%を超える北米世帯との通信を対応しています。

次のステップ
人身売買を阻止するためのデータ活用 スイスのとある銀行がISO 20022を利用してデジタル・トランスフォーメーションを展開した方法 人口の大半が銀行口座を持たないベトナムの状況を変えたいと願うTechcombank社
脚注

© Copyright IBM Corporation 2020. IBM Corporation, IBM Consulting, New Orchard Road, Armonk, NY 10504

米国で製作、2020年9月

IBM、IBM LOGO、およびibm.comは、世界の多くの国で法的に登録された、International Business Machines Corporationの商標です。その他の製品名・サービス名はIBMまたは他社の商標である可能性があります。IBM商標の最新リストは、ウェブ上の「著作権および商標情報」 www.ibm.com/jp-ja/legal/copytrade.shtmlで入手できます。

Red Hat®およびOpenShift®は、米国およびその他の国におけるRed Hat社またはその関連会社の商標または登録商標です。

本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国であっても、特定の製品を利用できない場合があります。

記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。本資料の情報は「現状のまま」で提供されるものとし、明示または暗示を問わず、商品性、特定目的への適合性、および非侵害の保証または条件を含むいかなる保証もしないものとします。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。