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ビジネスの俊敏性を高めることで、世界的な成長の促進と規制順守の徹底を図っています
BRF本社

ブラジルを拠点とする食品メーカーBRF社は過去10年間にわたり、世界市場に進出しながら急速に拡大していきました。アプリケーションのパフォーマンスを改善し、ブラジルの新規規制への準拠を徹底するため、SAP® ERP Central Component(ECC)環境をSAP HANA®をIBM® Power SystemsとIBM® System Storageで実行する環境に移行しました。

ビジネス上の課題

BRF社が目指していたのは、ブラジルの新しい税法と人事(HR)規制への準拠を徹底すると同時に、事業活動でのSAPアプリケーションのパフォーマンスを世界的に向上させることでした。

概要と経緯

BRF社はSAP ECC環境をレガシー・システムから移行しました。移行先に選んだのは、IBM Power SystemsとIBM System Storageでホストされるメモリ・データベース内のSAP HANAでした。

結果 最大98%
財務報告の処理時間短縮率
62%
保管スペースの削減率
サポート
ブラジルの新しい労働法と税法に準拠
ビジネス上の課題の詳細
成長に向けた体制づくり

BRF S.A.社は過去10年の間に、世界最最大級の食品メーカーとして、中南米、欧州、アジア、中東に拠点を構えるほどに成長しました。同社は成長に伴い、ミッションクリティカルなITアプリケーションへの負荷が重くなり、人事やサプライ・チェーン管理などの主要事業の遂行能力に支障が出ていることに気づきました。

BRF社でグローバルITコンサルタントを務めるEverton Cardoso氏は次のように説明します。「当社は2010年の設立以来、驚異的なペースで成長してきました。今後数年もこの成長ペースを継続していく計画です。この計画を達成するうえで不可欠となるのが、急成長に伴い生じる活動能力の限界を克服することです。例えば、SAP ERP Core Component(ECC)アプリケーションは、急増する需要を処理するのに苦労しており、俊敏性の低下と今後の拡大の支障となっています。

ビジネスをより俊敏かつ効率的にするためにBRF社が目をつけたのは、世界中で1万9,000人を超える従業員が使用するITシステムのパフォーマンス向上でした。同時に、ブラジルの新しい税法と労働規制に準拠した状態を常に維持することも目指しました。

新しい規制では、収益が7,800万ブラジルレアル(2,030万米ドル)を超える法人は、人事アプリケーションをeSocial(ブラジル政府が新規導入した中央集中型人事データベース)に統合することが義務付けられます。この規制の趣旨は、雇用データの連邦機関への報告を合理化・集中させて、雇用企業の管理コストを軽減することにあります。

Everton Cardoso氏は次のように続けます。「コア・ビジネス用アプリケーションの基盤となるITインフラストラクチャーを刷新すれば、パフォーマンスを合理化し、今後の成長を支えることができると確信していました。同時に、ブラジルの複雑な新しい労働規制と税務規制に社内のシステムとプロセスを確実に準拠させる好機と考えました」

 

将来どのような状況になっても、IBM Power SystemsとIBM Storageは、増加していくワークロードを処理し、世界的な拡大に必要な俊敏性を維持するだけの能力を備えているという信頼が揺らぐことはありません Everton Cardoso氏 グローバルITコンサルタント 食品大手BRF社
概要と経緯の詳細
成功を実現

BRF社は新しい規制体系に基づき人事と税務関連の義務を管理するとともに、アプリケーションのパフォーマンスを向上するために、SAP ECCソリューションを最新強化パッケージにアップグレードし、SAP Tax Declaration Framework for Brazil(TDF)モジュールを実装しました。

Everton Cardoso氏のコメント:「新しいSAP ECC強化版とSAP TDFの実行基盤としてSAP HANAを選択したことは、SAP ECC環境全体をSAP HANAに移行する好機となりました。移行は新規制の準拠に役立つうえ、アプリケーションのパフォーマンスを向上させる利点メリットもあります」

BRF社がSAP HANA環境で新しいSAP ECCをホストするために選択したのが、SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsオペレーティングシステムを実行するIBM Power Systems E870Cサーバー2台でした。ストレージには、IBM® System Storage DS8870アレイを選択し、効率性と柔軟性の最大化を図りました。IBMハードウェアをサービスとしてのインフラストラクチャーとしてデプロイすることで、柔軟性と迅速な拡張性をさらに高めました。SAP TDFは、IBM® Cloud Bare Metal Servers(SAP社認定済み)で実行されるSAP HANAに実装されました。

Everton Cardoso氏は次のように説明を続けます。「IBMとのパートナーシップは2006年から長期にわたって続いている強力なものです。その結果IBMは、当社ビジネスに関する詳細な知識を年々積み上げてきました。こうした良好な協力関係は、このプロジェクトのパートナーとしてIBMを選択する重要な要因でした。何より、IBM PowerとIBM Storageの信頼性、パフォーマンス、セキュリティーが申し分ない点は重々承知しています。IBMのテクノロジーでITインフラストラクチャーをアップグレードすることにより、間接費を大幅に増やすことなく成長と規制への準拠を促進できます」

IBM ServicesとIBM Lab ServicesはBRF社およびSAP社と連携して、タイトな締め切りどおりに移行を完了しました。Cardoso氏は次のように振り返ります。「当社の事業規模を踏まえ、SAPからは移行予定期間として13カ月と提示されましたが、SAP HANAでSAP ECCが稼働するまでに必要だったのはわずか5カ月でした。振り返ってみると、これほど短期間に完了した点で、型破りなプロジェクトだったと思います。例えば、テストしなければならなかったシナリオは約1万6,000通りと、当社ビジネス全体の膨大なユーザーによる労力もかなり必要でした」

「IBMとSAPは実装中、IBM Power SystemsとIBM Storage環境へのSAP HANA移行作業に驚くほど熱心に取り組み、サポートしてくれました。最終的な本番稼働プロジェクトはわずか22時間で完了しました。どんなにすごいことかと言うと、他社の多くはこの作業の完了に4日はかかるでしょう」

 

BRF社が将来成長するための強力な土台作りに共に取り組むうえで、今後もIBMとの提携を続け、相互理解を深めることを期待しています Everton Cardoso氏 グローバルITコンサルタント 食品大手BRF社
成果の詳細
グローバル成長の新たな段階へ突入

BRF社はミッションクリティカルなSAP ECC環境をIBMシステムで実行されるSAP HANAに移行することで、データベースに必要なストレージ量の低減とコア・ビジネス用プロセスの加速というメリットと共に、人事や税務の報告実務をブラジルの新しい規制要件に確実に準拠させることができています。

IBM Power SystemsでホストされるSAP HANA環境でSAP ECCを使用することで、データベースに必要なストレージ容量は大幅に削減しました。この点についてCardoso氏は次のように説明します。「従来のデータベースは約26TBと大型であったため、管理がきわめて困難でした。IBM ServicesとSAPと共に移行に取り組む際、データを徹底的にアーカイブとクリーンアップする方針を取ることで、データベースを約10TBと、62%以上縮小できました」

縮小後のSAP HANAデータベースは、保守とストレージに必要な容量が小さくなっただけでなく、SAP ECCアプリケーションのパフォーマンス向上にも役立っています。

Cardoso氏は次のように述べています。「IBM Power SystemsとIBM StorageでSAP HANA環境をアップグレードして以来、SAP ECC内の主要機能の実行ペースが大幅に速くなっています。以前は、SAP Financial Information Managementで財務レポートの実行に8時間、他の市場でも2時間以上かかっていました。SAP Financial Information ManagementをIBM Power Systems上のSAP HANAで実行するようになって、この時間はブラジルではわずか8分(削減率98%の激減)、他国でも90分(同28%)に短縮しました。

パフォーマンスに関しても他のプロセスの多くで顕著な改善が見られます。例えば、全国的なコストの監視と調整に使用されるSAP Controllingでの実行動作は、IBM Power SystemsでSAP HANAを稼働するようになって、平均50%速くなっています。また、パフォーマンス分析処理の所要時間は37%短縮しています。

同社は、IBMの新しいインフラストラクチャーのスタンドアロン能力にも感銘を受けており、Cardoso氏は次のようにコメントしています。「IBMとの長年の協力関係から、ハードウェアの品質は既に熟知していました。IBM Power SystemsサーバーとIBM System Storage DS8870アレイについても、信頼性、パフォーマンス、セキュリティー、拡張性に満足しています。このインフラストラクチャーはIBMが自社のデータセンターでホストしているため管理が簡単なうえ費用対効果が高く、容量を増やしたい場合は、リクエストするだけで用が足ります。支払いも使用分のみで済みます。

BRF社は将来的に、SAP HANA環境のSAP Business WarehouseをIBM Cloud Bare Metal Serversに移行する予定で、追加機能のSAPアプリケーションとの統合を検討しています。ストレージをIBM® FlashSystem A9000にアップグレードして、パフォーマンスのさらなる向上も計画しています。

Cardoso氏は次のように展望を語ります。「当社には長期的なIT戦略があり、その一環として、他のSAPモジュールを追加し、SAP S/4HANA®への移行も視野に入れています。将来どのような状況になっても、IBM Power SystemsとIBM Storageは、増加していくワークロードを処理し、世界的な拡大に必要な俊敏性を維持するだけの能力を備えているという信頼が揺らぐことはありません」

BRF社はIBM Power SystemsとIBM System Storageを基盤とするSAP HANA環境でSAP ECCアプリケーションを実行することで、ブラジルの新しい労働規制の完全準拠を達成軌道に乗っており、世界食品業界のリーダーとしての地位を盤石にする態勢にあります。

Cardoso氏は次のように締めくくります。「IBMとは、当社が将来成長するための強固な基盤を共に構築しながら、今後も協力関係を継続し、相互理解を深めていきたいと思います」

BRF社ロゴ
食品大手BRF社

BRF社(ibm.com外部へのリンク)は世界最大手クラスの食品企業です。30以上のブランド・ポートフォリオには、Sadia、Perdigão、Qualy、Paty、Dánica、Bocatti、Confidenceなどがあります。同社の製品は、5大陸150カ国以上で販売されています。

 

次のステップ

IBM SAP協力会社の詳細については、IBMの担当者またはIBMビジネス・パートナーにお問い合わせいただくか、次のウェブサイトをご覧ください:ibm.com/power/saphana

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